〔日経、中国関連〕

中国の尖閣航行 有識者に聞く
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61880390S0A720C2PP8000/

『22日で中国海警局の船による尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の接続水域での航行が連続100日になった。中国の思惑や日本の対応について有識者に聞いた。』
『■小原凡司・笹川平和財団上席研究員「南シナ情勢に危機感」

小原凡司氏

中国は日本との関係をみだりに悪化させたくないと考えている節がある。

中国外務省は14日、日本の防衛白書の内容を「白書ではなく黒い資料だ」と批判した。その後、中国外務省のホームページからは「黒い資料」という刺激的な言い回しを削除している。

日本に一定の配慮をみせているのは、中国が尖閣周辺より南シナ海に専念しなければならないためとみられる。米国は南シナ海の領有権問題に介入する方針へ転換した。ポンペオ米国務長官は「中国が南シナ海を海洋帝国の一部として扱うのを認めない」と主張する。米国の参入で中国は南シナ海情勢に危機感を抱いた。

中国は日米が連携を強め、米国が南シナ海に圧力をかける間に日本が尖閣諸島の「実効支配」を進める事態を懸念する。尖閣周辺での中国の動きは制海権の拡大を目指す従来の海軍戦略に沿ったものにすぎず、局面は大きく変わっていない。』


『■小谷哲男・明海大教授「米の介入 試す意図も」

小谷哲男氏

中国海警局の実力向上が背景にある。尖閣周辺は常時3000~5000トン級の船がいる。船の大型化でしけにも強くなった。乗組員の技量も向上した。遠洋作戦の経験を持つ海軍将校が海警局の司令官に就いていると聞く。

最近は海洋調査船を用いて他国の管轄権を否定する動きも目立つ。2019年以来、南シナ海でも海洋調査船がベトナムやマレーシアの排他的経済水域(EEZ)で調査をした。

中国は確実に自らの軍事力に自信を深めている。一連の動きはトランプ米政権が海洋問題でどこまで対抗してくるか試す側面もある。新型コロナウイルスが周辺国の防衛体制に与える影響を見定める意図も考え得る。

東シナ海や南シナ海の海洋進出を巡る動きは台湾を放置できない事情も背景にある。香港情勢で中国は厳しい目にさらされている。5年、10年先を見越して、より積極的に台湾の独立阻止、統一を志向するようになったのではないか。』