来年度予算案決定、最大の106.6兆円 コロナ予備費5兆円

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『政府は21日の閣議で一般会計総額106兆6097億円の2021年度予算案を決定した。当初予算としては20年度より3.8%増え、3年連続で100兆円を突破した。新型コロナウイルス対策の予備費を5兆円積んだほか、社会保障や防衛の費用は過去最大を更新する。税収見積もりは11年ぶりに減少し、歳入の4割を借金に依存する財政構造になる。

15日に決定した20年度第3次補正予算案と一体で編成し「15カ月予算」と位置づけた。21年1月召集の通常国会に関連法案とともに提出する。当初予算の歳出総額は9年連続で過去最大を更新した。

予備費はコロナ対策で5兆円を災害などに備える通常分5000億円とは別に積む。感染防止に向け保健所や国立感染症研究所の体制を強化する。菅義偉政権の看板政策では21年9月にデジタル庁を設置し、官民の高度専門人材500人規模の体制をつくる。

総額の3割超を占める社会保障費は20年度当初に比べ0.3%増の35兆8421億円に達する。医療や介護などの高齢化に伴う自然増は4800億円と見込む。薬価改定で1000億円抑制し、実質的な伸びは3500億円にとどめた。介護報酬の改定率を0.7%増とするほか、待機児童の解消に向け保育の受け皿を整備する。

公共事業費は6兆695億円。20年度当初に消費増税対策の「臨時・特別の措置」として7900億円ほどを計上した反動で見かけ上は減る。今後5年間で事業規模15兆円の「国土強靱(きょうじん)化」計画として20年度第3次補正に1.6兆円を計上し、大部分を21年度に繰り越す。実質的な規模はほぼ同じ水準を維持する。

米軍再編関係などを含む防衛費は0.5%増の5兆3422億円で、7年連続で過去最高を更新した。中国や北朝鮮の軍事力向上に対処するため新型ミサイルの開発を強化する。文教・科学振興費は2%減の5兆3969億円になる。小学校で35人以下学級の導入を始める。

地方交付税交付金などの一般会計からの支出は15兆9489億円。特別会計からの拠出金を含めた配分ベースの交付税は17.4兆円と5%ほど増やし、地方税収が減る自治体に配慮する。

歳入については、税収が当初比で9.5%減の57兆4480億円を見積もる。企業業績の低迷で法人税などが落ち込む。20年度は当初の63.5兆円から第3次補正後に55.1兆円まで下方修正している。新規国債の発行額は当初ベースで11年ぶりに増え43兆5970億円に上る。赤字国債が37兆2560億円を占める。税外収入は15.5%減の5兆5647億円になる。

借金に頼らずにどれだけ政策経費を賄えるかを示す国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は20兆3617億円の赤字で、20年度当初の2.1倍に膨らむ。21年度末に普通国債残高は990兆円になる見込みで過去最大になる。』