「What’s the Matter with Hispanics?」

 ※ 兵頭二十八氏のサイトからの情報だ…。

 ※ 珍しく、軍事ネタ、地政学ネタでは無い…。

 ※ しかし、貴重な情報だ…。「米国の分断」「人種・民族のサラダボール」と一口に言う…。しかし、そういう上っ面だけの情報を鵜呑みにすると、「実態」を見誤るという、いい見本だ…。

 ※ 大体、そういう「上っ面の記事」を書いたり、流通させたりしている「階層」は、世の中の「上澄みの階層」に属していて、その階層にどっぷり浸かり、その階層に固有の「固定観念」から、一歩も抜け出せていないことが多い…。

 ※ そういう、世の中に流通する「上っ面の情報」の洪水の中から、「真実のカケラ」を拾っていくのは、容易なことでは無い…。

『11月3日の投票の結果について民主党が嘆いている。なんで37%ものヒスパニック有権者が、4年間ずっとラ米を罵っている現職大統領にわざわざ投票をしているのか? ……と。

 特に国境州のテキサスでヒスパニックがトランプを支持するとは、バイデン陣営には心外であった。

 マサチューセッツ州のローレンスは住民の8割がヒスパニックで、また人口の4割は外国生まれ。そんなところでも民主党は切り崩せず、トランプが票を集めた。

 ヒスパニック票専門の選挙コンサルタントに言わせると、民主党の選挙戦術は間違っていたという。

 2019年に民主党の大統領候補選びの予選に出馬した唯一のヒスパニック系であるジュリアン・カストロ。期待していたヒスパニック票はぜんぜん取れなかった。ヒスパニック系の民主党員のたった7%しか彼に投票してくれなかった。

 じつは多くの米国内のヒスパニック住民は、じぶんが「有色人種」だとは思ってないのである。白人であると思っている。それゆえ、ヒスパニックを黒人とをいっしょくたにして人種平等を騒ぎ立てる候補には、ぜんぜん共感などしないのだ。

 さいきん、意識高い系リベラルは「ラティンクス」という新造名詞を使う。「ラティノ」だと男性名詞であり、「ラティナ」だと女性名詞である。それはよくないので、性別中性的な表現を心がけよう、というわけだ。
 これも、当のヒスパニックたちからは、まったく支持されてない。民主党は、ヒスパニック系有権者に媚びようとして、却って浮いてしまっているのだ。

 以前はヒスパニックといえばメキシカンが大宗であり、プエルトリコやキューバ系がその次に多かった。これらヒスパニックたちは出身地ごとに固まって棲み、交流も混交も無かった。今はまったく違う。やたら多様なのだ。もはやヒスパニックをひとつの出自キャラクターで代表させることはできない。

 学歴やキャリアもすっかり多様化している。ヒスパニックがみんな高校中退の皿洗いやヘルスケア職員だと思ったら大間違いだ。

 いまや彼らの61%はじぶんたち自身を、ありきたりの米国人だと思っているのである。
 雑婚率も高い。米国生まれのヒスパニック系の39%は異人種と婚姻する。ほとんどが白人と。

 テキサス州では白人もヒスパニックも皆、生活に困っている。彼らはじぶんたちが「ブラウン」だと思っており、黒人差別問題にはまったく関心がない。気候変動などにも興味はない。彼らにとって大事なことは、生計維持なのだ。キッチンテーブルの上にパン〔ここは「トスタダ」とでも言い直すべきか〕があるかどうかなのだ。民主党はそこに焦点を当てなかった。だから票がトランプに流れた。トランプはロックダウンをするなと言い続けたからだ。

 ヒスパニックには、親の世代より子の世代の学歴が上回るという歴然とした傾向がある。彼らは社会的地位を上昇させ続けている。いつまでも低スキル・ワーカーではなく、いまや、経済政策の一点で共和党を支持する世代集団にも変貌しつつあるのだ。

 2016年のデータでは、大卒者は民主党を支持し、共和党は高卒者をとりこんでいるように見えた。
 今日では、そもそも国外から米国に移住する時点で、ヒスパニックの25%以上もが学士である。
 もはや過去の米国ではないのだ。急速に、米国の有権者地図が、変わりつつあることを知れ。』