国債格下げ急増、新興国や産油国 コロナ後回復にも影

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63305230R00C20A9910M00/

『新興国や産油国で国債の格付けが下がっている。2020年1~7月に南アフリカなど22カ国・地域で下がり、19年通年の6カ国・地域を大きく上回った。新型コロナウイルスで原油価格が下がり、税収も落ちこんだからだ。格下げで国債発行が難しくなれば今後の経済回復に影を落とす。

南アフリカはアフリカ大陸で最も新型コロナの感染者が多い(6月、ケープタウン)=ロイター
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米格付け会社S&Pグローバル・レーティングの格付けを集計した。前年同期はわずか3カ国・地域で、いまの急増ぶりが際立つ。16年は通年で25カ国・地域が格下げとなったが、現在のペースが続けば今年は過去最悪になる可能性がある。

格下げの中心が産油国だ。歳入の多くを原油に頼り、原油価格が低迷しているからだ。オマーンがダブルBからダブルBマイナスになったのをはじめ、クウェートもダブルAからダブルAマイナスに格下げとなった。

財務基盤が弱い新興・途上国の国債でも格下げが相次ぐ。南アフリカはダブルBからダブルBマイナスになった。20年1~3月期の経済成長率は前期比マイナスで、財政赤字も拡大した。コスタリカやスリランカ、バハマも格下げされた。

格付けが下がると、高い金利でなければ国債の発行が難しくなる。格付けが一定水準を下回って「投資不適格」とみなされれば、金利を上げても買い手が見つかりにくくなる。年金など一部の機関投資家は投資不適格の債券は買わないためだ。

期日までの利払いが出来ず、アルゼンチンやエクアドル、レバノンは債務不履行になった。大和総研の児玉卓経済調査部長は「新興国は新型コロナの感染拡大に歯止めがかかっていない。経済の悪化で信用力が低下する国がさらに増える可能性がある」と指摘する。』