〔日経、ヨーロッパ関連〕

EUが「財政統合」 メルケル流の本音と限界
欧州総局編集委員 赤川省吾

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61806690R20C20A7I10000/


『5日間にわたった欧州連合(EU)の首脳会議はコロナ禍からの再生を図るため、総額7500億ユーロ(92兆円)の復興基金で合意した。マラソン協議を取りまとめたのは13年ぶりに議長役を務めたメルケル独首相。財政統合への一歩とはいえるが、過大評価は禁物。メルケル流には限界がある。

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突破口となったのは自らの譲歩だ。EUがカネを南欧に配れば域内の財政規律が緩む、と渋ってきたが方針転換。マクロン仏大統領とともにデンマークなど「倹約国」を説得するほうに回った。

ドイツが財政健全論を捨て、宗旨変えした――。そうみえるが真相は異なる。

「ほかに選択肢はなかった」と独政府筋は明かす。コロナ禍に苦しむ南欧を見捨てることは議長国という立場上、できなかった。しかもEU予算を使うフォンデアライエン欧州委員長はドイツ出身でメルケル氏の子飼いの政治家。泥を塗るわけにいかなかった。だから立場を「中立」にしただけだという。

頑固で融通が利かないと思われがちなドイツだが、実は欧州内での評判を気にする。

負の過去への反動から「素晴らしい国家に生まれかわったと周りに思われたい」という潜在意識が独社会にはあり、メルケル氏はそこをうまく突いた。だから国内の慎重論は「EUのため」で押し切ることができる。

フォンデアライエン欧州委員長(右)はドイツの出身=ロイター

メルケル氏の政治スタンスは昔からあまり変わっていない。振り返ればギリシャ支援の際も同じやり方だった。当初はカネを出さない、と言いながら最後は巨額支援を受け入れた。

つまり本音をまず漏らし、反応をうかがったうえで現実路線を探る。どうしても曲げられない持論にはこだわるが、「EUは妥協の産物」というのも理解する。底流にあるのは「議論する文化」を大切にするドイツの気風だ。

「異論があるなかで、さまざまな資金支援策をまとめてきたのがメルケル流」。最側近としてメルケル氏を支えてきた保守系与党キリスト教民主・社会同盟のカウダー前院内総務は取材に喝破した。それによってドイツが「欧州とともに歩みたい」と考えていることが証明できる、という。

債務・難民危機、英国のEU離脱、そして新型コロナ。10年あまりの危機続きでEUは良くも悪くもメルケル色に染まった。世界をナショナリズムの暴風が襲うなかで欧州統合を破綻させず、なんとか結束を保つ。「EUの女王」は加盟国をつなぎとめる扇の要だ。

世論を読み、妥協を重ねるメルケル流の手堅さは「安心」である一方、大胆さを欠き、歩みが遅い。それがメルケル氏の限界だ。

今回の復興基金についても、なし崩しで統合が深まるのを警戒する国は多く、各国の財政主権をEUに移譲する「財政同盟」には遠い。

ドイツとて議長国でなくなり、平時に戻れば安易に南欧にカネを配る仕組みには同意しない。「異例の事態に異例の手法で立ち向かう。だから異例なほど協議に時間がかかった」。メルケル首相は首脳会議終了後の記者会見の冒頭で「異例」という言葉を繰り返した。裏返すと「非常時」だからEUの権限を強めた、という本音が透ける。

メルケル独首相(右)はコンテ伊首相(中)に理解を示したが、北部欧州の南欧への不信感は消えていない=ロイター

むしろ統合の次のステップはハードルが高まった。コロナ対策で南欧に多額のカネが流れ込む。債務が膨らむイタリアはいずれ財政破綻する――。表立っては言わないが、オフレコ取材にそんな懸念を漏らす北部欧州の政治家は少なくない。南欧諸国が財政健全化に転じ、そうした不安を払拭するまでEUは動けないだろう。

果実を求め、義務を嫌がる。財政再建に後ろ向きの南欧、カネを渋る北欧、民主主義を軽んじる東欧。そんな「いいところ取り」の国が統合を妨げているだけではない。君臨するメルケル氏にも責任の一端がある。

「危機対策はうまいが長期政権なのに欧州統合で大胆な一歩は踏み出さなかった」。ドイツを代表する外交の論客、自由民主党のラムスドルフ副院内総務(元欧州議会副議長)にメルケル評を問うと手厳しかった。

戦後ドイツの歴代首相は高い理想に突き進み、欧州全体の方向性を決定づけた。ブラント氏は東西デタント、コール氏は通貨ユーロを残した。だがメルケル氏は就任から15年もたつのに「(統合しやすい)外交・安全保障分野ですら動きが鈍い。例えば『欧州軍構想』もなにも具体化していない」(ラムスドルフ氏)。

ではメルケル氏は欧州を変えられないのか。

あるとすれば利害がもつれる欧州統合ではなく、社会のリベラル化ではないか。男女同権、環境、マイノリティー(少数派)の尊重――。保守政治家なのに伝統的な価値観に固執しない政治スタンスで新風を吹き込んだ。

「賛否両論あったが人道的な難民政策は政治遺産となるだろう」と保守系与党のカウダー前院内総務は指摘する。極右が根強い支持を集め、人種差別が横行するにもかかわらず、欧州が「倫理観で世界をけん引」と自負できるのはメルケル氏の存在が大きい。

メルケル氏は21年秋の任期満了でドイツ首相を退き、政治の表舞台から去る。残るは1年余。傍若無人な米国や野心を隠さぬ中国・ロシアに対抗し、「メルケルなき欧州」にリベラル思想を残せるのか。せめてそれぐらいは期待したい。』

ウルズラ・フォン・デア・ライエン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3

 ※ 生まれは、ベルギーのブリュッセルだ…。今回調べて、初めて分かったが、アメリカに居住していたこともある(4年間)…。「フォン・デア・ライエンと家族はハノーファー福音ルター派州教会に属している。」とあるんで、ユダヤ教徒では無いようだ…。

ソルブ人
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%96%E4%BA%BA
 ※ ドイツ周辺のスラブ系の一種だ…。大量にアメリカに移住してもいるらしい…。ついでに調べたんで、貼っておく…。

アメリカ合衆国中西部
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E4%B8%AD%E8%A5%BF%E9%83%A8


 ※「アメリカ合衆国中西部(アメリカがっしゅうこくちゅうせいぶ、英: Midwestern United States, Midwest)とは、アメリカ合衆国の中央部北側にある州を集合的に呼ぶ呼称である。

属する州は、ウィスコンシン州、オハイオ州、インディアナ州、イリノイ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州、アイオワ州、ミネソタ州、ミシガン州、カンザス州、ミズーリ州など[1]。」
「住民構成はゲルマン系やドイツ化したソルブ系とカシューブ系(西スラヴ系)などのドイツ系アメリカ人の人口が最多数で(ウィスコンシン州・ノースダコタ州・サウスダコタ州などは40%以上)、宗教も唯一アメリカ国内でカトリック(ウィスコンシン州・オハイオ州・インディアナ州・イリノイ州・ミシガン州など)が多い地域でもある。言語はペンシルベニアドイツ語(アメリカドイツ語)やアメリカ英語などを使用する。

2006年の人口統計局の推計人口は66,217,736人である。地続きのアメリカ合衆国で地理上中心およびアメリカ合衆国人口の分布中心が中西部の中にある。アメリカ合衆国国勢調査局はこの地域を北東中央諸州(基本的に五大湖周辺の州)と北西中央諸州(基本的にグレートプレーンズの州)に分けている。

都市圏人口946万人を有する全米3位の都市シカゴがこの地域最大の都市であり、続いて430万人のデトロイト(全米12位)。他の主要な都市にはコロンバス、ミネアポリス-セントポール、インディアナポリス、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ、ミルウォーキー、シンシナティ、ウィチタ、デモイン、マディソンおよびオマハなどが挙げられる。

中西部という言葉は100年以上も通常に使われてきた。他の表現は段々と使われなくなった。例えば、「北西部」であったり、「古北西部」(北西部領土からきている)や「中央アメリカ」あるいはハートランド(Heartland)である。著作「ミドルタウン」が1929年に著されて以来、社会学者は地域全体の標準的呼び方として中西部都市および単に中西部を使うようになった[2]。アメリカ合衆国中西部の地域は、北東部、西部、南部およびサンベルト地帯に比べて、人口に対しての高い雇用率(16歳以上の雇用者の比率)を誇っている[3]。」

 ※ トランプ再選の鍵を握る地域なんで、貼っておく…。

 ※ こういう「キリスト教」「プロテスタント」「福音派」「エキュメニカル派」なんてことの理解には、「霊感」というものの理解が必要となるようだ…。まあ、あまり深入りしたくは無い、分野だ…。

十全霊感
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%85%A8%E9%9C%8A%E6%84%9F

部分的霊感説
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%A8%E5%88%86%E7%9A%84%E9%9C%8A%E6%84%9F%E8%AA%AC

 ※「否定霊感説」というものも、あるらしい…。

霊感
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%8A%E6%84%9F

独ワイヤーカード「15年から粉飾」 前CEOを再逮捕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61884250T20C20A7000000/

 ※ メルケルが、中国にワイヤーカードの決済を、売り込んでいた…、という情報もネットで見たぞ…。
 在独駐留米軍の駐留経費負担の問題、独の中国への肩入れの問題…、なんてことも、背後で絡んでいるくさいな…。