文系記者がAI作ってみた クリックだけで制作時間15分

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65523280X21C20A0X11000/

『人工知能(AI)が産業や生活を変え始めている。難解な計算モデルを作り上げ、データ解析をしてくれるAIは専門のエンジニアが欠かせなかったが、昨今は事情が違うらしい。素人でもクリック操作だけで作れるサービスが広がっているという。にわかに信じがたいが、AI担当記者として確かめずにはいられない。文系出身の私でもできるのか、トライしてみた。

「誰でもすぐにAIを作れますよ」。aiforce solutions(エーアイフォースソリューションズ、東京・千代田)の西川智章代表の一言に当初、記者は半信半疑だった。

ビッグデータから最適解を導くための複雑な数理モデルを考え、プログラミングしないといけないAI。技術は難解極まりなく、自分で計算式を書くなどもってのほかだが、触ってみないことには始まらない。同社を訪れた。

■予測の誤差は0・5%

今回、同社のサービス「AMATERAS RAY(アマテラス・レイ)」を使って作るのは、翌日の日経平均株価を予測するAIだ。株価の過去データと影響を与えそうなデータを集めて入力。すると、データの相関関係やデータの変動傾向から自動で株価を予測するモデルを構築してくれるという。プログラミングが一切要らない「ノーコード」サービスだ。

まずはデータの準備から。過去の日経平均の値に加え、米ダウ工業株30種平均やドル円の為替相場、トランプ大統領に関するグーグルの検索データなど、公開されている約35のデータを集めた。

データはエクセルのような表計算シートにアップロードする。次に操作画面から予測する対象に日経平均株価、データを整理するインデックスに日付の列を選ぶ。為替など他の列のデータは株価との関係性を分析、予測に役立てる。

次のステップはデータの計算手法である「アルゴリズム」の選択だ。アルゴリズムをもとに、株価を予測するモデルを構築するとあって重要な作業。といってもここでも操作はクリックだけだ。

アマテラスは14種類のアルゴリズムを用意している。画面上ではそれぞれの特徴について解説している。計算手法の細かな解説がないのがかえって入りやすい。すべてのアルゴリズムを使って計算し、その結果から一番優れたものを選ぶこともできるが、今回はよく利用される代表的な2種類をクリックして選んだ。

待つこと数分。2種類のAIモデルができあがった。実際に予測に使うアルゴリズムは、2つから優れた方をアマテラスが選んでくれる。今回は、過去の日経平均株価の値とモデルが導き出した数値の差がより少なかった「Light GBM」というモデルが最適との結論を出した。

素人の私だとアルゴリズムを勉強するのに数カ月はかかるはず。なのに、自動推奨までしてくれてこんな楽ちんでいいのかと思ってしまう。

最後の工程は選んだモデルの動作確認だ。モデル構築に使った時と同じ種類のデータをアップロードして計算、狙い通り株価予測ができるか検証した。作ったモデルは問題なく動いた。

予測結果はどうか。何と、実際の株価との誤差は0.5%の118円。気分はもうマーケットアナリストだ。

同社のエンジニアに教えてもらいながら操作しても、かかった時間は15分ほど。一度覚えればもっと短縮できそうだ。触れ込み通り、操作は本当にクリックのみだった。アルゴリズム名など見聞きしない専門用語はちらつくが、すべて分からなくても使いこなせた。

どうして分からなくても使えるのか。西川代表は「AIが次々と実用化されていくなか、研究開発が進み、分野によっては計算手法が確立されてきたため」と話す。

アマテラスのアルゴリズムには、これまでAI業界が積み重ねてきた知見が詰め込まれている。作ったモデルは、多くのエンジニアが参加してAIの性能を競うコンテストで上位数%に入ることも。必ずしもエンジニアが一から計算式を組み立てる必要はなくなりつつあるという。

エーアイフォースソリューションズの西川代表

■AI開発費用を大幅に減らす

「アマチュアAI」のインパクトは大きい。エンジニアに委託する場合、1回あたり数カ月の時間と数百万円から、ときには数千万円の費用がかかる。アマテラスは年間数百万円で使える。適切なデータの選び方などエンジニアにサポートしてもらった後は、データさえあれば誰でも30分ほどで制作できるという。

アイスクリーム店を運営するB-Rサーティワン アイスクリーム(東京・品川)。店の実務担当者はアマテラスを使って自らAIを作り、売れ行きを予測しながら生産や在庫管理を効率化している。従来は3カ月に1回、AIを活用した社外のデータ分析サービスを使い、過去の出荷実績などのデータからシーズンごとに変わる商品の出荷量を予測していた。

だが、エンジニアはAIには詳しくても31種類ものアイスクリームには門外漢。消費トレンドなど予測のためにどんなデータが必要なのか、どんなデータをひも付ければよいのかなどの検討に時間がかかり、費用が膨らむことも課題だった。

そこで店舗のパソコンから使えるアマテラスを導入。現場担当者が必要だと判断した時に”専門家”となって予測できるようにした。かかる費用は月数十万円と大幅に削減できたという。

定型化したアルゴリズムを組み込んだソフトを使うことで、素人でもAIを作れるシステムは他にも。19年にニコンから独立したエンジニアが設立したMENOU(東京・中央)は、製造業の検品に使える画像解析AI作成ソフトを開発する。「技術はすでに実用レベルを上回っている。これからは使い勝手の改善に注力したい」(西本励照代表)という。9月にグーグルが発表したプログラミングなしでアプリを作れる新サービスでも、AIが作れる機能が実装される見通しだ。

もちろん簡易AIは万能ではない。AIには画像処理や言語処理用などデータのタイプによって様々な種類がある。簡易AIが扱えるのは数値データと一部の画像データに限られており、その分野以外のアルゴリズムは十分確立されていない。

また、どういうデータを読み込ませるかによってAIが導き出す結果は違ってくる。高精度にはじき出そうと思えば、計算技術にたけたエンジニアの力がものをいう。専門家はこれからも欠かせない存在といえる。

作り終えての感想は「AIの民主化」に向けた扉がいよいよ開かれたということだ。AIが専門領域ではなく、データさえあれば誰でも”開発”できる時代は意外に早く訪れるかもしれない。動作の仕組みは分からずとも誰もが使いこなしているスマートフォンのように。

(企業報道部 山田彩未)』

李明博元大統領、収賄で懲役17年確定 韓国最高裁

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65591430Z21C20A0MM0000/

『【ソウル=恩地洋介】韓国大法院(最高裁)は29日、収賄罪に問われ二審で懲役17年などの判決を受けた李明博(イ・ミョンバク)元大統領と検察の上告を棄却し、実刑判決が確定した。罰金130億ウォン(約12億円)と、追徴金57億ウォンも科される。保釈中の李氏は収監される。

韓国では退任後に刑事事件で起訴される大統領経験者が少なくない。実刑判決が確定した元大統領は全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、朴槿恵(パク・クネ)の3氏に次ぎ、李氏が4人目となる。

韓国検察は文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2018年3月に李氏を逮捕、その後起訴した。起訴状によると、李元大統領は07年から11年にかけサムスン電子から賄賂を受け取り、その見返りとして、有罪判決を受けていた同社の李健熙(イ・ゴンヒ)会長に特赦を与えた。

判決は、李氏が実質的に保有する自動車部品メーカーが米国で起こした訴訟費用を、サムスンに肩代わりさせたことが89億ウォンの収賄にあたると認定した。同メーカーに裏金づくりを指示し252億ウォンを横領した罪も認めた。

李元大統領は08~13年に大統領を務めた。経営者出身で経済成長や実利外交を追求したが、終盤の12年に現職大統領として初めて島根県の竹島(韓国名・独島)に上陸し、日韓関係が長期間にわたり悪化した。

李氏の後に政権を担った朴前大統領も、財閥や情報機関から賄賂を受け取った収賄などの罪に問われている。7月の差し戻し控訴審判決では懲役20年、罰金180億ウォンなどの実刑が言い渡され、検察が上告した。これとは別に、18年11月には公職選挙法違反罪で懲役2年の実刑が確定している。』

李明博
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%98%8E%E5%8D%9A

 ※ 1941年生まれだから、2020年現在79才だ…。単純に17年後(恩赦などで、刑期が短縮しなかった場合)は、96才となる…。

 ※ 気の毒な話しだ…。「懲役」だから、日本だったら、毎日何らかの「役(仕事、作業)」が課せられる…。韓国での実態は、よく知らない…。

朴槿恵前大統領に懲役20年 高裁差し戻し審判決=韓国
7/10(金) 14:59配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c64b9cca5ae81571c0815f4a5001908ebb969e2

『【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル高裁は10日、大統領在任中に長年の知人と共謀してサムスングループなどから多額の賄賂を受け取った事件と、情報機関・国家情報院から巨額の裏金を受け取った事件で、収賄罪や職権乱用罪などに問われた前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告(68)に対する差し戻し審の判決公判を開き、同被告に懲役20年(求刑同35年)を言い渡した。

 大法院(最高裁)は昨年8月の上告審で、サムスンなどからの収賄罪などについて一審、二審の担当裁判所がほかの罪と区別して判決を出すべき収賄罪を分離せず、法に違反したと判断。懲役25年などとした二審判決を破棄し高裁に審理を差し戻した。裁判は朴政権時代に国家情報院が特殊活動費を裏金として青瓦台(大統領府)に上納していた事件の差し戻し審と併合され、審理が行われてきた。

 検察側は今年5月の論告求刑公判で、収賄罪に対して懲役25年、裏金上納事件の職権乱用権利行使妨害などほかの罪に対して懲役10年をそれぞれ求刑。求刑の合計は懲役35年だった。

 朴被告は2017年10月以降、裁判をボイコットしており、この日の判決公判にも出廷しなかった。』

 ※ 朴槿恵氏については、こういう状況だ…。Wikiによれば、1952年生まれだから、2020年で68才…。単純に、20年後は88才だ…。

 ※ こういうものが、「ロウソク革命」というものなんだろう…。気の毒な話しだ…、というのは、日本人的な感覚なんだろう…。

朴槿恵
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E6%A7%BF%E6%81%B5

技術は「鋭すぎる利器」か 情報氾濫、深まる分断 パクスなき世界 自由のパラドックス(5)

『テクノロジー(技術)は民主主義を守ると思いますか――。

ブラジルが11月の統一地方選を控え、表現の自由の抑制に動いた。高等選挙裁判所のバホゾ長官が9月末、米フェイスブックなどSNS(交流サイト)運営会社と「フェイクニュース」を防ぐ協定を結んだ。デマの発信元を調べ利用者のアカウントを止めるためだ。

【関連記事】
民主主義、少数派に 豊かさ描けず危機増幅
沈下する中間層 不安のマグマ、世界揺らす
国民守る国家の姿 コロナに揺れる「安心網」

背景にはフェイクニュースによる民意の分断がある。「新型コロナウイルスによる医療崩壊は起きていない」。6月、ボルソナロ大統領を支持する国会議員らが患者のいない開業前の病院内の動画をSNSで広め、経済活動の再開を訴え批判を受けた。COPPEADビジネススクールのアリアネ・ローデル教授は「フェイクニュース製造・拡散への罰則は真実の情報に基づく民主主義を守るためのものだ」と語る。

1990年代、民主主義を巡る高揚感と楽観論があった。冷戦終結で旧共産圏に民主化の波が押し寄せ、インターネットで世界中の個人がつながり始めた。誰もが自由に意見を交わし、民主主義は深化するはずだった。

今や世界人口の半分がSNSを使う。米シスコシステムズによると2020年の世界のデータ量は月間254エクサ(エクサは100京)バイトと90年の2億倍以上にのぼる。デジタル技術は誤った情報も増幅させる。世界中のコロナ関連のツイートを収集するイタリアの研究機関は3割が信頼性を欠く内容だと分析する。

米国では16年の大統領選でロシアの介入疑惑などがあり、民主主義を守るためSNSの検閲の動きが強まった。だが、偽情報の規制は表現の自由の後退と裏表の関係にある。SNS運営会社が民主党の大統領候補バイデン氏の次男らの不正疑惑を報じた米紙記事の閲覧を制限すると、共和党議員が批判した。「自由と規制の線引きが混沌としている」(上智大の前嶋和弘教授)状況だ。

東京工業大の笹原和俊准教授が、大統領選を争うトランプ氏とバイデン氏を支持するそれぞれ数万人のツイッター利用者のリツイートの流れを調べたところ、考えの近い人同士がリツイートし、支持が異なる人とのやりとりは少なかった。

SNSは考えの近い人だけの閉じた世界で広がりやすく、その傾向が強いとされるのは保守派だ。米ピュー・リサーチ・センターが大統領選前のフェイスブックの投稿や反応を分析すると、16年より共和党議員への反響が増えた。民主党議員は「フェイスブックは右翼のエコーチェンバー(反響室)」と非難する。

ファシズムが台頭し左右対立が激化していた約90年前の欧州。スペインの哲学者オルテガは「異なる他者への寛容」を訴えたが、溝は埋まらず世界が戦禍に見舞われた。

多様な情報に接した人々が熟慮や熟議を経て民主主義は守られる。15世紀のドイツのグーテンベルクによる活版印刷の発明は特権階級の情報の独占を崩し、新しい技術が市民革命につながった。

現代でも模索は続く。ネットで誰でも自由に政策を議論できる台湾の「v台湾」。市民らが話し合いで選んだ議題に参加者が意見を投稿し、他の参加者が同意、不同意などを示す熟議の場だ。

人工知能(AI)などを使い意見の近い集団ごとに分類。考えの違いなどを視覚的に示し、全員が納得できる案を導き出す。米ウーバーテクノロジーズの参入時のタクシー業界との共存策などの合意形成に役立った。

技術は民主主義を危うくすることも磨くこともできる。利器の使い方が問われている。

キーワード「デジタル・レーニン主義」

 民主主義の前提となるのが個人の表現や移動の自由だ。スマートフォンや監視カメラなどのデジタル技術は表現の幅を広げたり、治安を守ったりできる利便性がある半面、個人の情報を効率的に集めやすい。使い方次第で国家が監視を強めるリスクと隣り合わせだ。

 「デジタル・レーニン主義」。ドイツの政治学者セバスチャン・ハイルマン氏はデジタル技術による監視社会やそれを支える思想をこう表現した。ロシア革命の指導者レーニンが建国した旧ソ連の全体主義の再来に警鐘を鳴らしたものだ。

 実際にデジタル・レーニン主義が広がる可能性はあるのだろうか。各国の姿勢を測る物差しになるのが、新型コロナウイルスの感染予防対策として多くの国が導入したスマホを使う「接触追跡」の技術の運用法だ。

 米MITテクノロジーレビューがデータの用途制限など個人情報への配慮度合いを5項目で評価したところ、中国やカタールなど少なくとも6カ国のアプリは一つも基準を満たしていなかった。欧州は配慮する国が多い。日本は個人情報を取得しない仕組みにした。

 中国は位置情報などから個人の移動に関するデータを感染対策に役立てる。感染リスクが高いと判断された人の行動は制限される。中国は以前から街中にカメラを張り巡らせるなど国家の監視を強めていた。リスク分析会社ベリスク・メープルクロフトは「アジアが監視のホットスポットに浮上している」と指摘する。

 コロナ禍で中国方式の監視は成果を上げたとされる。だが民主主義のチェック機能がなく、個人の自由が脅かされたり社会が極端な方向に振れたりする脅威はある。中央大の宮下絋准教授は「国家は技術的にいくらでも人の移動などを監視できる。歯止めをかけられるかは、各国の民主主義の水準にかかっている」と説く。

 「パクスなき世界」取材班 大越匡洋、加藤貴行、上杉素直、島田学、押野真也、鳳山太成、石川潤、生川暁、高橋元気、大島有美子、奥田宏二、江渕智弘、竹内弘文、松浦奈美、佐伯遼、清水孝輔、北川開、原田逸策、前田尚歩、熊田明彦、天野由衣、榎本敦、塩山賢、森田英幸で構成しました。

【関連記事】
自由のパラドックス 「パクスなき世界」を考える
民主主義、再生の道は 岩間陽子氏と室橋祐貴氏が対論』