イスラエルとUAEが、歴史的な和解。 : 机上空間

 ※ 机上空間さんのサイトからだ…。
 読んでおくべきと考えるので、全文を引用させていただきます…。

『誰も解決するとは考えていなかった中東のイスラエルとUAEが和解に応じるという、歴史的な大転換が起きました。仲介したのは、アメリカのトランプ大統領です。イスラエルと、他の大部分のアラブ諸国の間には、パレスチナ問題があり、土地と聖地を巡る争いなだけに、どちらかが完全に滅ぼされるまで、紛争は解決しないと考えられていました。

不倶戴天の敵と思われていた国同士が手を結ぶのは、どんな時でしょう。それは、更に強大な真の敵が現れた時です。それは、ずばりイランです。イラン一国が問題なのではなく、その背後にいるロシアと中国が中東に及ぼす影響が、アラブ諸国にとってパレスチナ問題を凌ぐものとして、浮上してきたのです。

そもそも、アラプ諸国とイランとの戦いは、歴史的に考えると、イランのある地域がペルシャと呼ばれていた7世紀にまで遡ります。アラブは、イスラム教で、ペルシャはゾロアスター教でした。いわゆる、宗教戦争です。その後、ペルシャは滅亡するのですが、アラブ諸国と同じイスラム教に改宗した後も、独自の解釈を加えたイスラム教・シーア派として、アラブ諸国のイスラム教・スンニ派と対立します。

11世紀には、アラブを支配下に組み入れて帝国になったトルコとイランは、厳しく対立します。この構図は、14-19世紀にかけて帝国として君臨したオスマン・トルコが崩壊するまで続きます。第一次世界大戦で、ドイツと連合を組んだオスマン・トルコは、支配下のアラブの反政府勢力を支援したイギリスによって、内乱と戦争に負けた事で崩壊します。この時に、アラブ諸国が細かく分裂して独立した為、現在の中東問題の多くの種が発生しています。

そして、第二次世界大戦を経て、パレスチナの地にイスラエルが建国されました。これが、パレスチナ問題の発端です。ここに住んでいたパレスチナ人は、土地を追い出された為、アラブ諸国はパレスチナ支持に回り、今日までイスラエルを支持するアメリカなどと対立してきたわけです。

ただし、歴史的に観ると、パレスチナ問題というのは、つい最近の出来事であり、現在のイランのある地域との確執のほうが、とても因縁が深い事が判ります。そして、石油と核保有というカード、中国の支援をバックに、中東におけるイランの脅威は増しています。宗教派閥的に相容れないアラブ諸国は、パレスチナ問題を棚上げしてでも、対イランで結束する必要が出てきたのです。

イスラエルと和解すれば、その背後にいるアメリカの力を後ろ盾に利用できます。これは、問題の当事者であり、絶対に和解する事があり得ないと言われたパレスチナにとっても、同様です。今後、アラブ諸国は、現在は国家として認めていないイスラエルを国家承認する方向へ傾くと考えられています。すると、パレスチナという地域が存続する為に、イスラエルの国家承認へ動かざるを得なくなります。消滅するより、まだマシという選択ですが、一度承認されれば、イスラエルの中東における地位が確定します。

この和解の結果として、アメリカ+西側陣営VSロシア・中国の代理戦争の構図が誕生します。経済制裁によって、イランの内情は厳しいのですが、ここぞとばかりに中国が支援に乗り出してきており、見返りとして、破格値で原油を輸入しています。

敵の敵は味方とは良く言ったもので、単に問題の深刻さを天秤にかけた結果として、パレスチナ問題に終止符が打たれるかも知れません。』