〔日経、米国関連〕

米紙、在韓米軍の削減案を報道 駐留経費問題が影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61694440Y0A710C2EA3000/
『【ソウル=恩地洋介】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は17日、トランプ米政権が在韓米軍の削減を検討していると報じた。国防総省がホワイトハウスに提案したと伝えており、削減規模は不明だ。2020年の駐留経費交渉を巡る対立の長期化が影響したとの見方を示している。

同紙によると、国防総省は現行で約2万8500人の在韓米軍を巡り、他地域への配置転換や削減を検討している。計画の詳細について「何も決まっていない」とする当局者のコメントも伝えた。

在韓米軍の駐留経費は、負担割合を定める協定が19年末に期限切れとなったまま交渉がまとまらずにいる。米国は当初、韓国側に19年比で5倍に相当する50億ドル(約5300億円)近くを要求した。韓国は3月、負担を19年比で13%増やす案を示したが、トランプ大統領が上積みを求めた。

在韓米軍の削減報道について、韓国の聯合ニュースは「削減オプションは、交渉で韓国に負担増を迫る圧力に使われうる」との見方を報じた。

交渉の過程で、もし米国が削減案を提示した場合、文在寅(ムン・ジェイン)政権がどう対応するかは読み切れない。韓国内ではトランプ政権の姿勢に反発が強く、増額要求への妥協は容易ではない。他方、4月の総選挙で圧勝した革新系与党内には、北朝鮮が望む在韓米軍の縮小論がかねて根強い。

トランプ大統領は6月、約3万4500人のドイツ駐留米軍を9500人削減する案を承認した。その一部を欧州やインド太平洋地域に再配備する世界規模の再編計画が練られている。』

抑止力強化へ「生産計画」 金正恩氏が党軍事委指導
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61701770Z10C20A7FF8000/
『【北京=共同】北朝鮮の朝鮮中央通信は19日、朝鮮労働党中央軍事委員会の拡大会議と非公開会議が18日、平壌で開かれ、金正恩党委員長が指導したと報じた。非公開会議では「戦争抑止力」の強化を議論し「重要軍需生産計画」の目標が承認された。金氏は関連の命令書に署名した。具体的な内容は不明。核・ミサイルを軸に軍事力増強を進める方針とみられる。

米韓への言及は伝えられなかった。党中央軍事委は6月23日の「予備会議」で、脱北者団体によるビラ散布を巡る韓国への報復として軍が提起した軍事行動計画の「保留」を決定した。報道は軍事行動計画の扱いにも触れておらず、保留を維持したまま、米韓の出方を見極めようとしている可能性がある。

19日付の党機関紙、労働新聞は会議に出席した金氏の写真を1面に掲載。朝鮮中央テレビも動画を放映した。

非公開会議では「朝鮮半島周辺の軍事情勢や潜在的脅威」に備える主要部隊の戦略的任務や即応態勢を点検。朝鮮中央通信は、党中央軍事委が講じた軍事的措置は「歴史的な決定になる」と強調した。拡大会議では軍指揮官らに対する指導強化や人事が扱われた。

金氏は5月下旬に開かれた前回の拡大会議で「国家核発展戦略」を討議し、米国の長期的な核の脅威に対処するため「核戦争抑止力」を一層強化すると表明していた。』

米、企業に「コロナ賠償免責」 追加対策で法制化検討
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61701740Z10C20A7FF8000/

米中トップ、企業に踏み絵 乱世に揺らぐ「沈黙は金」
編集委員 小柳建彦
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61680520X10C20A7SHA100/
『企業が政治社会問題についての議論を避けて経済活動に徹する、いわゆる「沈黙は金」を貫くのが難しくなる場面が増えている。

たとえば米トランプ大統領による事実無根の流言や暴力を肯定するかのような発言の扱いを巡って、米SNS(交流サイト)の姿勢が世論を分けている。

米ツイッターは5月以降、複数の大統領ツイートの下に「(利用規約が禁じる)暴力の美化にあたります」「事実を確認しましょう」などの警告メッセージを表示することにした。

この決断について「全責任を負う」と宣言した共同創業者で最高経営責任者のジャック・ドーシー氏は皮肉なことにかつて、「ツイッターは水道のような社会基盤を目指す」と語っていた。情報を水のように社会の隅々に平等に行き渡らせる。水(情報)をどう使うかは利用者次第。そんな、中立で政治色のない理想像を描いていた。

しかし、トランプ氏がツイッターを多用するようになってから、党派色を強める政治家の発言に倫理規定を適用するとかえって政治的中立が崩れるというジレンマに陥った。

これまでは政治家を規定の「適用除外」にすることでなるべく政治に巻き込まれないよう努めてきた。しかし、人種差別や投票権など、民主主義の根幹に関わる問題で暴言・暴論が出たことで、ついにこらえきれず適用除外をやめた。

当然、大統領や支持者は「言論封殺」「偏向」などと猛烈に反発する。ジョー・バイデン前副大統領など多数の民主党系著名人のアカウント乗っ取り事件まで発生し、ツイッターは大揺れに揺れている。

一方、トランプ発言を放置し続ける米フェイスブックに対しては、広告出稿を停止する大企業が相次いでいる。政治家だからといって非倫理的な言動に沈黙する企業に対し、社会の目は厳しくなっているようだ。

中国による香港国家安全維持法の強行制定に対する企業の去就も注目される。「香港社会が安定する」として早々に「支持」を表明した英金融大手HSBCと英スタンダードチャータードには、民主派香港市民、英米の政治家などから批判が集まる。他方で米国が施行した香港自治法によって米国の制裁対象になる可能性も出てきた。八方丸く収まる道筋は見えない。

中国については南シナ海、尖閣諸島、中印国境地帯での一方的現状変更の試みや、ウイグル族弾圧など火種は多く、米中による制裁合戦が広がる。中国、香港で活動する全ての企業にとって「沈黙」が選択肢でなくなる可能性がある。

日本国内では、コロナ禍で医療関係者や飲食店などを標的にしたSNS上の誹謗(ひぼう)中傷が深刻な社会問題になっているが、SNS側から目立った対策は打たれず、広告主企業は黙ったままだ。環境、社会、ガバナンス(ESG)が企業評価の尺度として浸透するなか、人権侵害の放置は早晩批判に直面する。

権力者、国家、市場、市民がこぞって、政治社会問題に対する企業の姿勢を問う時代。企業は「沈黙」を破るときに問われる価値観や優先順位を検討する必要がありそうだ。』