〔中東情勢〕

バルカン半島製武器が中東紛争に ペルシャ湾岸国が購入、支援組織に供与か(毎日新聞2020年7月21日 07時30分(最終更新 7月21日 07時30分))
https://mainichi.jp/articles/20200720/k00/00m/030/292000c

パリ連続テロで使われたのはバルカン半島のカラシニコフだった(2015年12月01日 00:16(アップデート 2015年12月01日 00:40))
https://jp.sputniknews.com/opinion/201512011252539/

『セルビアの武器製造企業「ザスターヴァ・オルージエ」社のミロイコ・ブルザコヴィチ役員は、11月のパリ連続テロでイスラム急進主義者らが用いた武器の一部が自社で製造されたものであったことを認めた。ただし、これらの武器はユーゴスラビア崩壊までの時期に製造されたものだった。

ブルザコヴィチ氏はこれまで、パリ連続テロ事件の2日後、セルビア内務省から自分に宛てにフランスでテロリスト襲撃の後発見された武器の製造番号が送られてきたことを明らかにしていた。それらの武器はユーゴスラビア製のカラシニコフ銃(ソ連の武器AK47)7丁ないし8丁だった。ブルザコヴィチ氏の話ではユーゴスラビア崩壊後、紛争の全当事者が残りの武器を売却しうる状況にあった。

セルビア保安情報局のアンドレイ・サヴィチ元長官は、ラジオ「スプートニク」セルビアからのインタビューに対し、パリのテロで使われた武器が今年1月のシャルリ・エブド編集部襲撃事件の時と同様、バルカン半島から流入したものであったことは驚くには値しないと語っている。

「『ザスターヴァ・オルージエ』はセルビアの町、クラグエヴァツにあった。この工場はバルカン半島で最も権威の高く、ユーゴスラビア人民軍向けの自動銃の主要メーカーだった。今日ではセルビア軍の主要なサプライヤーとなっている。

ハメネイ師
© AP PHOTO / OFFICE OF THE IRANIAN SUPREME LEADER
イラン最高指導者、IS誕生について米国を非難

スラヴェニア、クロアチア、ボスニアの武器倉庫は十分な数の武器があった。90年代、旧ユーゴスラビアで展開された流血の内戦を思い起こせば、抗した武器が犯罪を組織し、それに加担する者たち、またはテロリストらの手に渡ったであろうことは容易に想像できる。
コソボの兵器文化は非常に発達している。コソボではいかなるモデルの武器も目にすることができる。ところが誰の手にどれだけあるかを示す正確な証拠はない。

ボスニア、ヘルツェゴビナ領について言えば、あそこにはジハード主義者がいる。これらのジハード主義者は90年代、この領域で軍事衝突に参加している。彼らは戦功を讃えられ、あるいは地元民と婚姻しボスニアに残った。」

これと同様の見解をセルビアの首都ベルグラードにある組織「国際テロリズム研究フォーラム」の専門家、ミラン・パシャンスキー氏も語っている。

「ボスニアにはワッハーブ主義者を養成するセンターが複数あり、そこに大量の武器があるのは間違いない。こうしたワッハーブ主義のあるセンターから武器が流れ出て、それが思想を同じくする者たちに贈られたり、売却され、その見返りに彼らは金を受け取ったり、テロ行動を起こすためのロジスティックス上の支援を行っていると考えるほうが理にかなっている。」』

平和は敵。テロ戦争で儲ける「軍産複合体」の正体
https://www.mag2.com/p/news/127888

『多くの悲しみと憎しみを生んだパリ同時多発テロ。人類共通の目標である世界平和はなぜ叶わないのか。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では国と企業が密に絡んだ、正義の裏にある恐ろしい真実を伝えています。

敵味方なしにテロ戦争で儲ける軍産複合体
軍需産業とはやっかいなものである。なにしろ、この世に戦争がなくなれば確実に倒産するのである。

紛争こそが商売のタネ。本格的な戦争に発展すれば大儲けにつながる。平和は敵だ。

東西冷戦が終わったあと、大きな危機感を抱いたのは、間違いなく武器商人、とりわけアメリカ軍需産業のトップたちだろう。米軍の兵器購入が鈍化したからである。

彼らは海外の市場に目を向けた。湾岸戦争で、サウジアラビアは大量に米国から兵器を買った。ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦などバルカン半島の民族対立は、NATOの介入を呼び、市場開拓のターゲットになった。

世界を震撼させた9.11の同時多発テロは、対テロ戦争という、兵器製造に正当性を与える新たな口実を軍需産業にもたらし、その業界の経営者が中枢にいたブッシュ政権は、ニセ情報に基づくイラク戦争へと暴走した。中東は荒れ果て、過激派の入り乱れる戦乱の地となった。

いうまでもなく、武器商人は人の危機心理で食っている。中国や北朝鮮の脅威を煽って、日本に高価な兵器を買わせることくらいは序の口だ。

まして、中東のように、たえず戦闘が繰り広げられている地域をめぐっては、兵器売り込みのネタに事欠かない。有志連合軍はもちろん、中東諸国の政府軍、そしてイスラム過激派組織ですら、彼らにとってはお得意様である。

「IS」(イスラム国)の仕業とされるパリの同時多発テロは、平和な夜を楽しむ大都市の街角までもが戦場に見立てられることを示している。

中東だけが戦場ではないという衝撃は、有志連合に対テロ戦略の練り直しを迫っているが、イスラム過激派への憎悪と恐怖の広がる状況が武器商人にとっては、さらなる追い風になるかもしれない。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という一句がある。怖い怖いと思えば、何でもないものが幽霊や化け物に見えてしまう。イラクに大量破壊兵器があると信じ込む心理などはその一例だ。

それにしても、西側とイスラム圏とでは、メディアの報じる内容がまるで違っていることに、いまさらながら驚かされる。

米英など有志連合軍はISを叩き潰すどころか、延命に力を貸しているという見方がイスラム圏にはある。

イランのメディア「FAR News」は、英軍機がISのために武器を空輸し、その陣地に投下したと伝えた。

イラク議会の国家安全保障国防会議では、有志連合の空爆はISを標的にしていない、もしくは、戦争を長引かせようとして、効果のない空爆を続けているとの意見が多数を占めているという。

根拠がないわけではない。皮肉なことにロシアが9月末からはじめたシリアへの空爆で、ようやくISが大きなダメージを被ったというのだ。

ロシアが短期間でそれほどの効果をあげられるのに、米国など多国籍軍にできないはずはない。

ひょっとしたらISの脅威を誇大につくりあげている勢力がいるのかもしれない。

そもそも、膨大な数の武器をISはどこから調達しているのだろうか。

イラクのクルド人部隊がIS戦闘員から押収した武器を、ロンドンに拠点を置く「紛争武器研究所」なる民間団体が調査したところ、武器の大半は米国、ロシア、中国製で、最も多かったのがM16ライフルなど米国製だった。

AFP電によると、米軍支給品であることを示す「Property of US Govt」の刻印もつけられていたという。

どういうルートでISにそうした武器が流れているのか不明だが、FAR Newsが報じるように、米英軍からひそかに供与されている可能性や、ブローカーなどを通じて、米欧の軍需企業から買っていることも考えられなくはない。

アメリカ国防総省もCIAも、軍需産業と一体となって動く、いわゆる「軍産複合体」の一員である。共通の利益を追うことがあるのだ。

そして、次に述べる事実を頭に入れておく必要がある。

東西冷戦が終わり1990年代に入ると、米欧諸国が軍事予算を削減したため、軍需産業は苦境に陥り、生き残りをかけて合従連衡の動きを強めた。

ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンの誕生、ボーイングによるマクドネル・ダグラスの買収などにより、軍需産業は巨大化した。

世界的な兵器メーカーのほとんどは米国の会社だが、英国のBAEシステムズやフランス、ドイツ、スペインの「エアバスグループ」(EADS)も米国勢に比肩しうる規模を誇っている。

さて、肝心なのはここからだ。軍需産業には、米欧の企業のみならずロシア、中国も含め、固く守ってきた業界ルールがあるという。

◆第一は、国内外のメーカーを問わず、完全な競争の原則のもとで、兵器輸出はいかなる国に対しても自由に行ってよい。第二は、紛争の挑発と拡大に寄与する行為には、国籍を超えて協力し合う。第三は国家が表面で掲げる外交政策とは無関係に行動してよい。(広瀬隆著「アメリカの巨大軍需産業」より)◆

つまり、彼らにとって、国どうしの対立などどうでもよい。互いに儲けるためには、各企業の兵器がたくさん売れて紛争が増えることが望ましい。ライバルどうしでありながら、目的はひとつ。戦争で稼ぐという一点に尽きるのだ。

テロであろうが、テロ撲滅の戦いであろうが、はたまた民族紛争であろうが、人を殺戮し、モノを破壊する兵器で儲けている以上、軍需産業に、危機をあおり戦争を挑発、拡大しようとする動機が存在することは疑うべくもない。

そこで、より深刻なのは、超大国アメリカにとって、優秀な科学者、技術者の多くがかかわっている軍需産業こそが経済の屋台骨であることだ。軍事会社が利益を上げられなくなると、大勢の失業者が巷にあふれるだろう。

米国の議員たちは地元の軍需企業と雇用のために、予算確保に動き、選挙資金や票の獲得をめざすのだ。

そして米国防総省やCIAは、軍需産業と一体化し、「軍産複合体」と呼ばれる利権ネットワークによって、米国やその同盟国の外交防衛政策を動かしている。

米国防総省の「国防政策委員会」は、軍需産業の利益をはかるため戦争政策を練っている、とさえいえる組織である。

◆(国防政策委員会のメンバーには)元CIA長官のジェームズ・ウールジーもいた。ウールジーは、ブーズ・アレン・ハミルトン社(軍事諜報企業)の副社長でもあり、2002年に6億8000万ドルの契約を国防総省との間で行った。(宮田律著「軍産複合体のアメリカ」より)◆

国防総省、軍需産業、CIAの関係をウールジーという、たった一人の人物から見てとれるのだ。

米国だけではない。ヨーロッパも同じ構造だ。米、露、中に次ぐ武器輸出国、フランスはオランド政権の戦略のもと、ISとの戦いの激化に乗じて巨利を得た。

◆フランスの軍需産業が業績を伸ばしている。今年の受注額は150億ユーロ(約2兆1000億円)を超え、昨年のほぼ2倍となる見通しだ。中東の情勢緊迫化などに伴う「特需」を追い風に、米国の影響力が低下している地域を狙って軍需品を売り込むオランド政権の戦略が奏功しているようだ。(6月21日、読売新聞 )◆

仏軍産複合体はサウジアラビア、カタール、エジプトなどに戦闘機やミサイルを売り、フランス軍はISを空爆、そのあげく、何の罪もない一般市民が、テロの犠牲になってしまう。こうやって不条理は繰り返される。

安保法制と武器輸出解禁によって、三菱重工など日本の軍需関連企業も意気込んでいる。自衛隊とともに、米軍産複合体に組み込まれるということかもしれない。

しかし戦争ビジネスが発展すればするほど、ニューヨークやパリで起きたようなテロ事件を呼び込む危険性が高まることは言うまでもない。

成長戦略が見つからないので、軍需産業で儲けようという安倍政権や経団連のもくろみには断固、反対である。』