G20「V字回復」想定変えず

G20「V字回復」想定変えず
「財政・金融、必要な限り継続」 迫る第2波、協調欠く
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61701990Z10C20A7NN1000/

『世界で新型コロナウイルス感染の第2波が懸念されるなか、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は新たな対策を打ち出さずに18日閉幕した。米国は追加対策を急ぎ、欧州も復興基金を議論する。危機対応に追われて新たな連携を描けず、世界経済がV字回復する想定を据え置くちぐはぐな対応となった。

「世界経済の見通しは不確実で、より大きな下方リスクにさらされている」。サウジアラビアを議長国にテレビ会議を開いた後、G20は声明で厳しい認識を示した。国際協調を巡っては、債務を抱えた発展途上国の返済猶予措置の期限を2020年末から延長する可能性に触れた程度だった。』
『日本からは麻生太郎財務相、日銀の黒田東彦総裁が参加。終了後の記者会見は開かなかった。

前回4月の会合から世界経済を取り巻く状況は変わった。4月にピークをつけたかにみえた米国の新規感染者数は再び増え、足元は4月の倍の1日7万人を超えるペースを刻む。日本も東京の新規感染者数が1日300人弱にのぼる日もある。

国際通貨基金(IMF)は6月、4月に下方修正した20年の成長率見通しをさらに引き下げた。米国はマイナス8%と第2次世界大戦の直後だった1946年以来の落ち込み。その後、米国の見通しを上方修正したが、新興国平均でも20年はマイナス3%を見込む。』
『各国の危機感は強い。ムニューシン米財務長官は「新型コロナで失業した2000万人が速やかに復職できる施策に注力する」と追加対策を急ぐ。すでに約3兆ドル(約320兆円)の財政出動に踏み切っている。7月中にさらに追加の財政出動を発動し、7月以降の支援策の期限切れなどに対応することをめざす。

欧州連合(EU)は南欧などを支援する復興基金案を巡って議論を続けている。中国は企業の負担軽減や金融支援などに機動的に対応する構え。日本も「(回復の)ペースは緩やかなものにとどまる」(日銀の黒田総裁)としており、各国は先行きへの警戒を続ける。

各国が危機対応に追われ、新たな連携にたどり着かない面もある。G20が4月にまとめた行動計画は「V字回復」を想定していた。実現性の低さから今回の会議では見直しを求める声が出た。結局、国ごとに感染の段階が異なることなどを理由に10月の次回会合まで据え置くことになった。

経済再開の時期をめぐる踏み込んだ議論もなく、国際協調の難しさが浮き彫りになった。債務の返済猶予措置を要請した国は18日時点で42カ国。20年に猶予される額は53億ドル(約5700億円)という。最大の債権者である中国が十分な情報開示をしていないとの疑念が各国に根強く、麻生氏も会議で「透明性が大前提だ」とけん制した。

「財政・金融政策は必要な限り実施され続ける」。G20は声明にこう明記し、対応の長期化を見据える。各国の政策余力の差が連携をさらに難しくする局面に入る。』

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