香港警察、国安法で活動家を初逮捕 独立派団体の元代表

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62068750Q0A730C2000000/

『【香港=共同】香港国家安全維持法(国安法)が施行された6月30日に、香港での活動停止を宣言した独立派団体「学生動源」の代表だった鍾翰林氏が29日夜、香港の自宅で国安法違反(国家分裂扇動罪)の疑いで逮捕された。同団体が発表した。独立派団体メンバーは、国安法の主な取り締まり対象。香港メディアによると、警察が内偵捜査に基づき、こうした活動家の逮捕に踏み切るのは初めて。

香港の独立派団体「学生動源」の代表だった鍾翰林氏(2019年1月撮影)=ロイター
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鍾氏を逮捕したのは香港警察に新設された国安法専門の部隊。同団体をはじめ独立派への本格的な取り締まりが始まる可能性がある。

これまで国安法違反の疑いで逮捕が発表されたのは11人。いずれも抗議活動の現場で「光復香港(香港を取り戻せ)」のスローガンを書いた旗などを持っていたことが逮捕容疑。鍾氏のように自宅で逮捕されたのは初めてとみられる。

同団体の他のメンバー2人も逮捕されたもようだ。警察は、鍾氏の自宅から押収した証拠物件を複数の袋に分けて持ち去ったという。

学生動源は香港独立を訴えてきた学生組織。香港地区のメンバーは解散し、米国など海外のメンバーにより、独立運動を続けると宣言していた。』

中国企業、外食や小売の回復遅れ 消費意欲戻らず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62062110Z20C20A7FFJ000/

香港の金融機関、米中両にらみ 国家安全法施行1カ月
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62061160Z20C20A7FF8000/
『【香港=木原雄士】香港の社会統制を強める香港国家安全維持法の施行から30日で1カ月になる。香港の金融機関は同法への抵触を避けるため、顧客リストの確認に追われる。中国の巨大市場は簡単に手放せないが、米国の金融制裁のリスクもくすぶる。

民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は最近、英銀大手HSBCから電話で口座に送金された資金の出所を聞かれた。「10年以上口座を持っているが、こんなことは初めて」とウォン氏。香港国家安全法の施行後、各行が活動家の口座やSNS(交流サイト)への投稿を調べていると警戒する。

国家分裂や政権転覆などの行為を禁じる同法は犯罪への資金援助も処罰の対象とする。在香港の大手銀幹部は「マネーロンダリング(資金洗浄)の担当部署が活動家など政治的な背景を持つ人物を洗い出している」と明かす。

銀行にとってリスクは活動家との取引だけではない。香港行政長官のアドバイザーを務める陳智思(バーナード・チャン)氏は3月に米銀から口座を閉鎖すると通知された。

7月に成立した米国の香港自治法は香港の自治を侵害した人物と取引がある金融機関への制裁を可能にする。ドル決済からの締め出しなど発動されれば影響は甚大だ。陳氏の一件は制裁が話題になる前だが、政治リスクに敏感な業界の空気を映す。

香港の金融当局は国家安全法について「金融機関の業務に悪影響は及ばない」(証券先物委員会)、「通常のビジネスには影響を及ぼさない」(金融管理局)と繰り返す。ただ、グローバルに活動する企業や金融機関が米中の板挟みになるリスクは高まっている。

一部の企業は動き始めた。韓国ネット最大手のネイバーが利用者の個人情報のバックアップ先を香港からシンガポールに移転したほか、米紙ニューヨーク・タイムズは香港拠点の一部職員をソウルに移すと決めた。

中国当局は6月末に中国本土と香港で金融商品を相互に取り次ぐ「理財通」の試行を発表するなど香港へのテコ入れに乗り出している。金融界では「国家安全法で金融センターの地位が低下したとは言われたくないのだろう」とささやかれる。

香港金融管理局によると、4月以降、140億ドル(約1兆5千億円)の資金が香港に流れ込んだ。京東集団(JDドットコム)など中国企業の新規株式公開(IPO)が相次ぎ、アリババ集団傘下の金融会社アント・グループも香港への上場計画を発表した。香港取引所の時価総額は7月に世界の取引所トップに返り咲いた。

任志剛・元金融管理局総裁は29日の講演で「世界2位の経済規模を持つ中国と世界の金融取引は成長を続ける。中国も資金調達先の多様化が必要で、香港にはまだ強みがある」と述べた。米国の金融制裁は米自身にも悪影響が及ぶ「もろ刃の剣」だとして「そんなことはしない程度の賢明さは持っていると思う」と話した。』