〔中南米関連〕

メキシコ・中米への送金、米雇用悪化でも最高水準
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62788600Z10C20A8FF8000/

チリ、4~6月のGDP14.1%減 過去最低の成長率
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62788630Z10C20A8000000/

ブラジル通貨、対ユーロで最安値 財政規律の緩みで
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62740460Y0A810C2000000/

ブラジル、コロナ拡大も大統領の支持率上昇
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62685320V10C20A8I00000/ 

〔中国・台湾関連〕

防衛相、中国大使に「強い懸念」 尖閣・南シナ海で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62759830Y0A810C2PP8000/

米中貿易協議、トランプ氏「私が延期した」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62789030Z10C20A8EAF000/

中国通信大手3社、5G基地局2割増 投資額は抑制
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62767310Y0A810C2FFJ000/

豪州産ワイン、中国が課税調査 香港問題の報復か
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62765200Y0A810C2910M00/

〔米国関連〕

米、ファーウェイ禁輸強化 半導体の調達を完全遮断
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62737270X10C20A8MM8000/

米、ファーウェイ徹底包囲網 テック経済圏から遮断
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62778560Y0A810C2EA2000/

台湾、「中国大陸」企業の投資規制を強化 迂回を警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62765660Y0A810C2FF8000/

米韓が合同軍事演習を開始 新型コロナで規模縮小
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62767210Y0A810C2PP8000/

ソフトバンクG、アマゾン株1000億円保有 6月末時点
資産売却の余資運用
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62742660Y0A810C2I00000/ 

サムスン、IBMの最先端半導体を受託 新技術適用

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62757970Y0A810C2FFJ000/ 

『【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子が米IBMの最先端半導体を受託生産する。IBMが設計するサーバー向けCPU(中央演算処理装置)を「EUV(極端紫外線)」と呼ばれる次世代製造技術を用いて量産する。サムスンは有力顧客を獲得して競合する台湾積体電路製造(TSMC)の切り崩しを狙う。

サムスンの平沢(ピョンテク)工場ではEUV専用製造棟の稼働準備が進む
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IBMは2021年下半期に回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートルのCPUを搭載したサーバーを発売する計画。このCPUの量産をサムスンに委託する。サムスンにとって他社から7ナノ半導体の受託生産は米クアルコムに次ぐ2社目となる。

半導体受託生産の分野ではTSMCは世界シェア5割超を持つ首位で、サムスンは20%弱で2位。サムスンは30年までに同分野で世界一を目指すと明言しており、EUVなど最新の製造技術への投資を加速させている。

ただTSMCは既に米アップル向けCPUで回路線幅5ナノの量産を始め、ほかの半導体メーカーからの受注契約を獲得している。サムスンはサーバー向けCPUで存在感を持つIBMからの最先端半導体の受注で技術力を示し、次の顧客獲得につなげる。』

北朝鮮、19日に党中央委総会 組織改編か、対米も焦点

https://www.47news.jp/world/5150207.html 

『【北京共同】北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、朝鮮労働党中央委員会総会が19日に招集されると伝えた。「革命発展と党の戦闘力強化において重大な意義を持つ問題」を討議、決定するとしている。総会開催は昨年12月末以来、8カ月ぶり。

 金正恩党委員長が出席し、新たな部署設置など党の組織改編や国政運営について決めるとみられている。11月の米大統領選を前に核・ミサイル開発や膠着する米朝交渉を巡り新たな方針を打ち出すかも焦点だ。

 朝鮮中央通信によると、総会招集に関する党政治局常務委員会の決定書が17日に発表された。

 党中央委総会は年1回以上招集すると規定される重要会議。』

〔中東・アフリカ関連〕

イスラエル首相、UAEへのF35売却「反対」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62788140Z10C20A8000000/

西アフリカのマリで軍の一部が反乱 大統領が辞任表明
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62788480Z10C20A8000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】西アフリカのマリで18日、反乱を起こした軍の一部がケイタ大統領ら政府高官を拘束した。ロイター通信によるとケイタ大統領は辞任を表明した。軍が関与したクーデターとみられる。マリでは6月から大規模デモが起き、政情が不安定になっていた。

18日、マリの首都バマコでケイタ大統領の私邸周辺に集まった軍兵士や市民ら=AP
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報道によると、軍の一部は首都バマコ近郊の軍基地を占拠し、軍高官らを相次ぎ拘束した。反乱を主導する勢力は明らかになっていない。デモを組織していた反大統領勢力は「軍のクーデターではなく、民衆の蜂起だ」と主張している。

旧宗主国のフランスは「最も強い言葉で非難する」と反乱勢力を批判した。国連のグテレス事務総長は大統領らの解放を求めた。

マリでは最近、イスラム過激派が勢いを増しており、政情の悪化でテロがさらに活発になることが懸念される。』

マリ危機:争議のある選挙から大統領の辞任まで
クーデター後のケイタ大統領の辞任でマリの数ヶ月にわたる政治危機が最高潮に達した時のタイムライン。
https://www.aljazeera.com/news/2020/08/mali-crisis-disputed-election-president-detention-200818174521078.html

『(グーグル翻訳文)
数ヶ月間、マリは、大規模な反政府集会と国のさらなる不安定さに警戒を向けた地域の指導者による調停の試みの失敗を特徴とする、深刻化する政治危機に巻き込まれてきました。

2018年のイブラヒム・ブバカール・ケイタ大統領の再選後、野党が不法行為により傷つけられたと述べた世論調査で、政治的緊張が弱まっている。

議会選挙の結果をめぐる論争がケイタの辞任を要求するために通りに連れて行くことを促した後、摩擦は今年初めに上昇した。デモ隊は、国の悲惨な経済状況を修正できず、数千人を殺してマリの広大なスワスを統治不能にしたさまざまなグループによる長年にわたる武力攻撃を封じ込めなかったとしてケイタを非難した。

反乱が火曜日に最高潮に達し、反乱した兵士がケイタ、ブーブーシセ首相、および他の政府高官を拘留したとき 、地域的および国際的な勢力によって非難された劇的なエスカレーションでした。

以下は、最近の不安につながったもののタイムラインです。

紛争中の選挙
で3月26日、ベテランの野党指導者ソウマイラ・シセがされて誘拐さわずか数日の長い遅延議会選挙の前に、国の紛争ヒットセンターで選挙運動中に彼のチームの6人のメンバーと一緒に正体不明の武装集団による。

3月29日の投票開始のわずか数時間前に、約1900万人の貧困国が新しいコロナウイルスによる最初の死を迎え、COVID-19の発生に特にさらされているという懸念を引き起こしています。

コロナウイルスの脅威とセキュリティの脅威にもかかわらず、議会の投票が進むの最初のラウンド懸念武装集団による攻撃の可能性について。

暴力の脅迫にもかかわらず開催されたマリの選挙で投票が終了(1:54)
4月19日の第2ラウンドは、一部の有権者が投票することを妨げる事件によって中断されます。

4 月30日、マリの憲法裁判所は31議席の結果を覆し、Keitaの党にさらに10議席を与え、最大のブロックにした。裁判所の決定 は、いくつかの都市で抗議を引き起こします。

大統領の辞任を求める
で5月30日、主要野党だけでなく、市民社会団体、「 -愛国軍のラリー6月5日の運動」と呼ばれる新たな野党連合を形成します。

同盟はケイタの辞任を要求するデモを要求する。

影響力のあるイスラム教の指導者であるマフムードディコに 率いられた何千人もの人々が、6月5日、マリの首都バマコの街を訪れ、大統領が国を悩ませている多くの危機を誤って扱っていると非難します。

で6月11日、ケイタは首相と新政府を形成すると、タスク彼をようBoubouシセをreappoints。

しかし、6月5日運動の傘下で、何千人もの抗議者が6月19日に再びデモを行うために集まり、ケイタの出発を求める彼らの要求を繰り返した。

で月上旬、ケイタはなだめる相手への入札で政治改革を浮遊し、彼らはすべて拒否されます。抗議運動の指導者たちは、議会を解散させ、市民の不服従を強く要求し続けています。

マリの抗議:野党グループが大統領の辞任を要求(2:25)
最悪の政治闘争
7 月10日、大規模な抗議行動が激しくなりました。

マリが長年見た最悪の政治闘争において、治安部隊と抗議者の間の3日間の衝突で少なくとも14人が殺されました 。

同盟は調停者による計画を拒否する
7 月18日、野党同盟は国際調停者が提案した緊張緩和策を拒否した。

ナイジェリアの元大統領グッドラックジョナサンが率いる15か国のECOWASブロックの代表団と何度か会った後、6月5日運動は大統領の離脱が調停者にとって「赤い線」であると述べています。

7 月27日、ECOWASはマリでの統一政府の迅速な創設を呼びかけ、邪魔をしている人々に対する制裁を警告しています。

野党はその計画を拒否し、大統領は立たせようと主張する。

拘束されたケイタ
8 月10日、Keitaは、紛争解決のためのECOWAS提案の一部である9人の新しい裁判官を憲法裁判所に宣誓しました。

マリについて広範囲に報告したアルジャジーラのニコラハク氏は、新しい裁判官はケイタの同盟国によって指名されたと述べた。

同氏はまた、「ケイタが同盟国を近くに持ち込んで権力を乱用しているという抗議者たちの間で、この気持ちに火をつけた」と語った。

マリでの反政府抗議行動は数週間の休止の後再開する(2:24)
一時停止後、 反政府抗議運動 が8月11日に再開され 、デモ参加者は、路上への移動を避けるために地域の調停者からの嘆願を無視しました。

翌日、 8月12日、マリの治安部隊は催涙ガスを発射し、水の大砲を使用して、首都の広場にキャンプした何百人もの抗議者を分散させました。

反対派は8月17日に、週の終わりにバマコでの大規模集会で最高潮に達する抗議を毎日行うと宣言する。

8 月18日、 ケイタとシスは、その日の初めにバマコ郊外の駐屯地カティの主要基地で反乱を起こした兵士たちによって拘留されました。

野党の抗議者たちは兵士たちを支援するためにバマコの広場に集まり、地域および国際的な勢力は兵士たちに兵舎に戻るよう呼びかけ、外国の大使館は市民に屋内に留まるように助言します。

8月19日の真夜中、ケイタは国の大統領としての辞任を発表した。

マリの国連特使:サヘル危機がヨーロッパに広がる可能性

アルジャジーラと話す

マリの国連特使:サヘル危機がヨーロッパに広がる可能性

出典: アルジャジーラと報道機関』

マリ共和国
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD

マリ北部紛争 (2012年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E5%8C%97%E9%83%A8%E7%B4%9B%E4%BA%89_(2012%E5%B9%B4)

アザワド独立宣言
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B6%E3%83%AF%E3%83%89%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E5%AE%A3%E8%A8%80

マグレブの反乱(2002–現在)
https://en.wikipedia.org/wiki/Insurgency_in_the_Maghreb_(2002%E2%80%93present)

セルヴァル作戦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E4%BD%9C%E6%88%A6

米民主党政策綱領案の要旨

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62754160Y0A810C2FF8000/ 

『【序文】
○(新型コロナウイルス対策での)トランプ大統領の職務怠慢が多数の米国民の死と雇用喪失、子どもたちの教育と将来への損害を招いた。

○共和党の「米国第一」の外交政策は空虚。トランプ氏の下で米国は孤立している。

○民主党は米国の魂を修復するために闘う。

○トランプ氏と共和党は少数の富裕層と大企業を利するように経済を仕組んできた。

○民主党は雇用を創出し、繁栄の共有を促進し、人種間の格差を縮小する米国民との新たな社会経済の契約を築く。

【経済・通商・内政】
○全市民にコロナ検査、治療、ワクチン接種の無料提供を支援する。

○トランプ氏はオバマ・バイデン前政権から引き継いだ史上最長の景気拡大を浪費した。

○連邦最低賃金を2026年までに時給15ドルに徐々に引き上げる。

○最低12週間の有給家族・医療休暇が保障されるよう闘う。

○50万カ所の電気自動車公共充電スタンド設置を含め、道路や橋などのインフラを修復・近代化・拡大する。

○低公害の国産原料への需要を増やすため、連邦政府支援のプロジェクトに「バイ・アメリカ、バイ・クリーン」基準の導入を支持する。

○貿易協定の核として強力で執行可能な労働条件や人権、環境の基準を交渉する。

○まず米国の競争力に投資することなく新たな貿易協定の交渉はしない。

○中国の為替操作や違法な助成、知的財産の窃盗といった不公正な貿易慣行から米労働者を守る。

○富裕層に恩恵を与え、米雇用を海外に流出させる企業を利するトランプ政権の減税政策を覆すために行動する。

○富裕層に相応の税金を払わせ、投資家が労働者と同じ税率を支払うようにする。共和党が大きく引き下げた法人税率を引き上げる。

○中間層に恩恵を与える税制改革を実施する。

○(金融機関の高リスク取引を禁じる)「ボルカー・ルール」を含む前政権の金融規制改革法を強化し、執行する。

○連邦準備理事会(FRB)を通した口座開設やリアルタイム決済を含めた低中所得者向けの銀行サービスを促進する。

○社会保障を削減、民営化、弱体化するいかなる試みも拒否する。

○全国民に質の高い、手が届く公的医療保険の選択肢を提供する。国民皆保険の支持者を歓迎するわが党を誇りに思う。

○年収12万5千ドル未満の家庭の学生対象に公立大学を無償化。コミュニティー・カレッジ(短大)や専門学校を無償化する。1万ドルまでの学生ローンの免除を目指す。

【外交・気候変動】
○トランプ氏の指導下で米国の評判と影響力はボロボロになった。

○米外交の力と目的を回復する。同盟関係を修復し、再構築する。

○日本などアジア太平洋の同盟諸国との関係を強化する。

○中国政府の行動に関する経済、安保、人権上の深刻な懸念について強く立ち向かう。

○対中政策で自滅的な関税戦争や新冷戦のわなに落ちることはしない。

○香港の自治侵害に関わる当局者や金融機関、企業などへの制裁を含め「香港人権・民主主義法」を完全に施行する。

○同盟国との協力と外交により北朝鮮の核の脅威を抑制し封じ込める。

○イラン核合意が依然として核開発阻止の最善の方策。合意の相互順守への復帰が急務だ。

○北大西洋条約機構(NATO)へのコミットメントを再確認する。

○イスラエルとパレスチナの2国家共存を支持する。併合を含む双方の一方的な措置、扇動やテロ、入植拡大に反対する。

○世界保健機関(WHO)や国連人権理事会、国連人口基金に再加盟し、改革する。

○永久化した戦争を責任ある形で終結させる。

○サイバーや宇宙、人工知能(AI)、無人機などの技術に投資し、同盟を強化する。

○投資のバランスを見直し、効率を改善し、無駄や不正をなくすことにより、より少ない支出で強い国防を維持できる。

○核兵器への過度の依存と支出を減らしつつ強固な抑止力を維持する。トランプ政権の新たな核兵器増強計画は不必要で無駄だ。

○気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に再加入する。

○2050年までに温暖化ガス排出実質ゼロを達成し、35年までに発電所の炭素汚染をなくす。

【移民・社会問題】
○トランプ政権によるイスラム圏からの入国制限措置を即時撤廃する。

○不法移民に米国市民権獲得への道を開く改革を急ぐ。米経済を助けるH1Bなどの査証(ビザ)発給削減を含めたトランプ氏による合法移民システムの変更に反対する。

○男女平等をうたう憲法修正条項の批准を目指す。安全で合法的な中絶へのアクセスを支持する。

○警察の実力行使を規制する厳格な全米基準を構築する。

○LGBTQ+(性的少数者)の差別禁止法の成立を目指す。

○全ての銃購入に身元確認を義務付け、攻撃用武器や大容量弾倉を禁止する。』

米、元CIA職員逮捕 中国に最高機密漏えい疑い

米、元CIA職員逮捕
中国に最高機密漏えい疑い
https://www.47news.jp/world/5149752.html

米、元CIA職員逮捕 中国に最高機密漏えい疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62741280Y0A810C2000000/

中国でCIA要員12人殺害 スパイ網壊滅的と米紙報道(2017/5/21 22:23)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H2B_R20C17A5000000/

『【ニューヨーク=共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は20日、中国でスパイ活動をしていた米中央情報局(CIA)の情報提供者12人以上が2010年以降、中国当局によって殺害されたと報じた。拘束された人を含めると計18~20人に上り、中国での米国のスパイ網が壊滅的状況に陥ったとしている。

背景について米政府当局者らは、CIA内の二重スパイが裏切ったのか、外国の現地要員に指令を伝えるCIAの通信網が中国側に破られたのか、まだ解明されていないと述べた。

中国で次々と要員が行方不明になることからCIAは11年に徹底調査を始め、CIAの中国を管轄する部門で働いていた元要員が二重スパイだった疑いを強めたこともあるが、逮捕に至る十分な証拠は見つからなかった。この元要員は現在、アジアの別の国に居住しているという。

CIAは中国でのスパイ活動を最優先事項の一つとしているが、対抗する中国の公安組織が強力なため、情報源の拡大は難航しているという。』

中露で米国スパイ網が大打撃の恐れ CIA通信手法をロシアと解明か(2018.1.28 01:02)
https://www.sankei.com/world/news/180128/wor1801280007-n1.html

『【ワシントン=黒瀬悦成】中国で米中央情報局(CIA)のスパイ網が大打撃を受け、CIAと連邦捜査局(FBI)は中国が米情報機関の内部に深く浸透している疑いがあるとして危機感を強めている。中国とロシアがCIAの通信手法などに関する秘密情報を共有した疑いも浮上しており、CIAとFBIは実態解明を急いでいる。

 米司法省は今月16日、中国国内にいる米政府への情報提供者の情報を中国当局に渡したと指摘されているCIAの元職員、ジェリー・チュン・シン・リー容疑者(53)を国防機密情報の不法所持の疑いで同日までに逮捕し、南部バージニア州の連邦地裁に訴追したと発表した。

 リー容疑者は1994~2007年にCIAに所属。同省によるとリー容疑者は15日にニューヨークのケネディ国際空港に到着したところを逮捕された。有罪となれば最長10年の禁錮刑に処せられる。

 中国では10年ごろから米政府への情報提供者が次々と拘束・処刑された。米NBCテレビによれば、その数は少なくとも20人に上り、CIAによる中国での情報ネットワークは壊滅状態に陥ったとしている。

司法省によると、FBIが12年、リー容疑者の部屋をひそかに捜索したところ、CIAの情報提供者や秘密工作員の実名や連絡先などについて記した2冊のノートを発見した。

 中国をめぐっては、昨年6月にCIA元職員(60)が中国に機密書類を渡したとして逮捕されたほか、3月には国務省職員(60)が中国当局から多額の金を受け取りながら捜査当局に虚偽の供述をしたとして逮捕されている。

 一方、NBCによると中露の情報機関は、CIAが外国にいる情報提供者や工作員と通信する方法を合同で解明。元米当局者がNBCテレビに語ったところでは、通信方法は「驚くほど原始的」で「簡単に解明できる」とされ、実際にロシアでも複数のCIAへの情報提供者が行方不明になっているとされ、中国と同様に米スパイ網が致命的打撃を受ける恐れがある。

 米政策研究機関ハドソン研究所の中国専門家、マイケル・ピルズベリー氏は米紙ワシントン・タイムズに「米国は中国による米国の政府情報や経済情報のスパイ行為に対して十分な防諜対策のための(人的・物的)資源を投じていない」と危機感を表明した。』

CIAの中国スパイ網が崩壊、情報提供者が次々に消える 元CIA職員に疑惑(Jan 29 2018)
https://newsphere.jp/world-report/20180129-3/2/

『違法に機密情報を所持した理由で、元CIA職員のアメリカ人男性が逮捕された。実は近年、中国にいるCIAの情報提供者が次々と中国政府に特定され、処刑または収監される事態となっており、CIAはこの男性が関与したと見ている。アメリカのスパイ・ネットワーク崩壊に絡む大事件だけに、真相解明に注目が集まっている。

◆容疑者は香港在住。中国側と頻繁に接触か?
 中国のスパイと疑われているのは、中国系アメリカ人のジェリー・チュン・シン・リーで、この疑惑を最初に報道したのは、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)だ。その後各紙が後追いで報じており、ウェブメディア『AXIOS』は事件の流れをまとめている。それによると、リーは1994年にCIA入りし、外国人スパイのリクルートを担当していた。しかし2007年に自身のキャリアが頭打ちとなったことを不満に思い、離職したという。

 CIAは2010年の終わりに、中国での情報提供者が次々といなくなっていることに気づく。2010年から2012年の間に、18~20人が処刑、または収監されていた。FBIとCIAは、なぜ情報源が中国側に漏れたのかを知るために捜査を開始し、2012年にアメリカに家族旅行で訪れていたリーのホテルの部屋を捜索する。ここでFBI捜査員は、中国の情報提供者とCIA職員の実名や連絡先、諜報活動のメモ、ミーティングの場所などが書かれた手書きのノートを発見した。しかしFBIは逮捕せず、2013年にリーは香港に戻った。ところが今年1月15日にリーは再び香港から帰国。ケネディ国際空港でFBIに逮捕され、翌日国家の防衛情報を不法に所持した疑いで起訴された。

 リーは香港でセキュリティ関係の仕事をしていたという。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)によれば、CIA退職後、2007年に日本たばこ産業の子会社、JTインターナショナルに勤務し、タバコの密輸と偽造の捜査を担当していた。

 当時の同僚は、リーが捜査チームに加わってから、捜査で入手した偽造品が中国当局に差し押さえられ、捜査員が中国側で逮捕されるなどの問題が起きるようになったとSCMPに語っている。会社側は、リーが詳細を中国当局にリークしているのではないかと疑ったが立証できず、2009年にリーとの契約を打ち切ることで関係を絶っている。』

『◆決定的証拠はなし。CIAが取った策とは
 メディアの報道から、リーが中国に寝返ったスパイだという印象は深まるばかりだ。しかし、この事件を追ってきたNYTのアダム・ゴールドマン記者は、米公共放送PBSのインタビューに対し、リーがスパイだという証拠はないと述べる。

 ゴールドマン記者によれば、2012年にリーがアメリカに戻ってきたのは、彼を疑っていたCIAの策略だった。CIAはリーに秘密の仕事を持ちかけ、家族とともにアメリカにおびき寄せ、5回の面接を行った。しかしこの時リーに対しては、ノートを発見したことや、彼が中国のスパイだと疑われていることについては一切伝えなかったという(PBS)。

 その後CIAはリーを逮捕せず自由にさせるというギャンブルに出た。彼が知っていること、また彼と他の人々との関係について、より多くの情報を集めるためだったという。また、この時点で彼を起訴すれば、情報提供者が消されていることにFBIが気づいたことを、中国側に密告される恐れもあったと、ゴールドマン記者は説明している(PBS)。

◆突然の逮捕。謎は深まるばかり
 結局リーを泳がせて5年以上が経過したが、AXIOSは、2012年以来リーのスパイ容疑には進展は見られないとし、なぜ今逮捕されたのかは謎だとしている。また、スパイ容疑ではなく、それよりずっと軽い機密情報の違法所持で起訴されていることにも言及し、捜査当局がどの程度スパイだという確信を持っているのかは分からないとも述べている。

 事件は謎に包まれたままだが、中国国内の情報提供者を失ったことは、アメリカにとって一大事だとゴールドマン記者は指摘する。事件前までは順調だった諜報活動は、情報筋によると今ではほぼブラックアウト状態ということで、現代CIAの歴史における、諜報活動上の最悪の失敗だと同記者は述べている(SCMP)。』

米国スパイ網を一網打尽にした中国の防諜大作戦

米国スパイ網を一網打尽にした中国の防諜大作戦(2017年5月24日)
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/218009/052200102/?P=1 

『中国で活動していた米国CIA(中央情報局)のスパイ網が中国当局によって一網打尽にされていたようだ。CIAといえば南米や中東で世界の戦争の火種をつくりつつ米国の一極支配を支えてきた世界最強のインテリジェンス機関だと思っていたが、最近は中国にてこずっているらしい。米中スパイ大作戦の現状と行方について、情報を整理してみよう。

CIAのスパイ、少なくとも12人を殺害
 ニューヨークタイムズなどが最近報じたところによると、中国で2010年から2012年の間に殺害されたり拘束されたりしているCIAのスパイは18人から20人に上り、大規模なスパイ網はすでにつぶされているらしい。CIA内部に二重スパイがいたらしく、ここから中国側に情報がもれたらしい。

 報道によれば殺害されたCIA要員は少なくとも12人。米国が長年かけて構築していた情報ネットワークであった。うち一人は、中国政府の建物敷地内で銃殺されたという。彼は、情報源と接触しようとしたところだった。中国側は、CIAと情報源が情報のやり取りによく使うレストランに服務員に成りすまして入り込み、盗聴器をつけていたという。

 中国側のスパイ網破壊活動(防諜活動)は2010年から活発化していた。当時の“CIAスパイ”たちは中国の官僚たちから高価な贈り物や金品の代わりに情報を聞き出していた。その中の情報源には、北京政府の腐敗に不満な中国人たちが含まれていたという。だが2011年初めに、この筋の情報が途絶えた。

 FBIとCIAはこの件について連携して捜査を開始。バージニア州北部に秘密の捜査拠点を置いての、コードネーム“ハニー・バジャー”という作戦である。そこで2011年から2012年までの間に、CIA内で働いていた“華人スパイ”が、中国側に寝返った可能性をつかんだ。その“二重スパイ”は、密告者となり、スパイ活動や機密資料を中国側に流していたという。』
『このハニー・バジャー作戦によって、二重スパイ容疑の人物を洗い出し拘束したものの、最終的には決定的な証拠がつかめず、その人物はすでに釈放されているという。彼はCIAを辞職後、家族とともにアジア某国に移り住んでビジネスを行っている。CIAサイドは中国インテリジェンス機関がそうした新しい身分と職をアレンジしたのであろうと疑っている。

 2013年までに米インテリジェンス機関は、中国にスパイを派遣するのを抑制し、CIAは現地の中国人によるスパイ網を再構築しようと努力しているところらしい。

 話は少しずれるが、この報道とほぼ時を同じくして、米国華僑エリート組織“百人会”は20日に記者会見を行い、米司法当局が最近、スパイ容疑で無辜の中国系米国人の取り調べを行っていることに関し、「米司法当局のこうした取り調べは、人種的偏見の影響がある」と抗議の報告書を出した。

米国は中国系スパイ摘発に注力するが…
 ボイスオブアメリカ(VOA)によると、1996年から2015年の間に、米国で、経済スパイ容疑で起訴された案件は136件、容疑者は187人に及んだ。しかし、こうした取り調べは、人種的偏見に満ちており、フェアでないという。たとえば、経済スパイ容疑で起訴された中国系米国人の比率は1996年から2008年の間に三倍に増え全体の52%、アジア系米国人になるとそれが62%となっている。しかも、上述した136件の起訴案件中、48%の案件の受益者は米国側で、34%の受益者は中国の機関という。その他受益機関は、南アフリカ、インド、イラン、チェコなどが挙がっている。報告書は、一つもロシア機関が受益者として報告されていないことに不自然なものを感じているようだ。

 さらに22%の拘束されたスパイ容疑者のアジア系米国人は最終的に有罪判決にはならなかった。つまり5分の1は冤罪で身柄を拘束されたのだという。報告書によれば、他の米国人とくらべると冤罪で拘束されたアジア系容疑者は2倍にのぼるという。

 さらに、有罪判決になったアジア系容疑者の刑期は同様の事件のその他米国人容疑者の二倍であるという。

 こうしたことから、“百人会”のアジア系弁護士は、「2008年から2009年にかけて、中国からのスパイに対する懸念が現れ、司法当局はおそらく集中して中国関連の事件を調べているのだろう」と分析。さらに、「もしそうならば、これは不安なことである。中国人名を持つだけで、司法当局から特別の取り調べ対象になるし、アジア系米国人のスパイ活動に対する懸念は、おそらくその他類似の活動をしている米国人に対する取り調べに影響するだろう」としている。』
『ちょうど今年は1882年の中国人排斥法(1943年廃止)から135年目であり、百人会の報告は、華人差別に抗議する目的で行われているのだが、ニューヨークタイムズの報道と合わせて読むと、米中双方の“スパイ”狩りの手法の差がうかがえる。問答無用で闇に葬る中国のやり方の方が、この場合、威力が大きく、報道のニュアンスでは、中国に軍配が挙がっているようだ。

なぜスパイ合戦が表面化?
 なぜ、今、このような米中スパイ合戦が表ざたになってきているのか。スパイというのはもっと隠密裏に動くものではなかっただろうか。

 一つには、CIA自体がかつて持っていた統制力、機能が失われてきているのかもしれない。そもそもエドワード・スノーデンのような、米国インテリジェンス機関の内部を暴露するような米国人が登場すること自体、健全ともいえるし、米国情報機関のレームダック化を示しているともいえる。

 今話題のランサムウェアも、もともとはCIAが開発したマルウェア兵器がウィキリークスによって暴露され、それが外部組織によってモディファイされたものであるそうだ。共産圏で秘密工作の数々を成功させてきた往年のCIAの栄光を考えると、最近のCIAは失態続きだ。

 中国のネットニュース“政知道”によれば、さらに2015年にCIAが北京から完全撤退するかどうかの決め手になった事件が起きた。当時、米国人事管理当局のデータベースが中国人ハッカーによって攻撃され、これによって米国国務院および中国の米国大使館職員の中で、誰がCIAのスパイであるかを特定されたのだ。

 こういう失態が起きる前提として、CIAの中で、対中国工作員として、中国語のわかる華人が集中的に募集され、優遇されていることも指摘されている。ウィキリークスも指摘していたが、CIAの対中国工作の最大の悩みは、言語であった。特に最近の情報工作はサイバー空間におけるものが多いが、そうした専門用語の中国語世界が、中国任務に就くCIA職員のやる気を奪っているとか。

 そこで、CIAは急きょ、中国語人材を集めるために、華人職員を優遇して募集するようになった。たとえば、2003年、CIAが旧正月にあわせてロサンゼルス、サンフランシスコなどの大都市で、アジア系華人系の“前線”工作員募集の大々的な広告を打ったことがあった。このときに提示された年俸は4万ドルから9万ドルで、当時CIAは中国関連の情報収集・分析工作の強化に数千万ドルの予算を投入するということだった。さらに2010年に、CIAは中国語で華人職員の募集広告を打ち、このときは能力に応じて、3.5万ドルから12万ドルの年俸が提示されていた。だが、こうした大々的な華人職員募集が、二重スパイを入り込ませるスキになったともみられている。』
『言葉がわからないから華人を雇って、二重スパイに寝返られるとか、ばかばかしい話だが、そのばかばかしい失態で、少なくともCIA要員12人が秘密裡に殺害されているのだから、恐ろしい話である。ニューヨークタイムズは、殺害、あるいは拘束されたCIA関係者たちはおそらく”冤罪“であろう、という当局者のコメントを引用している。CIAと言えど、すべての関係者がものすごい秘密工作を行っているのではなく、ほとんどが公開情報の分析であり、ときに官僚や政治家と食事などを通じて“情報交換”を行うが、そのほとんどの情報がさして、ものすごい機密性のあるものではなかったりする。殺されるほどのことはあるまい、と私も思う。

反スパイ法でKCIAも摘発
 だがこの理不尽さこそ中国の強みかもしれない。中国はご存じのように、反スパイ法を2014年から施行した。おそらくはCIAのスパイ網摘発後、中国国内に構築された米国のスパイ網に対する危機感をさらに強めたからだろう。私が仄聞したところでは、この当時、韓国中央情報局(KCIA)のスパイ網も摘発されたという。解放軍の歌姫・湯燦が秘密裡に逮捕され国家機密漏洩で有罪判決を受けたのもこのころで、米国の情報機関とつながっていたとか、知らずにKCIAのスパイと同棲していたといった噂が流れていた。

 反スパイ法は、なかなか恐ろしい法律で、これにより社会全体がスパイ狩りに動員され、諜報機関に所属せずとも、その代理人に接触してさして機密性があるわけでもない情報を提供するだけで、スパイ容疑に当たりうることになった。さらに直轄市や省レベルの行政単位で、密告奨励法が次々と施行され、2017年4月に北京市で施行されたスパイ密告奨励法によれば、密告者に対し最高50万元の奨励金が支払われるという。隣人親兄弟が反革命罪を密告しあった文化大革命時代とそう変わらない密告社会の再現は、文革時代のように冤罪者も多く生むであろうとみられている。実際、少なくない学者や知識人、ジャーナリストが冤罪と思われながらも、国家機密漏洩有罪の憂き目にあっている。

 最終的な証拠がなく、CIA内の二重スパイ容疑者の身柄を確保しながらも、むざむざ逃がしてしまう米国。華人をスパイ容疑者として逮捕すれば、“人種差別”と民間団体が批判の声を上げる米国。これに対し、問答無用でスパイ容疑者を殺害してしまうだけでなく、冤罪を恐れることなく密告によって容疑者を逮捕、起訴してしまう中国。本気でスパイ合戦をしたら、どちらが有利かいわずもがなだ。』
『環球時報は、このニューヨークタイムズの報道を受けて勝ち誇ったようにこんな社説を掲載した。

 「ニューヨークタイムズは、米国のスパイがおそらくは非常に無辜であり、中国国家安全当局が明らかに“人情に違う”と批判している。匿名の米国当局者は中国の近年のインテリジェンス分野におけるあり方を“過激すぎる”と非難している。…この報道が事実とすれば、我々はむしろ中国の防諜システムが出色であると称賛する。CIAのスパイ網を破壊しただけでなく、ワシントンに“一体何が起きたのか?”と戸惑わせるなど、防諜工作として最高のレベルではないか」

中国に対抗し得る防諜のあり方とは
 日本も中国の“防諜”の恐ろしさを他人事ではなく、きちんと肝に銘じておくことだ。今年になって地質調査会社社員ら20歳~70歳の日本人6人が新たにスパイ容疑で拘束され、これでスパイ容疑で拘束されたり起訴されている日本人は11人以上にのぼる。彼らが本物のスパイかどうかなど、実際のところ、中国にしてみればどうでもよい。スパイという名目で11人もの日本人が拘束、拘留されている、という事実だけで、十分な対日世論工作と防諜効果があるのである。こういう国と、防諜・諜報合戦を行っていかねば自国の安全保障も心もとないとなると、確かに特定秘密保護法や共謀罪の是非で世論が揺らぐのも致し方ないという気もしてきた。過剰な法律で統制する中国のような恐ろしい国にはなりたくない。では、日本の“防諜”はどうあるべきなのか。それを一緒に、法整備の問題を考えないことには、本当の答えは導けない。』

香港「国家安全法」の衝撃、習近平が暴挙に出た理由

香港「国家安全法」の衝撃、習近平が暴挙に出た理由
香港の一国二制度が終わる日(2020.5.28(木))
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60714

『中国の全人代(全国人民代表大会)の最終日の5月28日、いよいよ「香港特別行政区における国家安全保護に関する法律制度」、通称「香港版国家安全法」「香港国安法」が可決される。

 5月24日に香港ではこれに対し激しい抵抗運動が起きた。香港警察は催涙弾など武力で抑えこみ、200人以上が逮捕される事態となった。28日の可決日を控えて、27日の香港は繁華街のあちこちに警官隊が配備され、まるで戦時下のような物々しい空気が流れている。このコラムが公開されているころ、香港は一体どうなっているのか。胸が押しつぶされそうな気分でいる。

中国の悲願だった香港での国家安全条例成立
 香港国安法の全容がわかるのは、5月28日に可決されたあとだ。全人代開幕の3日前に急遽、全人代で草案が審議、可決されるという抜き打ちのようなアナウンスがあった。いったい何を根拠にそんな法律ができるのか、キツネにつままれたようだった。

 香港には基本法と呼ばれる香港の憲法に相当する法律がある。英国統治下から中国に返還されたときにつくられた法律で、香港の「一国二制度」を担保するものだ。

 この基本法には中国の民主化を将来的に期待する英国と、香港の中国化を望む中国の思惑を反映した内容がともに含まれている。

 英国側は、付属文書に「いずれ特別行政長官選挙(間接選挙)を普通選挙に移行できる」という条項を盛り込み、香港に民主主義を根付かせようとした。そうすれば香港から中国に民主主義が広がるかもしれない。

 中国側は基本法23条で、香港政府が、国家反逆、国家分裂、動乱煽動、中央政府転覆、国家機密窃取の行為を禁止し、外国の政治組織や団体が香港で政治活動をすることを禁止し、香港の政治組織・期間が外国の政治組織や国体と関係をもつことを禁止する法律を自ら制定すべし、という「国家安全条例」制定条項を規定した。国家安全条例は、香港を拠点に中国の民主化を企む勢力を一網打尽にできるという法律だ。

 この国家安全条例を香港で成立させる(香港政府に制定させる)ことは中国共産党の悲願の1つであった。この法律がないと、いつか香港から民主化の波が押し寄せてくる、という不安は解消できない。実際、香港では西側の“工作員”が活動し、中国本土から邪教として迫害され追い出された“法輪功学習者”や、文化大革命、天安門事件で迫害されてきた人々も逃げ込み、定着している。彼らが民主主義や自由の価値観と中国共産党の悪辣さを香港市民に“布教”し、その影響力が広東地方へ波及し、中国共産党の政権の安定を揺るがすかもしれない──というのが香港返還後、ずっと中共政権の不安の種だった。』
『英国との約束の一国二制度50年維持の縛りから、中国が勝手に香港のこうした反中分子を取り締まることは本来許されない。だが、香港自らが望んで、彼らを取り締まる法律をつくれば問題ない。基本法23条に基づいた国家安全条例ならば、直接・間接選挙で選ばれた市民の代表である香港立法会を通じて制定された法律である。つまり香港市民の総意であり、一国二制度を維持したまま、香港の反中分子を合法的に取り締まることができる。

国家安全条例に代わる法律を強引に制定
 2003年、胡錦涛政権はこの23条に基づく国家安全条例を成立させようと、当時の董建華香港政府に強く働きかけたことがあった。だが、この年の7月1日、香港市民は香港返還後最大規模の50万人以上の反対デモを起こし、香港の安定を損なうことを恐れた胡錦涛は、このときの国家安全条例案を棚上げにした。胡錦涛政権はその代わり経済緊密化協定(CEPA)によって静かに香港を経済面から取り込む戦略をとった。

 だが習近平政権になって、胡錦涛政権の静かなる香港取り込み路線は大きく変更され、あからさまな香港中国化路線がとられた。

 2018年暮れには23条に基づく国家安全条例を香港に制定するように強く求めたという。だが、林鄭月娥行政長官は国家安全条例制定より先に、まず逃亡犯条例改正を試みようとした。その方がたやすいと見たからだ。結果的に、逃亡犯条例改正に反対する香港“反送中”デモが起き、空前の反中運動に発展した(その背景と経緯は拙著新刊『新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない』に詳しく記してあるので参照してほしい)。

 香港政府に国家安全条例を制定する能力がないとみた習近平政権は、同様の法律、つまり香港国安法を、香港立法会を無視して成立させることにした。本来、一国二制度下でありえないことだ。建前もくそもなく、一国二制度を堂々と無視したわけだ。

習近平はなぜ暴挙に出たのか
 なぜ、いきなり、こんな暴挙に出たのだろう。私の個人的な見立てとして、背景を3つあげたい。

(1)香港デモの決着をつけたい習近平

 1つは昨年の香港デモの決着をこれでつけよう、と習近平が最後の賭けに出た。

 習近平の昨年の香港デモ対応はすべて失敗であり、デモがあれほど過激化したにもかかわらず、国際社会は中国の言う「暴徒」の味方についた。2019年11月の区議選挙では民主派が大勝利した。この責任を香港の中央政府出先機関・駐香港連絡弁公室(中聯弁)主任の王志民にとらせたが、党中央内では「習近平の失敗」との批判も少なくない。このリベンジをしなければ、習近平は党中央内で権勢を保てない。

 今年(2020年)秋には香港で立法会選挙がある。万が一にも立法会選挙で民主派議員が過半数とるようなことがあってはならない。新型コロナ感染拡大予防で、香港ではデモが規制され、外国人の渡航制限も継続されている今こそ、力ずくでデモ参加者を一網打尽にできるときだと判断した。そのために必要な国安法の成立を急いだ。この立法に反対する香港市民がデモを起こしても、デモ参加者を「国家に反逆する犯罪者」として逮捕できる法的根拠がすでにできているのだ。』
『解放軍関係者がこの法律について支持表明を出しているのが不気味だ。香港駐留部隊指令の陳道祥は「国家統一を破壊するたくらみ、国家分裂の行動を抑制し懲罰し、各種分裂勢力、外国干渉勢力を震えあがらせ、我らが国家主権と領土の完全性を守る堅い意志を知らしめることができる」と国安法制定支持を表明し、「香港の国家主権と安定を守る自信と覚悟がある」とコメントした。全人代では、解放軍、武装警察の全人代代表から「解放軍はいかなる国家統一の破壊、分裂行為も粉砕できる能力と自信がある。国家主権を維持し、領土の完全性を守る能力と自信がある」といった発言が相次いだ。解放軍が“香港暴動”鎮圧に乗り出す可能性もゼロとは言い難い。

(2)国際世論の「新型コロナ」責任追及をかわしたい

 2つ目は、新型コロナ肺炎のパンデミックにより中国責任論が国際社会で大きく盛り上がってしまったことだ。米国やオーストラリアだけでなく、インド、トルコ、ポーランド、アルゼンチンなどでも、中国に損害賠償を求めて国際法廷に訴える動きが高まっている。この国際社会からの中国責任論、賠償問題は中国共産党中央にとって、目下一番対応に苦慮しているテーマだ。

 習近平は、トランプならやる、と思っている。逆にそれをやらなければトランプは大統領選挙で勝てない。中国には、こうした国際裁判で争えるような経験豊かな弁護士はいないので、提訴されれば無視するのだが、そうなると欠席裁判で必ず負ける。負ければ、米国における中国共産党資産が差し押さえられる。具体的にいえば中国が購入している米国債の債権だ。次に、国有企業資産か。

 習近平はこうした国際世論の責任追及をかわすために、国際社会の関心を新型コロナの賠償問題から他に移す必要があった。

 それが香港である。香港で国安法を制定しようとすれば、香港デモの若者たちは怒り荒れ狂う。それを「動乱発生」「暴動発生」として、解放軍、武装警察動かし、武力鎮圧を行う。国際金融都市でそれをやれば、国際社会は大慌てだろう。それこそコロナ賠償どころではない。それをやらない代わりに、賠償責任追求をあきらめろ、と米国に交渉を持ちかけることもできよう。

(3)貿易交渉で米国に配慮する必要がなくなった

 3つ目は、新型コロナ肺炎のパンデミックによって米中関係が急激に悪化したことから、米中貿易交渉で米国からより大きな妥協を引き出すために米国に配慮する必要がなくなった。

 米国はすでに香港人権民主法案を施行しており、香港の一国二制度を破壊する中国の動きに目を光らせている。中国は、米国とうまくやっていくために香港の一国二制度を維持する必要性を感じなくなったのだ。一国二制度が崩れれば香港の国際金融都市としての価値は失われる。しかし習近平にとっては、党内の責任追及をそらすことの方が優先されたのだ。

習近平は追い詰められているのか?
 だが、冷静に考えて、香港を犠牲にして、習近平が国内外の責任追及を逃れようとするのは、中国で言うところの「臭棋」、囲碁の悪手もいいところだ。自分の目を全部自分でつぶしているような感じだ。自由都市・香港の経済的価値を全く計算できていない。

 香港国安法など成立させなくても、林鄭月娥長官を通じて、立法会選挙の民主派候補の出馬資格に難癖をつけて剥奪などすれば、選挙結果をコントロールすることくらいできるだろう。すでに中国共産党は気に入らない人物を秘密逮捕し北京に連行して裁判にかけるようなこともやっている。中国は法治国家ではないのだから、本当は無理して法律など作る必要はないはずである。』
『一部国際社会の中には、いち早く今回のパンデミックを抜け出した中国をポジティブに評価する声もある。米フォーリン・ポリシー誌は「コロナ禍は習近平の窮地を救った」とまで書いた。だが、香港でこんな臭棋を打てば、そのアドバンテージは消し飛ぶどころか再び窮地に陥る。そんな判断もできないほど、習近平は追い詰められているのか。

米中対決が危険水域に近づくリスク
 この香港国安法が日本ではあまり危機感をもって受け取られていないのは残念だ。日本には「中国に制裁をほのめかして、この立法を阻止しなければならない」と主張するような政治家はいないのか。これは米中新冷戦が熱戦(直接的な武力行使)の入り口に近づくくらいのリスクがあると私は思う。

 中国に帰属する自由都市・香港は、長らく西側の自由主義社会と中華式全体主義社会をつなぐ回廊の役割を果たしていた。多くの金と人が香港を通じて行き来している。その香港をつぶすということは、中国は西側社会との決別を決心したということではないか。米国はじめ西側諸国の出方はまだ不明だが、本当に香港に対するビザや関税の優遇が取り消され、中国への経済制裁が行われることになれば、次に起こりうるのは冷戦ではなく熱戦だ。

 中国党内には、最近、トランプが中国に戦争を仕掛けてくる、という危機論が出ている。日本に真珠湾攻撃をさせたように、巧妙な情報戦で中国を追い詰め、戦争を仕掛けさせるつもりだ、といった意見を言う人もいる。台湾への米国の急接近もその文脈で説明する人がいる。だから挑発に乗らないようにしよう、という話にはならなくて、それなら米国から手を出させてやる、と言わんばかりの「戦狼外交」(挑発的、恫喝的、攻撃的な敵対外交を指す)で対抗するのが今の習近平政権なのだ。

 こういう局面で、今や世界は一寸先は霧の中だ。

 香港国安法が制定されば香港はどうなるか。「香港暴動」が仕立て上げられて、軍出動となるかもしれないし、そうならないかもしれない。だが、中国唯一の国際金融市場が消滅する運命になるのは、ほぼ間違いなかろう。多くの香港知識人や社会運動家やメディア人や宗教家が政治犯として逮捕の危機にさらされ、政治難民が大量に出るだろう。

 台湾蔡英文政権は、それを見越して、政治難民の受け入れも想定した「可能な人道的援助」に言及している。今年1月に再選を果たしてから、新型コロナ感染対応を経て、蔡英文は見違えるほど頼もしくなった。言うべきときに言うべきメッセージを国際社会に発している。

 私のひそやかな願いとして、もし国際金融都市で自由都市である香港が消滅するのであれば、台湾が香港を吸収する形で香港の役割を肩代わりできるようにはならないだろうか。米国や英国、日本、EU、オーストラリアあたりが本気で協力すれば、台湾を正式メンバーとして組み入れた国際社会の枠組みを再構築することも可能だと思うのだが、どうだろう。そういう希望の光を、この深く暗い霧の中で見出したいものだ。』

戦時のステルス北戴河会議、習近平氏が演出する緊張

戦時のステルス北戴河会議、習近平氏が演出する緊張
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62749270Y0A810C2I10000/ 

『「今年の夏は普通ではない。本当に全く見えない『ステルス(北戴河)会議』だ」「政治的には戦時のような緊張感が醸し出された異例の『夏休み』になった」。中国の識者らの感想である。

この夏、主要な最高指導部メンバーの動静不明期間が異様に長く、しかも河北省の海辺にある保養地、北戴河に集まっていた証拠も一切、出ていない。国家主席、習近平(シー・ジンピン、67)は半月以上も雲隠れ。異例ずくめの8月の中国政局である。

最近は8月上旬、習の委託を受けた共産党中央組織部長が北戴河で休暇を過ごす各界の専門家らを招き、慰労する儀式が必ずあった。この公式報道で現役指導部と長老らが重要事項を巡り意見交換する「北戴河会議」の開催が確認される。今年はこれさえすっ飛ばされた。

そればかりではない。異例なのは「ポスト習近平」に関わる次世代最高指導部メンバー候補らの動きである。

■持ち場を守る次世代ホープら

2019年4月、中国重慶市を視察する習近平国家主席(右端)。左から胡春華副首相、重慶市トップの陳敏爾党委員会書記=新華社・共同
8月3日、長く次世代のホープとされてきた政治局委員で副首相の胡春華(フー・チュンホア、57)は、関係が悪化しているインドに接するチベット自治区に姿を現した。「国家貧困脱出調査指導小組」のトップを意味する小組長の身分での視察だった。貧困脱出は習政権が掲げる最重要課題の一つである。

胡春華が基盤とするのは幹部への登竜門である青年組織、共産主義青年団(共青団)だ。革命時代の高級幹部の子弟である習近平は、共青団を「貴族化」「娯楽化」といった厳しい言葉まで使って批判してきた経緯があり、胡春華とは政治的に距離がある。

一方、習自ら抜てきした子飼いが重慶トップの陳敏爾(59)、上海トップの李強(61)ら。2人は習が浙江省トップだった時代の部下で、いわゆる「浙江閥」のホープだ。

李強は7日、地元上海で庶民が外でとる朝食の事情を視察。不思議なのは、そのころ上海を訪れていた米大統領、トランプの側近である駐中国米大使、ブランスタッドに会ったという報道がなかったことだ。米大使には上海ナンバーツーである新任の市長が応対し、会談した。

「北戴河会議」の場から遠くない海辺(2014年夏、河北省北戴河で)
戦時である以上、計25人の政治局委員という要職に座る上海トップが「敵」と会談し、ステルス会議の内情を探らせるわけにはいかない。そういう意味なのか。確かにブランスタッドは米国の穀倉地帯、アイオワ州の知事を長く務めた米政界の重鎮で、来る米大統領選の票にも絡む中国の食糧購入に注目している。

重慶市トップの陳敏爾は10、11両日と14日、重慶内で中心部からかなり離れた場所を視察した。地元での報道である。

世界が今後の人事を見守る胡春華、陳敏爾、李強らが8月前半の北戴河会議の最中とされる時期に、持ち場を守り、担当の職務を粛々とこなしている。北戴河に滞在していたという証拠はない。

上海トップの李強氏も浙江省出身(2019年3月)
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上海トップの李強氏も浙江省出身(2019年3月)

最高指導部メンバー7人では、全国人民代表大会(全人代)常務委員長の栗戦書(リー・ジャンシュー、69)が8~11日に北京で開いた全人代常務委員会に出たニュースが流れた程度。他の6人の報道は一切なかった。

最高指導部メンバーの報道が復活したのは17日。首相の李克強(リー・クォーチャン、65)が国務院常務会議で経済政策を語り、王滬寧(ワン・フーニン、64)が共青団系の全国青年連合会の大会に出席した。この大会で習近平の祝辞は代読されたが、自身は出席していない。習が久々に姿を現したのは18日午後、安徽省の水害関連の視察からだった。

■通用しにくいトップダウン

中国が直面するのはトランプ米政権との厳しい対立だ。華為技術(ファーウェイ)制裁強化に象徴されるサプライチェーン(供給網)の分断。香港国家安全維持法が引き起こした自由主義諸国との亀裂。中国が主張する「一つの中国」さえ危うくなりかねない台湾を巡る確執。さらに南シナ海での対峙もある。

このほか新型コロナウイルス禍で傷んだ地方経済の立て直しや失業対策も重要だ。一部の地域では深刻な洪水被害も出ている。

確かに今を広い意味の戦時と捉えれば、各責任者が一斉に持ち場を離れてリゾート地の北戴河に集まり、鳩首(きゅうしゅ)会談をしていては危うい。常に臨戦態勢、常在戦場の意識を維持する必要がある。

この雰囲気は習近平サイドに好都合でもある。厳しい国内政局を有利に導くうえで、対外的な緊張感は時に助けになる。共産党の伝統は、何があっても対外的には一枚岩を装うことだ。現在の政治に意見したい元国家主席の江沢民(ジアン・ズォーミン)、胡錦濤(フー・ジンタオ)ら長老もひとまず激励するしかない。権力集中にいそしんできた習が「北戴河」を名目化、形式化する好機にもなる。

江沢民・元国家主席(中国中央テレビが2019年7月29日に放映した李鵬元首相の告別式から)
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江沢民・元国家主席(中国中央テレビが2019年7月29日に放映した李鵬元首相の告別式から)

16日付の共産党理論誌「求是」は習の演説を掲載した。国有企業を中心に据えた経済運営を主張し、西側資本主義への批判が含まれている。現状を考えるに示唆的だ。ただし、これは5年前の習演説なのだ。5年前の2015年といえば、いわゆる「習近平思想」が共産党規約に盛り込まれた17年の共産党大会の2年前。現在は22年の党大会の2年前であり共通性がある。

半面、5年を経て政治情勢は激変した。5年前、習は「反腐敗」という政治運動を武器に攻め続けていた。それも奏功し、「習思想」を土台に国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正にまで突き進んだ。共産党の歴史を振り返っても驚くべき成功だ。

習はまだ満足せず、さらなる高みを目指している。前回の「習思想」と同様、今後の議論の焦点は何か。北戴河の季節の直前、布石は打った。10月の共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)では2035年までの超長期計画もテーマとする。22年党大会で超長期政権を固める狙いがある。

本来、習は全てをトップダウン方式で決めたい。それならば信用できる側近らだけとの密談で済む。得意とする「反腐敗」運動もこの手法だった。誰が捕まるのかは直前まで分からないのだ。

さすがに今夏はこれが通用しない。野心的な長期展望が見え隠れすれば、習と距離を置く勢力、長老らとのあつれきは強まる。そこで編み出されたのが、非常時を名目上の理由にした北戴河会議のステルス化である。実態は一段と見えにくく、極論すれば北京で密会が開かれていてもおかしくない。

■「ロングラン北戴河」で米中協議も延期か

軍事パレードを前に談笑する習近平国家主席(左)と江沢民元国家主席。右は胡錦濤前国家主席(2015年9月3日、北京)=写真 柏原敬樹
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一方、高級幹部らがあくまで「純粋な休暇」として静々と北戴河で過ごすのは構わないとした。しかし、そこで何ら公式の行事はなく、表向き、重要な意思決定がある会議も存在しない。こんな虚構の論理によって可視化を極度に嫌うステルス会議が成立した。

とはいえ疑問は残る。ステルス会議なのに異例のロングランになったのはなぜなのか。議論の対象となる物事の多さと重大性、そして裏での激しい駆け引きゆえだろう。直截(ちょくせつ)的ではないにしろ、今後15年の中国の行方がちらつく意見交換だけに、簡単に終わるはずもない。

影響は対米関係にも及んだ。米中両政府が15日に予定していた閣僚級の貿易協議(テレビ会議方式)がひとまず延期された。例年なら北戴河会議は12、13日ごろには終わる。米国時間で15日という設定には「北戴河の終了後、落ち着いた雰囲気で」という意味もあった。

米中の「第1段階合意」から半年以上がたつ。中国による約束履行の確認作業は今後の米中関係を見るうえで重要だ。そこには動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」問題など新たな対立軸も絡む。もし大方針が決まったとすれば、近く新たな動きがあるはずだ。戦時の「ステルス北戴河」という習近平の演出は奏功したのか。注目したい。(敬称略)』

中国「共産党内で不満拡大」

中国「共産党内で不満拡大」
習氏批判の元党学校教授が英紙に
https://www.47news.jp/world/5153239.html

『【ロンドン共同】中国共産党の幹部教育機関、中央党学校の元教授で党籍剥奪処分を受けた蔡霞氏が18日までに英紙ガーディアンの取材に応じ、習近平国家主席への不満が党内で広がっているものの、政治的な報復を恐れて声を上げられない状況だと訴えた。

 蔡氏は習氏を激しく批判した言動がインターネットで伝えられ、中央党学校が17日「国家の名誉を損なう言論」をしたとし党籍剥奪処分を決めたと発表した。

 蔡氏は1992年から同校教授として勤務。香港メディアによると、既に米国に移住しているという。同紙の取材に、党内で議論が全くできないため数年前から離党を検討してきたと明らかにした。』

ギリシャに流れる中国マネー 不動産やインフラ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62766980Y0A810C2910M00/

『【アテネ=ヤニス・セフェリアディス】ギリシャに中国マネーが流れ込んでいる。外国から投資を呼び込みたいギリシャと、インフラ整備などを通じて存在感を高めたい中国の思惑が一致した。古代文明が隆盛しシルクロードでつながっていた両国が、経済的、地政学的に関係を深めている。

2018年、中国人男性チャオ・チェン氏は妻と7歳の息子とともに中国からギリシャへと移り住んだ。中国の高い教育費と大気汚染を懸念したためだ。25万ユーロ(約3100万円)で郊外にある新築の家を購入した。「息子を私立校に通わせ、毎朝木々に囲まれた環境で目覚められるようになった」と満足げだ。

チェン氏はギリシャで「ゴールデン・ビザ」と呼ばれる居住許可を取得した。ギリシャの不動産へ25万ユーロ以上の投資をすれば取得できる。欧州で域内の移動の自由を定めたシェンゲン協定国26カ国へのフリーパスでもある。5年ごとに更新する必要があるが、親と21歳までの子供が不動産の購入者に帯同できる。

同制度は債務問題で苦しんでいたギリシャが海外から資金を呼び込むために13年に実施した。ヨルギアディス開発投資相は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)でも制度をより容易なものにしていきたい」と話す。実施から6年で7800以上のビザを出し26億ユーロが集まったが、投資をした7割以上を中国人が占めている。

中国人と中国マネーが集まったのは、中国共産党系メディアが中国とギリシャとの良好な関係を報道したことにある。習近平(シー・ジンピン)国家主席はギリシャと中国の文化が似ていることを強調し、ミツォタキス首相も「他の国が避けるなか、中国はギリシャに投資してくれた」と発言した。

中国が広域経済圏構想「一帯一路」を進めるなか、不動産だけでなくインフラ分野にも中国マネーは広がる。中国の国有海運大手、中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)はギリシャのピレウス港へ投資し運営も手掛けている。中国国有の国家電網は17年にギリシャの送電会社の株式24%を取得した。

中国からの投資への依存が増え、ギリシャが中国に傾倒するような行動も垣間見える。ギリシャは17年に中国の人権問題を批判する欧州連合(EU)の声明に反対した。EUが香港国家安全維持法への対抗措置を議論するなか、ギリシャは強硬な手段を講じることに反対している。

EU各国や米国はギリシャにとって引き続き重要なパートナーだが、あらゆる問題で中国と対立している。今後のギリシャの外交や経済政策では難しいかじ取りとバランスが求められることになる。(記事の原文は以下のバナーから英文でお読みください)』

※ まあ、そういうことだ…。

モーリシャス、座礁船船長ら2人を逮捕 危険航海の疑い

座礁船のインド人船長ら逮捕
モーリシャス沖、重油流出
https://www.47news.jp/world/5153147.html

モーリシャス、座礁船船長ら2人を逮捕 危険航海の疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62785720Y0A810C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】商船三井が手配した大型貨物船がインド洋の島国モーリシャス沖で座礁した事故で、モーリシャスの当局は18日、インド人の船長の男とスリランカ人の航海士の男の計2人を危険な航海をした疑いで逮捕した。船主の長鋪汽船(岡山県)側の現地弁護士が日本経済新聞の取材に明らかにした。

長鋪汽船と商船三井は18日時点で逮捕の情報を把握していないとしている。

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弁護士のイルシャド・マンスール氏によると、2容疑者は同日、首都ポートルイスの裁判所に出廷し、逮捕容疑を告げられた。認否を述べる機会はなかった。有罪が確定すれば、罰則は最高で禁錮60年になるという。

座礁事故を巡っては、船内で当日に誕生パーティーが行われたとする説や、貨物船が携帯電話の電波に接続するために浅瀬に近づいたなどとする説が出ており、現地警察は2容疑者を含む乗組員への聴取を続けている。

7月25日に起きた座礁事故により、貨物船からは大量の重油が流出し、周辺の環境に多大な被害を与えている。貨物船の船体は8月15日、2つに割れた。モーリシャス政府は長鋪汽船などに損害賠償を請求する方針を示している。』

ポーランドの地勢と周辺諸国との関係

※ なんで、ロシア側がそうまで神経を尖らせるのかというと、ここの地形が「ヨーロッパ平原」と言われる、比較的平坦な地形だからだ…。山脈が存在せず、なだらかな丘陵地帯が連続する…。高低差は、たかだか170mくらいのものらしい…。

※ そういう地形の場合、「装甲機動兵団」(早い話しが、「大戦車部隊」)の機動力を、存分に生かすことができる…。

※ そういう地形における「国家の興亡」を、「ポーランド」に焦点を当てて、「地政学」的に解説しているサイトを見つけたので、そこから紹介する…。

※ ただし、サイト主の人は、「デジタル書籍」を発行して、それで飯食ってもいる感じの人らしい…。サイトも、テキストのコピペを禁止していて、画像キャプチャしかできなかった…。

※ 問題がある場合は、Word Press.comの方に連絡してください。

※ 「ポーランドはその地勢的な宿命からは逃れられない。」とあるが、これは「ポーランド」に限らず、どこの国でもそう言える…。

※ 「日本国」は、どこまで行っても「周りを海に囲まれた島国」という地勢的な状況からは、逃れられない…。しかし、それはまた、「国防上の利点」でもある…。現に、モンゴル帝国も撃退した…。江戸の「黒船襲来」までは、「太平の安逸」を貪ることもできた…。

※ だから、たぶん上記の「ヨーロッパ平原」における国々の、「国防上の焦燥感」みたいなものは、肌感覚として分からないところがあるんだろう…。

※ そして、「いつ攻め込まれるかもしれない…。」というギリギリの状況下で、「ギリギリの交渉をする」という経験も、積んでいくことが無かった…。そこが、逆に弱点にもなっている…。

混乱のベラルーシ プーチン氏が探る「次」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62779750Y0A810C2I00000/

『「辞めろ!」「辞めろ!」

国営工場の労働者から罵声を浴びせられる事態は、ベラルーシのルカシェンコ大統領にとって屈辱だった。隣国ロシアから見ていたプーチン大統領も衝撃を受けたはずだ。

ルカシェンコ氏は17日、首都ミンスク近郊のトラクター工場を訪問した。9日投票の大統領選で6選を決めたが、これが不正だったとして反対運動に悩まされている。国営工場なら賛同を得られると考えて設定されたのだろう。

ルカシェンコ氏は「あなた方は常に大統領を支持してきた」と訴えたが、その答えは「ノー」。1994年から26年にわたり君臨してきた「独裁者」はこの瞬間、地位を失う危険を感じたに違いない。

2014年のウクライナ騒乱時と違うのは国民が「親欧州」を掲げているわけではないことだ。あくまで独裁への不満から民主化を求めている。

同じく長期政権のプーチン大統領にとって、この事態は心地いいはずがない。もしルカシェンコ氏がこのまま退陣し、民主的な「革命」が実現すれば、ロシアにとっても政権を揺るがしかねない重大事となる。

まずロシア国内の反プーチン派が勢いを得かねない。プーチン氏は7月に憲法改正を実現し、いまの任期を終える24年以降の続投に道を開いたばかり。しかし経済低迷と長期政権に伴う閉塞感から変革を求める声は確実に強まっている。支持率は00年の大統領就任直後を除いて過去最低水準に沈んでいる。

24年以降も大統領にとどまるつもりかどうかは不明だが、権力者としてこの20年で築いた権威主義的で硬直的な「体制」を維持するつもりだろう。いまはそれに向けて改めて足場を固めようとしている時期だ。不安要因は排除したい。

第2にベラルーシの今後だ。兄弟国という位置づけであるうえ、ロシアからみて、その向こうには北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり反ロシアの代表格であるポーランドが控える。その陣営に兄弟国が取り込まれることは悪夢だ。

それを回避するために手段を選ばないことは同じく隣国のウクライナで起きたことをみれば明らかだ。ロシアはクリミア半島を併合した。

それだけに一部で懸念されているのが、ロシア軍による介入だ。流血を引き起こせば、国際社会全体を敵に回し、ロシア国民も支持しないだろう。現状ではあり得ない選択肢といえる。

プーチン氏がもくろむのは、影響力を及ぼすことができる政権樹立だ。

「もはやルカシェンコ氏は現状のまま大統領にとどまるのは難しい」――。ロシアでもそんな見方が増えている。

国営テレビ局は17日、ストを実施し、反旗を翻した。さらにネット上では治安機関の隊員が制服やバッジをゴミ箱に投げ捨てる動画の投稿が相次いでいる。同じく治安機関出身のプーチン氏はこの規律の緩みが行き着く先を視野に入れているはずだ。

プーチン大統領(右)はルカシェンコ大統領に見切りをつけたのか…(2017年11月、ミンスクで抱擁する両大統領)=AP

やり直し選挙を前提に信頼できる後任を探すのか、ルカシェンコ氏を何らかの形で権力の座に残したまま利用するのか――。いずれにせよ時間はあまりない。ロシア紙によると、情報活動も担当するロシア連邦保安局の幹部を乗せたとみられる飛行機が18日、ミンスクに到着した。

一方、ルカシェンコ氏は17日、憲法改正による権限移譲を表明した。詳細は不明だが、時間稼ぎと権力維持の両にらみでプーチン氏の手法を応用した可能性がある。

いまロシアが注意深く見守っているのは欧米各国の出方だ。民主化支援のため一枚岩で行動するのか、あるいはウクライナ騒乱時と同じように深入りを避けるのか。それを見極めている。

制裁に苦しむロシアは欧米との対立をこれ以上深めたくはない。しかしベラルーシを勢力圏から外すわけにはいかない。

そのなかでどう落としどころを探るか。欧米の本気度がロシアのベラルーシへの介入の仕方に影響を与えることになる。』

※ NATOは、ドンドン拡大してきた…。

※ クリミアまで、ムリクリ併合した(その代償は、「経済制裁」という形で、けっこう大きかった…)。それなのに、今またベラルーシを失うわけにはいかない…。

※「拡大するEU」の方も、見ておくか…。

※ ただし、「東バルカン」は、中国が「一帯一路」で取り込みを試みているんで、必ずしも「一枚岩」というわけでは無くなった…。

※ それでも、「安全保障」「軍事同盟」ということになれば、また別の話しだろう…。

「雨雲レーダー」が革新的に進化した。

「雨雲レーダー」が革新的に進化した。半日先まで“くっきり”の仕組み
https://newswitch.jp/p/23442

『雨がいつ、どこで、どれくらい降るかがスマートフォン上などで一目でわかる「雨雲レーダー」の進化が止まらない。民間気象会社のウェザーニューズは、半日以上先の降雨状況について250mメッシュかつ10分間隔という高解像度の可視化に業界で初めて成功した。スマートフォンアプリ「ウェザーニュース」で提供を始めた。同社が3時間先の降雨状況の高解像度化に成功したのはわずか2年前。雨雲レーダーがこれほど短期間で進化した背景には人工知能(AI)技術がある。(取材・葭本隆太)

1日の行動を事前に判断しやすくなる
「革新的な進化だ」。ウェザーニューズ予報センターの西祐一郎グループリーダーは雨雲レーダーの大幅な高解像度化の成功に胸を張る。従来の雨雲レーダーでも3時間先までは250mメッシュかつ10分間隔で予測していたが、3-15時間先については1km-5kmメッシュかつ1時間ごとの予測だった。新しい雨雲レーダーは3時間先以降の予測を大幅に高解像度化した。

西グループリーダーは「(新雨雲レーダーによって)1時間先と半日先の雨雲の状況を(10分間隔かつ250mメッシュという)同じ目線で確認できるため、直感的に理解でき、1日の行動を前もって判断しやすくなる。例えば、夕方まで外出する日の朝に洗濯物を外に干すかどうか判断したり、朝の段階で夕方の子供のお迎えに行く手段を考えたりといったシーンで使ってもらえるのではないか」と期待する。

この進化の背景には二つの要素がある。風や気温などを変数にした物理方程式で将来の大気の状態を予測する「数値予報」と「AI技術」を活用したことだ。

3時間先までの予測は、雲の過去の移動状況を地形の状況などを加味しながら延長する方式で予測する。ただ、その方法で4時間先以降を予測すると「現実と乖離してしまう」(西グループリーダー)。日本列島の観測網の外から雲が移動してくるケースなどを考慮できないからだ。そこで、予測手法をがらりと変えて「数値予報」を活用し、10分間隔で予報結果を算出することで時間の解像度を高めた。

AI技術の挑戦が実を結んだ
ただ、数値予報は5kmメッシュの空間解像度で算出する。より空間解像度を高めて数値予報を行おうとすると、計算量が大きくなるため、「高い計算能力を持つスーパーコンピューターが必要になり、民間会社としては(コスト的に)厳しい」(西グループリーダー)。そこでAI技術を活用した。

具体的には、過去数年分の数値予報の結果とその時々の250mメッシュの雨雲レーダーの画像をAIに学習させることで、新たな数値予報の結果に適合する250mメッシュの雨雲レーダーの状況をAIが推測できるようにした。

西グループリーダーは「今回の高解像度化の成功の裏側としてはAI技術が大きい。AI技術の発展に社内で取り組み、いろいろと挑戦してきた中で実を結んだ成果の一つだ」と力を込める。

実際に雨が降った回数に対してその雨を予測していた回数の割合で予報精度を示す「捕捉率」について、雨雲レーダーの1時間先予測では97%に上る。3時間先の予測でも約90%を誇るという。15時間先の予測の精度については検証を始めたばかりでまだ未知数だが、「1時間先や3時間先に比べると15時間先の予報の精度はどうしても下がると思う。(その中で検証結果を踏まえて)AIに学習させるデータを増やしたり、数値予報のパラメーターを微調整したりして(修正を加えながら)高い精度を維持していきたい」(西グループリーダ-)という。

また、今回活用したAI技術は熱中症や花粉飛散の予報に応用することで、それぞれの機能の充実などを図れる可能性があるという。ウェザニューズはAI技術の進化やそれによる天気予報の高度化の挑戦を続ける。

ニュースイッチオリジナル』