安倍首相、辞任を正式表明 記者会見で持病再発と説明

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『安倍晋三首相は28日、首相官邸で記者会見した。持病である潰瘍性大腸炎が8月上旬に再発し、職務の継続が困難になったとして辞任する意向を表明した。「病気と治療を抱えて体力が万全でないなか、政治判断を誤ることがあってはならない」と述べた。

自民党総裁の任期を1年あまり残しての辞任に「他の様々な政策が実現途上にあるなか、職を辞することに国民に心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

北朝鮮による拉致問題やロシアとの平和条約締結、憲法改正などの政治課題を挙げて「志半ばで職を去るのは断腸の思いだ」と語った。

辞任は24日に一人で判断したと説明した。新型コロナウイルスへの対応で「感染が減少傾向に転じ、実施すべき対応策をまとめたことから、新体制に移行するならこのタイミングしかないと判断した」と説明した。

後継の党新総裁の選出方法については「執行部にお任せしている」と言及を避けた。「ポスト安倍」に関しても「私が言うことはない。政策を競い合うなかで決まっていく」と述べるにとどめた。

質問で岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官の名前が挙がると「それぞれ有望な方々だ」と話した。

後継を選ぶ総裁選には「影響力を行使しようとは全く考えていない。そうすべきではない」と強調した。憲法改正の実現を候補者の支援条件にするか問われると「改憲4項目の案は党で決めたことだ。誰が総裁になっても当然取り組んでいくと思う」と引き続き推進するよう求めた。

改憲が実現しなかった原因は「残念ながら国民世論が十分に盛り上がらなかった」と振り返った。

「次の首相が任命されるまで最後まで責任を果たしていく」と述べ、新総裁が決まるまでは執務を継続する方針だ。次の衆院選には「一議員として臨む」と語り、政界引退を否定した。「治療によって体調を万全とし新体制を一議員として支えていきたい」と政治活動の継続に意欲をみせた。

コロナ対策を巡っては「感染症法上、結核や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの2類感染症以上の扱いをしてきた。政令改正を踏まえて運用を見直す」との方針を出した。「軽症者や無症状者は宿泊施設や自宅での療養を徹底し、保健所や医療機関の負担軽減をはかっていく」と話した。

配備計画を断念した地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替となるミサイル防衛体制と新しい安全保障戦略は「今後速やかに与党調整に入り具体化を進めたい」と説明した。

学校法人「森友学園」への国有地売却問題や首相主催の「桜を見る会」への批判を巡っては「説明ぶりに反省すべき点はあるかもしれないが、政権を私物化したことはない」と訴えた。

首相は記者会見に先立ち自民、公明両党の幹部に辞意を伝えた。新総裁が決まり次第、内閣総辞職する。後継を決める総裁選は9月にも実施される見通しだ。時期や形式は二階俊博幹事長に一任した。速やかに検討して総務会で決めるという。』