Q.波打つ屋根が架かる平成を代表する大空間、ここはどこ?

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00649/080900035/

『今回は、日経アーキテクチュアの2019年4月11日号で特集した、「目利きが選ぶ『平成の10大建築』」の中からの出題です。建築分野のキーパーソン20人に「私の平成建築10選」を挙げてもらい、その得票数で「平成の10大建築」を選定しました。

 波打つ大屋根が印象的なこの建物も、平成の10大建築にランクインしています。竣工したのは1994年。写真は建物の天井部分です。

 さて、何の施設でしょうか?

銀座線渋谷駅
関西国際空港旅客ターミナルビル
横浜港大さん橋国際客船ターミナル

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2.関西国際空港旅客ターミナルビル

(写真:日経コンストラクション)
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 関西国際空港旅客ターミナルビル(現・第1ターミナルビル)は、94年9月に開港しました。設計はイタリアの建築家、レンゾ・ピアノ氏です。パリ空港公団による基本構想を基にして国際設計競技が行われ、15の指名参加者の中からピアノ氏が選ばれました。

 建物は出発ロビーや入国審査、商業施設などの機能を収めた中央のメインターミナルビルと、南北両側に延びて搭乗ゲートが並ぶウイングから成ります。全体で翼を広げた鳥の姿を思わせます。

(写真:松村 芳治)
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 全長1.7kmにも及ぶ長いウイングは、遠くから見ると微妙にカーブしているのが分かります。これは地表のはるか下に中心を持つ半径16.4kmのリングを切り取ったもの。こうしたジオメトリー(幾何学)を採用することで、複雑な3次元曲面でも合理的にステンレスパネルで覆うことが可能になりました。

 一方、メインターミナルビルには波打つ大屋根が架かり、内部に柱がない巨大なロビーを実現しています。

(写真:松村 芳治)
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 注目を集めたのは、独特の空調システムです。地上4階にある国際線出発階の天井には、スパンが約80mのアーチトラスの間に、フッ素樹脂膜のオープンエアダクトが、帆のようにつられています。

 端部に設けたジェットノズルから毎秒7mの風速で吹き出す空気は帆に沿って流れ、大空間を効率よく快適に保ちます。天井の絶妙な断面の曲線は、空気の流れやすさを考慮して決めています。

 この施設を平成の10大建築に推薦した1人である、建築ジャーナリストの磯達雄氏は、「90年代は地球環境問題が大きなテーマになり、建築も強く対応が求められた。この課題にデザインで応えようとした、エコテック建築の代表例といえる」と評しています。』