米中、メコン川「管理」巡り対立 東南アに影響力競う

米中、メコン川「管理」巡り対立 東南アに影響力競う
東南アジア
2020/9/8 18:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63583320Y0A900C2FF8000/

『【バンコク=岸本まりみ】東南アジア最長の河川、メコン川の管理を巡り、米国と中国が対立している。中国は降水量や水位などの情報を流域国と共有する新たなデータベースを年内に設ける方針を表明した。日米欧が支援する流域の多国間組織は反発し、米国は11日に流域国との協力の枠組みを創設する。東南アジアへの中国の影響力拡大を防ぐ狙いだ。

ポンペオ米国務長官は11日、オンラインで参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合の一環として「メコン―米国パートナーシップ」という閣僚級の枠組みの初会合で共同議長を務める。

参加予定はメコン川流域のカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムの5カ国の外相とASEAN事務局長。米国主導のメコン下流域開発(LMI)を通じて2009年から続けてきた開発協力を発展させる。

全長約4200キロメートルのメコン川は中国を始点に東南アジア5カ国を巡り、南シナ海に注ぐ。上流の中国、ラオスでは治水や発電のためダムを多数建設。下流域のタイ、ベトナムで、水量が主要な輸出品であるコメの生産を左右する。企業のサプライチェーン(供給網)構築に向け架橋を含む輸送路の整備が進められ、アジア開発銀行(ADB)も支援してきた。

米国が意識するのは中国のメコン川進出だ。

中国の李克強(リー・クォーチャン)首相は8月24日の演説で、メコン川の洪水、干ばつに対応するため流域国とデータを共有するプラットフォームを整備すると明かした。治水や農業に必要な水資源管理の基礎になる降水量、水位などの情報をインターネットを通じて共有し、管理に役立てる仕組みだとみられる。

李氏が演説したのはオンラインで開かれた「瀾滄江(らんそうこう)―メコン川協力(LMC)」の第3回首脳会議。LMCは15年、中国が流域5カ国と始めた協議体だ。メコン川は中国で瀾滄江と呼ばれる。李氏は「同じ川から水を飲むメコンの国々は家族のようだ。水資源を巡る協力を新たな高みに引き上げる必要がある」と指摘した。

これまで中国は洪水が頻発する6~10月ごろに上流のデータを公表するだけだったが、19年から続いた干ばつ後に方針を変えたようだ。タイ、ベトナムの不作でコメの国際価格が急上昇。米国はメコン川の水量減の主因が中国のダムだと主張した。中国は異常気象が原因で、米の主張は「根拠がない」と反論する。

安全保障問題に詳しいチュラロンコン大(タイ)のティティナン准教授は「中国は情報共有を提案して(流域5カ国への)影響力を強めようとしている」と指摘する。中国は流域国のインフラ整備のため多額の投融資を実施してきた。中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」の一環でもある。

ラオス南部を流れるメコン川

一方、日米欧が支えてきた多国間の枠組み「メコン川委員会(MRC)」は反発。李氏の演説の翌日には事務局が「中国のデータ共有は歓迎するが、(MRCによる)既存のプラットフォームの利用を提案する」という内容の声明を出した。

MRCは1995年にミャンマーを除く流域の東南アジア4カ国で成立した。中国のLMCとメンバーが重複するが、開発に関する日本などの資金協力を受け入れる組織として活動してきた。

MRCは米国の支援を受け、水位などのデータ共有、洪水や干ばつを予測するシステムを稼働させてきた。アン・ペイ・ハッター事務局長は「足りないのは上流国のデータだ」と主張する。中国に対しては新たなデータベースの整備でなく、MRCのプラットフォームを充実させるための情報提供を求めた格好だ。

9日からベトナムを議長国として開く一連のASEAN関連の閣僚級会合は、南シナ海を巡る米中の「対決」が大きな焦点になる。両国はそれぞれ、南シナ海に近く、同海域の情勢を大きく左右する東南アジア諸国を自国の陣営に取り込もうと競っている。その争いが東南アジアの豊かさの源泉の一つでもあるメコン川にも及んできた。』

「後任は菅氏」首相が4月に意向 田原総一朗氏が明かす

https://www.sankei.com/politics/news/200910/plt2009100047-n1.html

『安倍晋三首相は10日、ジャーナリストの田原総一朗氏と官邸で面会した。田原氏は面会後、記者団に対し、首相は4月に田原氏と面会した際に「(後任の)総裁は誰がやるか、その時にはっきり菅(義偉)さんだと言っていた」と語った。

 田原氏によると、首相は菅氏を推す理由として「彼は世襲でもないし、エリートでもない。他人の足を引っ張ることもない」と述べたという。』

南欧7カ国、「トルコ対話応じなければ制裁用意」

※ エネルギー資源を巡る、「醜い大人の争い」だ…。それに加えて、「地政学的要因」も加わっている…。これが、「リビア情勢」にまで波及して行くんだから、「世界は、どこでどう繋がっているのか」、知れたものじゃないんだ…。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63717050R10C20A9000000/

『【パリ=白石透冴】フランス、イタリア、ギリシャなど南欧7カ国は10日、海洋権益などを巡り欧州との関係が悪化するトルコに対し、対話に応じなければ欧州連合(EU)が制裁を科す用意があるとの声明を発表した。両者の緊張が高まっている。

10日、記者会見する南欧7カ国の首脳(コルシカ島)=ロイター
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7カ国の首脳は地中海の仏コルシカ島で会議を開いた。会議後の声明で「トルコが対話に応じず、一方的な行動をやめない場合」に制裁の選択肢を検討するとした。9月24~25日に開くEU首脳会議で議題となる可能性があるという。

会議後の記者会見でマクロン仏大統領は、トルコによる「一方的な挑発、違法なガス探査、主権への脅しがある」などと説明した。

トルコはギリシャとキプロスが権益を主張する東地中海でガス探査を始めており、火種となっている。EU側はトルコが必要な対話に応じていないとしている。

政情不安が続くリビアを巡っても、フランスとトルコは緊張関係にある。フランスは東部の軍事組織「リビア国民軍(LNA)」を支持するとされ、トルコは西部を拠点とする暫定政権を支援している。』

緊張感高まる東地中海、ギリシャがトルコに対して軍事力行使を示唆
https://grandfleet.info/european-region/greece-may-use-military-force-against-turkey/

「外交の墓場」:分断されたキプロス島
http://globalnewsview.org/archives/7711

東地中海ガス田開発 交錯する期待と課題(その1)
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1004762/1007537.html

トルコのリビア介入 地中海パイプライン計画の遮断狙う
https://www.sankei.com/world/news/200118/wor2001180017-n1.html

※ パイプラインの敷設も、絡んでいるらしい…。

※ 大体、「北キプロス」なんか、トルコ1国しか承認していないらしい…。

※ これが問題の「ガス田」の権益図…。中東側のレバノン、イスラエル、エジプト、さらにはリビアも「権益」を主張するから、「利害関係」は複雑だ…。そして、それぞれに英・仏・伊の「旧宗主国」の「権益」も絡むから、収拾は困難だ…。

※ リビア東部に「権益」を確立すれば、「計画中のパイプライン」も遮断できる…、との思惑もあるようだ…。

※ 世界は、そういう「醜い大人の欲望」に突き動かされて、「変転」していく…。

※ トルコ、英、仏、伊…、すべてNATOの加盟国だ…。一致して、「ロシアに対抗する」どころの話しじゃ無いだろう…。

※ 米国は、どう動くのか…。ヘタに「介入すると」、「火に油を注ぐ」ことになる…。じっと成り行きを観察しているところか…。

米大統領選、中ロが大規模サイバー攻撃 Microsoftが警告

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63717130R10C20A9000000/

『【シリコンバレー=佐藤浩実】11月の米大統領選が迫るなか、ロシアなど外国勢力によるサイバー攻撃の懸念が強まっている。米マイクロソフトが10日に公表した報告書によると、ロシアのハッカー集団は過去2週間で政党や支援団体など28の組織に攻撃を試みた。中国やイランからの攻撃も続いており、同社は多要素認証などでの防御を呼びかけている。

国家の関与が疑われるサイバー攻撃の動向を調べた。ロシアのハッカー集団「ストロンチウム」は2019年9月~20年6月にかけて200以上の組織を攻撃。8月18日~9月3日の2週間では28組織に属する6912アカウントのハッキングを試みた。「攻撃はいずれも成功していない」(マイクロソフト)という。

【関連記事】
米、大統領選干渉でウクライナ議員に制裁 ロシアの手先

ストロンチウムは選挙関係者のアカウント情報を得るため、考えられるパスワードを総当たりで試す「ブルートフォース攻撃」と、複数のアカウントに対して同時に1つのパスワードを試す「パスワードスプレー攻撃」をしかけた。16年の大統領選では特定の標的から情報を奪う「スピアフィッシング」が主流だったが、攻撃はより大規模化している。

中国のハッカー集団「ジルコニウム」も大統領選に関わる情報を手に入れようと攻撃を続けている。3~9月に検知した攻撃は数千件に上り、150件近い情報漏洩が発生した。失敗に終わったものの、民主党のバイデン前副大統領の関係者を対象にした攻撃もあったという。イランの「フォスフォラス」は5~6月にかけてトランプ大統領の選挙活動に関わるスタッフのアカウントへの侵入を試みた。

選挙のような国家の動向を左右する大型イベントでは、サイバー攻撃が活発化しやすい。マイクロソフトはパスワードと生体認証などを組み合わせる「多要素認証」を徹底するなどして、攻撃を回避するよう呼びかけている。同社はセキュリティー関連の事業を手掛けており、サイバー攻撃についても不定期で報告書を出している。』

ファーウェイ、自前OS 来年からスマホに搭載

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63705450Q0A910C2FFJ000/

 ※ アンドロイドも、iOSも、「Linuxカーネル(メモリ管理、IOの管理などOSの中核となる部分がLinuxのカーネルから派生したもの)」だから、それに類似したものを作ることは、それほど難しいことじゃ無い…。
 しかし、その上で走る「アプリ」が、人気なものはある程度「固定」されてしまっているので、いまさら「ゼロ・ベース」で開発しても、誰も使ってくれないだろう…。
 先進国市場で売れるということは、無いだろう…。「一帯一路」周辺や、アフリカ各国市場…、と言ったところだろうな…。
 後は、記事にもある通り、「スマート家電」なんかへの「組み込みOS」として使うくらいだな…。
 ただ、国内市場が「莫大」だから、そこでは生き残って行くだろう…。教育用のタブレット端末で使う…、とかな…。
 結局は、「内製」しか、生き残りの道は残されていないだろう…。それは、自分たちが重々承知だろう…。

『【広州=川上尚志】中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)は独自開発した基本ソフト(OS)の普及を急ぐ。2021年から主力製品のスマートフォンに自前のOSを搭載する。外部企業にも採用を促し、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」需要を囲い込む。ただ米政府の規制強化でスマホなどの生産継続が危ぶまれており、先行きは不透明だ。

「来年からファーウェイのスマホは全面的に鴻蒙(ホンモン)に対応させる」。10日、中国南部の広東省東莞市で開いたソフトウエアなどの開発者向けイベントで、消費者向け端末事業部を率いる余承東(リチャード・ユー)最高経営責任者(CEO)は力を込めた。

ファーウェイが17年から開発を本格化してきた自前のOSがホンモンだ。設計図が無償で公開されているオープンソースのOS「リナックス」の関連技術を活用し、あらゆる機器に対応しやすいとアピールしている。

第1弾として19年8月、ホンモンを搭載した初めての製品としてテレビを発売した。続いて中国電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が20年7月に売り出した新型EV「漢」にも供給した。今後はノートパソコンやタブレット、スマートウオッチなどにも採用を広げる見通しで、自前OSの汎用化につなげる戦略を描いている。

当面の課題はスマホへの搭載に向けた技術開発だ。ホンモンに対応するアプリを充実させるため、外部に技術情報を無償で公開することを決めた。まず10日からテレビや車載機器、スマートウオッチなど向けを対象にし、今年12月にはスマホ向けにも広げる計画だ。

ホンモンはIoT向けに設計され、当初はスマホへの採用を想定していなかった。もともとファーウェイ製のスマホは米グーグルのOS「アンドロイド」を搭載し、これに対応したアプリを多くそろえているためだ。

ファーウェイが一転、戦略を変更した背景には、米政府が19年5月に打ち出した事実上の輸出禁止措置で風向きが変わったことがある。原則、グーグルとの取引は打ち切られ、アンドロイドと連動して使用するグーグルの地図やメールといった主要アプリをファーウェイのスマホの新機種に搭載できなくなった。

アンドロイド自体はオープンソースのため、規制対象にはならない。ファーウェイは現在も自社製スマホで採用するが、使い続ける魅力は薄れたと判断したもようだ。

ホンモンの普及を目指し、今後はオープンソースとして外部企業に採用を働きかける。米政府が中国企業に対する圧力を強めるなか、米製の技術に頼らない新たなOSとして中国企業などに広がりそうだ。スマホで使えるようになれば、ライバル企業も採用し、搭載製品が一気に増える可能性がある。「開放的なエコシステム(生態系)を築き、世界の様々なメーカーの支持を得られるかが課題になる」(中国の東興証券)との声がある。

IoT向けのOSは近年、グーグルやアマゾン・ドット・コムなど米企業も開発を進め、競争は激しくなっている。

さらに、ファーウェイには米政府による禁輸措置の強化が重くのしかかる。今月15日からは米製技術が関わる半導体のファーウェイへの供給が事実上、全面的に禁止される。ファーウェイは高性能な半導体部品が欠かせないスマホはもちろん、パソコンなどさまざまな製品の生産にも支障が出る可能性がある。

OSは搭載する製品が多いほど、関連アプリの開発者も増えて利便性が高まる。米政府の規制強化でハードの生産が滞り、搭載機器を増やせないようであれば、自前OSを世界のIT(情報技術)業界に広げるファーウェイの青写真も頓挫するリスクがある。』

米「南シナ海、中国の主張違法」 ASEAN外相会議で非難

米「南シナ海、中国の主張違法」 ASEAN外相会議で非難
激しい応酬 中国「米が邪魔」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63659850Q0A910C2MM0000/

『【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】ポンペオ米国務長官は9日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で、中国が南シナ海で主張する海洋権益は「違法だ」と非難した。中国の王毅(ワン・イー)外相は米国を「解決の努力を邪魔している」と批判し、激しい応酬を繰り広げた。

舞台となったのは、ASEAN10カ国に米国や日中韓などが参加する東アジアサミット(EAS)の外相会議。ASEANのベトナムが議長国を務め、オンラインで開いた。

米国務省によると、ポンペオ氏は中国の南シナ海における「攻撃的な行動」に懸念を示した。他の複数のASEAN諸国も同様の認識を示したという。また、ポンペオ氏は香港国家安全維持法の施行やデモに参加する民主派の逮捕、9月に予定していた立法会(議会)選挙の延期などへの懸念を表明した。他の複数の国が同じ認識を会議で明らかにした。

国務省によると、ポンペオ氏はその後の米国とASEAN10カ国の外相会議で、南シナ海における全ての紛争は国連海洋法条約に沿って平和裏に解決すべきだと申し合わせた。

ポンペオ国務長官は東アジアサミット外相会議で中国が南シナ海で主張する海洋権益は「違法だ」と非難した=AP・共同

一方、王氏は「米国は中国とASEANの話し合いによる解決の努力を邪魔し、南シナ海の平和を損なう最も危険な要因だ」と痛烈に批判した。さらに「南シナ海は地政学の競技場ではないし、ましてや大国のパワーゲームの拳闘場ではない」と語った。王氏の発言は事前に収録したものだったとされる。

茂木敏充外相は東シナ海と南シナ海について「一方的な現状変更の試みが継続している」と指摘した。「深刻な懸念を共有する」と表明し、参加国に状況の改善に向けて建設的な行動を取るよう呼びかけた。

ポンペオ氏は会議で、北朝鮮に大量破壊兵器と弾道ミサイルの開発計画の廃棄も求めた。

南シナ海問題を巡っては、米国が8月に軍事拠点化に関わった中国企業に初めて制裁を科し、相前後して中国が本土から南シナ海に中距離弾道ミサイル4発の発射実験を1年ぶりに実施するなど緊張がかつてなく高まっている。双方が今回のASEAN関連の外相会議でどう対峙するかが注目されていた。』

ドコモ口座 安全後回し 「本人確認不十分」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63705460Q0A910C2EA2000/

『NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った預金の不正な引き出しが見つかった問題で、同社は10日、情報管理体制の不備を認め謝罪した。新規のサービス登録は停止し被害額も補償する。新規参入が続くデジタル決済で、規模拡大を優先する姿勢が顧客保護の甘さにつながった。

「口座作成にあたって確認が不十分だった」。10日の記者会見に出席した丸山誠治副社長はこう述べ、厳密な本人確認の仕組みがなかったことが預金の不正な引き出しを招いたと認めた。同日正午までに確認された被害は七十七銀行(仙台市)など計11行66件で、金額は約1800万円にのぼる。丸山副社長は被害にあった利用者に対し「銀行と連携して、全額を補償する」と明言した。

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ドコモ口座をつくるにはドコモの顧客ID「dアカウント」への登録が必要になる。「口座」と称しているものの、運転免許証の提出といった厳格な本人確認手続きを開設時に求めていない。ドコモの携帯電話サービスを利用していなくても、メールアドレスがあれば事実上誰でも開設ができる。

銀行口座と連携すれば銀行からの入金(チャージ)も可能で、不正に入手した銀行口座の情報さえあれば、本人になりすましてお金をドコモ口座に移すことができる。開設基準が緩いドコモ口座が抜け穴となり、顧客保護などで厳しく規制されている銀行預金が犯罪に巻き込まれた格好だ。

こうしたリスクはかねて指摘されており、スマートフォン決済各社はセキュリティー対策の強化を進めてきた。LINEは「LINEペイ」のアプリで、顔認証などの生体認証を導入している。スマホ上に秘密の鍵となる情報を登録して、鍵を持つスマホだけが決済に使える。鍵を使うには生体認証を使ったロック解除が必要になる。

KDDIもスマホを使った認証を利用者に求めている。メールやパスワードだけでは口座の開設はできない。

今回の不正を受け、ドコモは10日、ドコモ口座とつながる全35行を対象に新規の登録を止めた。今後の不正を防ぐための改善策としては、口座開設時に本人確認ができる免許証などの電子データ提出を求めるシステムを1カ月以内に導入する。スマホのショートメッセージサービス(SMS)を使った2段階認証にも対応する。

ただ、すでに登録済みの利用者向けのサービスは「(送金や決済で)1日当たり約1万3千件の取引がある」(丸山副社長)ため35行中一部を除き継続する。この結果、被害がさらに拡大してしまうリスクは残る。

今回の不正は預金者が自ら銀行口座の残高を確認し、つくった覚えのないドコモ口座に送金があったかを調べなければ発見が難しい。いまある不正なドコモ口座が閉鎖されず、勝手に預金を引き落とされているユーザーがそれに気づかなければ、被害額は今の公表額より膨らむ可能性がある。

甘い顧客保護の姿勢をドコモがとってきたのは、事業拡大を優先したからだ。

従来、ドコモ口座の開設には、ドコモの回線契約者であることが条件だった。だが2019年9月にこれを緩め、他の通信回線の契約者でもドコモ口座を開設できるようにした。「今回の不正は全てドコモの通信回線契約者以外の利用者が開いた口座で起きた」(ドコモ)としている。

通信以外のデジタル関連サービスでドコモは出遅れていた。特にスマホ決済ではソフトバンク傘下のペイペイが決済金額ベースで市場首位を獲得しドコモは劣勢が続く。ドコモ口座について丸山副社長は「多くの人に便利に使ってもらいたかった」と会見で述べたが、焦りが顧客保護軽視につながったとの見方は強い。

ネット企業など異業種による参入が進み、決済や投資などの金融サービスは利便性が高まっている。課題として重みを増すのがイノベーションと安全性の両立だ。ドコモは銀行法よりも規制が緩い「資金移動業者」に位置づけられる。同法の下にあるセブン・ペイ(東京・千代田)では19年7月に不正利用が見つかった。

サイバーセキュリティーを手がけるカウリス(東京・千代田)の島津敦好最高経営責任者(CEO)は「本人確認を銀行に依拠するのは口座番号と暗証番号が盗まれないことが前提になっているが、盗まれる可能性を視野に資金移動業者も対策を打たなければ消費者保護は不十分だ」と指摘する。

■金融庁が報告命令
NTTドコモの電子決済サービスで預金の不正引き出しが見つかった問題で、金融庁は10日までに、ドコモに対して資金決済法に基づく報告徴求命令を出した。不正利用の実態や再発防止策などについて報告を求める。原因の究明に向けて本格的な調査に乗り出す。
 不正の手口の解明のほか、内部管理体制に問題がなかったかも調べる。被害の見つかった地銀からも聞き取りを進めている。
 警察当局もドコモ口座を悪用した不正な預金引き出しについて捜査を始めた。警察庁は被害実態を把握するため、被害者などからの相談内容を報告するよう各都道府県警へ指示した。今後は複数の警察で捜査本部を立ち上げ、合同で捜査を進めるとみられる。』

菅氏、消費税「将来は引き上げざるを得ない」

菅氏、消費税「将来は引き上げざるを得ない」
社会保障財源に必要
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63715500R10C20A9MM8000/

※ 「この先10年は、上げる必要はないだろう…。安倍首相も、言っている。」と軌道修正を、図ったようだが…。

※ 当面は、「2025年の崖(団塊の世代が後期高齢者(75才)になる年…)」問題をどう乗り切るかだろう…。

※ そこを何とか凌げば、後は「人口減少社会」に突入だから、「社会保障費の増大」が際限なく膨らんで行くということは、無いだろう…。

※ しかし、少子化・労働人口の減少も同時進行だ…。どうやって、そもそもの税収を確保していくのか…。消費税を上げると言ったところで、肝心の「消費者」がいなくなって行くんだから、「税収を確保」するどころの話しじゃ無くなってくるだろう…。

※ いずれ日本は、少ない「若者」を大切に育成し、「子育て環境を最大限に整備し」、「元気に働くお年寄りも大切にし」、みんなで「少ない資源を分け合って、そこそこ暮らしていけるようにし」、できうる手段は何でも使って、「生産性を最大限上げて行く」社会でやって行く他は無い…。

※ まあ、先進国共通の話しだし、途上国も「老いて行く途上国」という話しだ…。「未富先老(未だ先進国にならないうちに、老いてしまった…)」と言う話しでもある…。

※ そういう「老いて行く世界」のトップ・ランナーでも、あるわけだ…。

投資、設備から人材へ 日立が全16万人にDX研修

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63704500Q0A910C2MM8000/

『日本企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた社員の再教育に乗り出す。三井住友海上火災保険は約5千人の営業社員にデータ分析の研修をする。日立製作所もグループ全16万人にデジタル教育を始めた。モノの販売が中心の時代は投資対象も設備が中心だった。データや知識が富の源泉となるデジタル時代を迎え、人材への投資にシフトする動きが強まる。

海外に比べて日本は人材投資で出遅れている。企業が従業員の能力開発に支出する費用をみると、国内総生産(GDP)に占める割合は14年までの5年間平均で0.1%。米国(2.08%)やフランス(1.78%)に比べて大幅に低い。

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富士通が目指すDX伝道師 テレワーク起点に全社改革
コロナで仕事に不安 社会人の学び直しが加速

製造業がけん引する日本の産業は終身雇用や年功序列の人事評価を前提に、一括大量採用した新卒を職場内で訓練してきた。企業の投資先は工場や各地の営業拠点など有形の設備が中心だった。デジタル革命が本格化するなか、人材に投資しないと時代に取り残される懸念が高まっている。

三井住友海上は2021年から、保険の取引先108万社と地方自治体向けに自動車事故や自然災害などのデータの販売を始める。保険の外回りの営業担当者をデータ販売も同時に手掛けるデジタル人材に再教育する。

東洋大学や京都先端科学大学と連携し、3~10日間のプログラムを用意した。社員は業務として無料で受講できる。ドローンやウエアラブル端末を使ったデータの取得方法などを学ぶ。

まず来年3月末までに600人が受講し最終的には正社員の約4割にあたる5500人の営業社員全員が受講する。営業拠点などのスリム化で浮いた財源をまわし、デジタル人材育成への投資額を21年度は20年度比約1.5倍に増やす予定だ。

日立は4月からDXへの対応策として国内グループ全16万人を対象に専門研修を始めた。製造業からデータ活用などを軸とした企業への転換をめざしており、社員にはデータの選別や解析など1回あたり30分~2時間程度のウェブ学習を年間を通して実施する。

21年度からはジョブ型雇用を本格導入し、社員の仕事内容や必要な能力をジョブディスクリプション(職務定義書)で明確にする。個々の社員が学ぶべきスキルが分かるため、ジョブに対応した研修も拡充して補う。

富士通も20年度からAI(人工知能)やプログラミングなど約9千の無料講座をネットで配信し、国内のグループ全8万人が自由に受講できる。スーパーコンピューター「富岳」の責任者など専門的な社員による独自講座も用意し20年度の社員教育への投資額を19年度の2倍に増やす。

新型コロナウイルスの感染拡大を機に在宅勤務が増え、デジタル技術の活用が一段と重要になるなか、人的投資を増やす機運が高まりそうだ。

成果で人を処遇する傾向が強い米国企業は社員への教育も手厚い。米アマゾン・ドット・コムは25年までの6年間で米国の従業員10万人の再教育に7億ドル(約740億円)を投じる。一般職社員がエンジニアになるための講座や機械学習の授業を提供する。米グーグルはオンラインでデータ分析技術などを学べるプログラムを実施している。

足元では新型コロナウイルスの問題で苦境に陥る業種が出ており、社会のデジタル化で産業構造もかわりつつある。バブル期に大量採用した中高年の新たな技能習得が急務で、若者にとってもスキルを向上できる職場かどうかが職選びで重みを増す。人材の高度化と成果主義が進めば、雇用の流動化が促され産業の新陳代謝も活発になる。

昭和女子大学の八代尚宏副学長は「デジタル時代は技術を使って価値を生み出す人的資本の育成が重要だ」とし、「会社を休んで学ぶ人を金銭的に支援する教育版の育児休業のような制度も欠かせない」と指摘する。』