独企業の脱中国、難しく VW販売の4割

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63598270Y0A900C2EA2000/

『【フランクフルト=深尾幸生】ドイツ企業にとって中国の存在感は大きい。産業の柱である自動車では、フォルクスワーゲン(VW)が2019年の世界で販売した乗用車のうち約4割、ダイムラーとBMWも3割近くの台数を中国が占める。脱中国は容易ではない。

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VWのヘルベルト・ディース社長は「中国は最も利益率が高い重要市場だ」とし、5月には中国国有自動車中堅の安徽江淮汽車集団(JAC)の親会社に50%出資することで合意した。化学では欧州最大手のBASFが広東省に同社にとって中国で2拠点目となる石油化学コンビナートを建設している。30年までの投資額は1兆円を超える。

独企業も過度の蜜月に懸念を抱いていないわけではない。転機は16年の中国家電大手の美的集団によるドイツの産業用ロボット大手クーカの買収だった。製造業は自社の生産データが中国に流れることを恐れた。独政府は18年に欧州連合(EU)域外の企業が独企業に投資する際の規制を強化した。

ただ市場の面では中国の機嫌を損ねないような慎重な対応を続ける。ダイムラーの中国販売会社は18年、写真共有サイトの広告でチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の言葉を引用したことについて謝罪に追い込まれた。VWも新疆ウイグルの工場について欧州で批判に沈黙を貫く。

VWは米国やインドでのシェア拡大を目指しているが、米国では排ガス不正、インドではスズキやインド・タタ自動車との提携の失敗で赤字のもようだ。ダイムラーやBMWも新型コロナウイルスで欧州市場の回復が遅れる中、中国に頼る構図が強まっている。』