入社後いきなりテレワーク…。

入社後いきなりテレワークでも、成果を出せる新人と成果を出させるリーダーとは?
https://comemo.nikkei.com/n/n74583bcfa33e

『皆さん、こんにちは。

今回は、コロナ渦の中、「入社後いきなりテレワーク」で社会人のスタートを切った新入社員が、どのようにパフォーマンスを上げていけば良いのか、また、管理職はどのように新入社員を育成していけば良いのかについて書かせていただきます。

サイバーエージェントでは、多くの企業と同様、4月1日の入社式をフルリモートで実施しました。その後、通常2週間程度ある全体の「新卒研修」も、急遽フルリモートでの実施を余儀なくされました。

新卒研修の目的は、
・社会人としてのマインドセットを完了させ、良いスタートダッシュをきること
・同期同士の親睦を深め、これから困難なことがあってもお互い励まし合い、共に乗り越えていく関係構築をすること

でしたが、結論から申し上げると、オフィスに全員が一堂に会する研修でしか成立し得ないと思われていたマインドセットや関係構築が、「十分オンラインでも可能。ただし工夫が必要」という結論に至りました。

これまでの常識であった対面での研修と、オンラインでの研修を簡単に比較してみます。

図1

■新卒研修を設計/運営する人事側が意識したこと
・チャット機能などを活用しインタラクティブな研修にする
・新入社員がアウトプットする機会を増やす
・ワークなどはできるだけ少人数単位にしてチーム感や一体感を創出する
■新卒研修に参加する側に意識してもらったこと
・研修を“受ける”のではなく、自分たちで“作る”という当事者意識を持つ
・表情や身振り手振り、チャットなどでの発言を通して気持ちを表現する
・研修を通しての学びを言語化する
新卒研修期間を経て、総合職は入社後約2週間で、エンジニアやクリエイター職は入社後約1ヵ月で各部署へと配属になったわけですが、その後のコンディションや活躍度合いにも例年と比べて変化がありました。

私自身は人事組織の中で、「採用戦略本部」という部門を管轄していて、新卒採用・中途採用をメインで担当していますが、採用して終わりではなく、その後の才能開花(いわゆる育成やオンボーディング)も一気通貫で責任を持つという体制をとっています。

毎年、社内のアンケートシステムを通して新入社員の自己評価とトレーナーからの他己評価を全て可視化してそのギャップを見たり、コンディションが良くない社員や悩みを抱えている社員にはフォローアップを強化したりというアクションをとっていますが、リモートワークの環境になったことで、新入社員のコンディションが例年よりも悪くなるのではないかと想定していました。
ところが予想に反して、ここ数年の新入社員を比較してみると、2020年度の新入社員のコンディションの晴れ率が高く、雨率が極端に低かったのです。(コンディションは晴れ、曇り、雨の3段階の自己申告制です。)

・リモートワークに向いている、デジタルネイティブ世代であること
・満員電車で毎日通勤したり、オフィスに出社することでの人間関係の悩みやストレスがかからないこと
・もともと内定者時代からインターンシップやアルバイトなどでオフィスでの就業経験を有している人が多いこと

などいくつかの仮説はありますが、活躍している新入社員を見ていると、以下のような特徴が挙げられます。

画像2

新入社員に限らず、リモートワークの環境では個々人の業務がブラックボックス化します。
分からないことが出てきた時にいつどのタイミングで先輩や上司に聞けばいいのか分からず、適切なタイミングがくるまで自分で抱えたままにした結果、業務が止まり、その間にどんどん別のタスクが増え、ズルズルと夜まで仕事をし続けてメリハリがなくなり、心身ともにリズムをつかめず調子を崩し、最終的に成果も出ない、という悪循環に簡単に陥ってしまいます。

また、会社への貢献実感を得られないと自信も持てないため、何か一つ得意なことや自分のキャラクターが活きる“役割”を持つと良いと思います。
サイバーエージェントでは、入社したばかりの新入社員が、自発的にチームの朝会や締め会などを盛り上げるためにコンテンツを用意したり、各部署で進めている活性化キャンペーンの推進をしている光景をよく目にしますが、リモートワーク下でもチームワークを高める役割を積極的に担ってくれていることが多いです。

次に、リモートワークの環境下でも、育成が上手だなと思うリーダーの特徴は以下の通りです。

画像3

このように見てみると、オフィス出社であろうとリモートワークであろうと、新入社員を育成する上でのポイントに大きな違いはないように見えますが、すぐ近くの席で「都度、適切なアドバイスをする」とか、ちょっとした雑談の中で「会社やチームのビジョンを共有する」という方法が取りにくいため、意図的に1on1での時間をとるなどして、ちょっとした悩みを吸い上げたり、チームの方向性を伝える場作りは意識した方がいいかもしれません。

変化対応していかなければいけない有事の時だからこそ、リーダーはこれまで以上にスピード感を持って意思決定を行い、管理するのではなくチームメンバーを信頼して権限委譲しながら実行支援していくことが求められています。

最後に、「入社後いきなりテレワーク」という状況から社会人人生をスタートすることになった新入社員にとっては、戸惑うことだらけの環境だったと思います。
ですが、それは新入社員を受け入れる側のチームのトレーナーやマネージャーといった役割の社員も同様で、テレワークにおける「人材育成」の難しさを痛感している人が多いというのが実態ではないでしょうか。

どちらか一方だけが努力すれば解決する問題ではなく、双方がテレワークならではの仕事の進め方の工夫を模索し、お互いにとってスムーズなコミュニケーションの取り方、パフォーマンスの上げ方を確立していく必要があるのではないかと思います。

そして、企業の人事や経営者の皆さんは、数年先を見据えて、今こそ「どんな環境でも(オンラインでもオフラインでも)“人を育てられる人”を大量に作る」ことに注力していかなければいけないと思います。』