総裁選の貢献度、菅氏人事に反映支持地域から党四役や閣僚

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『菅義偉首相(自民党総裁)の内閣・党人事は総裁選で菅氏が地方票で優位だった都道府県からの起用が目立つ。党四役のうち3人、閣僚の4割が各3票の地方票をすべて取った都道県の選出議員だった。総裁選の集票力は各議員の地元での影響力を示す物差しでもあり、菅氏が人事で重視した要素といえる。

14日の自民党総裁選で47の都道府県連は各3票の地方票を投じた。投票先は秋田県連を除き、予備選挙などを踏まえて決めた。投票結果はその都道府県を地盤とする議員が党員票を取りまとめる力を映し出す。

派閥に属さず党内基盤が弱い菅氏にとって、自らの支持を集める力を人事で重んじることは政権の求心力にもつながる。

党四役のうち3人の地元都県連で各3票を菅氏が独占した。二階俊博幹事長の和歌山、下村博文政調会長の東京、山口泰明選挙対策委員長の埼玉だ。いずれも予備選の最多得票者に全3票をまわす「総取り」方式で投票先を決めた。

佐藤勉総務会長が所属する栃木県連は3票のうち2票を菅氏に入れた。予備選の得票数に比例して各候補に票を配分する「ドント」方式を採り、菅氏が最も票を集めた。

菅氏は地方票141票のうち63%にあたる89票を押さえた。47都道府県連のうち10都道県で3票を独占し、24府県で2票を得て優位だった。

菅内閣の閣僚の地元はどうか。公明党や参院比例代表選出の議員を除く18閣僚をみると、4割弱にあたる7人の地元が菅氏「独占」都県だ。菅氏「優位」も加えた34都道府県まで広げると8割弱の14人が該当する。

副大臣や政務官の地元も菅氏独占・優位の34都道府県が目立つ。公明党と比例代表単独を除く42人の9割が34都道府県の選挙区から出馬した議員だ。副大臣は8割で、政務官は全員が該当する。

政務三役の人事は派閥の均衡に配慮した配分になった。自民党幹部は副大臣について「今回は衆院で4期目とされていた基準が3期目になった」と語る。各派閥はそれぞれ推薦する議員をあげたが、総裁選での派閥への貢献度が判断材料になった場合もある。

岸田派が起用を働きかけた堀内詔子氏は環境兼内閣府副大臣になった。堀内氏の地元の山梨県連は3票中2票を岸田派トップの岸田文雄前政調会長に投じた。

岸田氏の地方票は計10票で山梨以外に2票以上を得たのは全3票を投じた岸田氏の地元の広島県連のみ。岸田派幹部は「頑張った人が副大臣になれて良かった」と話す。

石破茂元幹事長は自らの地元の鳥取県連が3票、5県が2票を投じた。三重の田村憲久厚生労働相や宮崎の古川禎久氏ら石破派の議員の集票力が垣間見える例もある。

菅内閣の副大臣・政務官人事は次の選挙をにらんだ側面もありそうだ。

政務官は大阪府連所属の衆院議員から6人、参院議員から1人の計7人を起用した。公明党と比例代表単独出馬を除く政務官21人の3分の1を占める。防衛兼内閣府副大臣には衆院大阪4区選出の中山泰秀氏が就いた。

大阪は日本維新の会の勢力が強く、次期選挙で激戦が予想される。選挙基盤が強いとは言えない府連の当選2回の衆院議員6人は全員が政務官になった。うち4人は17年の前回衆院選で小選挙区で敗れ、比例代表で復活当選している。

大阪に東京、千葉、神奈川の3都県を加えると政務官21人のうち半数を超す11人になる。大都市圏は選出議員の数も多いが、衆参とも野党と議席を競り合うことが多い。

国会議員にとって政務三役などの肩書は有権者らに売り込む材料になる。衆院議員は任期満了が2021年10月に迫り、衆院解散・総選挙の時期が焦点になる。

(宮坂正太郎)』

閣僚含め派閥均衡 副大臣・政務官を決定 竹下派は4増、大阪地盤目立つ
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『政府は18日、菅義偉内閣の発足に伴う副大臣25人、政務官27人の人事を決めた。閣僚を含め派閥の均衡をとった配分になった。自民党最大派閥の細田派が副大臣と政務官をあわせて最も多い10人を出した。竹下派は9人で、2019年9月の第4次安倍再改造内閣の発足時に比べ4人増えた。

6人の二階派と岸田派が細田、竹下両派に次いで多かった。19年9月の内閣改造時よりそれぞれ1人増えた。竹下派と並ぶ第2派閥の麻生派は2人減の5人になった。石破派は3人、石原派は2人で各1人増えた。

派閥に属さない無派閥議員は副大臣3人、政務官2人の計5人で1人減った。総務副大臣の熊田裕通氏や内閣府副大臣の藤井比早之氏らは菅首相に近いとされる。

公明党は副大臣と政務官に各3人を選んだ。横山信一復興副大臣を再任した。

女性は副大臣と政務官が3人ずつ計6人が入った。19年9月の内閣改造より2人少ない。

政務官の経験がない中西健治氏が財務副大臣、三原じゅん子氏が厚生労働副大臣にそれぞれ就いた。19年3月に自民党に入党した鷲尾英一郎氏を外務副大臣に起用した。

大阪府が地盤の議員が目立つ。17年衆院選で大阪府の各選挙区から出馬した衆院議員(比例復活を含む)から副大臣に1人、政務官に6人を登用した。参院大阪選挙区選出の松川るい氏を防衛兼内閣府政務官にした。

加藤勝信官房長官は18日の記者会見で「経歴、経験などを踏まえた適材適所の布陣だ」と語った。「行政の縦割りや既得権益、前例主義を打ち破り、規制改革を全力で進める」とも強調した。』