「厚労省のIT人材は片手ほどだった」、橋本前厚労副大臣がデジタル敗戦に反省の弁

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01451/102800004/?P=2

 ※ ヤレヤレな話しが、語られている…。

 ※ しかし、そういうところに、問題の本質があるんじゃ無い…、と思うぞ…。

 ※ 多くの人が、デジタルとか、ITとか、よく口にする…。

 ※ 結局は、「電子計算機」で処理しようとすれば、そういう「機械(電子仕掛けの機械)」が処理できる形にしてやる他は無い…。

 ※「電子計算機」ってのは、たかだか「四則演算(加算、減算、乗算、除算)」と、「論理演算」(「AND演算」,「OR演算」,「XOR演算」,「NOT演算」)のたった8つの「計算(演算)」しかできないシロモノなんだぞ…。

 ※ そりゃそうだ…。「回路」の「原理」からして、そうなっているからな…。それが、ある意味「電子計算機」の「実存」だ…。

 ※ 実存主義じゃ無いが、「本質」は、「実存」を超えられないんだよ…。そういう「実存」を超えた「仕事」をさせようとしたところで、ダメの皮に決まっている…。

 ※ かつて、オレが、やっとこNECのPC-98なんかで、DOSからPCを使い始めた頃の話しだ…。

 ※ 当時のそっち方面の師匠だと思っていた人から、「コンピューターってのは、たかだか「計算機」ですから…。」という発言を聞いて、衝撃を受けたことがあった(今※先生、あんたのことだよ。あんた自身は、もう忘れてしまったかも知れんがな…。時々、このブログも見てくれているようだな…。オレは、あの時の衝撃と、あんたの言葉を、ずっと覚えているよ…。今でも、「至言」だったと思っている…。事の本質を、「抉った(えぐった)」言葉だったと思っている…。)

 ※ だから、「電子計算機」に喰わせるためには、そいつが「喰える(処理できる)」形にしてやる必要がある…。

 ※ プログラムとか、ノーコードとか、シェルとか、どういう風に「皮をかぶせて」、見かけを取り繕ったところで、事の「本質」は、変わることはない…。

CPUを作ろう ~計算機教材とマイコンと電子工作~ – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/cpu4edu/

『新型コロナウイルス対策の司令塔の1つである厚生労働大臣室はコロナ感染者の正確なデータをリアルタイムで把握できておらず、厚労省職員は医療機関や保健所に片っ端から電話をかけていた――。橋本岳前厚労副大臣は2020年3月の厚労省内部をこう振り返る。「IT人材は片手で数えられるほどしかいなかった」。厚労省の対策推進本部CIO(最高情報責任者)を務めた橋本氏が「デジタル敗戦」の軌跡を語る(2020年10月5日にインタビューを実施)。

(聞き手は外薗祐理子=日経クロステック/日経コンピュータ)

厚労省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部でCIOを務めました。

 はい、そのポストを自分でつくったんです。そういう役割を果たす人がいなかったので。

 感染者情報を集約する「HER-SYS」や医療機関と情報共有する「G-MIS」といった新システムは、当時厚労政務官だった自見英子参院議員と私との発案です。

新型コロナ対策にIT活用が重要だと思ったのはなぜですか。

 2020年1月下旬から日本でも新型コロナ感染者が報告され始め、大臣室で対策会議を毎日開いていました。そこでは加藤勝信厚労相(現官房長官)が「濃厚接触者は何人か」などと聞くと、事務方の偉い人が後ろに座る若い官僚に尋ね、その官僚が調査のために走って出て行く風景が繰り返されていました。大臣が意思決定するのにどんな情報が必要なのかを事務方がまだよく分かっていなかったので、この時期にそうだったのは仕方なかったと思うんです。

 私は2020年2月11日から新型コロナの集団感染が発生した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に常駐し、3月半ばに厚労省に復帰しました。欧米では感染爆発が起こっていた時期と重なりますが、大臣室での会議は1月下旬と全く同じでした。

 ここに至っても、新型コロナ対策の司令塔の1つである厚労大臣室が正確なデータをリアルタイムで把握できておらず、非常にまずいと思いました。都道府県の報告と保健所の報告とで数字が頻繁に食い違ってもいました。

新型コロナ対策推進本部の中にも「縦割り」
 厚労省の新型コロナ対策推進本部では、職員が必要な情報を得るために全国の医療機関や保健所に片っ端から電話をかけていました。対策推進本部の中も、サーベイランス班や医療体制班、検査班などの「縦割り」が生じていたのです。しかし電話を受けるほうからすれば「厚労省として聞きたいことをまとめてから電話してほしい」と思うでしょう。

 厚労省の情報ツールは電話とファクスとせいぜい電子メールでした。様々なシステムの必要性を感じました。そこで、新型コロナ対策推進本部のCIOとして、HER-SYSやG-MISなどの開発について進捗を管理し、部署間やシステム間で連携できるようにする体制を設けました。

HER-SYSを新たにつくろうと考えたのはなぜですか。感染者情報を集計するシステムにはもともと「感染症サーベイランスシステム(NESID)」があります。

 NESIDには2つの課題がありました。1つは集計や報告のミスが生じがちだったことです。医療機関は感染症法に基づく発生届を手書きとファクスで保健所に送り、保健所や自治体がそれをNESIDに入力していましたが、医療機関にも保健所にも入力の負担が重く、ミスにつながりがちでした。

 もう1つは感染者や濃厚接触者が自らスマホアプリやWebサイトで入力するようにしたかったのですが、その機能がNESIDにはなかった。保健所は自宅療養をしている感染者や濃厚接触者を健康観察しています。そのために保健所職員が電話をかけていたので、これもかなりの負担でした。

そのため、発生届の入力から健康観察のフォローアップまでをクラウドベースで一貫して管理できるシステムをつくりたかったのです。じゃあ今、これらをHER-SYSでうまくできるようになったかと言われると、全部はできるようになっていないのですが。

ITベンダーとの付き合いが少なく、IT人材にも乏しい
原課ではなくて、橋本さんたちが積極的に提案して動いた案件だったということですか。

 新型コロナ対策推進本部にいる厚労省職員は目の前の仕事をやるので一生懸命でした。私や自見議員の役割は全体を見渡すことです。

 例えばHER-SYSは健康局結核感染症課、G-MISは医政局の所管になります。しかし、各原課は忙しいうえに、普段からITベンダーとの付き合いは少なく、IT人材にも乏しい。厚労省は今後この点を改善すべきだと思います。

 システムの提案を広く募集して、それを評価し、構築していく能力は原課にはありませんでした。そこでG-MISは内閣官房IT総合戦略室に、HER-SYSは厚労省情報化担当参事官室にそれぞれ私から頼んで手伝ってもらったのです。

政府内の他の部局と連携しながら、システム開発がどのくらい進捗しているかをチェックする。それが厚労省の新型コロナ対策推進本部CIOとしての橋本さんの役割だったわけですね。

 そうです。(例外的に)原課任せにしたのが雇用調整助成金(雇調金)のオンライン申請システムでした。

[画像のクリックで拡大表示]
 原課から「付き合いのあるベンダーと相談してやります」という報告はありました。私は他の仕事で忙しかったものだから「じゃあそうしたらいい」と、それ以上何もコミットせずに放っておいた。結果的に(2020年5月20日に稼働を開始したが、2度不具合が発生し、2020年8月25日に稼働を再開した)トラブルにつながったので個人的にはそれが敗因だったと思っています。

 何でも私に相談しないと組織が動かないのはよくないけれど、たまたまそういう扱いをしたものが、ああいう結果になってしまったことを遺憾に思っています。これまでの政府システムと同じ発注方法を取ってしまったという反省事例です。

職員全員にプログラミング研修を
新型コロナで得た教訓を教えてください。

 一言で言うのは難しいですね。原課が普段から仕事をシステム的にやろうという発想を持って、自分たちでシステムの発案や企画ができると、今回のような不測の事態にも対応しやすかったのではないでしょうか。片っ端から電話するのではなく、クラウド上に調査システムをつくったほうがいいと誰も考えず、新型コロナとの戦いに臨んでいました。

 厚労省の職員は全員簡単なプログラムを書けるように研修すべきです。新しい制度や行政サービスにどうITを絡ませるかという発想には、ITの原理を知っていることが欠かせません。厚労省でそうした発想をできるIT人材は当時、片手で数えられるほどしかいませんでした。

平井卓也デジタル改革相は、ITを使った新型コロナ対策がもたらした混乱を「デジタル敗戦」と呼んでいます。

 2000年のIT基本法制定から20年。これではデジタル敗戦と言われても仕方ないですよね。とはいえ敗戦と気付いたのは大きいです。次はどうすれば「勝てる」のかを考えるフェーズだと思います。』

欧州コロナ再拡大、バカンス一因か 夏以降変異型広がる

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65644650Q0A031C2EAF000/

※ これじゃあな…。「三密」どころの、話しじゃ無いようだ…。「ソーシャル・ディスタンス」は、どこ行った…。いくら「屋外」とは言え、たまったもんじゃないだろう…。

※ ちなみに、今見たら、画像は「削除」されていた…。しかし、ネットには「魚拓」というものがある…。

※ まあ、欧州の「観光産業」の関係者にとっては、拡散されたくは無い画像だろうよ…。

フランス、全土で1カ月外出制限 コロナ拡大で2度目
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65589500Z21C20A0MM0000/

ドイツ、飲食店・娯楽施設を閉鎖 コロナ対策で企業に補償も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65589380Z21C20A0MM0000/

イタリア、屋外でマスク着用義務化 非常事態宣言も延長
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64754870Y0A001C2000000/

ロシア、追加コロナ対策 混雑する場所でのマスク義務に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65589350Z21C20A0000000/

朴槿恵被告、リッチな獄中生活と他の受刑者との待遇差

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180417/soc1804170011-n1.html

 ※ どうも、日本の事情とは、大分違っているようだ…。

 ※ 興味深いんで、紹介しておく…。

『“青瓦台のプリンセス”を待つのは、約18億円の罰金と24年におよぶ獄中生活だ。在韓ジャーナリストの藤原修平氏が、その一端を明かす。

 「現在、朴氏が暮らしているのは、四畳半に満たないソウル拘置所の独房です。中には便器と洗面台、小さな座卓、据え付けテレビと荷物棚だけ。布団はなく、折り畳み式のマットレスと毛布が支給されます。拘置所での最初の食事は、食パンとチーズだったそうです」

 一審判決を受けた朴槿恵の次の移送先として有力視されるのが、清州女子矯導所だ。地下1階、地上4階建ての韓国唯一の女性専用刑務所である。

 「清州の独房を覗いたことがありますが、狭くて暗く、話し相手がいないとキツそうでした」

 かつて、麻薬密輸の罪で同刑務所に約2年間服役し、その経験を『韓国女子刑務所ギャル日記』(辰巳出版)という本にまとめた仲河亜輝さんはそう振り返る。彼女は外国人8~9人用の雑居房に収監されていた。

「床暖房があるので、冬は大丈夫なんですけど、夏は冷房がないから辛い。それなのに、お風呂は夏でも週に2回だけ。看守の目を盗んで、洗面台からバケツに水を汲んで、部屋のトイレでこっそり水浴びしたり、濡らしたタオルで身体を拭いたりしていました」

 清州女子矯導所では、多くの囚人が刑務作業に従事する。

 「刑務所内にはいくつかの工場があって、私は縫製係でした。毎日、朝の8時から夕方5時まで、週5日間働いて、月給(作業報奨金)が1万円ぐらいにしかなりません」

 これまで“セレブ生活”を謳歌してきた朴槿恵が、こんな獄中生活に身をやつすことになるのか……。』
『ところがそんな心配は、朴槿恵には当てはまらないらしい。今までの話は庶民の場合で、実は韓国では、塀の中でも“沙汰はカネ次第”という。

 一般に刑務所では、受刑者の資産を「領置金」という形で施設が預かる。日本では「嗜好品は購入不可」など厳しい制限が課されるが、韓国では1日の使用金額に上限があるだけで、菓子や化粧品も購入できる。刑務作業も義務ではない。「領置金」に余裕があれば、コーヒー片手に本や雑誌を読みふけりながら過ごすこともできるのである。

費用は自己負担だが、パーマは3か月に1回、染髪は2か月に1回、刑務所を訪問する美容師にやってもらえるという。

 朴政権で文化体育観光部長官を務め、後に職権濫用で逮捕された趙允旋は、刑務所内で毎日、領置金の上限額(1日約4000円)を使い切り、拘置所での1か月で、約11万円も散財したという。朴槿恵にとって11万円など、小遣いの足しにもならない額だろうが、日本では考えられない“リッチな獄中生活”を送ることができる。

 加えて、朴槿恵にはこんな特別待遇も約束されている。

 「韓国では、これまでも全斗煥や盧泰愚といった大統領経験者が収監される際、あからさまな特別扱いがなされてきました。たとえば、広い雑居房を改造して独房にしたり、房に応接室や接見室をつけたり。一般の囚人は“煎餅布団”で寝ているのに、彼らには特別なベッドが支給されていました。

 朴氏が清州に移送されたら特別な独房が新しく設置され、優雅に暮らせるような環境が整えられるという話も出ています。朴氏はさっそく腰の状態が良くないと主張して、“特別ベッド”を要求するとみられています」(韓国紙記者)

 ※週刊ポスト2018年4月27日号』

韓国、繰り返される「政治報復」 李元大統領に懲役
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65611400Z21C20A0FF2000/

 ※ この、「高位公職者犯罪捜査処」(高官不正捜査庁)というものにも、注目しておいた方がいい…。

 ※「この新たな捜査機関が近く発足すれば、現行検察の権限は大幅に縮小され、大統領経験者への捜査は新組織の仕事になる。ただ、政治的中立な捜査の実現は難しいとの見方は強い。

トップは国会の推薦委員会を通じて大統領が指名する仕組みで、弁護士や判事出身者も捜査を担う。トップを選ぶ方法を巡って与野党が足元で攻防を繰り広げているが、時の政権や与党の意向に左右される組織なら、捜査も保革対決の影響と無縁ではいられなくなる。」…、というようなものだ…。

 ※ 実は、「検察」という国家権力は、なかなかに位置づけが難しい…。

 ※ 教科書的には、立法・行政・司法の三権が国家権力で、互いに「牽制・抑制」し合って、国家の権力を減殺し、もって、国民の「人権」を最大限確保する…、という制度趣旨になっているわけだ…。

 ※ しかし、刑事司法の一翼を担う「検察」は、「行政権」に属することになっている…。「検察官」のトップは、「検事総長」だ…。しかし、「法務大臣」の下に置かれ、時には法務大臣の「指揮権発動」もあり得る…、という制度構成にしてある…。

 ※ それは、「検察権力の暴走」を危惧するからだ…。人を、逮捕・拘留・取り調べ・起訴する…、という「剥き出しの権力」を振るう「検察権力」に関しては、それが「暴走する危険性」が常に存在する…。そして、一旦それが「暴走」した場合に発生する「害悪」は、甚大なものがある…。

 ※ そういう場合には、「国民主権」を背景にした、「法務大臣」がその暴走にストップをかける…。

 ※ また、大所高所からの「高度の政治的な判断」が、必要な場合もあるだろう…。外国の要人に対し、重大な犯罪を犯したとする…。その場合、「通常時」「平時」ならば、「法に従って、処理する」ことが、「法の支配」「正義」であろう…。 しかし、どうだ?そうすることが、その外国との「戦争」を引き起こす危険性が極めて高いような場合は? 通常通りの「法に従った処理」が、「最善策」とは、必ずしも言えんだろ…。

 ※ そういう事態の可能性も勘案して、「法務大臣による指揮権発動」が可能な制度設計に、しているわけだよ…。

 ※ そういう風に、「権力」とか、「権力の分配」とか、「国家機構の制度設計」とかは、「両立し難い価値の対立」「各権力間の極度の緊張状態」「各権力間の危うい均衡」の上に、成り立っているものなんだ…。

 ※ 上記の「高位公職者犯罪捜査処」なるものは、
 ・トップは国会の推薦委員会を通じて大統領が指名する仕組み→現職大統領に対する捜査に、怯む(ひるむ)危険性は無いのか
 ・弁護士や判事出身者も捜査を担う→そういう「非専門職」が担当することで、肝心かなめの「権力の追及・訴追」の機能性が、損なわれる危険性は無いのか

 そして、何よりも、そういう「屋上屋を重ねる」制度設計に、「根本的な欠陥」は無いのか…、なんてことが問題になるだろう…。

『【ソウル=恩地洋介】韓国大法院(最高裁)は29日、巨額収賄罪に問われた李明博(イ・ミョンバク)元大統領に懲役17年の実刑判決を下した。韓国で実刑となった4人目の大統領経験者だ。大統領への権限集中と、時の政権に寄り添い強力な捜査権を行使する韓国検察の存在が「政治報復」の連鎖を生んでいる。

韓国の李明博元大統領は近く収監される=AP
画像の拡大

画像の拡大

李元大統領は近く収監される。李氏は判決後に「法治が崩れた。国の未来が心配だ」とのコメントを公表した。公職選挙法違反の罪で2年の実刑判決を受けた朴槿恵(パク・クネ)前大統領とともに、直近2人の保守系元大統領が収監される異例の事態だ。

判決は李元大統領がサムスン電子から賄賂を受け取った見返りに、有罪判決を受けた同社の李健熙(イ・ゴンヒ)会長に特赦を与えたと認定した。李氏が実質的に保有する自動車部品メーカーの訴訟費用を、サムスンに肩代わりさせたことが89億ウォン(約8億円)の収賄だったと判断した。

大統領の犯罪が繰り返される背景には、国軍の統帥権や行政府の人事権を含む強大な権力の集中があると指摘される。保守と革新が激しく対立する政治風土のもと、政権交代後には前政権への厳しい追及の手が伸びる。

犯罪捜査権を独占する検察は、政権と足並みをそろえる傾向がある。李政権下では、前代の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が不正資金疑惑の捜査を受けて自殺した。盧氏を師と仰ぐ文在寅(ムン・ジェイン)大統領が政権基盤を固めつつあった2018年3月に、李氏は検察に逮捕された。

文大統領は重要政策の一つに検察改革を掲げる。2019年には側近の曺国(チョ・グク)氏を法相に据え、検察権力にメスを入れようとした。攻防の末、曺氏はスキャンダルで起訴されたが、検察に代わって上級公務員を捜査する「高位公職者犯罪捜査処」(高官不正捜査庁)を新設する法案が成立した。

この新たな捜査機関が近く発足すれば、現行検察の権限は大幅に縮小され、大統領経験者への捜査は新組織の仕事になる。ただ、政治的中立な捜査の実現は難しいとの見方は強い。

トップは国会の推薦委員会を通じて大統領が指名する仕組みで、弁護士や判事出身者も捜査を担う。トップを選ぶ方法を巡って与野党が足元で攻防を繰り広げているが、時の政権や与党の意向に左右される組織なら、捜査も保革対決の影響と無縁ではいられなくなる。』

文在寅排除を狙い、米国がお墨付き? 韓国軍はクーデターに動くか(週刊新潮WEB取材班編集)

https://www.dailyshincho.jp/article/2020/10271601/?all=1

※ 物騒な話しでは、ある…。しかし、隣国のことでもあり、日本国の安全保障のためには、その動向には十分に注意を払っておく必要があるだろう…。

※ 朴正煕氏は、言わずと知れた、朴槿恵氏の親父さんだ…。

『「離米従中」が止まらない韓国。軍はクーデターを起こさないのか――。韓国観察者の鈴置高史氏がその可能性を読み解く。

欧州からも「韓国は大丈夫か」
鈴置:「韓国軍はクーデターで文在寅(ムン・ジェイン)政権を倒すのか」――。こんな質問をあちこちから受けています。

 デイリー新潮の「文在寅が国連で『同盟破棄』を匂わせ 激怒した米政府は『最後通牒』を突きつける」で紹介したように、米国の安保専門家、G・ニューシャム(Grant Newsham)退役海兵隊大佐が9月24日、『Center for Security Policy』に「Fraud in South Korea’s April 2020 Elections」という論文を書いたからです。

 ニューシャム大佐はクーデターなどとは一言も書いていません。しかし、「文在寅政権は離米従中政権」と断じたうえ、与党が勝った2020年4月の国会議員選挙に関し「不正選挙の疑いがある」と指摘したのです。

 ニューシャム大佐は知る人ぞ知る、ペンタゴン(国防総省)を背に北東アジアの安全保障を論じる専門家。ことに、トランプ(Donald Trump)政権下ではホワイトハウスに極めて近い人と見られています。

 そんな人が文在寅政権の正統性に堂々と疑問符を付けたのですから、米国が韓国軍に対し「クーデターで政権を倒しても支持する」とサインを送ったのではないか――との見方が広がったのです。

 韓国、日本などアジアだけではありません。欧州の専門家からも「韓国は今後、要注意だね」と連絡が来ました。

トルコもイランもベネズエラも
 ニューシャム大佐は10月8日にも「he United States and South Korea: Best friends Forever?-Some Troubling Revelations & AnalysisT」を発表、追い打ちをかけました。

 見出しの「韓国は永遠の親友か?――いくつかの厄介な兆候と分析」で分かる通り、このままでは米韓同盟は持たない、との悲痛な警告です。要約します。

・血を流して(同じ側で)戦争を戦った2つの国の間には確かな絆が生まれる。とはいえ、米国人が望むほどに長続きするとは限らない。絆が崩れ、米国人が「こうなるとは思ってもいなかった」とこぼすこともしばしばある。
・文在寅とその側近は朝鮮半島の分割の張本人は北朝鮮ではなく、米国と見ている。彼らは(北朝鮮の)金一家の主体思想を崇め、韓国は米国とではなく、中国と手を結ぶべきだと考えている。
・文は米国との大規模な合同演習を拒んできた。さらに、北朝鮮の体制に批判的な韓国市民を弾圧している。
・新型コロナが流行した際、韓国は中国とともに痛みを分かつ、と文は語った。2017年には文は中国に対し「3NO」――(1)米国にはこれ以上THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備を認めない(2)米国のミサイル防衛網に参加しない(3)米・日との三角同盟は結ばない――を申し出た。
・米韓同盟の解体は、世界に多大の悪影響を及ぼす災いである。トルコ、イラン、ベネズエラ、フィリピンなどで同盟が解体した時、米政府の当局者は「こうなるとは思ってもいなかった」と驚き慌てた。その日が再び来ないことを望む。

 そして、この記事でも4月の総選挙は中国により集計を操作された疑いがある、と書いています。

韓国の民主主義は壊れ始めた

――本当に不正があったのでしょうか。

鈴置:分かりません。韓国の保守の中でも意見が割れています。最大手紙で保守系の朝鮮日報の崔普植(チェ・ボシク)先任記者は疑惑を提議した統計学者にインタビューしました。

「“期日前投票の結果は理解不能…選挙管理委員会は疑いを晴らす必要がある”」(5月4日、韓国語版)です。しかし、この記事では統計学者の主張を紹介すると同時に、それに対する反論も試み、結論は出していません。

 行動保守の指導的立場にある、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は「不正はなかった」と考え、「負けた原因を直視しない保守」を批判しました。

――韓国では「不正選挙」が大問題にならなかったのですね。

鈴置:しかし、不正だったと主張する人もまだいます。それに焦点は「不正かどうか」を超え「米国から疑いの声が上がった」――つまり「米国がクーデターをそそのかしているかどうか」に移っています。

 不正であろうがなかろうが、文在寅政権の正統性に疑問符を付ける声が米国で出てきたことがポイントなのです。ニューシャム大佐は2本目の記事で「言論の自由が侵されている」とも訴えました。以下です。

・韓国メディアは文政権から名誉棄損法によって脅され、批判する者は沈黙を余儀なくされるか投獄される(韓国では語ったことが真実だからといって身を守れない)。

 米国では、韓国は民主化したことになっている。いくら「離米従中」するからといって、民主国家でクーデターを起こすなんてとんでもない、と普通の米国人は考えるでしょう。

 しかし、韓国の民主主義は壊れている、と米国のアジア専門家が言い出したのです。この見方が米国で広まれば、クーデターへの嫌悪感もぐんと弱まるだろう――と韓国人なら考えます。

1952年、米国がクーデターを指示

――民主主義が衰えたからといって、米国が韓国軍にクーデターをそそのかすとは考えにくい。

鈴置:米国にはその実績があります。朝鮮戦争のさなかの1952年のことです。先ほど言及した趙甲済氏は著名なジャーナリストでして、『朴正煕伝記 私の墓に唾を吐け』第1巻で、結局は実行されなかった「米国主導のクーデター計画」を記録しています。

 1985年から1990年まで毎日新聞ソウル特派員だった永守良孝氏が『朴正煕 韓国近代革命家の実像』というタイトルで日本語に翻訳しました。第IV章を参考にして説明します。

 李承晩(イ・スンマン)大統領は1952年7月の選挙で、再選される自信を失っていました。当時は国会議員による間接選挙制だったのですが、1950年5月の総選挙で大敗を喫していたからです。

 李承晩大統領は大衆からの人気に期待し、直接選挙制への改憲を図ったのですが、国会で否決されました。そこで一部地域に戒厳令を敷いたうえ、憲兵隊を動員して反対派の国会議員を連行しました。

 これを見た米国は韓国軍にクーデター計画を立案させました。当時は朝鮮戦争のまっさなか。韓国の政治が混乱すれば、戦争の帰趨を左右しかねなかったからです。

 結局、このクーデター計画は実行に移されませんでした。政権側が「政局の混乱が続くと米軍は大統領を監禁して軍政を実施する。それよりは改憲がましだろう」と国会議員を懐柔。反対派の顔も一応は立てる改憲案に仕立て直して通過することに成功したからです。

国益なら韓国の民主主義を犠牲に
――民主主義を破壊する政権を倒すためにクーデターを敢行する、というのも変な気がします。

鈴置:米国は民主主義よりも、円滑な戦争遂行を優先したのです。それにクーデターの成功後は軍ではなく、親米派の政治家に政権を握らせる方針だったようです。軍事独裁政権を作るつもりはなかった。

 クーデター計画の立案者の1人が朴正煕(パク・チョンヒ)大佐(当時)でした。9年後の1961年にクーデターを敢行、政権を握った朴正煕氏です。

 趙甲済氏は著書『朴正煕 韓国近代革命家の実像』(216頁)で、朴大佐が1952年の未完のクーデターから学んだことは大きかった、と書いています。学んだ内容が以下です。

・米国が自国の利益のためには民主主義の原則も犠牲にする、と言うこと、韓国に権力の実態が確立されている限り米国もこれを認めざるを得ず、武力で既存の体制をひっくり返す意思はない、と言う点…(後略)…。

――なにやら「今」に似ていますね。

鈴置:そうなのです。中国との戦争に全力をあげたい米国と、民主主義の衰微が目立つ韓国。その韓国が米国の戦争を邪魔する――という構図はそっくりです。だから、ニューシャム大佐の記事を読んだ人が――ことに、1952年の未完のクーデターを覚えている韓国人がぎょっとしたのです。

米国防相「盧武鉉は頭がおかしい」
――しかし民主化後の韓国で、軍がクーデターを実行するでしょうか?

鈴置:民主化は1987年。でもその後の盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代(2003年2月―2008年2月)にも韓国軍はクーデターを計画した模様です。

 厳密に言えば、「クーデターを実施したら支持してくれるか」と米軍幹部に持ちかけた韓国軍の高級将校がいたのです。米軍から自衛隊に非公式な通報があって、日本の関係者にもその話が広まりました。

 盧武鉉氏は「反米」を掲げ当選しました。2007年11月、米国のR・ゲーツ(Robert Gates)国防長官とソウルで会談した際「アジアの安全保障上の最大の脅威は米国と日本である」と語りもしました。

「米帝国主義が諸悪の根源」と考える人たちにとって、当然の発想ではありますが、普通の米国人は驚愕します。ゲーツ長官は著書『Duty』の416ページで「盧武鉉大統領は反米主義者であり、たぶん少し頭がおかしい(a little crazy)と私は判断した」と書いています

 米国にとっても困った存在だから、クーデターに賛成するだろう、と考える人が韓国軍の中に出たのです。

――米軍幹部は何と答えたのでしょうか?

鈴置:「前の2回は追認せざるを得なかったが今度はもう、許さない」と韓国軍将校に返答したと自衛隊には説明したそうです。「前の2回」とは1961年の朴正煕少将の「5・16軍事クーデター」と、1979年の全斗煥(チョン・ドファン)少将らによる「12・12粛軍クーデター」を指します。

「言うだけ番長」はどやしつける

――この時、米国がクーデターを許さなかったのはなぜでしょうか?

鈴置:盧武鉉氏は「言うだけ番長」でした。大声で反米を唱えても米国から圧力をかけられれば容易に屈しました。米韓FTAを締結しましたし、イラクに韓国軍も派兵しました。いずれも支持層の左派から強い反対のあった案件です。「言うだけ番長」を見切った米国に、クーデターは不要だったのです。

「韓国軍のクーデター相談説」も、圧力の一端だったかもしれません。日本にまで広めることで盧武鉉政権の耳に入るように仕向けた。つまり、「米国が計画の発動を抑えた」ことにしつつ「言うことを聞かないと、韓国軍の手綱を放すぞ」と脅しもしたわけです。

 1952年も同じ構図だったのかもしれません。韓国の政界に「米軍主導のクーデター説」を流す。すると李承晩政権も米国の顔色を見ざるを得なくなり強権ぶりにブレーキがかかる、という筋書きです。

――それなら、ニューシャム大佐の論文も「威嚇」に過ぎない?

鈴置:そうかもしれません。ただ15年前と比べ、現在の米国の懸念が比べものにならないほど大きいことを見落としてはなりません。

 当時は中国が今ほど台頭しておらず、盧武鉉政権が中国側に鞍替えするなど想像もできなかった。それに今や、米中は本格的な覇権争いに突入しました。韓国の裏切りは絶対に許せません。

キーセンもデモした1960年
――だんだん、クーデター使嗾(しそう)説が本当に見えてきました。

鈴置:ただ、それと韓国軍が実行するかは別問題です。武力で政権を倒しても、国民の支持を集めないとクーデター政権は長続きしません。

 朴正煕氏のクーデターはそれなりに支持を集めました。1960年、不正選挙が原因で李承晩政権が崩壊した後、韓国は政治的にも社会的にも混乱に陥った。

 混乱を収拾できない政党政治に人々が嫌気した瞬間、朴正煕少将はクーデターを起こしたのです。もちろん、知識人からは批判されました。しかし、普通の人は必ずしもそうでもなかった。

 当時を知る人から「あらゆる階層の要求が噴出し、街は毎日デモであふれかえった。キーセンまでがデモをした」と聞かされたことがあります。あまりの混乱に多くの人が困惑していたというのです。

 朴正煕氏が1963年、1967年、1971年の大統領選挙で――直接選挙でしたが――野党候補を破ったのも、普通の人々の支持がなければ不可能だったでしょう。

 半面、全斗煥少将らの「粛軍クーデター」は不人気でした。1979年に朴正煕大統領が暗殺された後の混乱を収拾するとの名分を掲げましたが、多くの国民からは「権力の簒奪(さんだつ)」と見なされました。

 全斗煥氏は1980年に大統領に選ばれました。が、立候補者は1人で、自分の子飼いが選挙人を務める間接選挙でした。直接選挙を実施する自信がなかったのです。

 1987年には国民の間から直接選挙を求める声が噴出。全土で大規模なデモが発生し、警察の弾圧による死者も出ました。結局、6月29日、政権側はいわゆる「民主化宣言」を発表して直接選挙制を受け入れたのです。

「米軍撤収」がクーデターの導火線

――現在は、国民の間にそこまでの不満はない……。

鈴置:ええ、クーデターを支持するほどに不満は高まっていません。文在寅大統領に対する支持率は40%台を保っています。韓国の世論調査の結果は政権にかなり甘く出るので、そのまま信じるわけにはいきませんが「クーデターに拍手喝采」とのムードにはありません。

 ただ、米国には文在寅政権を追い詰める手があります。在韓米軍の撤収に動けば、政権への不信感をかきたてるからです。

 反米で親北・従中の文在寅政権には歓迎すべき動きです。が、7―8割の韓国人は米韓同盟を支持しています。同盟解体につながる米軍撤収を、大いなる不安感を持って見るのは間違いありません。

 そんな恐れ、不安が社会に広まった時、軍が決起して文在寅政権を倒しても、決定的な反発は買わないと思います。クーデターの後、すぐに選挙を実施するなど民政維持の姿勢を示せば、ですが。

 注目すべき動きがありました。10月14日、米韓両国の国防相がペンタゴンで定例安保協議(SCM)を開きました。その際の共同声明から、2008年以降ずうっと盛り込まれてきた「在韓米軍の現行の兵力水準を維持する」とのくだりが消えたのです。

 保守系紙の朝鮮日報はさっそく「米、12年ぶりに『在韓米軍維持』の文言を落とした」(10月16日、韓国語版)と報じました。

 ある読者はこの記事のコメント欄に「2つに1つを選べ、ということだ。数万の自国民を犠牲にして韓国を守った国か、統一を阻害した国か、と」と書き込みました。米国か中国かの踏み絵を突き付けられたことを韓国人も理解したのです。

「トランプ退任」待ちの文在寅

――文在寅政権はどう考えたのでしょうか?

鈴置:さすがに「反米を続けると、米国から何をされるか分からない」と思ったようです。異例の共同声明の8日後、10月22日に韓国は在韓米軍のTHAADに関し譲歩しました。

 譲歩と言っても同盟国として当然の義務の一部を果たしたに過ぎませんが、慶尚北道・星州(ソンジュ)のTHAAD基地を取り巻いて封鎖してきた反米団体を警察が排除したのです。

 米軍がTHAADのレーダーや発射台、管制装置を基地に設置したのは2017年4月。その後、韓国の警察は封鎖中の反米団体を放置してきました。もちろん、THAAD配備に憤った中国にゴマをするためです。

 反米団体は米軍の機材・燃料・食糧の搬入を阻止し続けたため、米軍はヘリコプターで空輸してきましたが、それにも限界があり、兵士の日常生活にも支障をきたしていたといいます。

――文在寅政権は反米を軌道修正するのでしょうか?

鈴置:単に、目先を誤魔化す作戦でしょう。反米路線を本当に放擲(ほうてき)したら政権の存在意味を失います。

 米大統領選挙は11月3日。トランプ大統領が落選すれば、米中対立も和らいで、米国からの圧力も減るかもしれない――。そう読んでの時間稼ぎと思われます。

 もっとも、北朝鮮はクギを刺しておく必要があると判断したようです。10月26日、宣伝媒体「メアリ」で「ご主人さまの怒りを解くために、南の当局が外交・安保関係者を米国に送っている」「米国はさらに南を見下し、THAAD基地の永久化など重い負担を課すだろう」と揶揄しました。

 朝鮮日報の「終戦宣言を議論しようと米国に行ったら…北『外勢に仕える卑屈な行い』」(10月26日、韓国語版)で読めます。

韓国国防相を唐突に招待した中国

――中国はどう反応したのですか?

鈴置: 10月21日、中国は突然に韓国の国防相を招待しました。聯合ニュースの「韓中の国防相が電話会談 協力継続で一致」(10月21日、日本語版)によると、中国側の要請で実施した電話協議で魏鳳和・国防相は徐旭(ソ・ウク)国防部長官に訪中を呼びかけたのです。

 THAAD配備問題もあって、韓国の国防相の訪中は2011年7月以降、途絶えていました。そこに、この唐突な訪中要請。米韓関係の改善に歯止めをかけるのが中国の狙いでしょう。

 韓国軍が文在寅政権をどう見ているのかも、国防相に直接に会って探りたいところです。軍はひと昔前は完全な親米でしたからね。

――韓国軍がクーデターを起こしたら、中国とすれば元も子もなくなりますね。

鈴置:そうとは限りません。軍が親米クーデターを起こしても、反中にはなりません。むしろ「親米で従中」政権が誕生する可能性が大きい。

 韓国軍だって、米国だけを頼りにするよりは、中国も後ろ盾にした方がいい。軍が本当の敵と考える北朝鮮と対するのにも、それは不可欠です。

 それに軍人も韓国人。従中のDNAは持っているのです。韓国軍がクーデターを起こすというなら、中国はそのスポンサーになる手があります。

「李氏朝鮮」のデジャブ
――クーデター政権が中国側に寝返るとは!

鈴置:歴史的に前例があります。李氏朝鮮を建てた李成桂(イ・ソンゲ)は、その前の王朝、高麗の武将でした。おりしも中国大陸は元明交代期。新たに興った明は高麗に領土の割譲を要求。怒った高麗王は李成桂を明との戦いに送り出しました。

 李成桂は現在の中朝国境である鴨緑江まで進軍しましたが、勝ち目がないと悟ると軍を翻し、高麗王朝を倒したのです。1388年のことでした。軍事クーデターに成功したのです。

 明は李成桂に「朝鮮」という国号を名乗るよう、申し渡しました。冊封体制に組み込んだわけです。李成桂がクーデターを敢行した際、明に了解を取り付けていたことを示す資料はないようです。が、地政学的に見て、政権奪取後に明に仕えるのは自明のことでした。

 今後、朝鮮半島や中国大陸で何が起きるかは予測がつきません。盤石と信じていた国際政治の地殻構造がひっくり返ってしまうことも覚悟すべきと思います。

 ニューシャム大佐の言葉を借りれば、日本人も「こうなるとは思ってもいなかった」と驚き慌ててはならないのです。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95〜96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

週刊新潮WEB取材班編集』