「コロナで影響力拡大」 防衛白書、中国を警戒

「コロナで影響力拡大」 防衛白書、中国を警戒
尖閣での領海侵入「執拗」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61476690U0A710C2MM0000/

『河野太郎防衛相は14日の閣議で2020年版防衛白書を報告した。中国の活動に触れながら新型コロナウイルス問題を機に「自らに有利な国際秩序の形成や影響力の拡大」を目指す動きがあると警戒感を示した。

コロナ対応を巡り中国が「感染拡大に伴う社会不安や混乱を契機に、偽情報の流布を含む宣伝工作もしている」と指摘した。各国の軍事活動に影響し「国家間の戦略的競争を顕在化させ得る」と分析した。

沖縄県尖閣諸島周辺での領海侵入は「現状変更の試みを執拗に継続している」と批判した。従来の防衛白書になかった「執拗」との表現を初めて使った。中国の軍拡は「安全保障上の強い懸念」だと強調した。

北朝鮮については19年5月以降に発射した新型ミサイルが低空で飛来すると説明し「ミサイル防衛網の突破を企図している」と分析した。発射兆候の把握や迎撃が難しくなっており、多様な攻撃への対応が「課題」だと訴えた。

地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」については配備計画を断念した経緯を記した。代替策は国家安全保障会議(NSC)の議論を踏まえて検討するとの説明にとどめた。

抑止力の強化に向けて「新しい方向性を打ち出す」という安倍晋三首相が6月の記者会見で表明した方針を明記した。

20年から開始したシーレーン(海上交通路)の安全確保を目的とする自衛隊の中東派遣の概要も盛り込んだ。イランを含む中東各国から「理解を得ることが重要だ」として説明に取り組んでいることを強調した。

米国以外の国・地域との安全保障協力に関する章で、韓国の記載順はオーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)に続く4番目だった。従来の2番目から引き下げた19年版の記載順を踏襲した。』