ANA、2000億円規模の公募増資検討 普通株で

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『 ANAホールディングス(HD)が2000億円規模の公募増資を検討していることが25日、わかった。銀行からの借り入れで当面の資金繰りにメドをつけているが、新型コロナウイルス禍で旅客需要の早期回復は見通せない。危機の長期化に備えて普通株による資本増強に動く。

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ANAHDの2020年4~6月期の連結最終損益は1088億円の赤字だった。特に国際線の落ち込みが深刻で全日本空輸(ANA)の8月の旅客数は前年同月比96%減と低迷が続いている。

ANAHDは6月までに借り入れや融資枠の設定で約1兆円の手元資金を確保した。航空機のリース代や借入金の利払いなどによる資金流出はあるものの当面の運転資金にはメドがついている。

一方、大幅赤字と借入金の増加で財務の健全性を示す自己資本比率は悪化する。8月からは取引銀行と、一部が資本金と認定される劣後ローンで4000億円規模の資金を調達する協議を進めている。ただ資本とみなせるのは半分の2000億円程度にとどまる。

ANAHDは21年3月期に6000億円程度の最終赤字に陥る可能性があり、20年3月期に約1兆円あった自己資本を大幅に毀損しかねない。格付けの維持には劣後ローンによる2000億円の底上げでは不十分だが銀行からの追加調達は難しく、公募による増資が必要と判断したもようだ。

ANAHDの足元の業績は厳しく投資家の需要には不透明感も漂う一方、財務体質が改善することへの期待が高まる可能性もある。日経平均株価が2万3000円台を回復するなど株式相場が堅調なこともANAHDが公募増資に傾く判断の背景にある。

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公募増資に合わせて経費削減策も示す。保有する航空機や非中核事業の売却を視野に入れる。航空業界としては政府と空港の使用料や発着料の減免に向けた交渉を進めており、減額幅の調整に入っているもようだ。

新型コロナ禍での収益悪化を受け、航空や自動車など多くの企業が借り入れや融資枠の設定で資金確保に動いている。ただコロナ対応で公募増資の計画が明らかになるのはANAHDが初となる。』