〔中南米関連〕

※ 混沌と、カオスと、無秩序だ…。ヤレヤレな話しだ…。

ペルー摘発騒ぎで13人死亡 外出禁止中の闇パーティー
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62966490U0A820C2000000/

ブラジル、コロナ禍で殺人件数増加 前年比6%増
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62947880S0A820C2NNE000/

南米ベネズエラ、コロナで一部国境閉鎖 帰国を妨害か
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62947310S0A820C2EAF000/

『【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラ政府は21日、コロンビアとの国境を一部閉鎖した。新型コロナウイルスの感染拡大で景気が悪化する中、移民や難民として周辺国に住んでいたベネズエラ人が帰国し、ウイルスを国内に持ち込まれるのを防ぐ狙いとみられる。

コロンビアとベネズエラの国境にかかる橋を渡る人々(3月、コロンビア北部ククタ)=ロイター
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コロンビア政府によると、同国とベネズエラを結ぶ橋を閉鎖し、人の往来ができなくなったという。コロンビアにはベネズエラの独裁政権による弾圧や経済崩壊から逃れるため、約170万人のベネズエラ人が住んでいるが、新型コロナ拡大に伴い職を失い、陸路で帰国する人が増えていた。

米ニューヨーク・タイムズは、ベネズエラ政府が帰国者を「バイオテロリスト」と呼び、十分な食料や水を与えないまま隔離施設にとじ込めていると報じている。

ベネズエラ政府によると、同国の新型コロナ感染者数は3万7千人で死者数は300人強。マドゥロ政権は周辺国に比べ抑えこんでいると主張するが、経済統計と同様、政府が数字を操作している可能性が高いと指摘されている。』

〔東南アジア関連〕

タイ経済の「司令塔」退場、栄光と挫折の足跡
アジア総局長 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62960860T20C20A8I00000/

『新型コロナウイルス対応で、世界保健機関(WHO)から「優等生」のお墨付きを得たタイ。先週、実に86日ぶりに市中感染が疑われる陽性者を確認したものの、なお封じ込めには成功している。

むしろ同国内を浮足立たせているのは、コロナへの警戒感の後退に反比例して広がる、反政府デモだろう。学生を中心にした集会は8月に入って一段と活発になり、一部からはこれまでタブーだった王室改革の要求まで飛び出した。

強権批判にさらされるプラユット首相は8月12日、政権てこ入れのため、閣僚6人を入れ替える内閣改造に踏み切った。目玉は、コロナ危機からの経済再生に向けた、主要な経済閣僚の刷新である。

プリディー財務相はカシコン銀行の元頭取、スパタナポン・エネルギー相は石油化学最大手PTTグローバルケミカルの元社長だ。1カ月ほど前の7月16日、改造を待たず辞任したウッタマ前財務相、ソンティラット前エネルギー相、そして彼らの上役として「経済チーム」を指揮したソムキット・チャトゥシピタク前副首相(67)らはいずれも元学者。「学界から経済界へ」とカラーが一変した。

スパタナポン氏が副首相を兼ねるものの、経済政策は首相自らが采配を振るう。2020年4~6月期の国内総生産(GDP)は前年比で12%も減り、回復も視界不良なタイ。元軍人のプラユット氏のかじ取りで大丈夫なのか――。不安視する声は、長く「経済政策の司令塔」を務めてきたソムキット氏の抜けた穴の大きさを浮かび上がらせる。

改造内閣の記念撮影に臨むプラユット首相。コロナ禍からの経済再生へ、自ら経済政策を統括することにしたが…(8月13日、バンコク)=ロイター
「今の経済チームの仕事ぶりが物足りないなら、居座るべきではない。だが何をしていいのか分からないなら、代わりのチームは来るべきではない」。6月に内閣改造観測が浮上しても、ソムキット氏は続投へ強気だった。ところが与党内の内紛も絡み、包囲網は徐々に狭まる。7月に入ると「私は年を取った。何年も前にもう意欲をなくした」と諦観した発言が漏れた。辞任はその6日後だった。

辞任会見に自身は姿を見せず、腹心のウッタマ氏が「健康上の理由」と説明した。5年間を2度、計10年にわたって副首相を務め、タイ経済の針路図を描いてきた重鎮にしては、寂しい去り際だった。

ソムキット氏はタイの政治・経済にどんな足跡を残したのか。

名門タマサート大や国立行政開発研究院で学び、米ノースウエスタン大のケロッグ経営大学院で博士号を得た。「マーケティングの神様」フィリップ・コトラー教授に師事し、共著も著した。書名は「マーケティング・オブ・ネーションズ」。国家の競争力を高めるマーケティング戦略を論じた。

理論構築だけでは満足せず、実践への野心も旺盛だった。コトラー氏は13年に日本経済新聞に連載した「私の履歴書」で、卓越した教え子としてソムキット氏の名を挙げた。1990年代前半に帰国し、母校で教えていたまな弟子から、数年後に「学術の世界にとどまるか政治の世界に進むべきかアドバイスが欲しい」と請われ、「政治の世界で頑張れ」と背中を押した逸話を紹介している。

それはタクシン元首相から政界入りを誘われた時期と重なる。98年に「タイ愛国党」の結成に参画後、いかに重用されたかは、01年の総選挙で比例名簿3位だったことからも分かる。選挙に圧勝してタクシン政権が誕生すると、副首相兼財務相(後に商業相)として経済政策を取り仕切った。

タクシン首相(右)を副首相として支えたソムキット氏は、経済政策の理論的支柱だった(2005年3月、タイ国会)=ロイター
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実践したのはまさにマーケティング戦略だ。7万超の村落に投融資枠を設ける「村落基金」、大分県を手本に地方発の有力商品を育てる「一村一品」、「アジアのデトロイト」「世界の台所」を標榜した自動車や食品の輸出促進策……。「タクシノミクス」と呼ばれた一連の施策は、必ずしもソムキット氏の発案ではなかったが「寄せ集めのアイデアを論理立て、政策に仕立てる『整理屋』としての傑出した能力が、彼の真骨頂だった」(当時を知る外交関係者)。

次の首相候補にも挙げられ、順調だった政界でのキャリアは、06年9月の軍事クーデターによるタクシン氏の失脚で転機を迎える。

軍事政権の誘いに応じ、07年2月に新設の「対外経済協力委員長」に就いたのだ。ところが反タクシン派の猛反発を食らい、1週間で辞任に追い込まれた。「裏切り者」とタクシン派からも非難されたのは言うまでもない。失意の中、自らの政党創設も模索したが、5月にタイ愛国党が選挙違反で解党されると、党幹部だったソムキット氏は5年間の公民権停止処分を受け、表舞台から姿を消した。

次に脚光を浴びたのは、またもタクシン派政権を倒した、14年の再クーデター後だ。軍政顧問を経て15年8月、9年ぶりに副首相に復帰した。昨年の民政復帰を挟み、再びタイ経済のかじを握った。

「日本企業の意見は常に重視しているので困ったことは何でも伝えてほしい、と言われた。何度か陳情に行ったが、迅速かつ的確に善処してもらった。口先でなく本当に実行力のある人だった」

17年度のバンコク日本人商工会議所の会頭としてソムキット氏と接した丸紅の酒井宗二執行役員(現中部支社長)には、国益を常に考えていた印象が強いという。

ソムキット氏がタクシン政権で主導した代表的な政策「OTOP(一村一品)」はタイですっかり定着した(18年6月、スワンナプーム空港の専門店舗)
近い将来の先進国入りに向けて産業高度化の旗を振る「タイランド4.0」や、その舞台装置として既存の臨海工業地帯を高度産業の集積地に変える「東部経済回廊(EEC)計画」など、今回も華々しい戦略を掲げた。だが、GDP伸び率がざっと年4~7%台だった前回在任期と比べ、今回はコロナ危機前でも3~4%前後にとどまる。経済司令塔としては、かつてほど輝けなかったといえる。

「彼の知見を国家のために生かそうと思えば、古いボスを見限り、軍政に近づくしかなかった」。かつてタクシン政権の経済チームで共に働いた元官僚は、ソムキット氏の「変節」に理解を示しつつ、こう付け加えた。「実業家だったタクシン氏は経済政策への理解が深く、全面的に支援を受けられた。プラユット氏は軍人だ。能力を発揮する環境が違いすぎた」

いまのタイで起きている学生主導のデモは、以前の「タクシン派か反対派か」といったイデオロギー対立ではなく、世代間の対立の様相を呈している。そのさなかのソムキット氏の退場は、ひとつの時代の終わりの象徴でもある。

ただし、辞任した7月16日は、プラユット政権発足からちょうど1年の節目だった。あえてこの日を選び、辞めさせられる前に辞めたことで、与党内の利権争いの「被害者」の立場を印象づけたのは間違いない。コロナによる経済危機のさなか、空白を承知で職責を投げ出した学者らしからぬ振る舞いは、なお将来の政界復帰の野心を秘めているからなのだろうか。』

Somkid Jatusripitak(※英語版のみ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Somkid_Jatusripitak

(グーグル翻訳文)
『初期の人生
ソムキッドはバンコクで生まれ、10人の子供のうちの1人である大規模でありながら控えめなタイの中国人(Teochew)家族で育ちました。[3] [4]彼の曾祖父は嘉慶天皇[5](19世紀初頭)の治世中に中国から移住した。タイで生まれ育ったにもかかわらず、ソムキッドは依然として強い中国のアクセントでタイ語を話します。[6] [7]彼の兄の一つ、ソムJatusripitakは、後の大統領になったサイアムシティ銀行で商業大臣チャワリット・ヨンチャイユットの政府。[8]

彼の妻、アヌラチャニージャトゥスリピタクは、チュラロンコン大学で教えています。彼らには3人の子供がいます。[ 引用が必要 ]

教育と学歴
ソムキッドは、トライアムウドムサクサスクールに行き、1972年にタマサート大学経済学部を卒業しました。その後、国立開発研究所の経営管理大学院(NIDAビジネススクール)で金融のMBAを取得しています。(NIDA)と博士号 ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院でマーケティングの博士号を取得。

卒業後、教職に就き、経営学研究科(NIDAビジネススクール)のマーケティング准教授に就任。また、NIDAビジネススクールのアソシエートディーンを務めました。ソムキッドの考えは、マイケル・ポーターの「国家の競争力」に大きく影響された。彼は学術的研究の多くを国とビジネスの競争力の発達に焦点を合わせました。彼のメンターであるフィリップ・コトラーとともに、彼はネーション・ブランディングのコンセプトの強力な支持者でした。1997年、ソムキッドはフィリップ・コトラーと共同で「国家のマーケティング:国の富を築くための戦略的アプローチ」を執筆した。。この本は、国々がマーケティングとそれをサポートする適切な政策を通じてどのように競争力を向上させることができるかを概説した。[3]ソムキッドの本、Borisat Prathet Thai( “Thailand Inc:Concepts and Strategy”)は、タイがマーケティングをどのように活用して競争力を向上させるべきかを強調しました。』
『政治的キャリア
タクシンシナワット外相アドバイザー
ソムキッドはバンハーンシルパアルチャ政権下のタクシンシナワット外相の書記になった(1995–96)。

タノンビダヤ財務相顧問
ソムキッドはチャバリットヨンチャイユッドの政府の下でタノンビダヤ財務相の書記になりました(1996–97)。

タイラックタイ党の設立
ソムキッドは、党首のタクシンシナワットとともに、1998年のタイラックタイ党の共同創設者の一人でした。パーティーでの彼の上級の身長は彼のいいえから明らかでした。TRTの2001年の選挙党リストで、タクシンシナワットとプラチャイピエムソンブーンの後ろに3位。

Somkid「後ろの男と呼ばれてきたThaksinomics、」[10]と壮大なスケールでポピュリズムを受け入れることにより、2001年に地滑り選挙の勝利にTRT」ウォンをタイ愛国タイ党を推進助けたポピュリスト政策の首謀者でした、 「極東経済レビューは言った。ソムキッドの主な政策革新には、ユニバーサルヘルスケアプログラム、タイの70,000村のそれぞれに100万THBの開発資金、農家向けの3年間のローン凍結、国営企業の民営化のファストトラック、および購入する国家資産管理会社(AMC)が含まれます。タイの銀行が抱える200億ドルの不良債権の増加。[11] [12]

ソムキッドはまた、TRT党の地方中小企業(SME)政策を開拓した。タイの人口の60〜70%を雇用している農業が依然として最も重要な経済セクターであることを指摘し、経済的課題は農業セクターを発展させ、それを近代的なセクターと結びつけることでした。[8] これはタクシン政府の人気のある1つのタンボン製品(OTOP)プログラムの設立原則の1つになりました。

当時、The Nation新聞は、これらの政策は「タイの公共政策の革命に相当する」と宣言しました。[13]

タクシン政権の大臣
TRTの2001年の地滑り選挙での勝利以来、ソムキッドはターキンの経済的内閣の中心的メンバーでした-財務大臣として始まり、その後商務大臣になりました。

財務大臣

このセクションはリスト形式ですが、散文として読むほうがよいかもしれません。必要に応じて、このセクションを変換することで支援できます。編集ヘルプを利用できます。 (2014年5月)
ソムキッド財務相(2001年2月〜2003年2月)在任中

・国有のタイ航空インターナショナルで経営陣の改造を監督した
・国家資産管理会社(AMC)の設立を主導
・Prachai Leophai-ratanaのタイ石油化学産業(TPI)の物議を醸しているリストラを支持[14]
・2002年、ソムキッドは村の基金プログラムを設立しました。このプログラムは、タイの70,000の村のそれぞれに100万THB(約25,000米ドル)の自己管理基金を提供し、草の根の社会的および経済的投資に使用されます。

商務大臣

このセクションはリスト形式ですが、散文として読むほうがよいかもしれません。必要に応じて、このセクションを変換することで支援できます。編集ヘルプを利用できます。 (2014年5月)
商務大臣としての任期中(2005年8月〜2006年9月)、ソムキッド

・2004年の津波後のアンダマン海岸の観光産業の回復を監督しました
・英国との貿易、投資、協力を強化するための包括的なロードマップを作成することに合意[15]
・エレクトロニクス、石油化学、車両タイヤの3つのターゲットセクターで投資委員会のインセンティブを強化[16]
・2005年から2006年のタクシン反対デモの際、タクシンはソムキッドが辞任した場合首相として彼を継ぐ可能性のある4人の一人であると述べた。

・2006年3月、ソムキッドは反タクシン抗議運動の最中、バルーン血管形成術を受け、心臓近くの動脈の血栓を取り除きました。[17]

後はタクシン氏は2006年4月の選挙後に議会からプレミアシップを受け入れないだろうとの発表、Somkidは広く潜在的な代替として見られました。ビジネスマンの世論調査で、57%はソムキッドが新人プレミアの最も適した候補者であると述べました。次に高いTRT政治家はBhokin Bhalakulaで、12%しか受け取っていません。[18]間もなく、Wang Nam Yom(130 MPs)、Rim Nam(15 MPs)、Lamtakong(7 MPs)、Wang Phya Nag(10 MPs)、Chon Buri(7 MPs)、中央州(10議員)は、次の首相としてソムキッドヤトゥスリピタクを押すことを決定しました。[19]

2006年のクーデターの余波
タイ軍は2006年9月19日にタクシン政府に対するクーデターを成功させました。そのとき、ソムキッドはパリにいて、シリントーン王女とカンタティスパマコンコン外相とのタイ-フランス文化展に出席していました。2006年9月21日、バンコクに戻りました。[20] タクシン内閣の他のいくつかの上級議員とは異なり、彼は連邦政府によって逮捕されなかった。ソムキッドは目立たず、2006年10月2日までタクシンシナワットと共にタイラックタイ党を辞任した。[21] [22]

2007年2月まで、プーミポン国王の自給自足の経済政策を「説教」する責任を負う政府委員会の委員長に任命されるまで、彼は目立たなくなった。評論家がポピュリスト経済学の皇帝は自給自足を促進する役割を持たなかったと主張したので、この任命は大きな論争を引き起こしました。[23] [24] Somkidの予定が一般的でサポートされていたSaprang Kalyanamitr、軍事政権の強力なメンバー、およびソンジー・リムソンクールの民主市民連合、Somkidのの長年の同僚。ソムキッドは後に委員会を辞任することを決定し、委員会は解散した。ソムキッドの長年のライバル、プリディヤトーン・デヴァクラ財務相委員会の役割を果たすことを志願し、ソムキッドの辞任におけるいかなる役割も否定した。[25]

2007年5月上旬、元選出の上院議員のグループは、ソムキッドが新しい政党、いわゆるダルマティパタイグループの形成を支援する準備ができていると述べました。その中には、スラポーンダナイタントラクーン、アネクラオタマタス(マハチョン党の元指導者)、タイラクタイの元メンバーであるスラナンベジャジーヴァとピモルスリビコーンが含まれていました。[26] 2007年6月26日、彼らはルアム・ジャイ・タイを設立した。しかし、2007年5月30日、憲法裁判所は、ソムキッドを含むタイラックタイ党の元幹部メンバー111人全員が5年間政治職を務めることを禁じ、評決を下しました。[27]

ソムキッドは2012年に、タイの主要な企業が後援するシンクタンクであるタイフューチャースタディインスティテュートを設立し、公共機関や民間セクターへの調査とコンサルティングの提供を目指しています。[27]

2014 juntaの顧問およびメンバー

2017年にバンコクのロイヤルタイ空軍エアターミナルでソムキッドジャトゥスリピタク副首相とロドリゴロアドゥテルテ大統領
後に2014年5月22日クーデター、軍事政権-自身を呼び出し、平和と秩序のための国民評議会(NCPO)は、特にアジア諸国は中国と日本で、対外経済関係を担当してその「諮問委員会」のメンバーSomkidを-appointed。[28] [29] 9月16日、2人の民間人の1人としてソムキッドがNCPOのメンバーとして任命された。[30]』

〔ヨーロッパ関連〕

[FT]大揺れの独極右AfD、醜聞と内紛で支持低落
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63014410V20C20A8000000/

 ※ ドイツが持つ(ドイツだけの話しじゃ無いだろう…)、「暴力的な側面」に触れている記事なので、読んでおいた方がいい…。

『しかし先週、連邦議会で起きた異常な事件がモイテン氏側を押し上げた。元ドイツ連邦軍特殊部隊の空挺(くうてい)隊員であるカルビッツ氏がAfDのデニス・ホーロック議員を拳で殴り、同氏の脾臓が破裂する事態に至ったのだ。現在、検察当局が「過失傷害」の疑いでカルビッツ氏を取り調べている。

カルビッツ氏は「事故」だったと主張しているが、誰もがそう思っているわけではない。ブランデンブルクのAfD議会スタッフ、カイ・ラウバッハ氏はフェイスブックへの投稿でカルビッツ氏の暴力的な行動パターンを非難し、ホーロック氏にけがを負わせた後に「ひよわな意気地なし」だとあざ笑っていたと明かした。「あなたは党のがんだ」とラウバッハ氏は書いている。「どうか、おとなしくお引き取りを!」

この投稿について、カルビッツ氏は自分に対する「ちゃちな中傷攻撃の一環だ」と退けた。』

〔ビル設計AIは、ここまで来た!〕

あの超高層を手掛けた構造設計のエースが開発中、竹中工務店の「使えるAI」
木村 駿、石戸 拓朗 日経 xTECH/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01000/092500001/?P=4 

『人工知能(AI)が、建築の設計や施工、維持管理を高速化し始めている。人手のかかる単純作業をコンピューターが「爆速」でこなしてくれれば、浮いた時間を人間にしかできない創造的な仕事や、ワークライフバランスの向上に充てることができる。AIをうまく使いこなせば、建築はまだまだ進化できるはずだ。

 竹中工務店、HEROZの構造設計AI 
構造設計の単純作業を爆速化
 AIで単純作業を高速化し、生み出した時間を顧客との対話や人間にしかできない創造的な仕事、設計者のワークライフバランスの向上に充てる──。竹中工務店が将棋AIで有名なHEROZ(ヒーローズ、東京・港)と2017年から開発してきたAIの輪郭が日経アーキテクチュアの取材で明らかになった〔図1〕。

〔図1〕これが竹中工務店「3つのAI」だ
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(資料:竹中工務店の資料を基に日経アーキテクチュアが作成、写真:日経アーキテクチュア)
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 「リサーチAI」「構造計画AI」「部材設計AI」と呼ぶ3つのAIを設計の段階に応じて使い分け、構造設計にまつわる単純作業の7割を削減する。開発リーダーは高さ日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市)などの構造設計を担当した竹中工務店設計本部アドバンストデザイン部構造設計システムグループの九嶋壮一郎副部長。「実務者目線で『使えるAI』を目指す」(九嶋副部長)

 最初に取り組んだのが、社内に蓄積してきた膨大な設計データの整理。同社の構造設計システム「BRAIN(ブレイン)」で設計した400プロジェクト、25万部材の情報をデータベース化した。この中から、進行中の案件と似た事例を簡単に引き出せるようにしたのが「リサーチAI」だ(図1の1)。

 構造設計の初期段階では、過去の類似事例を参考にしながら検討を進める。しかし、各事業所から情報を集めるのに時間がかかる上、経験の浅い設計者はどの事例を参照すべきか迷いがち。面積や階数、スパンなど構造を特徴付けるパラメーターは10~20個もあり、比較が難しい。

 リサーチAIでは、10次元以上のパラメーターを2次元に縮約(圧縮)し、総合的に類似度が高いプロジェクトを示せるようにする。機械学習(「AIのキホン ディープラーニングって何?」を参照)の一種で、データの集まりを類似度に応じて分類する「クラスタリング」を用いた。

 同社技術研究所先端技術研究部数理科学グループの木下拓也研究主任は、「ベテランが持つ嗅覚のようなものをAIで補い、誰でも有益な情報にたどり着けるようにする」と話す。』
『計算せずに仮定断面を出す
竹中工務店
設計本部アドバンストデザイン部
構造設計システムグループ 副部長
九嶋 壮一郎氏

(写真:日経アーキテクチュア)
 基本計画・設計の段階になると、構造設計者は建物のボリュームや空間の配置に応じて構造種別や架構形式を検討し、意匠設計に必要な柱・梁(はり)の仮定断面を出す。

 「構造計画AI」は、構造計算なしで仮定断面を自動推定する人工知能だ(図1の2)。複数案を簡単に比較検討できるので、短時間で構造設計の質を高められる。推定の精度を、詳細設計完了時の部材断面の±20%以内に収めるのが目標だ。

 開発には、機械学習の一種である深層学習(ディープラーニング)を用いる。脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」をコンピューター上に幾層も構築して大量のデータを入力すると、コンピューターがその特徴を学び、未知のデータを認識・分類できるようになる。

 効率的に学習させるため、AIには「教師データ」と呼ぶ情報を与える。構造計画AIの学習に用いたのは、データベースに登録した25万部材の設計情報だ。建物の規模やスパン、位置などに応じて異なる柱・梁の断面サイズを学んだAIは、「10階建ての角の柱の断面はこのぐらい」と瞬時に見当をつけられるようになる。

 HEROZの井口圭一最高技術責任者は、「過去の事例には特殊な構造の建物もある。うまく分けて学習させないとAIの回答がそれに引っ張られる。開発チームで事例を精査しながら学習させている」と話す。

 3つ目の「部材設計AI」は、詳細設計の際に部材の「グルーピング」を支援するツールだ(図1の3)。

 柱が全て同じ断面ならば施工性は高まるが、経済性は悪くなりがち。逆に数量を減らそうと断面サイズを柱ごとに変えると施工性が悪くなる。構造設計者は施工性と経済性が両立するよう、部材の種類をグルーピング(整理)しなければならない。部材設計AIは、施工性と経済性を両立する案を絞り込んで提示し、構造設計者の意思決定をサポートする。

 竹中工務店の九嶋副部長は言う。「AIを、人を支援し、協働する存在と位置付け、新たな構造設計の在り方を示したい。20年度を目標に開発を進めていく」』

『Iのキホン ディープラーニングって何?
 一口にAIと言っても、様々な種類がある。例えば1980年代に流行した「エキスパートシステム」は、人間が判断基準をコンピューターに入力し、コンピューターはそれに従って「もしAならばB」などとデータを分類・判断する仕組み。「ルールベースのAI」などと呼ぶ。

 一方、現在のAIブームをけん引するのは、コンピューターがデータの分類方法や判断基準を自ら学ぶ「機械学習」と呼ぶアプローチ。中でも「深層学習(ディープラーニング)」と呼ぶ手法が脚光を浴びている〔図2〕。

〔図2〕AIには様々な手法がある
手法によっては異なる分類をする場合がある(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 ディープラーニングでは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)のネットワークを単純化した「ニューラルネットワーク」を、コンピューター上に幾層も構築する。これに大量のデータを入力すると、コンピューターが自らデータの特徴を学び、未知のデータを認識・分類できるようになる。それまでの機械学習に比べて高い精度で正解を導き出せる〔図7〕。

〔図3〕脳の神経回路を模したニューラルネットワーク
中間層を多層化したものをディープラーニングと呼ぶ(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 機械学習には、「教師なし学習」「教師あり学習」「強化学習」の3つの学習方法がある。教師なし学習は、極めて大量のデータをコンピューターに入力し、データの傾向や規則性などを自動的に学ばせる方法だ。

 教師あり学習は、正解付き(ラベル付き)の「教師データ」を用いて効率的に学習する方法。例えば、コンクリートの画像から健全性を診断するAIをつくる場合、画像データと専門家による診断結果をセットにした教師データを学習させる〔図4〕。

〔図4〕産業用途は「教師あり学習」が大半

学習に必要なデータをそろえ、ラベル付け(アノテーション)をするには、人手と時間を要する(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 建築を含め、産業用途でディープラーニングを活用する場合は、ほとんどが教師あり学習だ。教師なし学習と比べてデータの数こそ少なくて済むが、ラベル付きのデータをそろえるのには多大な労力がかかる。このため、教師データ集めで挫折するケースは少なくない。』
『竹中工務店とHEROZの自動制御システム 
AIで「建築設備が成長」
 竹中工務店とHEROZが共同でAIを開発するのは、構造設計の分野だけにとどまらない。人工知能を用いて空調や照明などのビル設備を自動制御するシステム「Archiphilia Engine(アーキフィリアエンジン)」を開発した。管理員の手動に頼っていたビル設備の制御を自動化し、管理業務の効率化や省エネ性の向上を図る。

 アーキフィリアエンジンは、センサーなどから取得したビッグデータを基に設備の運転条件を制御する。竹中工務店が開発したビル設備の管理システム「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」とHEROZのAIサービス「HEROZ Kishin(キシン)」を組み合わせた。ビルコミュニケーションシステムが収集する温度や照度などのデータをAIに学習させ、ビル設備を最適な形で自動制御する。消費エネルギー量を最適化するだけでなく、利用者の好みに合わせた制御も可能だ〔図4〕。

〔図5〕AIで設備を自動制御
「アーキフィリアエンジン」のシステムの概要。「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」が収集した情報を「HEROZ Kishin」で学習して、設備を自動制御する(資料:竹中工務店)
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2年間の実証実験で省エネ効果などを検証

 竹中工務店は2019年6月5日に、自社が設計・施工した未来のライフスタイルを提案する体験施設「EQ House」でアーキフィリアエンジンの実証実験を開始した〔写真1〕。期間は2年間。人感センサーや温度などを測るセンサー、利用者の心拍などを測るウエアラブルセンサーを用いる。延べ面積88m2の空間に約1000個のセンサーを設けて、1分おきにデータを収集する。

 さらに空調や照明などを通じて得られたデータを学習させることでEQ House内の設備を自動制御する。両社によると、データをこれほど大量に収集し、ビル設備の制御に生かす取り組みは珍しい。実験を通じて、自動制御に必要なセンサーの種類やアーキフィリアエンジンを用いた際の省エネ効果などを検証する。

〔写真1〕実際の建物で省エネ効果を検証
アーキフィリアエンジンの効果を実証する「EQ House」の外観(写真:日経アーキテクチュア)
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 竹中工務店はアーキフィリアエンジンの導入によって省エネ性や快適性を高められると確認できれば、積極的に実プロジェクトへの提案を進めていく予定だ。』

実録・浸水タワマン復旧への道程

実録・浸水タワマン復旧への道程
木村 駿 日経クロステック/日経アーキテクチュア 森山 敦子 日経クロステック/日経アーキテクチュア 坂本 曜平 日経クロステック/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00111/080500003/

 ※ 小杉のタワマンの続報だ…。

 ちょっと感心したのは、「管理組合」のみなさんが、非常にフットワーク軽く、機動的に動いておられる点だ…。

 「内水氾濫」とか、聞いたこともなく、文字通り「寝耳に水」の話しだったろう…。しかも、おそらくは、取得してからまだ数年しか経過しておらず、この先長い期間「ローン」を支払っていかなければならない立場にあるはずだ…。普通だったら、打ちひしがれて、復旧、再建への「気力」も無くしそうなところだ…。そこを、矢継ぎ早に「次のこと」を考えて、打てる策を、しっかりと打っている…。水のかき出し写真を拝見すると、まだ「お若いご夫婦」が多いようだ…。それで、腰軽く、機動的に動けたんだろう…。これが、70代、80代の「お年寄り」が多かったならば、なかなかそうは行かなかっただろう…。「若年層」の入居者が多かったことが、効を奏した形だな…。

『2019年10月、2万5000ヘクタールを超える浸水被害をもたらした東日本台風。多摩川流域の内水氾濫で電気設備が浸水したタワーマンションでは、復旧に長期間を要した。こうした被害を踏まえ、国土交通省は20年6月に浸水対策ガイドラインを公表した。

 2019年10月12日、東日本台風(台風19号)の接近に伴い、多摩川流域では四六時中、氾濫の危険性や避難情報を伝える緊急速報メールの受信音が鳴り響いていた。

 タワーマンションが立ち並ぶ川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺では、増水した多摩川の水が、雨水を排水するための山王排水樋管を通じて逆流。広い範囲に内水氾濫を引き起こした。駅前に立つタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」の浸水被害はとりわけ深刻だった。

 12日夜、周辺の浸水を知ったマンションの住人は、地下駐車場や建物の出入り口前に高さ60cmほど土のうを積み上げた。そのおかげで、外構は最大約30cmまで浸水したが、建物内に泥水が流れ込むのは防ぐことができた〔写真1~3〕。

〔写真1〕地下最深部の貯水槽から雨水があふれた
2019年10月の東日本台風の影響で内水氾濫が発生し、浸水したタワーマンションの地下3階で住民が排水作業をする様子。地下4階相当に設置された貯水槽に容量を超える雨水が流れ込み、蓋からあふれて地下3階が浸水した(写真:パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー)
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〔写真2〕多摩川を望むタワーマンション
パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーの外観。地下3階・地上47階建てで、総戸数643戸の大規模タワーマンションだ(写真:パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー)
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〔写真3〕武蔵小杉駅周辺が浸水
2019年10月13日午前0時過ぎの武蔵小杉駅周辺の様子。写真右手がパークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー(写真:読者提供)
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 しかし、水は想定外の場所から浸入した。地下3階の下に設けた貯水槽の蓋から、あふれ出したのだ。マンション内に流入した水は9000t。浸水によって地下の電気設備の多くが故障して停電し、住人は17日の復旧まで不自由な生活を強いられた。』
『特定した浸水経路への対策
 フォレストタワーの管理組合はその後、タスクフォースを立ち上げて独自に調査し、浸水メカニズムを特定。20年3月2日に被災原因と再発防止策の検討状況を公表した。

 タスクフォースの調査によると、浸水メカニズムは次の通りだ。

 フォレストタワーでは市の指導の下、建物周辺の雨水を、雨水流入升を介して建物内の貯水槽に一時的に貯め、ポンプでくみ上げて敷地外の下水管に流す仕組みを採用している。下水道や河川などに能力以上の水が流出しないようにするためだ。

 被災時は周辺が冠水していたため、雨水の流入速度がポンプの排水能力を超えたとみられる。浸水し始めた当初は住民らが人力で排水していたが、流入速度は予想以上に速く、安全を優先して作業を中断した。

 タスクフォースは調査結果を踏まえ、管理会社の三井不動産レジデンシャルサービスや設計・施工者の竹中工務店などの協力を得て、再発防止策を整理。20年6月には雨水流入升から貯水槽へ雨水を送る配管に「止水バルブ」を新設した。貯水槽へと無制限に水が流入することを防ぐのが目的だ〔図1、2〕。ただし、貯水槽は雨水を貯めて周辺地域の浸水被害を軽減するための施設なので、止水バルブを閉じる基準については運用マニュアルを作成中だ。

〔図1〕浸水経路に止水設備を増設
パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーの浸水メカニズムと再発防止策。建物の西側に武蔵小杉駅がある。同マンションの管理組合は2019年10月に発生した浸水被害を検証。特定した浸水経路や、建物の開口部、地下駐車場出入り口に止水設備を増設した(資料:パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーの資料に日経アーキテクチュアが加筆、下の写真2点は日経アーキテクチュア)
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〔図2〕対策に優先順位を設定
パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーのタスクフォースが作成した浸水対策案。優先順位を設定して進めている(資料:パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー)
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 東日本台風で、住人が自ら土のうを積むことになった経験を踏まえ、迅速に対応できるよう、地下駐車場出入り口と建物出入り口の計7カ所に止水板を設置した。外壁のガラス部分については、浸水深1mまで水圧に耐えられることを確認した。

 マンション管理組合の理事長は、「1mの浸水に耐える対策は講じた。次は多摩川が氾濫した際に想定される2m級の浸水対策だ」と話す。非常時に屋上の受変電設備を使えるよう配線系統を変えるなどの対策を検討している。』
『初の浸水対策ガイドライン
 首都圏の人気エリアに立つタワーマンションで電気設備などが浸水被害を受け、長期にわたって停電や断水が発生したことは社会に大きな衝撃をもたらすと同時に、都市部の浸水対策の甘さをあらわにした。

 タワマンの被災を受けて国土交通省と経済産業省は19年11月、「建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会」(座長:中埜良昭・東京大学生産技術研究所教授)を設置。浸水対策の在り方や事例を初めて整理し、20年6月19日に「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」を発表した。

 ガイドラインでは、消費電力量が大きく、高圧受変電設備などの設置が必要となる建築物を想定し、洪水などの発生後も機能を継続できるよう、電気設備の浸水対策の在り方や具体例を示した。対象は、建築主や設計者、施工者、所有者、管理者、電気設備関係者など建築物の電気設備に関わる者だ。ガイドラインに法的な強制力はないが、浸水対策を検討している企業や管理組合などにとっては参考になる内容だ。

 ガイドラインではまず、対策の検討プロセスについて解説した〔図3〕。建築主や設計者などは、敷地の浸水リスクを調査し、浸水深や浸水継続時間などを想定する。さらに、調査結果を踏まえて浸水を防止する箇所を選定するなどして、建物の機能継続の目標水準を設定する。

〔図3〕浸水対策は浸水深の想定からスタート
国土交通省のガイドラインで示した建築物における電気設備の浸水対策の流れ。まずは浸水リスクを調査し、浸水規模や機能継続の目標水準を設定する。目標水準を踏まえ、必要な対策を講じる(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 具体的な浸水対策としては、浸水リスクの低い上階などに電気設備を設置することが望ましいとした。上階に設置することが難しい場合は、建物への浸水を防ぐために「水防ライン」を設定するよう促した。

 水防ラインとは、建物などを囲むように領域を設定し、ライン上の全ての浸水経路に止水板などを設置することで、ラインより内側への浸水を防止。電気設備などの浸水リスクを低減する考え方だ。

 水防ライン上に施す浸水対策の具体例については、浸水経路別に紹介している。出入り口への止水板の設置や、下水道からの逆流を防止するバルブの設置などだ。

 さらに、水防ライン内で浸水が発生した場合に備え、水密扉の設置などによる防水区画の形成や電気設備の設置場所のかさ上げなどの対策も示した。事例集ではこうした対策の参考事例を紹介し、止水設備の特徴についても解説している〔写真4〕。

〔写真4〕対策の具体例を紹介
国土交通省のガイドラインに示した浸水対策の一例。電気設備を想定浸水深より高い壁で囲んだ例や、高い位置に設置している例などがある。また、地盤面より1階床面の高さを段階的に高くして平時の建物利用の利便性を損なわないよう配慮した例も示した(写真:国土交通省)
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 ガイドラインでは、建物の企画・設計の段階から平時、水害発生時などの各段階で誰が何をすべきかを整理した「タイムライン」も提示〔図4〕。関係者間で共有し、自身の役割を事前に確認しておくことを推奨している。

〔図4〕建物の浸水に備えてタイムラインで役割を確認
国土交通省のガイドラインで示した浸水対策タイムライン。企画・設計段階から発災前後まで、時系列で対策項目と役割を整理した。これを参考に、個別の建物の特徴や管理体制に合わせてタイムラインを作成することを推奨している(資料:国土交通省)
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売上高2倍・利益6倍の超ヒット任天堂あつ森「非常識すぎる」設計

売上高2倍・利益6倍の超ヒット任天堂あつ森「非常識すぎる」設計
野安 ゆきお ゲームジャーナリスト
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00620/082000031/

『任天堂が2020年8月6日に公表した2021年3月期第1四半期の決算でとてつもない数字をたたき出しました。売上高は前年同期の2倍以上にあたる3581億円(108.1%増)、営業利益に至っては前年同期の6倍に近い1447億円(472.7%増)という驚異的な数字です。まさに圧倒的といってよい好業績です。

発売から4カ月で2240万本ってすごすぎない?
(イラスト:闇雲)
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任天堂の2021年3月期第1四半期の決算
(出所:任天堂の決算説明資料)
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参考資料:2021年3月期第1四半期 決算説明資料(PDF)
ソフト販売5043万本、その2割があつ森
「あつまれ どうぶつの森」の起動画面
4〜6月に販売本数は累計2000万本を突破。Nintendo Switch用ソフトとして歴代2位の売り上げを達成した。 (c)2020 Nintendo
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 特筆すべきは新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下新型コロナ)流行の影響によるさまざまな不利をはねのけて達成した数字だという点です。まず今期を通じて、主力のハード「Nintendo Switch」は全世界的に品薄状態で、巨大な販売機会損失が出ていました。アジアの製造・物流がダメージを受けたせいで、Switch本体や「リングフィット アドベンチャー」のような専用の道具を使うタイトルなども品薄が続きました。またコロナ禍により為替が円高に傾き、輸出産業であるゲーム企業は利益が出にくい情勢でした。』
『好業績を引っ張ったのはソフトウエア販売です。Switch向けタイトルでミリオンセラーが9本も出たこともあり、ソフト販売本数は前年同期比123.0%増の5043万本に達しました。また巣ごもり需要の増加からデジタル販売(ダウンロード用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Onlineなどの売上高)も好調でした。ゲーム機専用タイトルのデジタル販売比率は55.6%(前年は38.3%)に増加。生産・流通の影響を受けにくいデジタル販売が、パッケージ版の機会損失を補って利益に貢献した構図です。

7月のアップデートで今では島の周囲の海を泳ぐことも可能に
のんびのり過ごす無人ライフはさらに充実。 (c)2020 Nintendo
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 好調なソフト売り上げをけん引したのはもちろん3月に発売されたSwitch向けタイトル「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」です。発売直後から圧倒的な支持を受けたあつ森は、4~6月期にも順調に売り上げを伸ばし、国内で331万本、海外でも732万本と、全世界でくまなく1063万本も売れました。累計販売本数はなんと2240万本に到達。4~6月期の任天堂の好業績は、このタイトルの爆発的なヒットによってもたらされました。

 決算報告書によるとNintendo Switch本体の生産状況はおおむね正常に戻っているようです。品薄状態も順次改善されそうです。そうすればゲーム機本体の売り上げも伸び、新規ユーザーがさらに増えます。あつ森は間違いなくもっと売れるでしょう。Switch向けタイトルでは初の累計販売3000万本の突破も夢ではなくなってきました。

あつ森が爆発的に売れたのには理由がある
 しかしながらなぜあつ森は、ここまでの超ヒット作になったのでしょう?

 新型コロナの影響で巣ごもり需要が喚起され、「無人島でのんびり過ごすというゲーム内容」が全世界の人たちに愛されたのだ、と解説されることが多いようです。確かにそれも間違いではありませんが、完全な正解でもありません。実はもっとはっきりした理由があります。あつ森には「初めてゲームに触れるユーザー」を明確に意識した設計が隠されているのです。

 具体的にはこのゲーム、2つの操作を同時に要求しないように作ってあります。例えば「走りながら道具を使用する」といった操作を決してプレーヤーに要求しません。

 「だからなに?」と思われるかもしれません。しかしこうした操作設計は、通常のゲームではあり得ない「非常識な」設計なのです。

アクションゲームの古典的名作「スーパーマリオブラザーズ」
ダッシュしながらジャンプする、という2つの操作を同時に要求してくるからこそ、このゲームは面白い。 (c)1985 Nintendo
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 他のゲームを思い浮かべてください。世の中の99%のゲームは2つ以上の操作を同時に要求するように作られています。例えば「スーパーマリオブラザーズ」はダッシュするために、左手でスティックを倒しながら、右手でダッシュボタンを押すという操作を要求します。さらに「その状態からジャンプする」というアクションも要求してきます。

マリオの最新作「スーパーマリオオデッセイ」
3Dで描かれた世界を走りながらジャンプする、というアクションは引き継がれている。 (c)2017 Nintendo
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『「2つの動作を同時に行う」は人にとっては不自然な動きなので、どんな人でも慣れが必要です。ゲームの面白さの多くはこの性質を使って作られています。すなわち「操作に慣れるまでは難しいと感じるが、次第に実行できるようになり、プレーヤーに上達を実感させる」という部分です。逆にいうとテレビゲームは複数の操作を同時に要求するように設計するものなのです。「うまくなったぞ」と実感させ、プレーヤー達成感を与え、それによってゲームへと夢中にさせていくわけですね。

 ヘビーユーザーが楽しむタイプのゲームになると2つどころか、4~5つの操作を同時に正確なタイミングで要求するものもザラにあります。この手のゲームはすべてを無駄なく完璧に操作できるようになるには数百時間の習練が必要です。だからこそそれを実行できる人がプロゲーマーとして脚光を浴び、巨額の賞金を稼げるわけですね。両手を自在に操れるピアニストが「うまい」と称賛され、その頂点に立つ人がプロになれるのと同じです。

ムシを捕るときにダッシュしないほうがいい
あつ森では足音を立てずにゆっくりと接近するほうがムシを捕りやすい採りやすい。 (c)2020 Nintendo
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2つ以上の同時操作を徹底的に排除するどうぶつの森
 しかしどうぶつの森シリーズは徹底的にその逆をいくゲームなのです。2つの操作を同時に要求することが見事なほど排除されています。

 一例をあげましょう。このゲームには「ムシ捕り」という要素があります。ムシ捕り網を使ってムシを集めるのです。簡単に捕まえられるムシからレアなムシまでいろいろ用意されています。こういう場合、ふつうのゲーム開発者なら「ダッシュしながら網を振り下ろす」といった操作で捕まえやすくなるような、ちょっと動きの速いレアなムシを登場させたくなるものなのです。しかしどうぶつの森は違います。むしろ音を立てないようじっくりと接近し、立ち止まって、そこから網を振り下ろすというアクションをしないと、レアなムシほど捕れないようになっています。

すべてのアクションは、立ち止まってから行うよう設計されている。操作がシンプルであるため上達の必要がなく、初心者にストレスを与えないゲームデザインだ。 (c)2020 Nintendo
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『他の道具を使うときも同様です。スコップで穴を掘るときも、斧(おの)で木を切り倒すときも、ジョウロで花に水をあげるのも、すべて「立ち止まった状態」で行うよう設計されています。「移動しながら○○をする」といったアクションは決して要求されません。そもそも絶対にできないよう作られているのです。

 このような「非常識な」設計だからこそ、このシリーズは初心者でもストレスなく遊べるのです。4~5歳の子供や高齢者、初めてゲームに触れるような人たちがみんな楽しめてしまう。上達の必要がなく、初めて触れたときから楽しさが感じられるように作られているんですね。

筆者の島は「南半球にある」ので今は真冬です
幻想的な雪と氷の世界を堪能中。 (c)2020 Nintendo
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 誰でも最初から楽しめるどうぶつの森シリーズを、任天堂は2001年から大事に育て続けてきました。その姿勢は、どんどん高度化するゲームが増えていく中では異質であり、時に「子供向け」「ファミリー層にこびている」とやゆされることもありました。

 新型コロナのまん延が結果として、任天堂が大切に育ててきたどうぶつの森の隠された価値に、大々的に脚光を当てた形になりました。巣ごもり需要が初めてゲームに触れる人を大量に生み出したタイミングで、これ以上ないほどピッタリのタイトルとして登場したわけですから、驚異的なヒットを達成するのはある意味、必然です。とてつもない決算の数字を達成できたのは、開発者の信念と継続的な努力が実を結んだからなのです。』

ジョブ型雇用はやめておけ、「DX人材」や「アジャイル人材」にも惑わされるな

ジョブ型雇用はやめておけ、「DX人材」や「アジャイル人材」にも惑わされるな
お題:デジタル革命の時代に「サラリーマン」じゃ生き残れない
甲元 宏明 アイ・ティ・アール
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00868/081800106/

『スタート以来、日経クロステックの名物コラムとなった「テクノ大喜利、ITの陣」。今回はその第23回だ。毎回、複数の識者に共通のお題(質問)を投げかけ、識者にはそれに答える形で論陣を張ってもらう。今回は夏の特別企画として枠を2倍に拡大して、識者8人に暴論、奇論を織り交ぜ熱い弁舌を振るってもらう。

 お題は「デジタル革命の時代に『サラリーマン』じゃ生き残れない」。識者の4番手は、調査・コンサルティング会社のアナリスト甲元宏明氏だ。「人は企業が定義したスキルマップを埋めるために生まれてきたのではない」と主張する甲元氏は、1人の力が大企業に勝る時代が到来した今だからこそ、個々人が自らのビジネス人生を自分の手で設計せよと説く。(編集部)』


『世界中でインターネットが利用できるようになり、クラウド、スマートフォン/タブレット、モバイル通信などのテクノロジーの発展と相まって、世界のどこにいてもいつでも仕事ができるようになりました。

 今後はIoT(インターネット・オブ・シングズ)、ロボット、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、3D設計/試作などの進化により、スマートファクトリーも進み、工場に人が張り付く必要もなくなります。AI(人工知能)のおかげで、繰り返し型の作業を人が担うこともなくなるでしょう。

 新型コロナウイルス禍以降、物理的なオフィスを必要としない企業も増えています。今後はオフィスを全く持たない企業も増えるでしょう。このような変化により、企業における従来の人事評価基準(拘束時間、作業時間、業務処理量、勤務態度など)はなくなっていくと思います。

 コミュニケーションも対面ではない形式、つまりZoomのようなWebミーティング、Slackのようなチャットの利用頻度が高まり、これまでの「社内コミュニケーション術」の価値はなくなるでしょう。例えば、上司へのお世辞など上辺だけのコミュニケーション能力や、飲み会参加率などの付き合いの良さによる評価はなくなるはずです。

 今後も従来通りの仕事のやり方やコミュニケーション手法の踏襲を強いる企業に未来はないともいえます。数年前からこのような傾向はありましたが、コロナ禍でこのような変化が大きく加速したのです。

 しかもデジタルテクノロジーの進化により、革新的なビジネスアイデアがあれば、大企業に1人で戦うことも可能な時代になりました。「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)のような巨大企業が世界を席巻する時代に何を言っているのか」という批判もあるかと思いますが、これらの企業がたった1人、または数人でスタートしたことを忘れてはいけません。

 誰でもGAFAのような企業を作ることが可能な時代になっているのです。これまでは企業力が個人1人ひとりの力に圧勝していましたが、これからは1人の力が大企業に勝ることもあり得る時代になったということなのです。このような時代に「会社人」は必要ありません。自分の意思を持った個人が重要なのです。』


『最近、日本企業の雇用は「メンバーシップ型」から「ジョブ型」に移るべき、という論調が増えていますが、私の主張は異なります。私は米国居住経験がありますし、今も多くの欧米企業と付き合っていますので、ジョブ型の良い点も悪い点もわかっているつもりです。少なくとも、メンバーシップ型とジョブ型のどちらの選択肢が良いかという議論は不毛だと考えています。

 欧米企業でのジョブ型雇用はジョブディスクリプション(職務記述書)ありきです。ほとんどの日本企業では、仕事上の役割や組織の定義は非常に曖昧です。昔はきちんとした定義があったのかもしれませんが、時代の変化や人の入れ替わりにそれらの定義が対応できず、有名無実化しているのが一般的です。

 日本企業では、役割や組織分担の曖昧さを誰かが埋めてくれることを前提としています。そして、それを積極的に行う人が評価されるのです。例えば、国内製造業の「できる営業」は顧客の要請に基づき、自社の工場の生産計画にまで口を出し、場合によっては工場に乗り込んで無理難題を通します。

 日本ではこのような人ができる営業ですが、欧米企業でこんなことをすれば総スカンにあいます。他人のジョブ領域を侵害することになるからです。

 ある統計によると、今の日本の20〜30歳代の約8割は「お金のために働く」のだそうです。自分のやりがいややりたい仕事のために働く割合は非常に小さいようです。実際、私は仕事柄、多種多様な人とコンタクトしますが、やりがいをもって仕事をしている人は2割もいないと感じています。

 以前にこの連載において、「エンジニアは専門家(プロフェッショナル)になれ」と書きましたが、今の日本は「プロフェッショナル志向」の人は少ないのです。ジョブ型はプロフェッショナルな志向を持つ人が対象です。現時点でプロフェッショナルが少なく、今後も増える見込みのない日本でジョブ型雇用は無理があるのです。

関連記事:ユーザー企業への転職は不幸の始まり、技術者なら専門性を軸に人生設計せよ
 数十年の計画で日本全体の仕組みを変えられる人がいるのであれば、ジョブ型雇用にシフトすることも可能だと思いますが、少なくともそのような人は今の日本にはいないでしょう。このような理由により、私は中期的な観点ではジョブ型雇用への移行には否定的なのです。』
『質問1への回答で「今の日本はプロフェッショナル志向の人は少ない」と書きましたが、個人力が重要な時代ですから、やはりプロフェッショナルになってほしいと思います。プロフェッショナルを必要とする日本企業が増えてほしいとも思います。

 これはエンジニアや技術者に限った話ではありません。人事でも、総務でも、購買でも、営業でも、どのような職域でもよいから、自分の得意とする分野におけるプロフェッショナルになってほしいのです。単純に言えば、自分の得意とする分野を持ってほしいということです。

 あるテレビ番組で、その道の達人に「プロフェッショナル」の定義を尋ねていました。このようにプロフェッショナルの定義は定まっていません。私がこのような話をする際には、「プロフェッショナルとは急に話を振られて、資料なしで自分の得意な分野について1時間話すことができる人」と説明しています。話がうまい必要は全くなく、他人に説明できるかということです。

 「企業にとって必要な人材とは何か」を個人が意識する時代は過去のものにしましょう。自分中心で、自分がやりたいこと興味を持っていることを深く掘り下げていきましょう。個人の力が重要な時代になり、そのような人が活躍することで企業もメリットが生まれる国にならないと、日本企業は海外に勝てないと思います。

 そもそも「人材」という言葉自体が企業論理そのものです。「人材」という単語は「材料」という語感があるため、企業にとってかけがえのない財産という意味で「人財」という造語が生まれて久しいですが、どちらも企業側の視点で人を見ています。

 経営リソースには「人/モノ/金/情報」があるというのがビジネスの基本知識ですが、人はリソースではありません。ロボットが経営している企業ならいざ知らず、企業とは人がいなければ成り立たないものです。全ての企業は多種多様なプロフェッショナルが集まって成果を出すことができる組織を目指すべきなのです。

 国内メディアや企業のWebサイトには「××人材」という単語が頻繁に登場します。「デジタル人材」「DX人材」「アジャイル人材」といった具合です。そんな言葉に惑わされず、自分のビジネス人生を設計してほしいのです。

 「人生設計」というと大げさに聞こえますが、短期間の目標でよいので自分のやりたいことや得意なことを決めましょう。一度決めた設計が、自分の気持ちや家庭環境を含む外部環境などの変化で変わっても全く問題ありません。自分が決めた人生設計で自分をがんじがらめにしてはもったいないです。

 人材育成やキャリアプランに関しては、官公庁から出されているガイドラインやフレームワークを参考にする企業が多いですが、それらを作成している組織が素晴らしい成果を上げているとはとても思えません。無視しましょう。人は企業が定義したスキルマップを埋めるために生まれてきたのではないのです。』
『今さら私が書くまでもなく、日本のITが遅れていることは事実ですし、コロナ禍で官公庁系システムが旧態依然のものであることが明らかになってしまいました。企業や官公庁のITが急激に変わる可能性は小さく、今後も「IT後進国」の状態が続くでしょう。

 だからといって、個人のIT力を日本全体のIT力のレベルに合わせる必要はありません。ITを仕事としていないビジネスパーソンでも、個人力を発揮するためにITは必須の武器です。全てのビジネスパーソンはIT力を持つべきなのです。

 個人力を高めるためには、IT以外にも英語力が必要です。ITは国境をなくしました。世界の最新情報が誰でもすぐに手に入る時代になりました。しかし、それは英語圏に限った話です。日本語に限定すれば、情報量や情報伝達スピードは英語に大きく後れを取ります。ビジネスも日本枠で考えるのと世界枠で考えるのでは雲泥の差があります。グローバルな視野を持つには英語が必須なのです。よりプロフェッショナルになるには、世界のプロフェッショナルが発信する英語情報にアンテナを張りましょう。

 新しいことをやろうとすると、非プロフェッショナルの外部の人々から批判的な意見を聞かされることも多くなります。このような人たちの意見を気にする必要はありません。その意味では、自分のプロフェッショナル志向に参考にならない人の意見を聞き流す力も必要になります。インターネットは個人力を上げるのに必須のプラットフォームですが、素人がばっこするSNS上の情報には鈍感になりましょう。』

スパコン「富岳」、世界4冠へ貫いた信念とは?

スパコン「富岳」、世界4冠へ貫いた信念とは?理研・松岡氏が明かす開発の舞台裏
浅川 直輝 日経クロステック/日経コンピュータ

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00677/080600058/

『「スパコンは使われてなんぼ」。理化学研究所計算科学研究センターの松岡聡センター長は、かねてこう公言してきた。スーパーコンピューター「富岳」の開発でも信念を貫いた。性能ランキングの世界4冠を達成した決め手は何だったのか、最先端技術を開発する国家プロジェクトのあるべき姿とは。開発をけん引した松岡氏に直撃した。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長)

改めて「富岳」の世界4冠獲得、おめでとうございます。開発プロジェクトにおいて最も重視したことは何でしょう。

 アプリケーションファーストの設計思想を貫くことです。企業や研究機関が実際に使う様々な科学技術計算用アプリケーションを、最高の性能で動かす。これを一番の目標に掲げて徹底しました。

 我々は富岳の開発過程で、社会的・科学的に意義が大きく重点的に取り組むべき「重点課題」を9つ設けました。いくつかの課題については既に現状の100倍以上のアプリケーション実効性能を発揮しています。重点課題全体の平均でも数十倍ですね。

 何か1つの分野ではなく様々な分野のアプリケーションを最高の性能で動かすために、我々が知る限り最善のマシンを作りました。結果としての世界4冠だと考えています。

 開発に当たり、特定のベンチマークで1位を目指すつもりは全くありませんでした。およそ10年の開発期間を通じて、設計についてベンチマーク性能とのトレードオフを迫られた際にベンチマーク性能を選んで設計を変更したことは、今まで一度もありません。

演算パターンの多くをカバー
富岳が1位をとった4つの指標のうち、TOP500(LINPACK演算性能)以外の「HPCG」「Graph500」「HPL-AI」の意義を教えてください。

 HPCGは自動車や飛行機の空力設計、構造計算といった産業用アプリケーションの性能を測る代表的な指標です。

 Graph500は文字通り大規模なグラフ、すなわち多数の頂点と枝から成るデータ構造を解析する性能を評価する指標です。実社会の複雑な現象を表現する際に、グラフをよく使います。ソーシャルネットワークや各種のビッグデータなどです。

 最後のHPL-AIはCNN(たたみ込みニューラルネットワーク)をはじめとする深層学習(ディープラーニング)の性能評価の指標です。2019年にできたばかりのベンチマークですが、今後は従来の伝統的な数値計算をある程度置き換わるものになるでしょう。

 これらとTOP500を加えた4つのベンチマークで世の中の演算のパターンをかなりカバーできています。これらのベンチマークに関する富岳の演算性能が評価されたのは、私たちが掲げた開発方針に照らして大きな意義があると考えています。

(写真:菅野 勝男)
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汎用性を高めるため、京の「SPARC」に代えて「Arm」を採用しました。決断には曲折があったのでは。

 Armの採用を決定するまでにはすごい戦いがありました。理研側は絶対Armにしようと言っていました。

 京の失敗の1つは売れなかったことです。エコシステム(普及促進に向けた生態系)を作れず、ソフトウエアが出てこなかった。

 最終的にArmに決めてよかったと思っています。富士通にとっても、CPUの重要な部分を外部から吸収できたのはベネフィットがあったのではないでしょうか。

Armのエコシステムにはどう貢献すると考えますか。

 社会的インパクトが大きいと思います。今やスマートフォンのCPUとして誰でもArmを使っているわけですから。スパコンというお化けみたいなArm搭載機が登場したのは、Armの特徴を分かりやすく示した例と言えるでしょう。

 クラウドをはじめとする様々な分野のエコシステムにArmが採用される道が開けたと考えています。富岳に使ったバージョンか将来のバージョンが、クラウドのデータセンターで大規模に使われる可能性は十分にあるでしょう。動画配信は得意分野ですし、AI向けの用途も期待できます。

(写真:菅野 勝男)
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富岳の開発プロジェクトにおいて最も苦労したことは何でしょう。

 メンバーごとに違うと思いますが、私としては消費電力の目標を達成するのに最も苦労しました。むちゃくちゃアグレッシブな目標でしたから。

 消費電力に関しては、1ワット当たり十数ギガフロップスの性能を達成しないとマシンを作れないと分かりました。これは当時としては常識外の(省エネの)数字でした。当時の世界トップクラスのGPUマシンと比べても3倍の開きがあった。これをCPUでやらなくてはならなくなったのです。

 京は1ワット当たり1ギガフロップス以下でしたから、これは大変なことだと。当時の(GPUを採用した)TSUBAME2.5でも3ギガフロップスくらいでした。

半導体技術の見直しが奏功
目標を達成するためにどんな工夫を?

 ポイントは半導体の設計にあったと考えています。あれこれアセスメントした結果、このままでは目標に届かないという結論に達しました。そこで製造を委託した台湾の半導体大手TSMCからの詳細な設計データを基に議論を重ねました。

 その結果、半導体のアーキテクチャーを見直しました。当初の富岳用チップは(京の派生スパコン)FX100に近い設計でしたが、現在は大きく変えています。

半導体の設計レベルで見直したと。

 その通りです。富士通の貢献が大きかった。

省電力性能を競う「Green500」は4位でした。結果をどう評価しますか。

 富岳の順位は4位でしたが、消費電力効率の値そのものはトップと2割ほどしか違わないんですよ。パワポ(Microsoft PowerPoint)まで動く汎用性を確保したうえで、たかだか2割しか違わないのはすごいことです。

 Green500向けに富岳のハードやソフトをチューニングする時間がまったくありませんでした。だから今回のGreen500の結果は、本当の実力ではありません。

富岳の世界4冠は日本のコンピューター産業の発展や人材の育成にどう貢献すると考えますか。

 まず富士通が素晴らしいプロセッサーを作ったことをみなさんに分かっていただきたい。なぜ実現できたのかと言えば、国プロ(国家プロジェクト)として取り組んだからです。民間企業としてのビジネス目的だけだったら、絶対に無理だったでしょう。

 民間では担保できないリスクマネーを国が投入して、オールジャパンでつくり上げたからできたんです。ある意味、ムーンショット(月面着陸のような革新的な取り組み)と言えるのではないでしょうか。

 IT産業は民間が主導している印象があるかもしれませんが、民間だけで本当の最先端技術を開発するのはリスクが大きすぎます。ソフトウエアなどの既存資産がありますから。民間はむしろ、最先端技術の研究開発にコンサバティブになる面がある。一方である程度アグレッシブな技術や製品を開発しないと、世界では競争できません。

国家プロジェクトが必ずしも成功するわけではありません。むしろ失敗とされる事例が多いのでは。

 おっしゃる通りです。IT産業に国が口を出して失敗した例はたくさんあります。ただ、あまりに失敗の印象が強いため、国がそういうところに何か参加して、リスクマネーをばらまいても意味がないんじゃないかと捉える風潮があるような気がするんです。

 もちろん投資すべき分野の見極めは必要です。国プロの評判が悪くなったのは見極める力や人材が不足していたのも一因でしょう。

(写真:菅野 勝男)
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 富岳に関しては私は当事者ですが、やはりプロジェクトの過程や結果を客観的に分析すべきです。勘所の方程式をまとめ上げて、ITや他の分野に適用していく必要があります。こうした取り組みを重ねれば、日本の産業は世界の中でより競争力を高められるのではないでしょうか。』

いまいち定着しないテレワーク、「今も実施」は3割止まり

いまいち定着しないテレワーク、「今も実施」は3割止まり-「7割普及」目指す政府と開き
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00800/

『調査は東京商工リサーチが全国の約1万4300社を対象に実施し、7月に公表した。在宅勤務・テレワークを「現在、実施している」とする回答が31.0%だった一方、「一時実施したが、既に取りやめた」との回答も26.7%に達した。インターネット経由での情報管理に不安があったり、社員が慣れなかったりしたことが要因とされる。「一度も実施していない」は42.2%に上った。

東京都や大阪市など都市部では新規感染者の増加傾向が続き、7月下旬以降は全国で「感染経路不明」の割合が5割を超えた。コロナ対策を所管する西村康稔・経済再生担当相は経済界に「テレワーク70%以上の実施」を要請している。

在宅勤務やテレワークを導入するには、テレビ会議や業務管理に関するパッケージシステムの導入に加え、在宅を前提にした人事評価など「ソフト面」の改革が重要になる。だが、システム投資の余裕が乏しく、「昔気質」の社風が色濃い中小企業にとって、ハードルは高い。東商リサーチの調査では、「(在宅勤務を)実施している」との回答は、大企業が55.2%に達した一方、中小企業は26.1%にとどまった。

バナー写真:PIXTA』

AIカフェロボベンチャーを率いる21歳起業家は300年後を夢見る

AIカフェロボベンチャーを率いる21歳起業家は300年後を夢見る
ニューイノベーションズ、中尾渓人CEOインタビュー
https://newswitch.jp/p/22867

『ニューイノベーションズ(東京都文京区、中尾渓人最高経営責任者〈CEO〉)は、1億7000万円の資金を新たに調達した。同社は人工知能(AI)で需要予測をする無人コーヒー機を開発するスタートアップ。調達した資金はサブスクリプション(定額制)モデルの実装などに投じる。今夏には東京都内の複数のオフィスビル内などで、無人コーヒー機の導入を計画する。

ソフトバンクグループの100%子会社で、AI支援に特化したベンチャーキャピタルのディープコア(東京都文京区)からの追加出資などで、累計2億4000万円の調達となる。

ニューイノベーションズが開発した無人コーヒー機「root C(ルートC)」は、AIで気温や天気、立地、時間、販売データなどを基にコーヒー需要を予測して抽出を始めるのが特徴。ユーザーはアプリを通じて注文と決済ができるため、上質なコーヒーを最大20人が待たずに受け取れる。

3月に実施した三菱地所の新東京ビル(東京都千代田区)での10日間の実証試験では、味の異なる2種類のコーヒーをホット、アイス、普通、濃いめの計8種類から1杯300円(消費税込み)で注文でき、約半数のユーザーが2回以上利用したという。

中尾CEOはロボカップジュニアの世界大会での入賞経験があるなど、長年ロボットを作ってきた。ニューイノベーションズは17歳だった18年に設立した。

日刊工業新聞2020年6月24日

ニューイノベーションズ・中尾CEOインタビュー

中尾渓人CEO
無人コーヒー機「root C(ルートC)」を開発したニューイノベーションズ。率いるのは大阪大学在学中の中尾CEOですが、お話を聞くうちに「学生が起業家になったのではなく、起業家が学生になった」という印象を受けました。聞き手は中尾CEOと同じ年代生まれの3人。年齢が近いことならではの疑問も飛び交いました。(聞き手・熊川京花、鈴木奏絵、伊藤快)

-起業の経緯がとてもユニークだと聞きました。
もともとロボット作りが好きなんですけど、小学校4年生のころからロボカップジュニアの大会に出始め、中学生のときに世界大会で入賞しました。そのころから将来自分は何をしようかと考えていましたが、メーカーの開発職を想像してもどうにもこれだ!とはならなくて、モヤモヤしていました。

ただ、ロボットの大会には出続けたいと思っていたので、その費用を稼ぐために、高校1年生の時から素性を隠してフリーランスのエンジニアとしてクラウドワークスに登録しました。最終的に取引先が300社くらいになったんですよ。受託作業は睡眠時間もほとんどない状況になりました。このままだと過労死するし、これをずっとやりたいと思っているわけではなかったので、高校卒業のタイミングでやめました。

僕は出身が和歌山県で、智弁学園に通っていたんですが、学校のHPがあまりにしょぼかったんで、理事長に直談判して、「作らせてくれ」とお願いしたこともありました。高校の卒業式の1週間後くらいに手がけたので、ある意味卒業制作ですね(笑)。学費分くらいは回収できたと思います(笑)。理事長も学校のいい宣伝になると思ったんじゃないでしょうか。

そのころにご縁ができたベンチャーキャピタル(VC)の方にいろいろと自分の将来について相談していたら、いつの間にか起業することが既成事実化していました。あと、受託で得た売り上げや取引先のことを考えたら、法人格がないと「社会資本市場的に損かもしれない」と考え始め、それも起業を後押ししたと思います。

あと受験勉強が意味が分からないくらいに嫌いすぎて(笑)。智弁学園は結構進学校なんですけど、周りの友人が「医学部を受ける」とか言っているのを聞いて、「あ、このままだとまずいな」と思いました。

高3で捨て身で起業
-まずいというのは?
学歴を取得することに対して、今の社会からのペイバック(見返り)がなくなってきているなと思いました。嫌いな受験勉強を強制されるくらいなら、やりたいことをやった方が自分の市場価値が上がると考えて、高3の夏に捨て身で起業しました(笑)。17歳の時でした。大阪大学の推薦入試の面接で起業したことをアピールしたんですが、落ちたら東京に行こうと決めていました。

-高校生のころからすでにいろいろ経験していますね。
新卒で入社した方とは経験量が違うとは思いますが、社会経験で重要なポイントは押さえられたかなと。高1で受託業務を始めたときは、スキルが全然伴ってなかったんですが、「経験あります!」とか言って案件を受けて、その後死ぬほど怒られたりしました(笑)。でも、その時に世の中の厳しさや当たり前を学ぶことができたかもしれません。自分に能力が足りなかったから相手を怒らせたパターンと、相手がやばい人だったから自分が損害を受けたパターン、というように振り分けが少しずつできるようになってきて(笑)。どう振る舞えばいいかというのはなんとなくつかめていきました。

ルートCについて説明する中尾CEO
-17歳で起業ってすごいですよね。周囲は止めたりしなかったんですか?
そもそも起業という行為自体が過大評価されていると思います。なので、大々的に周りに触れ込むようなことはしませんでした。友達に話しても「そうなんだ」みたいな感じ。逆にニュースで知ったという人もいました。先生の中には本気で止めてくる人もいましたが、合理性を説明していたら途中で諦めてくれました(笑)。

後はひたすら大きくなるしかない
-起業して中尾さんの中で何が変わりましたか?
周りの対応と見える世界が変わったかもしれません。会社があるかないかで結構みんなオドオドするというか、普通かそうでないかに分けられてしまう。ですが、それは組織としての会社という箱の強さだと思っています。起業した本人にその強さがあるわけではないんです。自分は何も成長していないのに、世界が一気に変わるような怖さも感じました。

あと起業するのもやめるのも、事業拡大するのも縮小するのも、自分で決断できるかと思っていましたが、実はそんなことはなくて。資本主義の世の中なので後はひたすら大きくなるしかないんです。無理だったら市場から駆逐されて終わります。そういうことも実感するようになりました。

その点、大企業はコンスタントに成果を出し続けていますよね。だけどそのためには、職階などが良くも悪くも制限されています。そのことに「自由がない」と思うのなら起業すればいい。起業という言葉に流される必要はないと思います。ところで、皆さんは僕と同世代と聞きましたが、周りで起業される人はいないですか?

世の中にフラットな目線、大事
-いませんね。先ほどから中尾さんのお話に圧倒されてばかりです。
全然そんなことはないですよ!いざ自分が起業してみれば「起業するなんてすごいな」という気持ちはゼロになると思います。だけど、世の中全般に対するポジティブなイメージはない方がいいかもしれません(笑)。フラットな目線が大事。

ビジネスなので、法人対法人のバトルとか駆け引きとか、情けも容赦もない合理性でしかないでしょ。「札束の殴り合いになったらどうしよう」とか、怖いですよ(笑)。そこで守ってくれる人は誰もいないし。守ってくれる人を確保するか、自分で自分を守る知識を身に付けるしかない。そういう点では大企業はとても守られているかもしれません。

―ところで影響を受けた起業家の方はいますか?
それが全くいません。人なのでうまくいくこともいかないこともあると思うので、僕は人に対してではなく、「●●さんの何回の定時株主総会のあの発言がすごい」というような、その人が成し遂げた行動に対して尊敬するタイプです。

―行動に対してなんですね。
そうですね。その点、今の自分にスキルがどれくらいあるのかというのは気になります。僕のことを評価してくださっている人が僕のエンジニアのスキルに対してなのか、今の僕の年齢にしてはすごいという程度のビジネススキルについてなのか。だから実際にビジネスをやって、負けるかどうかを判断した方が現実を知ることができていいと思ってます。市場は冷たいからダメな時もわかりやすいだろうと。

その時に、成長の試行錯誤をするパワーを自分たちがまだ持っているならいいんです。そこでつぶれてしまうくらいなら止めた方がいい。僕たちも日々、大小さまざまなトラブルが起きていますが、成長の源泉だと考えて乗り越えています。

ルートCを使用する中尾CEO
無人化の行き着く先に
―今後ニューイノベーションズをどう大きくしていくのでしょうか?
二つあります。一つ目は上場することです。合理性もあるし、それを目標としているから投資をしていただいているというのもあります。

もう一つは、「あらゆる業界を無人化する」というのを会社のビジョンとして掲げていますが、社会の中で必要とされていることを成し遂げて、価値を生んでいる状態を維持したいです。コングロマリット的なことはしつつも、今の自分たちが持っている「リアルビジネス×オンライン」という文脈での強みを生かせるところで、次の成長材料になるものを作っていきたい。10年20年のスパンで必要とされる会社だったら、300年後も1000年後も生き残っていられるのかな、と思っています。

少し逆説的な話になりますが、何か大きなことをやりたいと思った時に「お金や権力、人脈、資産がないからできない」という状態になるのを恐れています。それを避けるために今頑張っているというのもあります。

―今の急速なテクノロジーの発達を見ると、「AIやロボットが人の仕事を奪う」という声も大きくなっています。会社のビジョンとして掲げる「あらゆる業界を無人化する」にはどのような意図があるのでしょうか?
労働者を駆逐するというように誤解されることが多いですが、そうではなくて「ヒューマン トゥ ヒューマン」のコミュニケーションが求められるところにリソースを解放したいと考えています。

これはあくまで僕の個人的な意見ですが、例えば人の代わりに機械が導入されたら、その機械をメンテナンスする仕事が生まれるように、何かが失われたら何かが生まれるはずです。市場なので満たされている人と、満たされていない人という分布は基本的には変わらなくて、その中での移動性が高まるのではないかと考えています。

低付加価値のものが効率化して代替される、というのは歴史的に何度も繰り返されてきました。それを乗り越えたからこそ、社会は豊かになってきたはずです。だから正しい時代のシフトなのではないでしょうか。』

北朝鮮に異変!平壌在住者が語る「進行中の危機」

https://news.yahoo.co.jp/articles/eef7d955a13256ed0977bd234f2b1202339f70d8?page=1

『「過酷な内外情勢が継続し、想定外の試練が重なっているのに伴い、経済事業が改善できず、計画されていた国家経済の長期目標が深刻に遅れ、人民の生活が明らかに向上できないという結果ももたらされている」

 8月19日に平壌で開かれた朝鮮労働党中央委員会第7期第6回全員会議で、「朝鮮労働党第8回大会を招集するにあたって」と題した「決議書」が発表された。その中に、いつもの誇り高い朝鮮労働党の文書とは思えないような表現が飛び出した。それが前掲の一文である。

■ 平壌駅も水没しかねなかった大水害

 翌20日、韓国国会の情報委員会では、韓国政府の情報機関である国家情報院の最新報告が行われた。そして報告終了後、野党側幹事の河泰慶(ハ・テギョン)議員(未来統合党)が、会見を開いて気になる発言をした。

 「金与正(キム・ヨジョン。金正恩委員長の妹で党第一副部長)が後継者に決まったのではないか。金正恩(キム・ジョンウン)が依然として絶対的な権力を持っているが、以前より少しずつ彼女に権限を委譲するようになってきている。金正恩は過去9年の統治によって、ストレスが相当溜まっているのだろう」

 異変は、他にもある。日本時間の20日、1973年から北朝鮮と国交を結び、国交のないアメリカの利益代表も受け持っているスウェーデン大使館が、平壌(ピョンヤン)在住の外交官を、大使以下、全員出国させたことがニュースになったのだ。ドイツやイギリスなどに次いで、ついにスウェーデンも「国外脱出」を敢行したのである。

 このように、北朝鮮の「何かがオカシイ」のだ。

 北朝鮮で、いま何が起こっているのか?  改めて、平壌在住の人間に聞いた。

 彼がまず挙げたのは、洪水問題だった。

 「8月前半の平壌の豪雨は凄まじかった。2007年の夏にも豪雨があって、大同江(テドンガン)の水が周囲に溢れる洪水が起こったことがあった。だが今年の豪雨は、13年前よりも激しかった。(大同江の中洲の)羊角島(ヤンガクド)が1mほど水に浸かった。大同橋も、水没する寸前まで水が溢れた。坂の下手に位置する平壌駅も、あわや水没するところだった。平壌の郊外地域でも、深刻な浸水被害が生じた」

 2007年の豪雨は、いまでも180万平壌市民の間で語り草になっているほどで、平壌を東西に二分する大同江の水が溢れ、付近一帯の住民が浸水被害を受けた。だが今夏の豪雨被害は、その時よりも激しいというのだ。

■ 今年の収穫量は「史上最悪」の見込み

 さらに洪水被害は、平壌にとどまらず、全国各地で甚大な被害が出たという。

 「全国で最も豪雨被害が激しかったのが、江原道(カンウォンド 日本海側の韓国との国境地域)だった。なにせ、8月のわずか2週間あまりの間に、年間降水量の1.5倍もの豪雨が降り注いだのだ。豪雨によって、水没する地域が続出した。

 江原道では、大規模な山崩れも起こり、多くの人が犠牲になった。道路や鉄道など、交通インフラも断たれてしまった」

 江原道は、「朝鮮五大聖山」の一角で、かつて韓国と合同で観光事業を進めていた金剛山(クムガンサン)を擁する。本来なら、夏は金剛山の登山客が多数訪れるが、今年は豪雨で登山どころではなかったという。

 「江原道の他にも、黄海北道(ファンヘプクド)と黄海南道(ファンヘナムド)でも、甚大な豪雨被害が起こった。この二つの地域は、朝鮮の穀倉地帯だ。秋の収穫はどうなってしまうのかと、大変心配だ」

 北朝鮮では、毎年秋になると「農業闘争」と呼んで、国民総動員で収穫を行う。1800万国民が飢えないためには、年間650万トンの穀物の収穫が必要と言われるが、ここ数年は不作に見舞われている。

 2017年に国連の経済制裁が強化され、翌2018年は最低レベルの490万トンに落ち込んだと報じられた。続く昨年は、旱魃や台風などが相次ぎ、さらに最低レベルの450万トンまで下がったと報じられた。

 ところが今秋は、「史上最低」と言われた昨年よりも少ない収穫量が予想されるという。』
『■ コロナ対策で中朝国境を封鎖したことも食糧危機を深刻化

 折から、北朝鮮は今年1月以降、中国で感染爆発した新型コロナウイルスが国内に流入するのを防ぐため、貿易の9割以上を占める中国との国境を封鎖してしまった。不作に加えて、中国との「交易ルート」が閉ざされたことで、北朝鮮の食糧危機に拍車をかけてしまったのだ。

 そうなると、気になるのは、北朝鮮の配給である。「建国の父」金日成(キム・イルソン)元主席は、「全人民に白米と肉のスープを食べさせたい」と言っていた。それは実現しなかったが、社会主義の食糧配給の仕組みは整えた。

 ところが、金正日(キム・ジョンイル)総書記の時代が始まった1994年後半から1997年にかけて、三年飢饉が発生。数百万人が餓死したと言われる中、北朝鮮の配給制度は崩壊していった。

 だがそれでも、「核心階層」と呼ばれる選民のみが居住を許される「革命の首都」平壌だけは、細々と食糧配給が続けられてきた。ところが今年に入って、ついに平壌でも配給の遅配が起こってきたという。

 「正直言って、4月と5月の配給は、ゼロになった。それで6月に3カ月分もらえるのかと思っていたら、6月にもらえたのは、ひと月の半分だけだった。7月、8月になって、また途絶えだした」

 通常の年なら、9月後半の収穫後に、食糧不足は解決に向かう。そのため、「春と夏さえしのげば」という思いが、国民の間にはある。ところが今年に限っては、「秋の安らぎ」さえ望めない可能性があるのだ。

 北朝鮮は、10月10日に朝鮮労働党創建75周年を迎える。そして来年1月には、第8回朝鮮労働党大会を開催することを、冒頭の朝鮮労働党中央委員会第7期第6回全員会議で決議した。

 この決議の直後、金正恩委員長は幹部全員に、祖父・金日成元主席と父・金正日元総書記が眠る錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を参拝させた。幹部たちの引き締めを図ったのだ。

 だが、北朝鮮の危機は、かつてないほど強まっているように思えてならない。

近藤 大介』

米台国交樹立の落とし所、台湾海峡戦争になるのか?

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20580

『米台国交樹立は決して幻ではない(参照:『米台国交樹立も視野に、トランプ対中闘争の5つのシナリオ』)。ただ理屈では分かるのだが、最大の障害はなんといっても、中国。実際にいざ米国がその一歩を踏み出した途端に、台湾海峡戦争を惹起するのではないかという懸念がある。つまり、中国が台湾を侵攻することだ。では、米台国交樹立の3つのシナリオを描いてみよう。

(Yurchello108/gettyimages)
台湾侵攻、中国が戦争をするシナリオ
 戦争シナリオ。「台湾は中国の不可分の一部」というのが中国共産党政権の譲れない一線である。この文脈からは戦争が不可避という結論が導き出される。ただ実際に中国は戦争に踏み切れるかというと、必ずしも肯定的とは限らない。「戦争をしない」に9つの理由があって、「戦争をする」には5つの理由がある。紙幅の都合上詳細説明を割愛して列挙する。

 まず、戦争をしない9つの理由をみてみよう。

1.中国軍は実戦経験が少なく、戦勝経験もほとんどない。
2.海戦(台湾海峡・南シナ海)の難題や高原地帯(インドの場合)の難題(補給・兵站)。
3.一人っ子世代による軍人の構成、戦意の欠落。
4.軍もビジネスの世界にどっぷり浸かっているため、経済的利益の喪失を恐れている(例:米国による個人制裁のリスク)。
5.習近平が軍権を独り占めしているため、前線・現場の即時決断ができず、戦争に必要なスピード感を出せない。
6.海外の反中反共ムードの醸成。
7.軍事(技術)力の実態に疑わしきものが多く、米国との対戦に勝ち目が薄い。
8.経済低迷、米中貿易戦争によるダメージが大きく、中国は財政難に直面しており、戦争に必要な財力が欠落している。
9.戦争に負けた場合、習近平は失脚、政治的生命を断たれる危機に直面する。

 次に、戦争をする5つの理由を列挙する。

1.中国共産党内の権力闘争や情報伝達の寸断、情報操作がトップの意思決定に悪影響を与え、決断ミスをもたらす。
2.トップの狂気、賭けに出る。
3.偶発的事故による軍事衝突の発生、局所的戦闘の拡大。
4.米国による台湾の国家承認、米台国交樹立。
5.複合的状況の形成(中共中央対外連絡部前副大臣で中国人民大学重陽金融研究所の主任研究員周力氏論文『外部環境の悪化に向けて6つの準備に取り組め』より抜粋引用)①米中関係の悪化と闘争の全面的なエスカレート、②輸出の縮小、産業チェーン・サプライチェーンの寸断、③コロナの再拡大・常態化、④米ドルからの切り離し、人民元とドルの段階的デカップリング、⑤食糧危機の発生 など。

 戦争をする5つの理由を否定するわけではないが、上記天秤にかけて総合的に判断すれば、戦争は決して理性的な選択でないことが自明の理である。さらに中台双方の軍上層部からそれぞれ「不打第一槍(一発目を撃たない)」の命令が出されているという報道もある(8月19日付、sohu.com海峡導報社)。これは特段の前提が設けられていなければ、基本的に戦争放棄の決断とみるべきだろう。

中国が米国と断交するシナリオ
 ただ、戦争こそしないものの、米国が台湾国家承認をした以上、「1つの中国原則」が否定されることになる。これはもはや最後の一線を越えたもので、中国は黙っていられない。考えられるのは米中国交断絶にほかならない。そこで、言い出しっぺはどっち側かだ。米国はしたたかで台湾と国交樹立しながらも、中国との断交を言い出さない場合、中国はどう対処するかが難題中の難題になる。

 米国が台湾の国家承認すれば、諸国が追随して中国と断交しないまま台湾と国交樹立するだろう。世界各国にとってみれば、むしろ「2つの中国」のほうが都合が良いからだ。問題は中国がこれを受け入れられるかだ。原則論からいけば、中国は米国をはじめ台湾承認した諸国に断交を告げなければならない。

 ただ断交は諸刃の剣。ここまでくれば、国連やWHOなどの国際機関はいやでも、正統性を手に入れた中華民国台湾の加盟を認めざるを得なくなる。するとこれらの国際機関においても中国はまたもや「2つの中国」の難局に直面する。つまり、国連は1971年のような代表権承認で中華人民共和国の中国代表権を認め、中華民国政府を追放する決議の採択を行わないまま、諸国同様の姿勢で「2つの中国」を容認することだ。もちろん中国は毅然とした態度で自ら国連から脱退するのも理論上取り得る選択肢ではあるが、なかなか現実的にできるものではない。

 米国の対中強硬姿勢は何もトランプ共和党だけではない。民主党は8月20日の全国党大会で採択された党綱領から「1つの中国政策」を削除した(8月21日付ドイチェ・ヴェレ)。11月の大統領選でトランプ共和党と戦うには、対中姿勢の強硬度が主な指標となった以上、民主党も反中に躍起した。故に、たとえバイデンが勝ったとしても、方向性を抜本的に変えることはもはやできない。

中国が米台国交樹立を黙認するシナリオ
 中国に残される最後の選択肢は、米台国交樹立を黙認することだ。中国は「台湾独立」に反対している。米国が声をかけて台湾と国交樹立した場合、台湾は何も独立宣言をするわけではない。到底「台湾独立」といえない。単に「中華人民共和国」と「中華民国」の2つの「政府」が実体として存在している事実を認めたに過ぎない。言い換えれば、「1つの中国、2つの政府」、つまり「一国二政府」ということだ。

 陳水扁が2000年台湾総統に当選した際、当時の連戦中国国民党主席は「一国二政府」に基づく連邦国家構築の構想を打ち出したことがある。これに対して中国側は肯定も否定もせずノーメントの姿勢で、香港式の「一国二制度」がより理想的な案として提示した。

 これをみる限り、「一国二政府」と「一国二制度」の類似性が浮上する。政府がなければ、制度も存在し得ないわけだから、当たり前といえば当たり前だ。問題は「政府」の中身だ。それが「中央政府」と「地方政府」の関係であれば、自己矮小化につながるため台湾は受け入れないだろう。逆に対等関係にある2つの「中央政府」と位置づければ、これは恐らく中台双方が受け入れられる最大公約数的な落とし所ではないだろうか。

 中国と香港の関係も「一国二政府」の関係であり、ただその前提に「一国二制度」があって「中央政府」と「地方政府」の関係も明確であるから中国は問題としていない。では、台湾の場合はどうであろうか。

 まず台湾政府の存在は争われない事実である。次に、中国は台湾政府の違法性を主張できない。違法性があるなら、通常の外交活動を行うことができないからだ。最後に台湾を地方政府と位置づけることができるかというと、これも無理。今までの経緯をみても明らかであるように、台湾は歴然とした中央政府として中国と対話してきたのである。

 一方、中国も台湾が「中央政府」であることを黙認してきた。ただ、「中華民国政府」という表現を使っていない。それだけの話だ。中台両政府間の交渉は、海峡両岸関係協会(中国側)と海峡交流基金会(台湾側)という2つの政府間交渉窓口機関を通して行われてきた。両機関の間に合意・調印された数多くの協定は政府間協定以外の何ものでもない。

 米国が台湾承認して米台国交樹立したら、これはすなわち「1つの中国」の崩壊、結果として中国は台湾侵攻を発動し、平和が崩壊する。というのが世間の一般的な認識だが、必ずしも当てはまらない。ゼロサムを回避するうえで、落とし所を見つけるのが政治の役目である。今は、政治家の英知が求められている。』
『米台国交樹立の時期
 最後に、米台国交樹立の時期について触れておこう。これも3つのシナリオが描ける。

 まず、トランプが大統領選を控え敗色濃厚になった場合、10月までに電撃国交樹立もあり得るだろう。民主党はすでに党綱領から「1つの中国政策」を削除したため、バイデンが当選しても、米台断交の可能性はほぼなくなっている。トランプがたとえ再選に失敗しても、レガシーができているので、歴史に名が残る。

 2つ目のシナリオ。トランプの実質的支持率(必ずしも民意調査の数字とは限らない)がバイデンを上回り、続投に勝算がある場合、米台国交の大事業を次の任期に回し、周到な準備に取り組むだろう。

 最後に3つ目のシナリオ。中国をはじめ外部環境に何らか大きな本質的変化が見られ、米台国交樹立の切迫性が薄れた場合、先送りする可能性もあるだろう。』

ハートランド

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89

『ハートランド(Heartland)とは、地政学の用語。ハルフォード・マッキンダーが『デモクラシーの理想と現実』の中でユーラシア大陸の中核地域を中軸地帯と呼んだことに始まり、後にハートランドと改められた。

概要

出典:”The Geographical Pivot of History”, Geographical Journal 23, no. 4 (April 1904)

中軸地帯、内側の三日月地帯と外側の三日月地帯
マッキンダーは20世紀初頭の世界情勢をとらえ、これからはランドパワーの時代と唱えた。とりわけ、それまでの歴史が海軍大国(海洋国家)優位の歴史であったのに対し、鉄道の整備などにより大陸国家の移動や物資の輸送などが容易となったことで、ハートランドを支配する勢力による脅威が増しているとし、海洋国家同士の連携を主張した。

マッキンダーは1900年代初頭の世界地図をユーラシア内陸部を

・中軸地帯(ハートランド) (Pivot Area)
・内側の三日月地帯 (Inner or marginal crescent)
・外側の三日月地帯 (Lands of outer or insular crescent)
に分け、「東ヨーロッパを支配するものがハートランドを支配し、ハートランドを支配するものが世界島(ワールド・アイランド)を支配し、世界島を支配するものが世界を支配する」と説き反響を呼んだ。また、マッキンダーはユーラシアに存在する大国群をシーパワー・ランドパワーに分けて、それぞれが対立する関係にあると論じ、大陸国家がヨーロッパを中心として熾烈な戦争を始め、戦線を拡大していくに違いないと予見した(事実ナチス・ドイツとソビエト連邦が熾烈な覇権争いを行った)。

現代への影響
しかしマッキンダーは、当時次第に注目されつつあった空軍力の影響力を重視せず、第一次世界大戦以降、航空機戦力を中心とした戦争が中心となるにつれ、次第にマッキンダーのハートランド論は時代遅れと批判されることとなった。しかしこうした国際政治の構造や力学に鋭い視点を展開したマッキンダーのハートランド論は時代環境の変化に照らして、さらに地政学の世界で応用的に用いられ、ニコラス・スパイクマンによって主張されたリムランド論や、コリン・グレイなどによってハートランドのモデル化など、後の地政学や軍事戦略におおいに影響を与えたとされる。』

中国人とロシア人の「本音」がよく分かる、「逆さ地図」ってナニ?

中国人とロシア人の「本音」がよく分かる、「逆さ地図」ってナニ?(2013年05月07日 11時11分 公開)
https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1305/07/news022.html

『先週、安倍晋三首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と北方領土交渉を加速化させるということで合意した。

 日本の新聞や報道番組は、プーチンの口から「面積等分」の話題が出たとかで“前のめり”で報じているが、個人的には、交渉をダラダラ続ける間に、カネだけ引っ張られるのではないかと心配している。

 プーチン、いやロシアが経済連携ぐらいで北方領土を返すわけがない。それは「地図」を見ても明らかだ。

 といっても、それはみなさんが日頃よく見ている地図ではない。日本海を中心に南北を逆さにした通称「逆さ地図」(参照リンク)である。

 この地図では中国大陸やロシアが下となり日本列島は上。つまり、中国やロシアの“真上”に日本があるのだ。こういう位置関係でロシア人の心に思いをはせると、彼らが「北方四島」をどんな目で見ているかよく分かる。

 日本人みたいに毎日、太平洋を眺めて暮らしている民族からするとなかなか想像できないが、ロシア人にとって太平洋という大海原に出るというのはかなり骨が折れる。

 特に太平洋艦隊の本拠地であるウラジオストクから、船を出そうとすると目の前にはまるで嫌がらせのように長い島が立ち塞がる。

 いわずもがな、日本列島だ。

多くの日本人が見慣れている地図(出典:総務省)

普通の世界地図だと、日本のナナメ上にロシアがでーんと広がっているので、自分たちが邪魔をしているなんて意識はないが、「逆さ地図」で見ると、かなりイラっとする場所に日本があるのがよく分かる。はっきり言うと、邪魔なのだ。

 そんな邪魔くさい島のなかで唯一ストレスなく通れるのがサハリンと北海道の間。つまり、宗谷海峡だ。

 ここを抜けて、択捉島の脇にある択捉水道を通って太平洋に出るという選択肢しかウラジオストクにはない。こういう唯一の海上交通路(シーレーン)を自分たちだけでガッチリ握っておきたい、という強い気持ちが国家にはある。

 「どこでもドア」が発明されない限り、石油やらの資源の運搬は海路に頼るしかない。シーレーンを握られたらかつての日本みたいな兵糧攻めに合って、どんな国でもたちどころに滅ぶ。

 ソ連人はそれをよく分かっていた。だから、日本が敗戦したのを見計らって、宣戦布告して火事場泥棒のように樺太を奪い、北方四島もぶんどった。彼らはそこで略奪や虐殺をしたが、それは結果であって、目的はあくまでシーレーンの確保だ。

 さらに本音を言えば、東北まで攻め上がるつもりだった。北海道と東北を握れば、津軽海峡というもうひとつのシーレーンも頂戴できる。きたるべき米国の戦いを考えると、これは欲しい。だから、日ソ中立条約なんて丸めてポイとなるわけだ。

 四島だろうが、二島だろうが、千島列島を日本にポーンと返しますよ、ということは国際ルールを踏みにじってまで確保したシーレーンを危険に晒(さら)すということだ。いくら冷戦が終わったとはいえ、ロシア人はそんなにお人好しなはずがない。

 このようなロシア人の心理は、日本を「目の上のタンコブ」のように思っているもうひとつの国を見ても容易に想像できる。

 中国だ。

世界地図を逆さにしたものです(出典:総務省)

「逆さ地図」を見ると、中国もロシアと同じく、太平洋に出るには日本の南西諸島という「壁」が立ち塞がる。台湾の脇を抜けるか、南シナ海方面からぐるっとまわるしかない。これはかなりイラっとする。

 ピンときたかもしれないが、この2つの「シーレーン」があるところは、中国が主権を主張しているところだ。南シナ海では先日、ベトナムの漁船が中国軍に炎上させられたし、尖閣諸島はご承知のとおりだ(関連記事)。

 要するに彼らのいう「主権」というのは、「シーレーンをよこせ」ということだ。

 尖閣諸島沖にあるという天然資源や、豊富な漁場というのももちろんある。だが、中国政府広報が言った「尖閣は核心的利益」とはシーレーン以外の何者でもない。事実、中国は対米防衛ラインとして九州・沖縄から台湾、フィリピンまでのびる「第一列島線」というものまで勝手に想定している。

 そんな中国の舵(かじ)をとるのが習近平だが、実は彼も安倍首相がロシアに行く1カ月ほど前、ロシアに行っている。そこで講演した際、尖閣諸島問題で一切譲歩しないという方針を明らかにし、こんなことを言ったという。

 「(中ロ両国は)第2次世界大戦の勝利で得た成果と戦後の秩序を守らなければならない」

 要するに、「おまえらだって昔は日本からシーレーンをぶんどったんだから、こっちのやることにいちいち文句を言うなよ」と牽制したわけだ。

 こういう泥棒みたいな人たちがイラっとしながら日本を見ている。「逆さ地図」はそんな現実を我々に教えてくれる。』

トランプ氏、中国との取引「しなくてもいい」 経済デカップリングに言及

https://jp.reuters.com/article/usa-china-decoupling-idJPKBN25J0WK

 ※ ロイターのUSA版の方にも当たったが、該当する記事は探せなかった…。日本語版だけのようだな…。

こういう辺り、要注意だ…。というのは、トランプ発言はこういうことを言っている(そして、日本語版でだけ情報を流している…)が、ムニューシンと劉鶴で、米中合意の第一段階の検証を始めていたりするからだ…。

トランプ発言は「煙幕」で、実態や実際のところは、全然違っていて、「米中ツーカー」ということは、あり得るし、これまでも散々あった話しだからな…。そういう辺り、余程注意深く観察していかないと…。

いつもいつも、情勢判断を誤る…、という話しになる…。

『[ワシントン 22日 ロイター] – トランプ米大統領は、FOXニュースのインタビューで、米中経済のデカップリング(分断)の可能性に言及した。

23日に放送されるインタビューの抜粋によると、トランプ氏は、中国とのビジネスは「しなくてもいい」と述べ、その後、デカップリングに言及。「彼らがわれわれに適切に対応しなければ、私は確実にそれをするだろう」と語った。

米中は約1年半にわたって貿易戦争を繰り広げた後、今年1月に第1段階の通商合意に達したが、トランプ氏は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を巡り中国の対応を批判。第2段階の合意に向けた交渉の扉を閉ざしている。

ムニューシン米財務長官は6月、米企業が中国で公平に競争できない場合、米経済と中国経済のデカップリングが発生する恐れがあると述べている。』

地政学リスクの時代と日本経済

 ※ 米中デカップリングなんかの資料を、検索していたら当たったものだ…。

 「地政学リスク」とは、学問的には、その定義自体が定まっていないもののようだ…。ここでは、「地理的条件のように、人間の力(ちから)では改変が不可能な、所与の条件」というくらいのイメージでいいだろう…。

 グローバリゼーションから、利益を最も受けるのは、どういう勢力なのか、そこからこぼれた人達は、経済ナショナリズムに向かうものなのか、経済エリートに対する、大衆の怒りとはどういうものなのか、トランプ選出に働いた力学とは、どういうものなのか、スティーブン・バノンが指揮して、まとめ上げた勢力は、どういうものだったのか…。彼は、解任され(逮捕まで、されている…)、力(ちから)を失っているように見えるが、そういうことも含め、トランプの再選戦略は、どういうものなのか…、などというようなことを考えながら、読んでみてくれ…。

 問題がある場合は、Word Press.comの方に連絡してください。

島に接近、家族との通話目的 モーリシャス座礁で船長ら

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62998280U0A820C2FF8000/

※ やっぱり家族との通話目的か…。この船長、インド人で、コロナ蔓延で家族の安否が心配だったようだ…。人情としては、分かるがな…。それにしても、軽率だったな…。誕生日会で、アルコール入れてた船員も、いたらしいしな…。ご本人が飲んでたどうかは、知らないが、船内の雰囲気的には、ユルユルだったんだろう…。そういう一時の油断が、大概、一大事を招くと相場は、決まっている…。

『モーリシャス沖の重油流出事故で、逮捕された日本の貨物船のインド人船長らが島に近づいた理由について「インターネットに接続して故郷の家族と通話し、新型コロナウイルスの流行状況を知りたかった」と供述していることが24日分かった。捜査状況を把握する司法関係者が共同通信の電話取材に明らかにした。

乗組員の私的な行動が座礁した原因の可能性も(16日)=AP
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25日で貨物船の座礁から1カ月。乗組員の私的な行動で座礁した疑いが強まってきた。

地元警察は18日、安全な航行を怠った疑いで船長とスリランカ人1等航海士の2人を逮捕した。

貨物船は中国からシンガポール経由でブラジルに向かっていた。司法関係者によると、乗組員の間から「新型コロナ流行により故郷で何が起きているか知りたい」との声が上がった。アプリ「ワッツアップ」などの通話機能で家族と会話するため、航路沿いのモーリシャスに接近することになった。1等航海士が持っていたスリランカのSIMカードでネットにつなげる計画だったという。

乗組員は計20人で出身国はインド3人、スリランカ1人、フィリピン16人。座礁直前に乗組員の誕生日会が開かれて非番の船長を含む大半が参加し、ビールやウイスキーを飲む人もいた。1等航海士が操舵(そうだ)を担当していたが、誕生日会に加わっていたかどうかは明らかになっていない。

航路を追跡した民間の衛星データによると、船は速度を変えずモーリシャス島に直進。一定時間ネットにつなげるため速度を落としたり、座礁を避けるため針路を変えたりしなかったことについて、司法関係者は「最大の謎だ。警察も知りたがっている」と強調した。

同関係者は「船の仕事はストレスが多い」と指摘。この船では東南アジアで乗組員が仕事に耐えられず、海に飛び込み救助される事案があった。船長らは座礁の過失を認め、モーリシャスの人々への「謝罪と後悔」を述べたという。(共同=中檜理)』

テレワーク、VPN暗証番号流出 国内38社に不正接続

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62994110U0A820C2MM8000/

『日立化成や住友林業など国内の38社が不正アクセスを受け、テレワークに欠かせない社外接続の暗証番号が流出した恐れがあることが分かった。第三者が機密情報を抜き取ったり、ウイルスをばらまいたりする2次被害が予想される。事態を重く見た内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)も調査に乗り出しており、企業は対策が急務となっている。

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新型コロナウイルスの流行で、日本企業の大半が本社と社員の自宅をつなぐテレワーク対応を迫られている。今回流出が判明した中には、こうした在宅勤務を推進する企業も多く含まれている。ソフトや機器の更新を怠っていたとみられる例も散見され、リモート時代の情報リスクが改めて浮き彫りになった形だ。

漏洩したのは、VPN(仮想私設網)と呼ばれる接続サービスの利用情報だ。VPNは通信データを暗号化し、社外から業務システムに接続する際などに使う。実際の専用線を敷設するより導入コストが安いため、多くの企業が社員の在宅勤務などに役立てている。

NISCによると、8月中旬に犯罪サイト上で、世界900社超のVPN情報がやり取りされていることを確認。詳細を調べたところ、このうち38社は日本企業だったことが分かった。

日本経済新聞が入手した被害企業リストには、日立化成や住友林業、ゼンショーホールディングス、オンキヨーの名前が挙がっている。医薬品製造の全薬工業、エネルギー関連の岩谷産業、電力機器のダイヘン、自動車総連も含まれていた。

ロシア語を使うハッカーが各社に不正アクセスして情報を入手したとみられる。VPNを使う際のユーザー名やパスワード、ネット上の住所を示すIPアドレスが流通していた可能性がある。

悪意ある第三者に情報が渡れば、VPNを伝って各社の基幹システムへの侵入が可能となる。各社は「社員情報の流出などの被害は確認していない」(住友林業)と口をそろえる。だが特別な対策を取らないと、社員を装って社内情報を盗み見したり、内部からサイバー攻撃を仕掛けたりできる状態だという。

今回情報が流出した企業は、米専門企業パルスセキュアのVPNサービスを使っていた。パルスセキュアは世界で2万社以上の顧客を持つ業界大手だが、同社のVPNを巡っては2019年4月に自ら脆弱性についての情報を公表。修正プログラムも公開していた。

日本でも民間団体JPCERTコーディネーションセンターが注意を喚起していた。しかし必要な対策を取っていない企業が多く残っており、情報漏洩の危険性が問題視されていた。一部企業は安全性に問題があるままVPNを使い続けていたもようで、ハッカーはこの弱点を突いて情報を盗み取ったとみられる。

今後は38社を「踏み台」にして各社の取引先などへ不正アクセスを試みる動きも予想される。サイバーセキュリティー会社サイファーマ(東京・千代田)の山田正弘氏は「IDや暗証番号だけでなく、2要素認証などを導入し、監視を強化することが重要だ」と話す。

被害企業の多くは「当該装置は停止した」(日立化成)「必要な対応を取った」(全薬工業)とする。社員ごとにアクセス制限を設けるなど追加対策も欠かせない。

新型コロナの感染拡大を受け、企業はテレワークの体制拡充を急いでいる。NISCは緊急事態宣言が発令された4月以降、企業の安全対策の遅れが目立つと指摘。「混乱に乗じたサイバー攻撃の兆候がみられる」と警鐘を鳴らしていた。』

脆弱性、修正遅れ突く 「ゼロトラスト」不可欠
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62998890U0A820C2EA1000/

外食の客足、復活の3条件 全国1万店データ分析

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62925950R20C20A8TJ1000/?n_cid=NMAIL006_20200824_H

『新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、飲食店の客足の戻り方に差が出ている。トレタ(東京・品川)の顧客管理サービスを導入する全国1万店のデータによると、来店客の回復は「ランチ」「住宅街立地」「少人数」ほど早かった。営業スタイルや出店戦略も変化を迫られそうだ。

お盆休み明けの午後、東京・吉祥寺を歩くと、真新しい看板や張り紙が目についた。「昼飲み始めました!」「昼飲みOK。12時より」。あるビストロは、6月から土日の昼間営業を始めた。「お酒を安くしているのでぜひ昼間に来てほしい」という。

こうしたお店が目に付くようになった理由は、客足がランチ時間帯にシフトしているからだ。それは予約や顧客情報の管理にトレタを活用している約1万店のデータにも如実に表れている。同社のサービスは高級店から個人経営の居酒屋まで幅広い店が導入している。

消費者が予約の際に指定した来店時刻などから推計すると、8月10~16日は午後9~11時台の来店客数が前年同期比55%のマイナスだった。緊急事態宣言が出ていた4月下旬の98%減よりは回復したものの、38%減まで戻したランチ(午前11時~午後2時台)と比べると苦戦ぶりが目立つ。

東京都などが8月に入って午後10時以降の営業自粛を要請している影響も大きいが、自粛と関係ない午後5~8時台も48%減と回復が遅い。消費者が感染防止のため、滞在時間が長くなりがちな夜の外食を避けている状況がうかがえる。

店舗の立地別にみても、客足の回復にはバラツキが出ている。

人口の密集する東京都内で調べると、代表的なオフィス街である千代田区や中央区は8月10~16日の来店客数が前年同期比6割前後のマイナスだった。両区の飲食店はビジネスパーソンが主要顧客で、コロナ禍で在宅勤務が浸透したことが重荷となっている。

対照的なのが住宅の多いエリアだ。高級住宅街の自由が丘などがある目黒区は25%減で、3月上旬と同水準まで回復した。成城や二子玉川といった人気エリアを抱える世田谷区は8%減まで戻り、前年並みが視野に入っている。

以前は仕事帰りにオフィスの近くで飲食していた人々が、家族と自宅近くの飲食店を訪れるようになったとみられる。9割が郊外にあるアークランドサービスホールディングスのとんかつ店「かつや」は7月の既存店の客数が3.4%減まで回復、持ち帰りのまとめ買い需要も取り込んで売上高は6.9%のプラスに転じた。

感染リスクが高いとされる大人数での宴会も、前年と比べるとほとんど開かれていない。8月10~16日は1~2人での来店が前年比21%のマイナスまで回復したのに対し、3~5人のグループは41%減、6~10人は65%減だった。11人以上の大人数になると82%減という深刻な状況が続く。

「飲食店の出店戦略や営業の手法は、消費者が日々職場に出かけることを前提に築かれてきた」。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎氏は指摘する。だがコロナ禍によってその前提は崩れた。これからの外食産業は、「ランチ」「住宅街立地」「少人数」でも稼がなくてはならない。

変化に対応する動きはすでに出ている。「塚田農場」を運営するエー・ピーカンパニーは6月、新業態「つかだ食堂」の展開を始めた。特徴は定食やおかずメニューの充実だ。居酒屋としての性格が強い塚田農場の一部を、家族連れなどがランチでも訪れやすい店舗へと順次転換する。

プロントコーポレーションは7月末、東京・港にワイン居酒屋「ディプンティーナ」の1号店を開いた。仕事帰りの女性が1人で立ち寄れる店、というのがコンセプト。少人数での来店を意識し、大皿ではなく小皿で1人分の量を提供するメニューを充実させた。高めのテーブルで立ち飲みもでき、来店客の滞在時間も30分程度と短いケースが多い。

トレタのデータからは、常連の大事さも浮かび上がってくる。8月10~16日の客層を分析すると、その店を訪れるのが3回目以上のリピート客の数は前年同期比18%減にとどまった。逆に初めて訪れるいちげん客は40%減となっている。

苦境にあるときこそ、なじみの店を支えたくなるのが消費者心理だ。今後は広告宣伝を投じて新規顧客を開拓するより、つながりを深めて常連になってもらう努力が重要になる。

(藤村広平)』