米で香港自治法が成立 中国の金融機関制裁が可能に

米で香港自治法が成立 中国の金融機関制裁が可能に(2020/7/15 7:05)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61524190V10C20A7MM0000/?n_cid=DSREA001

『【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は14日、香港の自治侵害に関与した中国を含む金融機関への制裁を可能にする香港自治法に署名し、成立させた。中国による香港国家安全維持法の施行に対抗する。貿易などに関し、香港に与えた優遇措置を廃止する大統領令にも署名した。中国との対立が一段と強まる。』
『トランプ氏がホワイトハウスで記者会見を開き明らかにした。トランプ氏は「香港から自由や人権が奪われた」と指摘した。「香港市民への抑圧的な行為をした中国に責任を取らせる」と強調し、さらなる対抗措置も近く講じると説明した。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との電話協議の予定はないと断言し、距離を置いた。

香港自治法の成立を受け、トランプ政権は香港の自治の侵害に関わった中国や香港当局者と取引をする金融機関に制裁を科せるようになる。制裁対象に指定すれば中国の金融機関のドル取引を禁じることも可能だ。だが、こうした制裁は世界経済を揺るがしかねない。米政権が実際に発動するかが今後の焦点になる。

香港への優遇措置を巡り、トランプ氏は「香港は中国本土と同じように扱われるようになる」と強調した。ホワイトハウスによると、これまで緩くしていた軍民両用技術の輸出制限を中国本土と同等とする。香港のパスポート保有者向けの優遇措置を廃止し、香港の民主主義の衰退に関与した個人が米国に保有する資産も凍結する。

米国は1997年に香港が英国から返還されてから、「高度な自治」を前提に中国本土とは異なる経済面などでの優遇措置を講じてきた。措置はヒト・モノ・カネの動きを活発にする土台の役割を担ってきた面がある。廃止は香港の経済や香港でビジネスをする米企業に打撃を与えそうだ。

トランプ氏は14日の記者会見で、11月の大統領選で野党・民主党の候補指名を固めたバイデン前副大統領への批判を強めた。対中貿易赤字を放置して中国経済に貢献し、米雇用に打撃を与えたと主張した。「バイデン氏の経歴は中国共産党にとって願ってもないものだ」と指摘し、対中強硬姿勢を演出する自身と対比してみせた。』