米「南シナ海、中国の主張違法」 ASEAN外相会議で非難

米「南シナ海、中国の主張違法」 ASEAN外相会議で非難
激しい応酬 中国「米が邪魔」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63659850Q0A910C2MM0000/

『【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】ポンペオ米国務長官は9日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で、中国が南シナ海で主張する海洋権益は「違法だ」と非難した。中国の王毅(ワン・イー)外相は米国を「解決の努力を邪魔している」と批判し、激しい応酬を繰り広げた。

舞台となったのは、ASEAN10カ国に米国や日中韓などが参加する東アジアサミット(EAS)の外相会議。ASEANのベトナムが議長国を務め、オンラインで開いた。

米国務省によると、ポンペオ氏は中国の南シナ海における「攻撃的な行動」に懸念を示した。他の複数のASEAN諸国も同様の認識を示したという。また、ポンペオ氏は香港国家安全維持法の施行やデモに参加する民主派の逮捕、9月に予定していた立法会(議会)選挙の延期などへの懸念を表明した。他の複数の国が同じ認識を会議で明らかにした。

国務省によると、ポンペオ氏はその後の米国とASEAN10カ国の外相会議で、南シナ海における全ての紛争は国連海洋法条約に沿って平和裏に解決すべきだと申し合わせた。

ポンペオ国務長官は東アジアサミット外相会議で中国が南シナ海で主張する海洋権益は「違法だ」と非難した=AP・共同

一方、王氏は「米国は中国とASEANの話し合いによる解決の努力を邪魔し、南シナ海の平和を損なう最も危険な要因だ」と痛烈に批判した。さらに「南シナ海は地政学の競技場ではないし、ましてや大国のパワーゲームの拳闘場ではない」と語った。王氏の発言は事前に収録したものだったとされる。

茂木敏充外相は東シナ海と南シナ海について「一方的な現状変更の試みが継続している」と指摘した。「深刻な懸念を共有する」と表明し、参加国に状況の改善に向けて建設的な行動を取るよう呼びかけた。

ポンペオ氏は会議で、北朝鮮に大量破壊兵器と弾道ミサイルの開発計画の廃棄も求めた。

南シナ海問題を巡っては、米国が8月に軍事拠点化に関わった中国企業に初めて制裁を科し、相前後して中国が本土から南シナ海に中距離弾道ミサイル4発の発射実験を1年ぶりに実施するなど緊張がかつてなく高まっている。双方が今回のASEAN関連の外相会議でどう対峙するかが注目されていた。』