「トランプ氏は消え去らない」 距離感に悩む共和党

「トランプ氏は消え去らない」 距離感に悩む共和党
米大統領選 癒えぬ分断(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66258200W0A111C2EA1000/

『米大統領ドナルド・トランプの選挙対策本部が11日、資金援助を求めて支持者に送ったメール。そのメールには資金の使途先の一つとして「アメリカを救え」という団体名があった。トランプが設立を届け出た政治団体で、共和党の他の候補を支援することが設立の主な目的だ。

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「左派敵視ならがっかり」 バイデン氏に党内から圧力

敗北を認めず徹底抗戦を訴えるトランプ。その裏では、退任後も共和党への支配を保ち、2024年の次期大統領選出馬も視野に入れた地ならしを着々と進める姿がある。

「彼は決して消え去らない。共和党にとって巨大なゴリラのようなものだ」。共和党内の反トランプ勢力の代表格である上院議員ミット・ロムニーはテレビ番組でこう言い切った。

現職大統領として最多の約7300万票を獲得したトランプ。2年後の中間選挙、4年後の大統領選に向けた共和党の戦略作りには常に「トランプ」という変数が絡む。

共和党内でトランプの存在感は圧倒的だ。ある世論調査では「あなたはトランプ支持者か共和党支持者か」との質問に、共和党支持者と共和党寄り無党派層の58%が「トランプ」と答えた。共和党幹部には、10年の中間選挙で穏健派現職に刺客を送り込んだ保守派の草の根運動「ティーパーティー(茶会)」蜂起の苦い記憶も残り、トランプ抜きでは戦略をたてられない。

来年1月5日には、上院の多数派維持がかかる南部ジョージア州上院選決選投票がある。共和党上院ナンバー2のジョン・スーンは「彼(トランプ)の票が必要だ。大統領選が決着したら、ジョージアで助けてほしい」とトランプに支援を請うた。

共和党にとってはトランプが今回開拓したヒスパニック(中南米系)など新たな支持層のつなぎ留めも課題だ。

大統領選の夜、フロリダ州マイアミのキューバ料理レストラン。地元のベネズエラ系米国人共和党クラブ代表グスタボ・ガラゴリーは、同州でのトランプ勝利に歓喜した。ところが翌朝には一転全米で劣勢となり、「信じられない思い」に変わった。「大統領がもう一度出馬すれば、100%支持する」。ガラゴリーは断言する。

4年で「トランプ党」へ変質した共和党。トランプとの距離感をどう保つかに悩むと同時に、トランプが掘り起こした支持層をどう維持するかという難題にも直面している。(敬称略)』