11月の欧州新車販売、14%減 ロックダウン響く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1701N0X11C20A2000000

※ 今日は、こんなところで…。

『【フランクフルト=深尾幸生】欧州自動車工業会(ACEA)が17日に発表した2020年11月の欧州主要18カ国の新車販売台数(乗用車)は、前年同月比14%減の93万8985台だった。マイナスは2カ月連続。新型コロナウイルスの感染再拡大で、各国が部分的なロックダウンなどの行動制限を導入したことが響いた。

販売台数は最大市場のドイツが3%減の29万台だった。販売店の店頭営業が禁止されたフランスと英国はともに27%減った。スペインやイタリアを含む5大市場全てが前年割れした。

メーカーグループ別では、首位の独フォルクスワーゲン(VW)の販売台数は15%減で、シェアは25.2%と0.2ポイント下げた。2位は仏グループPSA(12%減)、3位に仏ルノー(16%減)と続いた。

日本勢ではトヨタ自動車が4.1%減でシェアは5.3%と0.5ポイント上昇。日産自動車の販売台数は14%減、マツダは32%減、三菱自動車は38%減となった。

18カ国の1~11月の累計は前年同期比26%減の971万515台だった。12月はフランスで店頭営業が再開したものの、ドイツは16日から店舗営業が禁止されるなど厳しい状況が続く。』

好調な需要回復を受け2020年の米新車販売予測を上方修正
(米国)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/11/2f2e712dc3d64603.html

『ゼネラルモーターズ(GM)やトヨタなど在米主要自動車メーカーから成る自動車イノベーション協会(AAI)(注1)は10月28日、主要調査機関による2020年の新車販売台数の予測台数などをまとめた報告書を公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

報告書によると、2020年第3四半期(7~9月)の自動車販売台数は前年同期比9.2%減の約390万台となり、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響により落ち込んだ第2四半期(4~6月)の33.3%減に比べて減少幅が大幅に縮小(注2)した。また、米市場調査会社JDパワーの試算として、直近の10月の販売台数の年率換算台数(季節調整済み)が1,590万台となったことや、前年同月からの下げ幅が新型コロナにより需要が低迷して以降最小の80万台にとどまったことなどが紹介された。さらに、10月の販売台数のうち、レンタカーなどを除く個人消費者向けが前年同月比3.0%増と伸びたことも報告され、新車需要は好調な個人消費により順調に回復しているとの見方が示された。

こうした中、英調査会社IHSマークイットは特に個人向けの回復を評価し、2020年の年間販売台数について、6月時点の予測台数の1,270万台から1,430万台に上方修正した(添付資料図参照、2020年6月9日記事参照)。同社はまた、2019年の水準である1,700万台以上への回復は2025年以降になるとの見方も示した。

英調査会社LMCオートモーティブも、6月時点の予測台数の1,340万台から1,420万台に上方修正した。また、米調査会社ワーズ・インテリジェンスは、2020年末にかけて販売が順調に回復することで2021年には年間販売台数が1,600万台を超えると見込む。新型コロナが経済に与える打撃から自動車業界が救うことになるだろう、との前向きな見方を示した。他方で、中古車残存価値評価機関のオートモーティブ・リース・ガイド(ALG)は6月時点の見込みを据え置き、1,260万台と予測した。しかし、移動制限が夏の間も続き、年末まで失業者が増加するという3月時点でのシナリオの下で予測されていた1,120万台よりは需要が上向くとみている(2020年4月9日記事参照)。

(注1)2020年1月に、GMなど米系メーカーやトヨタなどをメンバーとする米国自動車工業会(AAM)と、ホンダや韓国の現代自動車など外資系メーカーをメンバーとするグローバル・オートメーカーズが統合。加盟メーカーで全米の自動車生産台数の99%を占める。

(注2)データ出所、取得時期などが異なるため、ジェトロがこれまで報告した値とは異なる。

(大原典子)

(米国)

ビジネス短信 2f2e712dc3d64603』

ドイツ自動車大手、第3四半期の中国市場販売台数は前年同期比で増加
(ドイツ、中国)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/11/c55917c250486b47.html

『ミュンヘン発

2020年11月05日

フォルクスワーゲン(VW)グループは10月29日、2020年第3四半期の販売台数を発表した。これで、BMW、ダイムラーを含むドイツ自動車大手の第3四半期の販売実績がそろった。3社ともに、第3四半期の販売台数は回復傾向にあるものの、2020年上半期の落ち込みを取り戻すまでには至っていない。特徴的なのは中国における販売台数で、3社ともに第3四半期は前年同期比で増加した。

VWグループPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の2020年第3四半期の販売台数(注1)は、前年同期比1.1%減の261万2,000台となった。2020年1~9月では18.7%減の650万5,000台。VWによると、第3四半期に回復をみせた大きな要因は中国市場で、第3四半期の中国における販売台数は前年同期を3%上回ったという。VWグループは、2020年通年の販売台数について、新型コロナウイルスの影響を受け、前年水準を大きく下回るとしている。また、2020年の世界の乗用車新車販売台数は前年比15~20%減、西欧は約25%減になると予測している。

ダイムラーPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の2020年第3四半期の乗用車販売台数(注2)は、前年同期比6.3%減の56万6,581台だった。2020年1~9月では16.7%減の144万6,086台。中国での販売台数は、それぞれ前年同期比で第3四半期23.4%増(21万3,846台)、1~9月でも5.2%増(54万1,585台)となった。一方、欧州、北米の1~9月の販売台数は前年同期比27.4%減(53万2,388台)、25.5%減(18万9,554台)にとどまった。

BMW外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの2020年第3四半期の乗用車販売台数(注3)は、前年同期比8.6%増の67万5,680台となった。2020年1~9月では12.5%減の163万8,316台。バッテリー電気自動車、プラグインハイブリッド車の販売台数は1~9月で前年同期比20.0%増の11万6,381台となり、特に第3四半期は46.6%増(5万4,719台)を記録した。地域別では、中国が第3四半期31.1%増(23万612台)、1~9月でも6.4%増(55万9,681台)だった。欧州も第3四半期は7.1%増(27万5,618台)となったのに対し、米国は15.7%減(7万8,634台)と回復のペースが遅れている。

(注1)乗用車に加えて、VWグループ内のスカニア、マンのトラック台数を含む。

(注2)メルセデス・ベンツおよびスマートの合計。

(注3)BMW、ミニ、ロールスロイスブランドの合計。地域別の数値にはロールスロイスを含まない。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、中国)

ビジネス短信 c55917c250486b47』

メーカー別販売台数(※ 国内自動車各社の販売台数)
『メーカー別販売台数 2020年11月
メーカー別の表には、従来どおり国内メーカーの海外生産車等は輸入車に含まれます。  ※ブランド別統計とは異なります』

【悲報】11月の車名別新車販売ランキングがとんでもない事になるwwwwwwwww
http://cysoku.com/archives/84566412.html

『1位 トヨタ「ヤリス」:1万9921台(-)
2位 トヨタ「ライズ」:1万627台(前年同月比142.0%)
3位 トヨタ「アルファード」:1万109台(前年同月比175.9%)
4位 トヨタ「ハリアー」:9897台(前年同月比561.7%)
5位 トヨタ「カローラ」:9653台(前年同月比90.2%)
6位 トヨタ「ルーミー」:9112台(前年同月比127.8%)
7位 トヨタ「シエンタ」:7187台(前年同月比69.6%)』

乗用車ブランド通称名別順位
http://www.jada.or.jp/data/month/m-brand-ranking/
『乗用車ブランド通称名別順位 2020年
※ 軽自動車および海外ブランドを除く
※ ブランド通称名とは、国産メーカーの同一車名を合算したものであり、海外生産車を含みます。
※ 前年比欄について、前年の台数がない場合や、前年比の桁数が5桁を超える場合は空白で表示しております。
※ 発売1年未満の車は、前年比欄に発売した年月を記載しております。』

自動車関連メーカー従事者、新車販売の回復は「2022年」と予測 矢野経済調べ
2020/12/09 08:30
https://www.msn.com/ja-jp/autos/news/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E5%BE%93%E4%BA%8B%E8%80%85%E3%80%81%E6%96%B0%E8%BB%8A%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%AE%E5%9B%9E%E5%BE%A9%E3%81%AF%E3%80%8C2022%E5%B9%B4%E3%80%8D%E3%81%A8%E4%BA%88%E6%B8%AC-%E7%9F%A2%E9%87%8E%E7%B5%8C%E6%B8%88%E8%AA%BF%E3%81%B9/ar-BB1bKFsW

『矢野経済研究所は、「アフターコロナの自動車産業」に関する法人アンケート調査を実施。分析結果の一部を公表した。

調査は8月から9月にかけて主に自動車メーカー、自動車関連部品メーカー等に所属する20代~70代以上の205名に対して実施。新型コロナウイルス(COVID-19)禍における世界の主要国・地域別新車販売台数への影響や回復時期(予想)、CASEの研究開発への影響、これから注目される技術、サプライチェーンへの影響などについて分析した。

コロナ禍における新車販売台数への影響(各国・地域別に単数回答)については、世界全体における2020年は「とても減少」45.4%、「やや減少」51.2%になり、回答者の96.6%がマイナス成長を予想。2021年は「とても減少」が36.1ポイント下がり9.3%、「やや減少」が2.9ポイント下がり48.3%になり、「やや増加」は20.5%に上昇している。

主要国・地域別では、中国における需要回復の影響が大きく、2021年の同市場において「やや増加」と回答した比率は42.9%となり、「とても減少」「やや減少」を合わせた25.9%を上回る。引き続き2021年も厳しい市場環境が続くと予想されているのが南米、西欧、中東欧・ロシア、日本。「とても減少」「やや減少」の回答比率の合計は60%近くを占めている。

新車販売台数の回復時期(予想)については、世界全体では「2022年」が45.4%を占めており、「2021年」は23.9%、「2023年」は19.0%となった。主要国・地域別にみると、中国の回復時期が最も早く「2020年後半」が32.7%、「2021年」は38.0%。米国についても「2021年」が31.7%を占めており、2021年以降は米中が新車販売台数をけん引することが示唆される。

一方で、コロナ禍で経済が停滞しているアセアンやインド、感染拡大が収まらない西欧、南米については「2022年」とする回答が40%前後。日本についても「2022年」が41.0%、「2021年」は25.9%という結果だった。

また、コロナ禍によって変化の起きる自動車産業分野(複数回答)についてCASEと回答した層に対し、注目技術(複数回答)を聞いたところ、上位3つは、第5世代移動通信(5G)、センサー(レーダ/カメラ/LiDAR/超音波)、OTA(車載ソフトウェアの遠隔更新サービス)という結果だった。

5GはC-V2X(セルラーV2X)として車両の位置情報、各種データ更新、走行情報の共有化、インフォテイメントでの利用が期待されており、2026年以降の本格実用化に向けて実証実験が各国で進んでいる。特に中国はスマートシティとADAS/自動運転、C-V2X(セルラーV2X)の普及拡大を国家政策で推進。5Gの自動車への利用は日米欧よりも早く始まると予想される。

センサーおよびOTAはADAS/自動運転の重要技術であり、センサーの性能向上とコストダウン、OTAによる車載ソフトウエア更新が求められている。ただし、OTAによる車載ソフトウエア更新は技術的ハードルが高く、通信セキュリティ、インフラ整備なども必要なため、車両への搭載が本格的に進むのは2025年以降になると考える。』

イラン核合意、米復帰に高い壁、条件の違い鮮明に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16BJI0W0A211C2000000

『【ウィーン=細川倫太郎、イスタンブール=木寺もも子】米国の離脱で崩壊の瀬戸際にあったイラン核合意の「復活」へ向けた動きが始まった。次期米大統領に就任するバイデン氏は復帰に意欲を示し、イランも義務を履行する用意を表明した。両者が求める条件やタイミングを巡る意見の隔たりは大きく、道のりは険しい。

核合意の当事国である英独仏中ロとイランは16日、オンラインで次官級の会合を開いた。ロシアの在ウィーン国際機関代表部のウリヤノフ常駐代表は終了後、ツイッターに「参加国は核合意を強く支持し、外交努力を続ける用意があることを確認した」と投稿した。21日に閣僚級会合を開くことでも合意した。

関係国は、2021年1月20日に発足するバイデン次期米政権に期待している。「イランが厳格に合意を履行するなら、米国は核合意に戻る」。バイデン氏は米紙のインタビューで核合意への復帰に前向きな姿勢を示した。イランのロウハニ大統領も16日の会合に先立ち「米国次第だ。道は開かれている」と述べた。

米復帰へのハードルは高いとの見方もある。バイデン氏は、条件としてイランが核合意を厳密に履行することを挙げている。イランは18年に米国が一方的に核合意を離脱して対イラン制裁を復活させた後、段階的に合意義務から逸脱してきた。国際原子力機関(IAEA)の最新の報告書によると、イランの低濃縮ウランの貯蔵量は定められた規定より約12倍多い。米国内ではイランの弾道ミサイル開発計画の停止も求めるべきだとの議論もある。

イラン最高指導者のハメネイ師は16日、国営テレビを通じ「米国の(イランへの)憎悪はトランプ大統領が離れた後も終わらない」と不信感をあらわにした。11月には著名な核科学者モフセン・ファクリザデ氏が暗殺される事件があり、イランは米国と親密なイスラエルが関与したとみる。穏健派のロウハニ氏も、まずは米国が先に核合意に復帰し、制裁の損害の補償もした上で、イランが合意義務を履行すると主張する。

イランは12月上旬、2カ月以内に制裁が緩和されなければ、ウラン濃縮度を20%まで引き上げることなどを定めた法律を成立させた。20%まで濃縮度を高めれば、核兵器級とされる90%までの到達は容易になるとされている。法律ではIAEAの抜き打ち査察の停止も定める。今のところIAEAはイランは査察官を全面的に受け入れていると報告しているが、停止すればイランの核活動の把握は困難になる。グロッシ事務局長は米メディアとのインタビューで、IAEAが将来も適切に査察ができるかは「核合意の参加国の決定にかかっている」と述べた。

任期切れ間際のトランプ米政権はイランへの圧力を強めている。16日には米国が禁じるイランの石油化学製品輸出にかかわったとして、アラブ首長国連邦(UAE)、中国、ベトナムの企業の資産を凍結するなどの制裁を矢継ぎ早に発動した。ムニューシン財務長官は「米国はイランの石油化学製品の販売に関与する不正行為を支援する者に対し行動する」と話した。こうした動きはバイデン次期米政権とイランの交渉を難しくしそうだ。

ウィーン外交筋によると、イランは16日の会合で、原油輸出禁止など米制裁の緩和へ支援を求めた。英独仏は米国の強力な制裁を恐れて有効な手立てを示せないのが現状だ。欧州がイランとの貿易を継続するために設立した貿易取引支援機関(INSTEX)も事実上、機能していない。』

スウェーデン国王、コロナ死者増「我々は対策失敗した」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17CFG0X11C20A2000000

『【ロンドン=佐竹実】スウェーデンのカール16世グスタフ国王は、自国の新型コロナウイルス対策について「失敗したと思う」と述べた。店舗などを閉鎖しない緩いロックダウン(都市封鎖)を続けてきた同国では、感染者数と死者数の増加に歯止めがかからない状況が続いている。

地元メディアが17日報じた。グスタフ国王は国民向けのテレビ演説で、「多くの人が亡くなったことは非常につらく、我々は失敗したと思う」と語った。人口1千万人のスウェーデンではこれまでに約35万人が陽性となり、約7800人が死亡した。人口10万人あたり死者数は英仏伊よりは少ないが、北欧では突出して多い。

スウェーデンは大人数の集会を禁じるなどの対策は取ったものの、学校や飲食店は閉めなかった。春先の感染初期から厳格なロックダウンを敷く欧州の他の国には倣わず、独自の対策を進めてきた。

夏には死者数が減った時期もあったが、ここへ来て再び増加している。英BBCによると、ロベーン首相は15日、「専門家は第2波を過小評価していた」と述べた。

もっとも、厳格なロックダウンが正解かどうかについては議論がある。失業者の増加など負の影響が大きいほか、規制と緩和の繰り返しになるため持続的な対策ではないとの指摘もある。』

ロシア選手団、東京五輪出場できず 個人は条件付き

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1800V0Y0A211C2000000

『【パリ=白石透冴】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は17日、組織的なドーピングがあったとして、ロシア選手団の東京五輪・パラリンピックなどへの参加を認めないとの判断を下した。選手個人はドーピングの疑いが無いことなどを条件に参加できるが、国旗や国歌の使用は認めない。

ロシア選手団は2022年12月までの2年間、五輪などへの参加を禁じられる。22年の北京冬季五輪からも除外されることになる。

参加を認められた個人としてのロシア選手も、ユニホームに「ロシア」と合わせて「中立の選手」と英語で表記しなければいけない。ロシアはこの間、五輪などの開催地としての立候補もできなくなる。

不正に関わったとされるロシア反ドーピング機関(RUSADA)には、事実関係の調査にかかった経費として127万ドル(約1億3千万円)を世界反ドーピング機関(WADA)に支払うよう命じた。

WADAは「不正のないスポーツを世界中で実現するために重要だ」とCASの判断を歓迎した。欧州メディアによると、ロシアのオリンピック委員会幹部は「受け入れがたい」などと不満を表明した。CASはスイスにあるため、ロシアがスイスの連邦最高裁に上訴する可能性もある。

WADAは19年、ロシアのドーピング検査データに多数の改ざんがあったなどとして、ロシア選手団の主要大会への参加を4年間禁じると発表した。ロシアが異議を申し立てたため、CASが審議していた。』

日中ビジネス往来、出足低調 中国側が厳格要件

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM148D20U0A211C2000000

『【北京=羽田野主】11月に日中両政府が合意したビジネス往来の出足が極めて低調だ。日本のビジネスマンが出張を申請しても、中国側が滞在先での「専用車」の用意や「専用エレベーター」の設置などの厳しい要件を求めているためだ。中国側はこうした内容を一般に公開しておらず、不透明な対応に疑問の声もでている。

ビジネス往来では、短期の出張者や駐在員を対象に、新型コロナウイルスで厳しく制限されてきた両国間の往来を再開する。新型コロナの陰性証明や行動計画を提出すれば相手国に渡航しても、2週間の外出自粛を特別に免除されるのが目玉だ。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が11月下旬に訪日し、茂木敏充外相と会談して合意した。

ところが在中国日本大使館関係者は足元で「利用実績はほぼゼロだ」と明かす。深刻なのは日本からの出張者だ。

中国当局は日本のビジネスマンが訪中した際、空港からの「直接移送」と滞在先での「閉鎖管理」を求めている。中国の日本大使館や日系企業が具体的な内容を照会すると、中国側は専用の車と運転手を用意することや、会社や宿泊するホテル内に専用のエレベーターや通路を確保するよう要求してきた。直接のビジネスの相手でない社員らとの接触は禁止で、食事スペースも別に用意する必要があるという。

日本を出る前に中国の地方政府や関係官庁が発行する「招待状」の取得も義務づけているが、実際の入手は極めて難しい。

北京駐在の大手家電メーカーの関係者は「普通のビジネスマンはまず利用ができない。運用基準も不透明でリスクがある」と話す。日本政府関係者も「活用するにしても、中国が求める工場勤務の日本の技術者くらいではないか」と話す。

日本側は中国のビジネスマンや中国駐在員らに入国から14日間の公共交通機関の使用を禁止したうえで、滞在先と仕事先の往復を認めている。だが、中国からの出張者は帰国後、2週間程度の外出自粛を義務付けられている。

中国外務省の趙立堅副報道局長は「お互いの人の往来を促進し、業務・生産再開を支援する積極的措置だ」とアピールする。日本政府関係者からは「このままでは中国の宣伝に使われるだけになりかねない」との声も聞かれる。』

新型コロナワクチン開発など 今年の十大成果―米科学誌

『米科学誌サイエンスは18日号で2020年の十大成果を掲載し、新型コロナウイルスのワクチン開発をトップに選んだ。研究者や製薬企業、各国政府などが協力し、ワクチン開発や臨床試験を急速に進めたことはかつてないと高く評価した。
1位は「新型コロナ猛威」 社会部長が選ぶ十大ニュース

 英国が2日、米製薬大手ファイザーと独企業ビオンテックが共同開発したワクチンを承認。カナダや米国も緊急使用を認め、各国で接種が始まった。
 それ以外の成果は順不同。ノーベル化学賞の授与対象になったゲノム編集技術により、血液の遺伝性疾患治療の臨床試験が成功したことや、インドネシアで現生人類(ホモ・サピエンス)が描いた最古とみられる洞窟壁画が見つかったことなどが選ばれた。』

インドネシアの洞窟に4万年前の壁画、人類最古級と判明
https://www.asahi.com/articles/ASLC94S3ZLC9ULBJ009.html

インドネシアのカリマンタン島(ボルネオ島)の洞窟で見つかった動物などの壁画が、人類最古級となる4万年以上前に描かれたことがわかった。スペインでも同じくらい古い時代の動物の壁画が残っており、離れた地域で同時期に動物を描く文化が生まれていたことになる。インドネシアやオーストラリアなどの研究チームが、英科学誌ネイチャーに発表した。

 カリマンタン島の洞窟には多くの壁画が残されており、今回の壁画は2014年に発見された。壁画の多くは赤茶けた色で、酸化鉄を多く含む土を「絵の具」のように壁面に塗って描いたらしい。インドネシアに当時からいた野牛「バンテン」とみられる角が生えた動物や、人の手に土を吹き付けた手形、やりを持ち、髪飾りを付けたとみられる人間の姿が見つかった。

 研究チームが今回、新たに年代…(※ 有料記事なんで、ここまで)』

ラスコー洞窟
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BC%E6%B4%9E%E7%AA%9F

『ラスコー洞窟(ラスコーどうくつ、仏: Grotte de Lascaux)は、フランスの西南部ドルドーニュ県、ヴェゼール渓谷(英語版)のモンティニャック(英語版)の南東の丘の上に位置する洞窟である。先史時代(オーリニャック文化)の洞窟壁画で有名である。

ラスコー洞窟の壁画は、アルタミラ洞窟壁画と並ぶ先史時代(フランコ・カンタブリア美術(英語版))の美術作品である。これは1940年9月12日、モンティニャック村の少年が、穴に落ちた飼い犬を友達3人と救出した際に発見された[2][3]。洞窟の全長は200メートル程度[4]。地下に長く伸びる洞窟は枝分かれし、壁画が集中している大空間などがいくつかある[注釈 2]。洞窟の側面と天井面(つまり洞窟の上半部一帯)には、数百の馬・山羊・羊・野牛・鹿・かもしか・人間・幾何学模様の彩画、刻線画、顔料を吹き付けて刻印した人間の手形が500点もあった。これらは20,000年前の後期旧石器時代のクロマニョン人によって描かれていた。炭酸カルシウム形成が壁画の保存効果を高めた「天然のフレスコ画」と言うことができる[6]。』
『壁画
材料として、赤土・木炭を獣脂・血・樹液で溶かして混ぜ、黒・赤・黄・茶・褐色の顔料を作っていた。顔料はくぼんだ石等に貯蔵して、こけ、動物の毛、木の枝をブラシがわりに、または指を使いながら壁画を塗って描いたと考えられる。この壁画には、古い絵の上に新しい絵が重ねて描いてある。絵画の空間としてはあまり意識せずに描いてある。

無数の壁画がある内の1つ、黒い牛の絵の角に遠近法が用いられている。手前の角が長く描かれ、奥の角は手前の角より短く描かれている。そのほかの人・動物にも、遠近法が用いられている。』

『洞窟の公開

ラスコー洞窟の入口
1948年7月14日、洞窟は一般公開された[7]。かつては大勢の観客を洞窟内に受け入れていた[7]が、観客の吐く二酸化炭素により壁画が急速に劣化したため、1963年以降から、壁画の外傷と損傷を防ぐため、洞窟は閉鎖された。現在は壁画修復が進む一方、1日に数名の研究者らに応募させ入場・鑑賞させているほかは、ラスコーの壁画は1963年4月20日[8]に非公開とされている。[9]

オリジナルの洞窟の近くにレプリカの洞窟「ラスコー2」が1983年に作られており、こちらは一般見学が可能である[10]。この他、遠隔地での展示が可能な「ラスコー3」が作られている[10]。さらには2016年12月には新たなレプリカ洞窟「ラスコー4」がオープンした[11]。』

アルタミラ洞窟
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%A9%E6%B4%9E%E7%AA%9F

 ※ こっちは、知らんかったわ…。

『アルタミラ洞窟(アルタミラどうくつ、西: Cueva de Altamira、英: Altamira cave)は、スペイン北部、カンタブリア州の州都サンタンデルから西へ30kmほどのサンティリャーナ・デル・マル近郊にある洞窟。ユネスコの世界遺産に登録されているアルタミラ洞窟壁画で知られる。

洞窟の長さは約270mほど。』

『アルタミラ洞窟壁画
アルタミラ洞窟壁画は、先史ヨーロッパ時代の区分で主にマドレーヌ期(約18,000年 – 10,000年前)と呼ばれる旧石器時代末期に描かれた野牛、イノシシ、馬、トナカイなどの動物を中心とする壁画である。ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。

壁画は、ソリュトレ期に属する約18,500年前頃のものと、マドレーヌ期前期頃の約16,500年前~14,000年前頃のものが含まれる。約13,000年前に落石によって洞窟の入り口が閉ざされたと考えられ、これにより幸運にも壁画は外気から遮断され、理想状態に保存がされている。

これらの壁画は、1879年にこの地の領主であり法律家でありアマチュアの考古学者でもあるマルセリーノ・サンス・デ・サウトゥオラ侯爵(Marcelino Sanz de Sautuola)の5歳の娘マリアによって偶然発見された[1]。侯爵はこれらの絵が旧石器時代のものであると考え、1880年に発表したが、当時は旧・石器時代の絵が知られておらず、学界からは侯爵の捏造だと疑われた。20年ほどの間に、他の地でもいくつかの洞窟壁画の事例が報告されたが、これらの絵にも当初は否定的な見解がなされた。侯爵は失意の中、1888年に57歳でこの世を去った。しかし、1900年代に入ると科学的な調査も進み、これらの洞窟壁画は間違いなく旧・石器時代の絵と認識されるようになった。侯爵の死から15年後、侯爵の論文を否定したトゥルーズ大学のカルテラック教授は洞窟壁画に関する肯定的な論文を発表し、かつて侯爵の論文を否定したことを謝罪した。 なお、先にも書いてある通り、発見されたのは偶然だが、領主は1869年に地方に住んでいた猟師に洞窟に関する話を聞いたことがあるが、当時は興味を示さず、1878年にパリの展覧会で旧・石器時代の展示物を見て洞窟壁画の存在を察知していたとのこと[2]。

アルタミラ洞窟の壁画は、外気に触れて痛みがひどくなっているので、現在[いつ?]は公開されていない。また、他の地域の洞窟壁画も同様の理由により現在[いつ?]は非公開とされている。』

中国、半導体企業の所得税減免 国内勢の育成急ぐ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM178L00X11C20A2000000

『【北京=多部田俊輔】中国財政省などは17日、半導体の製造や設計、製造設備などを手掛ける企業の所得税を減免すると発表した。国務院が今年8月に発表した半導体産業の育成支援策に沿った取り組みだ。トランプ米政権は半導体を中国の「弱点」とみている。新たな優遇策を導入し、自国の半導体産業の早期育成を目指す。

中国の財政省や産業政策を統括する工業情報化省などの共同発表によると、今回の所得税の減免は半導体の製造や設計、製造設備、材料、封止、テストやソフトの開発などに携わる企業が対象だ。製造では最長10年間の免税期間を設けた。これまでも免税期間はあったが、大幅に長くなったと説明している。

例えば、経営期間が15年以上で、回路線幅が28ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下の技術を使った製品を製造する企業に対しては所得税を10年間免除する。65ナノ以下の技術を使った製品を製造する同様の企業に対しての免除期間は5年間で、その後の5年間は半減するとしている。

中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は2021年からの5カ年計画で、半導体を戦略的な重点科学分野に位置づけ、外国からの制裁に影響されない独自のサプライチェーン(供給網)を構築する方針を打ち出した。

半導体は米国企業に依存する代表的な産業であるため、国内企業の育成を急ぐ。足元、20%未満とされる半導体自給率を25年には70%まで高める目標を掲げている。』

中国蘇寧、拡大戦略のツケ ネットとの融合進まず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM165SZ0W0A211C2000000

『【上海=松田直樹】中国の小売り大手、蘇寧易購集団が急減速している。百貨店や外資系スーパーの買収、コンビニエンスストアの出店攻勢で事業領域を広げるも収益化に苦しむ。祖業の家電量販事業では大量閉店を進める。5年前、ネット通販最大手アリババ集団と資本提携したが、相乗効果を出せていない。「リアル」が軸の拡大戦略は修正を迫られている。

「最近の誤った報道や噂が事業に影響を及ぼしている。外部の声に惑わされないことが重要だ」。蘇寧の張近東・董事長(日本の会長にあたる)は13日に開いた社内会議で、社員にこう訴えた。

蘇寧を巡っては足元、市場で話題が尽きることはない。12月初めに突如、「蘇寧が債務不履行(デフォルト)に陥るのでは」とネットメディアを中心に記事が流れた。蘇寧は8日、SNS(交流サイト)の公式アカウントで「根拠のない悪質なデマだ」と即座に否定した。

10日に計20億元(約310億円)分の社債を償還し、経営に問題がないことをアピールした。それもつかの間。同日にグループの統括会社、蘇寧控股の全株を担保にし、創業家がアリババから計10億元の融資を受けたことが明らかになった。

蘇寧控股は蘇寧易購などグループの中核会社の株式を保有し、張董事長ら創業家が実質的に蘇寧控股の全株を握る。一連の動きを受け、深圳証券取引所に上場する蘇寧株は急落。市場関係者は「蘇寧の経営が相当、悪化しているのではと警戒感が広がっている」と説明する。

1990年。江蘇省南京市でわずか200平方メートルのエアコン販売店で産声を上げた蘇寧だが、現在は中国屈指の総合小売りグループに成長した。

蘇寧の名前が一躍、世界に知れたのが2016年だ。イタリアの名門サッカークラブ、インテル・ミラノを買収。「伝統あるチームはより強くなる」(張董事長)。知名度向上を狙い、大胆な策に打って出た。

「19年は蘇寧にとって重要な年だ。あらゆる小売りに事業を広げていく」。約2年前、張董事長は胸を張った。19年2月に不動産大手の大連万達集団(ワンダ・グループ)から百貨店事業を買収。同年6月には仏大手スーパー、カルフールの中国事業も手中に収めた。

拡大戦略を突き進む蘇寧を取り巻く環境はここ最近、激変した。新型コロナウイルスの影響などもあり、消費市場はリアルからネットへの移行が急速に進んだためだ。

ネット通販事業は成長している(蘇寧のスマホアプリの画面)

実は中核会社、蘇寧易購の売上高の6割弱はネット通販事業が占めるものの、リアル店舗の低迷が利益を食い潰す。20年1~9月期の純利益は5億4000万元(前年同期比で95%減)と辛うじて黒字を確保した。売上高の内訳をみるとネット通販事業は18%増えたが、全体では10%減だった。家電量販店やスーパーが足を引っ張っている構図は明らかだ。

本来、ネット通販はさらなる伸びが見込めたかもしれない。蘇寧易購は15年にアリババから約20%の出資を仰ぎ、顧客サービスや物流など幅広い分野で連携し、規模のメリットを追求するはずだった。ところが、ネット通販ではアリババのノウハウを蘇寧が吸収して一定の成果は収めたが、ほかに目立った成果は出ていないのが実情だ。

関係者は「ネット通販以外では蘇寧は独自の路線で事業拡大を進めていった」と指摘する。アリババも出資比率が約20%にとどまることから、蘇寧に対して強く出られなかった面もあった。

もっとも、蘇寧も手をこまぬいているわけではない。家電量販事業では19年初めから20年9月までのわずか2年弱で、約2800店舗の大量閉鎖に踏み切った。「蘇寧といえば家電」を想像する年配の消費者は多いが、大なたを振るっている。

他方、拡大路線の野望も捨てきれずにいる。フランチャイズチェーン(FC)展開で家電や日用品などを取り扱う小型店を20年だけで約2400店も開いた。18年から本格展開を始めたコンビニは毎年のように数千店規模の出店を進めており、投資は膨らむ一方だ。

中国ではスーパーや百貨店などのリアルを押さえ、ネット通販と融合させる戦略がここ数年、アリババなどを筆頭に急速に進む。蘇寧はアリババとの提携で成長したネット通販が原動力となり一時は業績が好転。その後、自前でリアル店舗を拡大し、ネットとの融合戦略を進めるはずだった。

蘇寧が展開する上海市内のコンビニ「蘇寧小店」を訪れると、店内は商品が乱雑に並べられ、客足もまばらだ。「ほかのコンビニに比べ欲しい商品が少ない」。買い物に訪れた女性は不満顔だ。

中国では店づくりを後回しにして出店を優先し、まずはシェアを広げることに専念する小売企業は多い。「出店攻勢でシェア獲得に成功すればいいが、経営が悪化した際には取り返しがつかないケースになることも少なくない」。競合する小売り関係者は指摘する。

蘇寧は東証2部上場の免税店大手、ラオックスも傘下に収めている。新型コロナによる訪日客の激減などで、20年12月期は3期連続の最終赤字になる見通しだ。拡大とリストラの対照的な戦略のはざまで、蘇寧は再び輝きを取り戻せるのか。中国の小売りの巨人に残された時間は少ない。』

習氏、脱貧困「達成」を宣言 巨額投融資で県の負債拡大

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM087540Y0A201C2000000

『【北京=羽田野主、多部田俊輔】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が2020年を期限とする「貧困ゼロ」目標が達成されたと宣言した。「1億人近い貧困人口が貧困からの脱却を実現した」と誇るが、中央や地方政府が下位の行政区分である貧しい県に巨額の資金を投融資し、それを原資とする補助金が配られた影響も大きい。県の負債は膨らんでおり、持続できるかどうかが課題になりそうだ。

「いまの基準で貧困の県がなくなり、絶対的な貧困が解消した」。3日に開いた共産党最高指導部の政治局常務委員による会議で、習氏は言明した。中国国営の新華社が伝えた。

中国政府の定める貧困の目安は20年時点で平均収入が年4000元(約6万4000円)。中国政府は中央分だけで16~20年に計5305億元以上の資金を投じて貧困脱却を支援した。

とくに貧困層の多い雲南省や新疆ウイグル自治区、四川省などに大量の資金を投入した。貧困地域の山間部の農民らの集団移住などを促してきた。

なりふり構わぬ脱貧困対策でひずみも生まれている。中国内陸部、重慶市にある最貧困地域の城口県は汪時翠さんに民宿事業をするように勧めた。以前は世帯年収でみても1万元ほどしかなかった。家屋を民宿向けに建て替えるため10万元を支給し、教育や医療、住宅なども手厚く支援した。汪さんの世帯年収は10万元に増えた。

ところが肝心の民宿事業はふるわない。宿泊客の1人当たりの消費は100元程度にすぎず、客足もまばらだ。汪さんの生活は各種の支援金で支えられているのが実情だ。城口県の貧困対策事業の資金の9割は重慶市が補填しており、いつまで続くのか見通せない。自立した経済にはほど遠い。

中国メディアは7月、貴州省の山間部の貧困地域、独山県の負債が400億元に達したと伝えた。独山県は中央政府の予算のほか、正規の銀行以外の「影の銀行(シャドーバンキング)」の融資、ほかの民間資金などを利用し、高さ約100㍍の少数民族風の巨大な建物や北京の故宮を模した施設などの建設を推し進めていた。

独山県の歳入は例年、10億元以下だ。負債はその40倍以上になる。毎年の利息の支払いだけで歳入を上回る可能性が指摘される。貧困問題に詳しい中国メディア関係者は「貧困地域の農産物を市場よりはるかに高い値段で買い入れ、住民の収入をかさ上げしていた自治体もあった」と話す。

中国の貧困基準が国際的な基準を下回っているという指摘もある。世界銀行は一日1.9㌦以下で暮らす層を「貧困」と定めている。年間に直して日本円に換算すると7万2000円以下で、中国の基準とは約1万円の開きがある。

習指導部は21年7月の党創立100周年の節目に向け、「脱貧困」を党の功績として強調する。習氏の政治的遺産(レガシー)として位置づける構えだ。

習近平(シー・ジンピン)指導部内での温度差もある。ナンバー2の李克強(リー・クォーチャン)首相は5月「月収1000元の人がまだ6億人いる」と主張し、国の内外で波紋を広げた。北京市で低所得者の相談を受ける弁護士は「郊外にいけば月収1000元以下で生活する人は珍しくない。都市部は物価が高く、貧困基準を上回っても生活がかなり厳しいケースはある」と説明する。』

「ソフトが世界を食い尽くす」…。

危機が迫る大転換 2025年の金融や産業、働き方は
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67198910Q0A211C2970M00

『Technology──技術

「バーティカル」に価値
予定の取材時間を超えていたが、ソフトバンクグループの孫正義社長は上機嫌だった。米シリコンバレーの社屋でテクノロジーの未来を語り、身長が2メートルを超す大男を部屋に招き入れる。「山賊みたいな見た目だが、素晴らしい男なんだ」。買収を決めた米携帯電話販売大手、ブライトスターのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)だった。

それから7年、クラウレ氏の役割は変転した。孫氏が手中に収めた米携帯大手スプリントのCEOを経てソフトバンクグループ幹部に。今は米シェアオフィス大手ウィーワークの会長も務める。これは40年近く投資家として勝ち残ってきた孫氏の関心の変化を映す。

パソコン、インターネット、そして携帯電話へと投資先を移してきた孫氏は語る。「ソフトバンクグループは人工知能(AI)革命への投資会社になった」。ウィーワークへの投資では一敗地にまみれたが、それでもAIとの融合を見込むモビリティーや不動産、医療といった分野で投資を重ねる。

個別の産業を指すバーティカル(垂直)という言葉を聞く機会が増えた。米グーグルも強く意識する一社だ。スンダー・ピチャイCEOは主力の広告を上回る成長を続けるクラウド事業について「金融や小売りといった注力分野への集中が奏功した」と説明する。

「ソフトが世界を食い尽くす」。米著名投資家のマーク・アンドリーセン氏がIT(情報技術)革命の幅広い波及を予想してから間もなく10年。予言は現実になりつつある。孫氏の言葉を借りれば「これまでに置き換わったのは広告業界で、世界の国内総生産(GDP)の1%」。残り99%の大転換を控え、バーティカルの価値が今ほど高まっているときはない。

(シリコンバレー=奥平和行)

新たな企業の寡占化も

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でデジタルサービスの利用が一気に拡大した流れは、2025年も続いているだろう。感染拡大を機にデジタル界では様々な新しい「王者」が誕生した。この動きも続く。驚くかもしれないが、25年にはその結果、今の巨大テック各社の力が弱まっている可能性がある。

もし米アマゾン・ドット・コムと米グーグルがクラウドコンピューティング事業を自主的に分社化すれば、新世代の法人向けテック企業が登場する余地が生まれる。米ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を含むいくつかの企業は急成長したが、様々なコミュニケーションやコラボレーションを提供できるプラットフォームとして存在感を強めているだろう。

個人向けインターネットサービスの世界では、これまで一部の巨大テック企業が新興企業を買収して競争を排除してきたが、当局が阻止するようになっているかもしれない。そうなれば幅広い企業がこの分野に参入するようになる。

デジタルサービスを利用して成長してきた若い世代は常に新しさを渇望しており、ゲームの中でのコミュニティーであれ、生活の様々な面を共有できる対話アプリであれ、新たな体験への旺盛な需要は続く。巨大テック企業を辞めていくエンジニアたちが、こうした需要に拍車をかけるだろう。

25年にはデジタル業界がさらに多様化している可能性もある。ただ「勝者総取り」ではないものの、一部が「大半を取る」構図はほとんどの市場で続く。つまり、新たなオンラインサービスでも各分野の勝者は1、2社に限定され、一部の新たなデジタル企業による寡占化が進むだろう。

(FT米ウエストコースト・エディター リチャード・ウォーターズ)

様々な企業や地域が激しい競争を繰り広げているだろう=AP

Finance──金融

新陳代謝の大競争に

企業の新陳代謝を巡る世界の競争が激化し、株式市場がその勝敗を映し出すだろう。危機はイノベーションを生む。コロナを経て次の「GAFA」が生まれるかは国の競争力を決める。

7~9月の米国の起業件数に驚いた市場関係は多い。157万件と4~6月から一気に77%も増えた。コロナで職を失った人や、時代の変化を嗅ぎ取った人が続々と会社を起こしている。5年後には企業価値が10億ドル(1000億円強)を超えるユニコーンがこのなかから生まれ、IPO(新規株式公開)しているかもしれない。

2008年のリーマン危機とともに創業した民泊のエアビーアンドビーは今月IPOにこぎ着けた。翌09年創業の配車サービス、ウーバーテクノロジーズは昨年株を公開。900億ドルを超えた時価総額は米上位100社に入る。

米CBインサイツによると、先月のユニコーン数は米国の242、中国119、英国やインドが24と「若い大企業」が育っている。

日本は4社にとどまり、経済の老化が鮮明だ。ある「日米逆転」も、遠からず話題をさらうだろう。日本の上場企業数が米国を上回る。米国は1996年から半減して今は4000社。日本は3000社から3800社に増えた。

米国では不振の上場企業が市場の圧力で再編に追い込まれたが、企業改革の圧力が弱い日本では延命されてきた。時価総額が帳簿価格を下回る「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄」が、日本は全銘柄の半分と米国の2倍に及ぶ。「日本株式会社」が新陳代謝を怠ってきたからだ。

日本が目指す金融ハブの座も、マネーを引き付ける「生きのいい会社」が増えてこそ。成否が分かるまでに5年もかかるまい。

(本社コメンテーター 梶原誠)

せめぎ合うAIと規制

市場は上下に動く。金融各社もまた浮沈を繰り返す。だが一つ確かなことがある。2025年には人工知能(AI)が金融をつくり替え、様々な企業や地域が新しい世界の支配権を握ろうと激しい競争を繰り広げているだろう。

中国が主導的立場の国の一つとなるのはほぼ間違いない。アント・グループなどの中国企業は国が保有する膨大なデータベースもあり、AIを活用した金融の世界でいち早く先頭を走っている。

日本と米国の銀行も25年までに中国企業に追いつこうと必死になる。米アマゾン・ドット・コムなどの企業もAIを使った金融サービスに乗り出すだろう。フィンテックを巡る激烈な戦いは、金融機関とテック企業の間でも繰り広げられることになる。

勝者を決めるもう一つの要因は規制の動向だ。当局は25年にはAIの思考経路が不透明だとして、「ブラックボックス化」していく問題にさらに目を光らせ、警鐘を鳴らすようになるだろう。

理屈上、フィンテックは効率化やスピード化、顧客別の対応、借り入れコストの低減など極めて大きな恩恵をもたらす。だが実際には寡占化を促し、人種差別などの社会的な偏見がプログラムに埋め込まれる恐れもある。

何より最大の懸念は、AIが常にデータを収集し、学習し続けるフィードバックループだ。アルゴリズムが判断を下すまでの過程が不透明であることを考えると、当局がこのループを監督するのは容易ではないことは明らかだ。

規制当局はAIの不透明性と付随するリスクへの懸念を一層募らせているだろう。25年には、それらが次の金融危機を招く火種になっている可能性は十分にある。

(FT米国版エディター・アット・ラージ ジリアン・テット)

消費者の意識に変化が生じている=AP

Industry&Retail──産業・小売り

「無形資産」経営、主流に

企業経営では特許や商標、ソフトウエアに象徴される無形資産を重視した動きが活発になる。

ソニーを見てみよう。この5年で工場など有形資産の圧縮が進み、2020年3月期は資産の有形・無形比率が1対1になった。営業利益でもゲーム、映画など無形資産由来が半分を超え、今後もさらにハードウエア分野から遠ざかっていく方向性が見える。

中国や韓国との過当競争を避ける狙いもある。だが、多くの産業をデジタル化が覆い、米「GAFA」のように収穫逓増型で企業価値を追う経営が世界の潮流になったことが大きい。GAFAの価値の源泉が知財やソフトだ。

日本全体で見れば、有形資産への投資が無形資産をなお上回る。米英では拮抗し、中国は無形向けが厚いが、今後は日本でも無形資産投資が増えるだろう。待ち構える要素が2つあるからだ。

1つは電気自動車だ。ネットやソフトとの相性がよく、世界的な環境規制強化に合わせて普及が進めば自動車産業のデジタル化、ソフト化も加速する。ハードでなくソフトで車の性能を高める技術で注目の米テスラの躍進が象徴的である一方、トヨタ自動車も最近、ソフト重視の経営を掲げた。

2つ目がデジタルツイン(電子の双子)の普及だ。仮想空間上に現実世界のヒト、車、インフラなどの「双子」を構築し、そこでビッグデータ処理、商品開発、サービス提供、課金など多くの経済活動を実現する技術だ。

米国のアマゾン・ドット・コムやグーグルが流通企業の買収などで有形資産を増やす意外な行動に出ているが、それもツインを使い現実世界をより仮想空間に取り込むためと考えれば説明がつく。まさに無形資産の時代なのである。

(本社コメンテーター 中山淳史)

消費者、より注意深く

新型コロナウイルスの感染拡大前、小売業界は変革のさなかにあった。消費者は実店舗で買い物をする頻度が減り、インターネットを利用した買い物の回数は増えていた。生活において思い切って高級品を買うケースがある一方で、必要ないと判断すれば低価格品ですませ、中間に位置するような買い物は減る傾向にあった。そして倫理的に問題のない消費を心がけるようにもなりつつあった。

2025年になってもこの変化は続いているだけでなく、むしろ傾向は強まっているだろう。コロナ禍によりネットで注文したり、店内に入らずに商品を受け取ったりすることを迫られた消費者は、賢い買い物の仕方を学んだのだ。

リモートでの買い物は25年には今にも増して簡単になって便利になっているだろう。20年の時点で電子商取引が小売業に占める割合は10%台半ばだが、5年後には25%程度にまで拡大すると予想される。

日本のドン・キホーテや米ウォルマートなど、安さを売りにしたディスカウントストアは厳しい環境に置かれる。消費者は狭い店に行くよりも、ネット上でいろいろな商品を比べながら選ぶようになるからだ。外出は楽しむ目的のためにするものであり、頻度も減るだろう。

米国で1990年代半ば以降に生まれた「ジェネレーションZ」は浪費を忌み嫌い、買い物をあまりせず、ネット上で服を交換している。25年には彼らは大人になっている。従ってファストファッションは商品の回転速度を緩め、低価格という経済的価値だけでなく、地球環境への価値を高めなければならない。25年の消費者はみな、注意深くなっているだろう。

(FTビジネス・コラムニスト ジョン・ギャッパー)

主要国が一斉に脱炭素へかじを切った=ロイター

Energy──エネルギー

脱炭素技術が競争左右

新型コロナウイルスの感染拡大は私たちの生活を変えた。在宅勤務やオンライン会議が定着すれば危機が去っても移動に要するエネルギー需要は危機前のようには増えないかもしれない。加えて脱炭素のうねりがエネルギーの需給だけでなく、国際政治やビジネスに変化を迫る。主導権を誰が握るのか。これからの5年が左右する。

欧州連合(EU)や日本は2050年に温暖化ガスの排出をゼロにする目標を掲げる。米国の次期大統領就任が確実なバイデン氏も50年の排出ゼロが公約だ。世界最大の温暖化ガス排出国である中国は60年ゼロを表明した。

しかし実現には飛躍的な技術革新と経済・社会の構造転換が欠かせない。国際エネルギー機関(IEA)によれば、今後10年で電気自動車(EV)の販売台数は現在の20倍に、水素の供給量は100倍に増やす必要がある。再生可能エネルギー中心の電力システムにつくり替えるには、30年までに足元の4倍となる1兆6000億ドル(166兆円)の投資が要る。

脱炭素時代に国家や企業の競争力を左右するのは、石油や石炭など地下資源の多寡でなく、こうした技術の支配力である。20世紀が「石油の時代」だとすれば、そのエネルギー秩序を主導してきた米国に挑戦するのは中国だ。

太陽光発電パネルや風力発電機、EVとその車載電池など、温暖化対策を支える技術や製品について、国家主導の導入推進策や産業振興策を追い風に世界市場で圧倒的シェアを握りつつある。

エネルギーは技術覇権をめぐる米中摩擦の最前線だ。そのはざまで脱炭素の技術や素材をどう安定確保するのか。エネルギー転換が迫る新しい資源安全保障が、国家や企業の課題になるだろう。

(編集委員 松尾博文)

原油産業、不確かな未来

石油産業は1世紀以上にわたって好況、不況の波を繰り返し経験してきた。原油価格が下落しても、過小投資と消費の増加が最終的には価格を押し上げてきた。

そのため、原油価格は2020年、1バレルほぼ45ドル(約4600円)付近で推移し、6年前の半分以下の水準に低迷してきた。いずれ市況が回復して、25年ごろまでには大幅に上昇していると予想するのは自然なことに思える。

しかし、そうした予測はもはや確実ではない。世界のエネルギーシステムが100年に1度の大転換期を今、迎えつつあるからだ。

各国政府が温暖化ガス削減に向けて野心的な目標を掲げ、電気自動車(EV)が普及していくのに伴い、石油の需要は早ければ10年以内にピークを迎えるとみられる。果てしなく成長し続けることに慣れきってきた産業にとっては実に大きな不安材料だ。

もしエネルギー関連企業が設備投資をやめたとしたら、消費が落ち込んでも供給不足に陥るだろうか。あるいは主要産油諸国は原油を抱えていても価値を生まない「座礁資産」になることを恐れ、できるだけ多くの原油を急いで採掘するだろうか。サウジアラビアとロシアの間で今春、価格戦争が短い間起きた時、世界はそんな未来の一端を垣間見た。

誰にも確かなことはわからない。しかし、需要のピークが近づき、長年の確信がひっくり返る恐れがある。エネルギーの転換が加速し、各国政府が化石燃料の使用を減らす政策を一層積極的に後押ししていくのに伴い、石油産業に長年染み込んできた考え方は通用しなくなる。恐らく石油サイクルに関連する発想も見直しを余儀なくされる。

(FTエネルギー・エディター デイビッド・シェパード)

パンデミックが日本型雇用を突き崩す原動力となっている

Work style──働き方

脱・日本型雇用へ号砲

毎朝定時に出勤し、上司や同僚と時間・空間を共有して働く。不変と信じた働き方を新型コロナウイルスは壊した。今やワーク・フロム・ホームは世界の潮流だ。特に日本ではパンデミックが図らずも日本型雇用を突き崩す原動力となっている。

キリンホールディングスは10月にグループ主要4社4千人の通勤費支給をやめた。代わって月3千円の在宅勤務手当を支給する。テレワークを前提とした働き方に改める。社員の創造性をどう高めるか。ここ数年の経営課題だった。新型コロナで強いられたテレワークにヒントがあった。「自律的に働けると社員のやる気が高まった」(人事総務部)

欧米では主流のジョブ型雇用へ。日立製作所や資生堂、損害保険ジャパンなど移行表明はやまない。職務や目標、求められる能力や経験を事前に決め、社員に示す。やるべきことが明確なのでテレワークとの親和性が高い。適所適材に道を開き、年功序列に基づく順送り人事に終止符も打てる。

日本型雇用の下、社員は定年までの安定雇用と引き換えに、残業や配置転換、転勤をいとわず、会社の意のままに働いてきた。経済成長期には人員を成長部門に効率的に割り振るのに有効なシステムだった。前提は消えたのに日本型雇用の仕組みだけは残っていた。

2020年の日本の生産年齢人口(15~64歳)は推計約7400万人。20~25年に236万人も減り、その後も減少は加速する。30~39年は898万人も減る。英国ロンドン市の人口に匹敵する働き手がわずか10年間で日本から消える。少数精鋭でも世界と対等に戦える組織をどうつくるか。日本型雇用に代わる雇用システム構築へ残された時間は意外と少ない。

(編集委員 石塚由紀夫)

弱者がさらに不利に
2025年の労働環境は一部の労働者にとって、より柔軟かつ幅広い選択肢が与えられる。他の労働者は今にも増して短期的な仕事ばかりが増え、容赦なく不安定になるだろう。

新型コロナウイルスによる危機が発生する前にすでに労働市場での地位を確立していた高度な人材は、25年には「ハイブリッド」な働き方の成果を享受しているだろう。つまり、多くは自宅で週1~2日だけ仕事をする。毎日出社して自分の存在感をアピールする「プレゼンティズム」はもはや昇進の必須条件ではなくなる。

働く女性は子供を持つようになっても、自分のキャリアの追求と両立しやすくなるだろう。企業における男女間の格差問題も改善し始める。在宅勤務などリモートワークが当たり前になり、発展途上国の才能ある人材が先進国の企業で働く機会が増えることにもつながっていくだろう。

しかし、強力な政策を実施していかなければ、25年の労働環境は多くの人にとって今より悪化する。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後も高失業率は数年続くとみられ、若者や低熟練労働者など、もともと雇用者との力関係が弱い人々はさらに不利な立場に追い込まれる。

企業は中核となる重要な人材は雇用し続け、高額な報酬を払う。それ以外はブルーカラーでもホワイトカラーでも、派遣社員やフリーランスで済ませることが多くなるだろう。

若者は頻繁に職がない時期を迎え、それが普通のこととなる。職業訓練や昇進、年金を提供してくれる雇い主を探すのは、今にも増して困難になる。25年には若者は強い怒りを抱いているだろう。

(FTエンプロイメント・コラムニスト サラ・オコナー)

習氏(右)は強権的な一党支配の強みを生かす=ロイター

China──中国

勢いづく強権の中国

新型コロナウイルスの脅威にさらされたにもかかわらず、権力基盤を固めた唯一の指導者ではないだろうか。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席である。強権的な一党支配の強みを生かし、5年後も最高指導者の地位にとどまり続けている可能性が高い。

11月1日発売の共産党理論誌「求是」に、習氏が4月上旬の会議で発言した内容が唐突に載った。「国際的なサプライチェーン(供給網)のわが国に対する依存度を高め、供給を断とうとする外国への強力な反撃と威嚇の能力を形成しなければならない」

新型コロナへの対応をめぐり、トランプ米政権との対立が激しさを増していたさなかの発言だ。「外国」が、中国とのデカップリング(分断)を仕掛ける米国を指すのはまちがいない。

10月下旬の第19期5中全会で打ち出した「双循環」という名の戦略こそ、2035年までをにらんだ中国経済の青写真だ。

外需への依存を減らし、中国が世界に頼るのでなく、むしろ世界が中国抜きでは立ちゆかないようにする。21年から始まる次の5カ年計画はその第一歩となる。

双循環の実現に向け、習氏は着々と動く。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に続き、環太平洋経済連携協定(TPP11)への参加にも意欲を示す。

22年の次期党大会に向けた準備も余念がない。10月には党の新条例で、習氏を別格の指導者である「核心」と改めて位置づけた。建国の父、毛沢東氏が死ぬまで手放さなかった「党主席」の復活に向けた布石との臆測が広がる。

選挙の洗礼を受けずに大胆な政策を即断即決する一党支配の強みは新型コロナへの対応で存分に発揮された。自信を深めた習指導部が強硬姿勢を弱める気配はない。

5年後も強権の中国は大きく変わっていないだろう。民主主義陣営の苦悩は続く。

(中国総局長 高橋哲史)』

テクノロジーと中国が占う5年先の世界 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67202300Q0A211C2970M00?n_cid=DSREA001

不平等・債務… 混迷の時代をよむ5つの視点 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67202330Q0A211C2970M00?n_cid=DSREA001

危機克服の処方箋、世界の英知から https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67202340Q0A211C2970M00?n_cid=DSREA001

コロナに学び、世界の行方を読む指針に https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67202370Q0A211C2970M00?n_cid=DSREA001

データが映す世界 民主主義に不満、自然災害急増 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67199000Q0A211C2970M00?n_cid=DSREA001

アジアや若者、技術革新に期待 3メディア読者調査 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67199030Q0A211C2970M00?n_cid=DSREA001