[FT]米大統領選、静観の中国メディアは社会混乱に注目

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65810900U0A101C2000000/

 ※ 非常に重要な視点を、出していると思われる…。

 ※ それは、「国民主権」とか、「民主主義」とかと言うものの、「根幹」には、国民の「自制」する能力が横たわっている…、ということだ…。

 ※「権力の平和的な移行」…。口で言うのは容易い(たやすい)が、実行するのは、相当に困難だ…。

 ※「今日の敗者は、明日の勝者」かもしれず、「今日の少数派は、明日の多数派」かもしれない…。それを信じて、結果が出たならば、矛を収め、冷静に「明日の勝者」を目指して、反対者を説得していく…。そういうことができる「国民」じゃなければ、「国民主権」や「民主主義」というものは、成立しない…。

 ※ ましてや、「世界最強の国家」「覇権国」と位置づけられている国家の「舵取り役」の選出だ…。その「権力」は、強大だろうし、そこに纏わる(まつわる)経済的な利益も、莫大なものだろう…。そういうモロモロの「利害関係」を、飲み込んで、冷静に行動する…。そこがまさに、「アメリカン・デモクラシー」の「底力(そこぢから)」なんだろう…。

 ※ 逆に、「権威主義国家」にとっても、「自制」は重要な要素のようだ…。

 ※ ヘタにはしゃいで、「選挙」「民主主義」に焦点が当たり過ぎれば、とんだ藪蛇だからな…。

 ※ そういう「抑制が効いた」報道体制に、北京政権の底力(そこぢから)を、見た思いだ…。

 ※ まあ、こっちは、あくまで「上からのコントロール」ということ、なんだが…。

『3日投票の米大統領選挙を前にした劇的な段階では、中国の国営メディアとSNS(交流サイト)で繰り広げられる報道や論評は比較的抑制がきいていた。

3日、米大統領選挙を伝える中国共産党系の新聞「環球時報」(中央)が置かれた北京のニューススタンド=AP

だが、もし選挙をめぐる混乱や選挙結果が争われる事態となり、中国がたやすくプロパガンダ(政治宣伝)面での勝利を得られるなら、この状況は変わるかもしれない。中国は新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)の国内封じ込めに成功したことを受け、自国の政治体制の優位性を自慢してきたからだ。

厳しい統制が敷かれている中国国営メディアは先週末、選挙関連の騒動を見込んで銃器の販売が急増し、商店のオーナーが店舗を板張りにしているという米国の報道を取り上げ始めた。

こうした報道は、控えめで事実に基づく内容が支配的だった以前の報道(一般的に、国営の新華社通信の米国支局によって伝えられるニュース)とは対照的だ。これまでは、例えば10月のトランプ米大統領のコロナ感染のようなセンセーショナルな展開でさえ、淡々と報じられてきた。

専門家と中国メディア業界のプロは、米選挙の報道に対する中国の慎重な態度は、米国において中国がいかに微妙な争点になっているかを中国共産党が理解していること、そして火に油を注がないようにする党の決意を反映していると指摘する。

■冷静に対応

「中国にはとてつもなく大きな利害関係があるが、かなり冷静に対応している」。中国国営メディアの専門家で、中国共産党の世論統制手法に関する著書「ザ・パーティー・ライン」があるダグ・ヤング氏はこう語る。「中国が一方の候補者を好んでいるという気配がほんの少しでもあれば、もう一方の候補が大騒ぎする。中国側にとっては、何の得にもならない状況だ」

大統領選についてもっと報道したいと考えていた中国人ジャーナリストは、当面、報道を控えるよう言われていると認める。

「米大統領選の結果が中国に極めて大きな影響を与えることは間違いない」。地方の大手テレビ局のプロデューサーは、フィナンシャル・タイムズ(FT)にこう語った。「だが、選挙のシリーズ番組をやりたいと申し出たら、上司に却下された。どちらかの味方につくことは難しく、最終的な結果が出るのを待ってから報道するよう指示された」

このプロデューサーは、もし大統領選をめぐって全米で大混乱した光景が見られるようになれば、上層部の慎重な態度がすぐに薄れていくだろうともいう。「ほかのテレビ局に勤めている友人は、誰が選挙に勝つかに関係なく、社会の混乱に焦点を当てた番組を放送する。我々にできることは、それがせいぜいだ」

SNS上でも米国の選挙に対する関心は比較的薄かった。これは国営メディアの影響力を反映しているのかもしれない。「通常、SNS上での会話は(国営メディアの)ニュースに対するコメントで、これまでは選挙に関するニュース記事がそれほど多くなかった」とヤング氏は話す。

検閲を受けた中国版ツイッターのようなSNSを運営する新浪(シナ)によると、オンライン上ではこの1週間、米国の政治よりも中国北部の寒冷前線に対する関心の方が大きかった。また、先週開催された、予定調和的な中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)も米国の選挙よりホットなトピックとしてランキングされていた。

共産党最大の機関紙・メディアである新華社、人民日報、中国国営中央テレビ(CCTV)の選挙論評は、カネと政治の結びつきなど、米国民主主義の負の側面に焦点を当ててきた。新華社は先週、「カネが向かうところへ票が向かう」と書いた。

■批判行き過ぎにはリスクも

だが、3日の選挙に先駆けて、批判が行き過ぎることにも中国政府にとってリスクがある。バイデン前副大統領が圧勝し、ワシントンでいつもの平和的な政権移行があったというような場合は特にそうだ。

影響力のあるニューズレター「シノシズム・チャイナ」のビル・ビショップ編集長は10月、ツイッターで「中国にも悪い指導者がいたが、誰かが選挙で退陣に追い込まれたという記憶はない」と指摘した。

By Tom Mitchell and Sun Yu

(2020年11月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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