政投銀、日産向け融資に政府保証 1300億円

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63513940X00C20A9MM0000/

『日本政策投資銀行が5月に決めた日産自動車への融資に1300億円の政府保証を付けていたことが分かった。融資総額は1800億円。返済が滞った際に保証分の8割までを政府が実質的に補填する。政府保証の額としては過去最大となる。

政投銀は、金融危機や大規模な災害などの影響を受けた企業へ国からの出資金で融資する「危機対応業務」を担う金融機関に指定されている。政府は3月に新型コロナウイルスの感染拡大を同業務の対象とし、政投銀は大企業を中心に7月末までに185件、1兆8827億円を決定した。

企業の規模や業績悪化の影響を踏まえた対応策が定められ、日産に対しては政府保証にあたる「損害担保契約」を5月に結んだ。融資額の0.1~1%の年間補償料を支払う。新型コロナで損害担保が付いたのは大企業向けでは1件のみだ。

リーマン・ショック後の2009年には経営危機に陥った日本航空に約670億円を政府保証付きで貸した。今回の日産は日航を大きく上回る。

5月は政府による緊急事態宣言が出されている最中で、大規模な融資を迅速に決めるために保証付き融資を選んだとみられる。日産は民間金融機関からの融資も含め、4月以降に8326億円を調達した。日産は「政府保証については全く承知していない」(広報)としている。

新型コロナを受け企業では資金調達を急ぐ動きが相次いだ。大企業では取引先の銀行から迅速に一定額を借りられるコミットメントライン(融資枠)の設定が急増。7月時点の契約額は48兆6500億円と、前年同月比で37%増えた。

政投銀と同様に危機対応業務を担う商工組合中央金庫は中堅・中小企業向けに7月末までに1兆3665億円の融資を決めた。日本政策金融公庫も中小企業や個人事業者に対して10兆円強の特別融資を決定。5月には民間金融機関を通じた実質無利子・無担保の融資も始まっており、信用保証協会の保証付きで広がっている。』