政投銀、日産向け融資に政府保証 1300億円

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63513940X00C20A9MM0000/

『日本政策投資銀行が5月に決めた日産自動車への融資に1300億円の政府保証を付けていたことが分かった。融資総額は1800億円。返済が滞った際に保証分の8割までを政府が実質的に補填する。政府保証の額としては過去最大となる。

政投銀は、金融危機や大規模な災害などの影響を受けた企業へ国からの出資金で融資する「危機対応業務」を担う金融機関に指定されている。政府は3月に新型コロナウイルスの感染拡大を同業務の対象とし、政投銀は大企業を中心に7月末までに185件、1兆8827億円を決定した。

企業の規模や業績悪化の影響を踏まえた対応策が定められ、日産に対しては政府保証にあたる「損害担保契約」を5月に結んだ。融資額の0.1~1%の年間補償料を支払う。新型コロナで損害担保が付いたのは大企業向けでは1件のみだ。

リーマン・ショック後の2009年には経営危機に陥った日本航空に約670億円を政府保証付きで貸した。今回の日産は日航を大きく上回る。

5月は政府による緊急事態宣言が出されている最中で、大規模な融資を迅速に決めるために保証付き融資を選んだとみられる。日産は民間金融機関からの融資も含め、4月以降に8326億円を調達した。日産は「政府保証については全く承知していない」(広報)としている。

新型コロナを受け企業では資金調達を急ぐ動きが相次いだ。大企業では取引先の銀行から迅速に一定額を借りられるコミットメントライン(融資枠)の設定が急増。7月時点の契約額は48兆6500億円と、前年同月比で37%増えた。

政投銀と同様に危機対応業務を担う商工組合中央金庫は中堅・中小企業向けに7月末までに1兆3665億円の融資を決めた。日本政策金融公庫も中小企業や個人事業者に対して10兆円強の特別融資を決定。5月には民間金融機関を通じた実質無利子・無担保の融資も始まっており、信用保証協会の保証付きで広がっている。』

中南米GDP、4~6月軒並み2ケタ減

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63514010X00C20A9EAF000/

『【メキシコシティ=宮本英威、サンパウロ=外山尚之】中南米経済が記録的に落ち込んでいる。主要国の4~6月期の実質経済成長率は前年同期比で軒並み2ケタのマイナスとなった。新型コロナウイルスの感染は世界でも有数で、経済格差や治安という既存の課題がさらに悪化しかねない。

ブラジル地理統計院が1日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、前年同期比で11.4%減となった。1996年の統計開始以来、最大の減少幅となった。観光客の減少で、リオデジャネイロ市の飲食店業の組合は「3千店のうち1千店は年末まで営業を続けられない」とみる。

経済規模で域内2位のメキシコは18.7%減だった。81年以降で最悪だ。主力の自動車など鉱工業が低迷した。ロペスオブラドール政権は新型コロナの経済対策に消極的で、国際通貨基金(IMF)は財政措置が「20カ国・地域(G20)で最も少ない」と分析する。

最も下落幅が大きかったのはペルーの30.2%減だった。主要産業である銅や亜鉛の生産減少が響いた。コロンビアは15.7%減、チリは14.1%減となった。

20年通年の域内成長率はマイナス9.1%と「過去1世紀で最悪の水準」(国連)となる可能性もある。米ジョンズ・ホプキンス大によると、中南米の感染者数は731万人(8月31日時点)と、世界全体の3割弱を占める。中南米の人口が世界に占める比率は8%にとどまるので、域内の感染は世界でも深刻だ。

低所得者が密集して住む地域の感染を抑えられていない。検査が進まないのも課題だ。カナダのスコシアバンクは「さらなる経済再開で感染状況はより厳しくなりかねない」と警戒する。

新型コロナで大きく影響を受けるのは非正規の労働者だ。日銭を稼げなくなり、その日の食べ物にも困る人々がいる。国連は20年末までに域内の貧困層が4500万人増え、合計2億3千万人になると分析する。

ブラジルでは1~6月の殺人被害者が2万2680人と前年同期比6%増えた。メキシコも1~7月で同1.6%増の2万494人だった。中南米に進出する日本企業は「犯罪に走る人々が増えかねない」(現地法人社長)と警戒している。』

「農村から都市を包囲する」の原点 北京ダイアリー

「農村から都市を包囲する」の原点 北京ダイアリー
中国総局長 高橋哲史
中国・台湾
2020/3/10 15:00 (2020/9/7 13:25更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56599640Q0A310C2FF4000/

『いつか訪ねてみたいと思っていた。毛沢東が1920年代の終わりに、初めて農民を組織して武装闘争の根拠地を築いた江西省の井岡山(せいこうざん)だ。

もともと今年2月に行く計画を立てていたが、新型コロナウイルスのまん延で延期せざるを得なかった。中国では感染の拡大がおおむね収まり、いまは国内であればほぼ自由に移動できる。先週末、8カ月ぶりに北京を出て、中国共産党の「革命聖地」であるその場所を訪ねた。

現地に着いてまず驚いたのは観光客の多さだ。いや、「観光客」というのは正しくない。見たところ、ほとんどが党関連の団体や企業が組織した研修団だ。数十人のグループが紅軍(人民解放軍の前身)の制服を着て、続々と大型バスから降りてくる。ちょっと異様な光景だ。

井岡山革命博物館に行くと、団体用の通路には長蛇の列ができていた。対照的に、個人客の入り口にはだれも並んでいない。私がパスポートを出すと、係員の男性は驚いたようすで上司と連絡を取り始めた。「あなたは新型コロナの感染拡大が始まってから、初めてここに来た外国人だ」。係員は私が1月半ば以降、一度も中国の外に出ていないことを確かめると、ようやく中に入れてくれた。

毛沢東が湖南省での武装蜂起に失敗し、残った兵を引き連れて井岡山に逃げ込んだのは1927年の秋だ。毛は貧しい農民たちを味方につけ、この場所を拠点に山を下りては地主を襲うゲリラ戦を繰り広げた。

当時、党中央がめざしていたのは、都市の労働者を組織して政権を奪取する道筋だ。そうした路線は、遅れた農業国だった中国ですぐに行き詰まる。共産党は都市部で国民党に追い込まれ、存亡の危機に陥った。

それを救ったのが毛だった。「農村から都市を包囲する」。中国の実情に合わせた毛の革命戦略は井岡山が原点だ。毛の軍隊は次第に力をつけ、およそ20年後には国民党軍を破って中華人民共和国の建国にこぎ着けた。

毛による革命戦略の大転換がなければ、共産党は政権を取っていなかっただろう。歴代の最高指導者は必ず井岡山を訪れる。

「井岡山は革命の山であり、戦闘の山であり、英雄の山であり、栄光の山でもある」。習近平(シー・ジンピン)国家主席も2016年2月にここを視察した。

「習氏が提唱した経済圏構想『一帯一路』は毛の『農村から都市を包囲する』にならっている」との指摘をしばしば聞く。経済という武器を使って新興国や発展途上国を自陣に引き入れ、米国との戦いを有利に進める戦略にみえるからだ。

毛のDNAは現代の中国に脈々と引き継がれている。井岡山を行き交う紅軍服の人びとを見て、強くそう感じた。』

[FT]トランプ、バイデン両氏の支持率縮小の裏側

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63515400X00C20A9000000/

『それぞれの大統領候補を指名した民主・共和両党の党大会や、警官による黒人男性の銃撃事件が発生した中西部ウィスコンシン州ケノーシャでの激しい抗議活動などを経て、大統領選挙の結果を左右すると見られる激戦州で、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の両候補の支持率の差が詰まりつつあるというデータが出ている。

世論調査ではバイデン氏(左)が支持率でトランプ氏をリードしているが、両者の差は縮まっている=AP

米モンマス大学が先ごろ発表した世論調査結果では、勝敗の鍵を握る州の一つであるペンシルベニア州で、登録有権者の支持率がバイデン氏の方が4ポイント高かった。7月中旬に行われた同じ調査では、この差は13ポイントあった。ウィスコンシンやアリゾナなどその他の激戦州では、バイデン氏のリードはもっと大きい。

いくつかの州での調査は接戦を予想させる結果が出ているが、トランプ大統領がリードしている州はほとんどない。しかし党大会以降、賭けサイトや賭け業者の予想は「トランプ大統領有利」へと大きく変わった。今やトランプ氏の再選確率は50%になっている。

有権者も自信が持てないでいるようだ。米ピュー・リサーチ・センターの最新の世論調査では、支持率でバイデン氏が8ポイント上回ったが、支持者のうちバイデン氏が実際に勝利すると考えているのは82%にすぎなかった。逆にトランプ大統領の支持者は10人中9人が大統領の再選を予想している。

■実際はそれほど接戦ではない?

バイデン氏がはっきり優勢と出る全国世論調査の結果と、有権者の認識や賭けサイトなどが示す予想結果とがこれほど乖離(かいり)している理由はなんだろうか。

一つには、世論調査で優勢でも、選挙人団による実際の選挙での勝利には必ずしもつながらないということがある。2016年の大統領選は、ヒラリー・クリントン氏が総得票数ではトランプ氏を上回ったが、選挙では敗れた。同じ事が民主党のアル・ゴア氏が共和党のジョージ・W・ブッシュ氏に敗れた00年の選挙でも起きた。

そこで政治評論家の中には、州ごとの世論調査の平均値に注目する向きもある。こうした数字では、現時点でのバイデン氏のリードは、16年の同時期にクリントン氏が保っていたリードより小さい。特にトランプ氏の勝利の鍵となった諸州ではそれがいえる。

しかし20年の各州の世論調査の結果を16年の数字と単純に比較するのは、現状認識を誤らせる可能性がある。現実にはそこまで接戦にはなっていないかもしれないからだ。主な理由は2つある。

1つ目は前回調査ではトランプ支持が実際より低く、調査機関が精度向上に努めていることだ。

16年の全国調査はほぼ正確だったが、州ごとの調査では特に激戦州で、トランプ氏への支持が実態より低く出る傾向にあった。トランプ氏の支持率はウィスコンシン州では選挙結果よりも6.5ポイント、ペンシルべニアおよびミシガン両州でも4~5ポイントそれぞれ低かった。

■学歴が最大の要因だった

アメリカ世論調査協会(AAPOR)の分析によると、主因の一つは州の調査機関の多くが、調査対象を教育水準によって調整しなかったことだ。つまり、回答者に占める高等教育を受けた人の割合が高くなりすぎた。

これは16年以前の選挙では、それほど問題にならなかった。12年の大統領選では、有権者の学歴と支持する候補の間の相関はそれほど高くなかった。だが16年の選挙では、教育水準が恐らく有権者(特に白人)の選択に最大の影響を及ぼしたと考えられる。

州の世論調査機関の多くは調査対象を年齢、性別、人種など従来の統計的要因と同様、教育水準についても調整することでこの問題を解決しようとしている。

この統計的処理が結果にどの程度、影響を与えるかを知るために、3つの州の世論調査機関にそれぞれの最新調査について、学歴による調整を除いた結果を出してもらった。するとどの調査でも程度の差こそあれ、バイデン氏のリードがより大きく示された。中でもノースフロリダ大学によるフロリダ州の調査では、同氏のリードは6ポイントから11ポイントへと跳ね上がった。

■最終週にトランプ氏への投票決める

もう一つの理由は前回より無党派層が少なく、彼らはバイデン支持に傾いていることだ。

学歴による調整の問題だけが16年の世論調査と選挙結果の違いの要因ではない。マーケット大学ロースクールによるウィスコンシン州の世論調査は、16年に学歴調整をした数少ない調査の1つだったが、それでも実際の結果とは6ポイントの誤差があった。

同調査を監修したチャールズ・フランクリン氏は、この誤差を「選挙直前の世論の動き」によるものだと説明する。どちらの候補にも好感を持てずに態度を決めかねていた有権者が多くいたのだが、そうした人々は選挙前の最終週にトランプ氏への投票を決めたという。

選挙戦の終盤になって態度を決め、それが結果を左右することになる有権者の動向については、世論調査機関もお手上げだ。AAPORの報告書はこうした人々は、16年にはウィスコンシン、フロリダ、ペンシルベニアの3州で有権者の13%を占めていたと指摘している。

さらにトランプ氏を支持していても公言しない「隠れトランプ支持者」が多くいたという説もある。もっともAAPORの報告書やその後の調査ではそれを裏付けるような証拠はほとんど出ていない。

■今回はバイデン氏を選ぶか

今回は終盤に態度を決める有権者が選挙結果を左右する可能性は小さい。例えば、マーケット大によるウィスコンシン州の世論調査では、投票に行くと思われる有権者の間でのバイデン氏の支持率は50%で、トランプ氏が46%だった。まだ決めていない、あるいは両候補以外に投票すると回答した有権者は4%にすぎないことになる。

これに対し、マーケット大の16年の最終調査では、クリントン氏の支持率は46%でトランプ氏が40%だった。つまり14%は未定または第3の候補の支持者だった。バイデン氏の現在のリードは当時のクリントン氏の数字より小さいが、バイデン氏の方がほぼ間違いなく有利な状況だといえる。

さらに、まだ態度を決めていない有権者は、どちらかといえばバイデン氏を選ぶ可能性が高いことを示すデータがある。フランクリン氏によると、8月にマーケット大が行ったウィスコンシン州の世論調査では、どちらの候補も嫌いな有権者の58%がバイデン氏に投票するだろうと回答した。

とはいえ、投票日までまだ2カ月あり、何らかの外的要因が選挙戦の流れを大きく変える可能性も残されている。

■予算不足に悩む世論調査機関

米国民の多くはトランプ氏の新型コロナウイルス対応に不満を持っている。ところが、このことがトランプ大統領にとって11月の選挙でどの程度のマイナスになるのか、さらに大統領の「法と秩序」というメッセージが選挙結果にどういう影響を与えるのかははっきりしない。投票率がどうなるかも不確定要因だ。

最後に、16年の世論調査に影響を与えた問題の多くが未解決のままだ。鍵を握る州の信頼度の高い世論調査機関は、予算不足と高コストに悩まされている。質の高い州単位の世論調査は1万ドルから2万ドル強の費用がかかるため、ほとんど実施されていない。

「16年に世論調査が直面していた構造的な問題は現在も残されたままだ」。ピュー・リサーチ・センターで世論調査の責任者を務めるコートニー・ケネディ氏はこう指摘している。

By Christine Zhang

(2020年9月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)』

中国空母2隻、初同時訓練 一体運用の見方

『【北京時事】7日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版によると、中国軍が保有する2隻の空母が初めて同じ時期に訓練を行った。訓練の詳細は明らかではないが、今後、2隻の空母が一体的に運用されるという見方も出ているという。
〔写真特集〕中国海軍~初の国産空母が進水~

 同紙は、軍事専門誌などを引用し、中国の空母「遼寧」と「山東」が先週、それぞれ黄海と渤海で訓練を実施したと報じた。訓練には、米国との関係が悪化する中、急速に拡大する海軍力を誇示する狙いがあるとみられる。』

Linuxも実時間処理もOK、Armが64ビットのCortex-Rコア

Linuxも実時間処理もOK、Armが64ビットのCortex-Rコア
小島 郁太郎 日経クロステック/日経エレクトロニクス
2020.09.07
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/08677/

※ 「5nmプロセスで実装した場合の性能」とあるのは、これが「企画・設計」にすぎないからだ…。

※ TSMCみたいな「ファウンドリー」企業が、この「ライセンス」を購入して、自社の「ファブ」で、実際に製造していくことになる…。

※ ただし、現在「5nm」で製造できるファウンドリーは、あるのか…。TSMCかサムスンくらいのものか…。インテルは、確か14nmで足踏みしていたと思ったが…。

インターネットの通信に不可欠、IPアドレスの正体

インターネットの通信に不可欠、IPアドレスの正体
安藤 正芳 日経クロステック/日経NETWORK
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01413/090100001/

『インターネットに接続するにはIPアドレスが必要だ。パソコンやスマートフォンなどインターネットに接続する機器には必ずIPアドレスが割り当てられている。一体、IPアドレスとは何なのか。ここで疑問を解決しよう。

Q1 IPアドレスって何?
A1 インターネット上の住所に相当する情報です
 誰かに荷物を届ける場合には、相手の住所を指定しなければならない。「東京都港区虎ノ門」といった宛先の住所を指定して、初めて荷物が相手に届けられる。

 これはインターネットの世界でも同じである。誰かとデータをやりとりするには、相手を特定するための情報が必要だ。そのための情報が「IPアドレス」である。IPアドレスはインターネット上の住所に相当する。

 企業ネットワークなどのLANに接続したパソコンを使ってWebサーバーにアクセスしたとしよう。このときパソコンはWebサーバーに向けてIPパケットを送信する。IPパケットには宛先のWebサーバーのIPアドレスが含まれている。

IPアドレスで転送先を決める
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 インターネット上のルーターは宛先のIPアドレスを見てIPパケットを転送する。このようにIPアドレスというインターネット上の住所があるので、パソコンとWebサーバーは正しく通信できる。

 スマートフォンやネットワーク家電、IoT機器といったインターネットに接続する機器には、必ずIPアドレスが割り当てられている。ただしルーターには機器単位ではなく、ポートごとにIPアドレスが割り当てられる。ルーターはIPパケットを送り出すポートをIPアドレスで指定する。

IPアドレスは32桁のビット列
 続いて、IPアドレスの表記方法を見ていこう。IPアドレスは「1」または「0」が並んだ32ビットのビット列である。通常は8ビットごとに区切って表記する。

32桁の2進数を10進数に変換して表記
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 ただし2進数で表記すると人間には分かりづらい。そこで、8ビットずつを10進数に置き換えて表記するのが一般的だ。数字の間は「.(ピリオド)」を入れて区切る。「11000000101010000000000101100100」というIPアドレスなら「192.168.1.100」と表記する。

現行のIPは2種類
 現在一般に使われているIPには1978年に制定された「IPv4」と1995年に制定された「IPv6」の2種類があり、それぞれでIPアドレスの体系が異なる。

IPv4アドレスとIPv6アドレスの違い

[画像のクリックで拡大表示]
 両者の違いはIPアドレスの長さだ。前述の32ビットはIPv4アドレスである。一方、IPv6アドレスは128ビットだ。IPv4と同様、人間に分かりやすいように2進数を16進数に変換して表記することが多い。

 ビット数ではIPv6アドレスはIPv4アドレスの4倍だが、アドレスの数では2の96乗倍になる。IPv6アドレスが2の128乗(約340澗)個であるのに対して、IPv4アドレスは2の32乗(約43億)個だ。

 このようにIPv6アドレスの数を多くしたのはIPv4アドレスの数が足りなくなってしまったからだ。IPv4アドレスの枯渇により、今後IPv6アドレスの普及は進むだろう。

 とはいえ、現状ではIPv4が主流だ。基礎を学ぶのにもIPv4アドレスのほうが分かりやすいので適している。そこで本特集では主にIPv4アドレスについて解説する。

ネットワーク部とホスト部で構成
 IPアドレスは2階層になっている。前方がネットワークを指定する情報(ネットワーク部)、後方がそのネットワークにある機器を指定する情報(ホスト部)だ。

IPアドレスの構造
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 またネットワーク部以外を「0」にしたIPアドレスはネットワークアドレス、ホスト部も含めたIPアドレスはホストアドレスと呼ぶ。前者はネットワーク、後者はホストに割り当てられる。

 そしてネットワーク部の長さを表すのがサブネットマスクである。IPアドレスと同じく32ビットのビット列で「1」の部分がネットワーク部、「0」の部分がホスト部を指す。ちなみにサブネットマスクも人間が分かりやすいように「255.255.255.0」といった10進数で表記することが多い。

 IPアドレスの後ろに「/24」とネットワーク部の長さを付記するCIDR表記もある。サブネットマスクを使うよりも簡潔だ。そのため現在ではCIDR表記を採用するのが一般的である。』

いったい何が… 岐路に立つ中国の「一帯一路」

いったい何が… 岐路に立つ中国の「一帯一路」【コメントライナー】
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020090400359&g=int

『◆時事総合研究所客員研究員・村山 義久◆

 中国が主導する途上国向け国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)の第5回年次総会が7月28日開催された。

 AIIBは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を支援し、同構想と「双発エンジンの関係にある」(金立群総裁)重要金融機関として、2015年設立された 。

 今年は、中国が厳しい国際環境に置かれる中、これらを提唱し、推進してきた習近平国家主席の演説が開催前から注目を集めていた。

 ◆言及さえせず

 だが、オンラインで伝えられた演説は、いささかインパクトに乏しかった。

 「多国間主義」による国際協力を強調し、なお抽象的理念に過ぎない「人類運命共同体」形成を呼び掛けるにとどまり、途上国への新たな支援の枠組み、意気込みはおろか、肝心の「一帯一路」について、一言たりとも言及することがなかったのである。

 こうした情景は、鳴り物入りで喧伝されてきた「一帯一路」構想をめぐる国際的な雰囲気が変化し、環境が悪化したことを反映している。

 アジア、アフリカなど、途上国の巨大インフラ整備を対象とした不透明、野放図な貸し付けがもたらす「債務のわな」が、早くから国際的批判を広げてきたが、今年に入ると、新型コロナの世界的感染拡大が重くのしかかり、プロジェクト推進をさらに困難にした。

 ◆追い打ち

 6月末に中国外務省当局者が明らかにしたところでは、感染禍の「深刻な影響を受けた」事業が全体の20%、「影響を受けた」事業が40%に上り、無傷なものは40%としたが、「これでも控えめな数字」(中国側専門家)である。

 何より、受け手である途上国側の財務、経済環境が一段と悪化。各地で事業の破棄、延期、債務減免の声が上がり、トラブルに発展する事例も続いた。

 追い打ちを掛けたのが、対米関係のさらなる悪化だ。米政府は「一帯一路」構想を「借金づけ外交」と早くから非難し、5月に議会に提出した「対中戦略報告」でも、それを踏襲した。

 7月に入ると、バルト海をくぐりフィンランドと欧州をつなぐ、中国企業集団による世界最長の海底トンネル建設プロジェクトが中止に追い込まれた。

 スカンジナビア半島頭頂部から欧州深部まで、一気に交通インフラを貫通させ、北極航路活性化の切り札となる構想だった。

 ◆債務のわな

 挫折をもたらしたのは、対中警戒の高まりだけではない。情報の出方を見れば、背後に米国の圧力も存在したことがうかがえる。

 中国側の最近の発表によれば「一帯一路」へ向けた投資は、中国経済の復調につれ、回復傾向にある。だが、単なる投資の拡大で、「債務のわな」に代表される構造問題が解消されるわけではない。

 ドイツの研究機関の最新推計によると、「一帯一路」主要沿線国の対中国債務の規模は、それぞれ、自国GDPの10%を超えた。

 世界経済が混迷する中、財政基盤の劣悪な途上国を債務不履行の波が襲った場合、中国自身も深刻な返り血を浴びることは言うまでもない。自らも「債務のわな」に落ち込んでしまう構図である。

 最近の「一帯一路」は、新型コロナ対策も絡めた「健康シルクロード」といった民生傾斜の路線も目立つようになった。看板プロジェクトも、次なる転機を模索しているのである。

 (時事通信社「コメントライナー」より)

 【筆者紹介】

 村山 義久(むらやま・よしひさ) チャイナウオッチャー。1951年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒、時事通信社に入社。北京特派員、北京支局長、上海支局長、中国総局長として1980、90、2000年代の中国の変貌をつぶさに目撃、取材した。著書に「上海シンドローム」(蒼蒼社)。』

円相場から占う新政権安定への勘所

円相場から占う新政権安定への勘所
編集委員 小栗太
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63470710U0A900C2000000/

『手元に1本のチャートがある。JPモルガン証券が作成した日本の政権期間と円相場(円の実質実効レート)を並べたものだ。これを見ると、第2次安倍政権下で円が16%も下落したことが分かる。円相場は政権発足前からアベノミクス期待で大幅下落が始まっており、実質的にはそれ以上に円安が進んだ。市場から「アベノミクスは為替に始まり、為替に終わった」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)と指摘される理由でもある。

■「安定政権=円安局面」

さらに興味深いのは、それ以前の政権と円相場の関係だ。この20年でみると「小泉政権下でも第2次安倍政権に匹敵するほどの円安が進んでおり、それ以降の首相が1年程度で交代した短期政権時は円高だった」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)。為替からみると「安定政権=円安局面」という構図が成り立っていたわけだ。

なぜか。円安は株高と連動しやすく、市場環境の好転が実体経済の安定につながりやすい。実際、小泉政権は戦後最長の「いざなみ景気(2002年2月~08年2月)」、第2次安倍政権は戦後第2位の景気拡大期(12年12月~18年10月)とほぼ重なる。

安定政権が好景気を生んだのか、好景気が安定政権を生んだのかは分からない。だが併存していたことは間違いない。安定政権下では構造改革や財政再建のハードルが下がる。小泉政権時代は郵政民営化や日銀によるゼロ金利政策の解除、安倍政権時代には2度の消費税率引き上げなど、痛みを伴う経済政策も実現させることができた。

そして、新たな政権がまもなく誕生する。次期首相が安定した長期政権を築けるのか。経済政策運営の追い風になる為替相場の観点から占ってみたい。

■円安支える2つの関係

円安局面、もしくは円安定局面を実現させるには、2つの関係の良好さがカギを握る。1つは日銀、もう1つは米政権だ。

まず日銀。第2次安倍政権の発足当初は、アベノミクスの柱である日銀による異次元緩和が大幅な円安を誘い、株高と連動する形で経済再生へとつながった。この関係については、日銀の若田部昌澄副総裁が2日の記者会見で「政治情勢と関係なく、日銀として望ましい金融政策を進める」と現行の政策運営方針の継続を示唆。13年初めに結んだ政府と日銀の共同声明(アコード)についても「デフレ脱却や持続的成長を目指す姿勢は受け継がれるだろう」と語っている。

ただ問題は、日銀の金融緩和カードが乏しくなっていることだ。日銀は安倍政権時代にアコード、マイナス金利政策、長短金利操作などの新手法を惜しみなく繰り出してきた。市場では「切り札になるような新たな金融緩和策は残っていない」(みずほ銀の唐鎌氏)との見方が多く、仮に次期政権下で円高圧力が再び強まった場合も起死回生となるような手立てを見いだせない。

■米大統領選も課題に

もう1つの米政権との関係については、さらに不透明感が強い。JPモルガン・チェース銀の佐々木氏は安倍首相とトランプ米大統領の友好関係を基にした「日米関係の安定が円高抑制に寄与した面は大きい」と指摘する。次期首相が米政権とこれまで通りの安定した関係を続けられるか、円高圧力が伴う通商交渉をどう乗り切っていくのか――。激戦が続く米大統領選も近づき、現行の米政権との距離を測るのが難しい局面だ。

コロナショックを払拭できないなかで、実体経済を支える円安、円安定を維持するために日銀や米政権との関係をどう築いていくのか。次期政権が挑むハードルは低くないが、追い風がないわけではない。

円相場は主要国の金利消滅、日本の貿易収支均衡を背景に、ファンダメンタルズ(基礎的条件)面で過去にない安定状態にある。しかもエコノミストの間では現在が景気の底にあるとの見立てが多く、景気拡大局面での経済政策運営を実現できる素地はある。これまで何度となく日本経済を直撃した円高圧力をかわし、安定した経済状態を保てるかが、安定政権の実現を占うカギの1つになる。』

ミニバブルの生成と崩壊は繰り返す(NY特急便)

ミニバブルの生成と崩壊は繰り返す(NY特急便)
NQNニューヨーク 張間正義(2020/9/5 5:39 (2020/9/5 7:36更新))
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63492220V00C20A9I00000/

『今週は週後半に株式相場は下落したが、短期調整とみなせば、米国株の上昇が長続きするための良いガス抜きとなる。世界でカネ余りが常態化する環境ではミニバブルの生成と崩壊を繰り返すためだ。

ナスダック総合株価指数は6週ぶりに下落した=AP
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4日の株式市場でナスダック総合株価指数は続落したが、3日に比べ下げ幅は限られた。週間では3%安と6週ぶりに下落した。9月に相場調整が入る兆しはあった。8月の上昇率としては歴史的な大きさだった前月に相場下落を見込んだ逆張りの売りの持ち高が過去最低になったためだ。

ゴールドマン・サックスによると、S&P500種株価指数の時価総額に対する指数構成銘柄の売り残高の比率は8月に1.8%と算出を始めた2004年以降では最低となった。4月以降の想定以上の株高で、踏み上げ相場となり、空売り勢が持ち高解消を迫られた結果だ。

米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和による株高には持続性がないとみていた売り方の「降伏」とも言える現象が起きた。こうした象徴的な出来事は短期的に上がり過ぎた相場の転換シグナルとなりやすい。

オプション市場では先高観に基づくハイテク株のコール(買う権利)への買いが活発化。S&P500指数のPER(株価収益率)は2日に23倍台後半と00年のITバブルのピークに付けた26倍に最接近した。過熱感が強まり、小さな材料に対する脆弱性が高まっていた局面で調整が起きた。

脆弱性を突いた要因の一つが期末需給だ。四半期末に当たる9月は年金基金などの運用資産のリバランス(配分調整)に伴い、7~9月期に大きく値上がりした株式への売りが膨らむ。JPモルガン・チェースのニコラス・パニジジョグロー氏は月末にかけ最大2000億ドル(21兆円)の売りが出ると試算する。こうした機械的な売りが出れば、今週のように特段に材料がないなか、相場は突発的な下落に見舞われる。

相場が実体経済や企業業績から大きく乖離(かいり)すると、自律的に調整が入るのは過去に何度もみられた。もっとも、こうしたミニバブルの生成と崩壊の動きは繰り返し、次の相場の山は前回よりも高くなるのがカネ余り環境下でのパターンだ。6月に発生した相場調整では、主要株価指数はおおむね8月には下落前の水準を回復する「全治2カ月」だった。

カネ余りをお膳立てするFRBは低いインフレ率を前提に雇用回復を最優先する長期の金融緩和に積極的な「構造的ハト派」に転換した。欧州中央銀行(ECB)なども年内の追加緩和の実施が見込まれている。

S&P500指数の益回りから長期金利を差し引いて求めるイールドスプレッドは3.6%と債券との比較では株式の割安感が目立つ。金融環境が現在と異なるがITバブル時ではスプレッドがマイナスに沈み、株に異常な割高感があった。「債券バブルが崩壊しなければ、株バブルも崩壊しない」といった逆説的な解説も市場では聞かれる。

異次元緩和の実体経済への善しあしは後世の学者が判断するが、現実にはカネ余りが常態化する状況では本格的なリスクオフは長続きせず、再び株式に資金が流れる。4日は安全資産とされる金先物相場も続落していた。(NQNニューヨーク=張間正義)』