美容整形手術、新型ウイルス流行で増加 日米や韓国

https://www.bbc.com/japanese/53359206

『「隔離生活中に手術を受けることを決めた。自分のペースで癒すことができるから」。唇をふっくらさせ、頬の脂肪を取り除いた米ロサンゼルスのアーロン・ハーナンデズさんは、BBCにそう話した。

「唇に手を加えたがる男性は多くはないので、変に思う人がいるかもしれない。だから完全に回復するまで家にとどまって、次に外に出るときは、何をしたのかわからないようにしたかった」

隔離生活前に手術を受けた時は、唇が「とても腫れて黒ずんだ」まま、仕事に出なくてはならなったと言う。』
『米テキサス州の美容整形外科医ロッド・J・ローリックさんは、患者がかなり増えていると話した。

「通常時より多いだろう。やろうと思えば週に6日手術することになる。とても驚いている」とBBCに述べた。

ローリックさんによると、手術を望む人はふつう、自宅での回復期間を考慮に入れて検討する。しかし現在は多くの人が在宅で仕事をしているため、その必要がなくなったという。

「自宅でしっかり回復できるし、鼻の整形やしわの除去をした後に外出することになってもマスクを着けることができる。みんな普通の生活に戻りたいと思っていて、自分の望むような外見を手に入れることもその一部になっている」』
『手術の増加はアメリカだけではない。

美容整形手術が盛んなことで有名な韓国は、新型ウイルスの感染者が早期に確認された国の1つだ。全国的なロックダウン(都市封鎖)は実施せず、在宅勤務を推奨し、社会的距離を保つことに力を入れた。

外国から韓国の美容クリニックを訪れる人は減ったが、国内の利用者は増えた。多くのクリニックが、韓国人に対して割引を実施した。

2月にまぶたを手術した中学校教諭(54)は、韓国紙・中央日報に、「足を運んだ美容整形クリニックはどこもいっぱいだった」と話した。

ソウルのBK病院はBBCに、新型ウイルスの流行初期は人々は不安を覚えていたが、そのうち多くの人が来院するようになったと述べた。

「COVID-19(新型ウイルスの感染症)はあるが、患者は手術を受けても安全、安心だろうと感じるようになった。患者数は増え続けている」と広報担当者は言う。

「コロナウイルス禍にもかかわらず、昨年同期と比べて患者数は1.5倍になる見込みだ」

外国からの問い合わせも増えていると、広報担当者は話した。

「オンラインの問い合わせ件数が急増している。オンラインで相談を受け付け、渡航制限が解かれた時のために、患者が前もって準備できるようにしている」』

『日本はロックダウンを実施していない。だが、安倍晋三首相が4月上旬に出した緊急事態宣言は、5月下旬まで続いた。その間、人々は自宅待機が求められた。

こうした動きの中でも、美容クリニックの患者は増加した。

それを受け、公益社団法人・日本美容医療協会は、美容整形は「多くの方にとって不急の医療と考えます」とする声明を発表。「今お考えの美容医療は感染が収束するまでお待ちいただきたいと考えます」と呼びかけた。

日帰りの美容整形手術を提供しているブリスクリニック(福岡市)では、新型ウイルスの感染対策が続く時期に手術を希望する患者が急増したと、ゼネラルマネージャーの田尻ミッシェルさんは話す。

「仕事が休みになり、ダウンタイムを気にしなくて良くなったことが大きい。誰もがマスクをしていて、顔の手術を簡単に隠せることも理由だろう」

アメリカのハーナンデズさんにとって、感染流行中の手術は最高のタイミングだったという。「たっぷり時間をかけていやすことができた。車を運転していたら飲めなかった薬が飲めたし、唇や顔を氷でしっかり冷やすこともできた」

(英語記事 Plastic surgeons say pandemic has boosted demand)』