次期戦闘機、日本主導に 開発へ国内1社と単独契約

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61998440Y0A720C2EA1000/

『防衛省は2035年に配備予定の次期戦闘機の開発で日本企業1社と単独契約する方式を採用する。月内にも公表する。1社が設計や開発・製造の全体を統括し、共同開発に参加する日米の企業と調整する。試作機を除けば自衛隊の戦闘機では異例の契約方式で、日本企業の開発・製造能力の向上につながる。

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これまで航空自衛隊の戦闘機は米国製を輸入したり、米国の機種を日本企業がライセンス生産したりする例が多い。日米共同開発をうたったF2も組み立ては三菱重工業が担ったが、基幹部分であるエンジンは米ゼネラル・エレクトリック(GE)製だった。

次期戦闘機は35年ごろに退役を始める「F2」の後継で、21年度予算に開発費を計上して24年度に試作機をつくる。艦船や地上への攻撃、空中戦の全てに対応しレーダーで探知しにくいステルス性も備える。90機程度を製造し、調達までの事業規模は5兆円超になるとの見方がある。
日本企業が設計に加え、戦闘システム、エンジンなど基幹部分の開発・製造をする。同盟国である米国の企業が協力して日米共同開発にする見込みだが、単独契約した1社が全体を統括する。

防衛省は近く契約を希望する企業を募る手続きを始め、年内に選定する。年末に米国側と共同開発で合意し、契約する。

単独契約は最大手の三菱重が有力だ。協力する企業として日本では川崎重工業、SUBARU(スバル)、IHI、米国ではロッキード・マーチン、ボーイング、ノースロップ・グラマンなどが候補に挙がっている。

空自のいまの最新鋭機F35も米国製だ。基幹部分の技術は非開示で、日本側は改修も自由にできない。戦闘システムは米国側の都合で更新する。日本側には「運用の自由度が低い」「日本の防衛産業に技術が蓄積されない」との不満があった。

戦闘機の生産は民間用航空機などの製造に応用できる。日本の防衛産業は独自の戦闘機開発から遠のいており、生産技術の継承や最先端の研究開発投資が難しくなっている。日本が基幹部分を担える契約方式を求める声は根強かった。

日本の次期戦闘機を巡っては、世界最強と称されるF22と、F35の混合型を米ロッキードが打診した経緯がある。日本が独自開発にこだわり立ち消えになった。とはいえ米防衛産業は政治的な影響力がある。11月の米大統領選後に米側が再び米国製を軸にする開発を働きかける可能性もある。』