世界の稼ぎ頭、コロナで激変 純利益で半導体・IT躍進 四半期決算ランキング

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63533280X00C20A9MM8000/

『世界の上場企業の稼ぎ頭が急変している。主要企業の決算発表が一巡した直近の四半期の純利益をランキングしたところ、IT(情報技術)や半導体関連が躍進し、金融やエネルギー、自動車が順位を落とした。新型コロナウイルスの感染拡大でデジタル化や脱炭素が加速し、企業の優勝劣敗が鮮明になっている。

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QUICK・ファクトセットを使って世界の上場企業約4万4000社の米ドル換算の純利益を集計しランキングした。2020年3~5月期、4~6月期、5~7月期の決算を対象にした。

1位は著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイ。純利益は262億ドル(約2兆7600億円)だった。米アップルなど保有株が4月から上昇し評価益が増えた。2位のソフトバンクグループは保有株の売却などが利益を押し上げた。

トップ10には、3位の米アップルや4位の米マイクロソフト、7位の中国銀行など常連に加え、中国のアリババ集団が9位に入った。67億ドルの利益を稼ぎ、前年同期の43位から順位を高めた。

アリババ以外でも、電子商取引(EC)の大手は躍進が目立つ。中国ネット通販の京東集団(JDドットコム)は41位。前年同期は1600位台だった。12位の米小売り大手ウォルマートは、2時間以内に商品を宅配する速達サービスを始めるなど、ECを強化した。

日本勢では巣ごもり消費がソニーや任天堂のゲーム事業に追い風となり、それぞれ48位、117位に順位を上げた。

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企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)も加速している。半導体需要が増え、台湾積体電路製造(TSMC)は23位と前年同期の71位から躍進した。米エヌビディアもデータセンター向けの人工知能(AI)計算用の半導体が伸び、順位を前年から109位上げ210位となった。米セールスフォース・ドットコムは販売支援のクラウドサービスなどが好調で38位となった。

業種別では情報通信が上位1000社のうち97社と前年同期から25社増えた。一方でコロナの影響を受けやすい素材エネルギーは165社から124社に減少。自動車も29社から13社に減り、トヨタ自動車は17位から76位に下がった。金融の転落も目立っている。

四半期の純利益が10億ドル以上の企業は世界で116社と、リーマン・ショック時の08年10~12月期に比べ2倍と多い。企業の利益が全体に悪化した当時と比べて、コロナ下では稼げる企業とそうでない企業の差が鮮明になっている。

(押切智義、村上徒紀郎)』