デジタル庁へ3つの焦点、権限・所管・民間人

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64091040Z10C20A9EA3000/

『平井卓也デジタル改革相は19日、都内で「デジタル庁」創設に向けた実務者による初の検討会を開いた。「菅義偉首相はやると言ったらやる。結果を出すしかない」と述べ、骨格づくりを急ぐ考えを示した。行政の縦割りを打破して進めるには新組織の権限をどこまで強めるかなどが焦点となる。

平井氏は検討会終了後、月内にも「デジタル庁設置準備室」を立ち上げると明らかにした。検討会に出た実務者を中心に内閣官房、総務省、経済産業省など関係省庁から40~50人規模を集める。

休日返上で開いた19日の検討会には内閣官房の職員を中心に出席し、一部はリモート形式で参加した。平井氏はスピード重視を訴えたうえで「スタートアップ企業のように小さく産んで大きく育てる」と語った。

行政のデジタル化を推進するためのデジタル庁創設に向けた準備の焦点は主に3つある。

1つ目は権限だ。首相はイメージを「複数の役所に分かれる政策を強力に進める体制」と説明する。平井氏は「設置法の中でどこまでの権限を持たせるか。今までにない権限を頂かないといけない」と強調した。

デジタル関連政策は内閣府や内閣官房、経産省、総務省などに担当が分かれ司令塔役がいない。政府内で内閣府設置法を改正して設置する案のほか、司令塔として機能させるために他省庁との横並びを避け、首相直轄の組織にする新法を制定する案もある。

検討会では出席者から「人事権を各省に持たせてはいけない」との意見が出た。平井氏は賛同したうえで「首相の強いリーダーシップでバックアップしてもらわないと抵抗に遭う」と言及した。

所管範囲の線引きも難しい課題となる。平井氏は最優先事項として「コロナ禍でできなかったこと」を挙げる。

行政のデジタル化が進んでおらず一律10万円の現金給付が遅れたことや、国が全国のPCR検査結果の集計に手間取ったことなどを念頭に置く。

各府省庁のシステムの仕様統一のほか、地方自治体や行政機関同士の連携強化も進める方針だ。

平井氏は成長戦略につなげるため、企業や公共インフラ部門のデジタル化もあわせて所管する方向で議論を始めた。

民間人の登用にどこまで積極的に取り組むかも新組織の実効性に関わる問題だ。デジタル庁のトップに民間人を据える検討を進める。社会全体でデジタル化を進めるには民間技術者らの力も必要だとの指摘は多い。

政府は検討会の議論を踏まえ、23日に全閣僚を集めた会議を開く。デジタル庁は2021年秋までに新設する方針で、21年1月に召集する通常国会への関連法案の提出をめざす。』