中国の攻撃でナンバーワン企業破綻か

中国の攻撃でナンバーワン企業破綻か、トップ継いだのはファーウェイ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-06/QCVGUTDWLU6F01?srnd=cojp-v2

『2004年当時、世界有数の大企業でカナダを代表する通信機器メーカーだったノーテル・ネットワークスから大量の書類がインターネット経由で中国に届き始めた。4月のある土曜日、午前8時48分のことだった。流出した800近い文書には顧客との会合での説明資料や米通信ネットワーク設計の詳細などに加え、最も厳重な扱いを要する情報であるソースコードも含まれていた。』
『急成長を遂げ光ファイバーデータ伝送システム市場で圧倒的な存在感を示していたノーテルは人材や話題を集める一方、ハッカーの標的にもなっていた。米中央情報局(CIA)のカナダ版、カナダ安全情報局(CSIS)は1990年代後半から「異常なトラフィック」を認識。中国を拠点とするハッカーがデータと文書を盗み出していると警戒を促していた。CSISのアジア太平洋部門を当時率いていたミシェル・ジュノーカツヤ氏は「オタワのノーテルを訪れハッカーたちが『知的財産を抜き取っている』と伝えたが、幹部らは何もしなかった」と語る。』
『2004年までにハッカーはノーテル最上級幹部のアカウントに侵入。当時の最高経営責任者(CEO)、フランク・ダン氏が中国に約800もの文書を送信した張本人に見えたが、犯人はもちろん同氏ではない。財務諸表の修正を余儀なくされた同社の会計不祥事でダン氏が解雇される4日前、何者かが同氏のログインで、上海ファシエン社(Shanghai Faxian Corp.)に登録されているIPアドレスにパワーポイントや機密性の高いファイルを転送した。同社はノーテルとの取引実態不明のダミー会社のようだった。』
『ハッカーはダン氏に加え、ノーテルが巨額投資を行っていた光学部門の6人のパスワードを盗んだ。「Il.browse」というスクリプトを用いて、製品・研究開発から設計文書・議事録に至る全てをノーテルのシステムから吸い取った。当時のシステムセキュリティー上級顧問でハッキングを調査した5人チームの1人だったブライアン・シールズ氏は、「掃除機のように、フォルダーのコンテンツ全体が吸い取られた」と振り返る。だがノーテルは適切な対策を怠り、単にパスワードを変更しただけだった。09年までに同社は破綻した。』
『誰がノーテルをハッキングしたのか、盗まれたデータが中国のどこに流れたかは誰にも分からない。だがシールズ氏やこの事件を調査した多くの関係者が、華為技術(ファーウェイ)を含む国内テクノロジー企業の育成を後押ししていた中国政府の関与を強く疑っている。ファーウェイは当時のノーテルに対するハッキングは知らなかったし、関与もしていないと説明。ノーテルから一切情報は受け取っていないとしている。 「ファーウェイにスパイ活動への認識ないし関与があったとの疑惑は完全に間違いだ」と同社はコメント。 不適切または不正な手段によって開発されたファーウェイの製品やテクノロジーは一切ない」と主張した。』
『確かなのは、衰退するノーテルからファーウェイが大口顧客を奪い、第5世代(5G)移動通信ネットワークでのリードをもたらした人材も引き抜いたということだ。 「明白で簡単なことだ。ノーテルで経済スパイ活動が行われたのだ」とシールズ氏は言う。 「世界のどの事業体がナンバーワンを引き継いだか、どれだけ急激にそうなったかを見たらよい」と話す。』
『日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によれば、中国の政策銀行、 国家開発銀行は05年、移動通信ネットワーク向けにファーウェイの設備を購入するナイジェリア政府に2億ドル(現在のレートで約215億円)を融資する際、1%という極めて低い金利を提示した(当時の指標金利は6%を超えていた)。1999年の国外売上高が5000万ドルだったファーウェイだが、2005年末までにはその100倍の50億ドルに急増。11年には当時のフレッド・ホックバーグ米国輸出入銀行総裁が主要7カ国(G7)の「どの国も国家開発銀行に近い水準の資金提供はしていない」と述べるなど、中国政府の支援を背景にファーウェイが世界中の重要な通信インフラの大半をいずれ保有するのではないかとの懸念が米国を中心に強まっていった。』
『サイバー攻撃は他にもよく知られたケースがあるものの、ノーテルへの攻撃は特にひどい部類に入るだろう。少なくとも2000年から09年まで長期間続き、シールズ氏によれば、その洗練された手口には民間企業ではなく国家の関与が明らかに認められた。

  だが業績立て直しに精一杯だったノーテル幹部はほぼ無策だった。ハッキング発覚前に解雇されたダン氏には知らされず、後任CEOに就いたビル・オーウェンズ氏らノーテル側が行ったのはパスワード更新。そして、ファーウェイへの提案だった。オーウェンズ氏はファーウェイを創業した同社CEOの任正非氏と合併の可能性を巡って繰り返し会談。ノーテルのCEOをオーウェンズ氏から05年11月に引き継いだマイク・ザフィロフスキ氏は米モトローラ最高執行責任者(COO)時代、ファーウェイ買収合意に近づいた経緯もあり、同氏の下でノーテルとファーウェイはルーター・スイッチの合弁やイーサネット部門売却、さらには救済策の可能性さえ協議した。』
『これらはどれも実現しなかったが、ファーウェイにとって大した問題ではなかっただろう。破綻しつつあるノーテルで5Gテクノロジーの基盤を開発していた約20人をひっそりと採用したからだ。現在ファーウェイのワイヤレス事業最高技術責任者となっているウェン・トン氏もノーテルに14年間在籍。モントリールにあるコンコルディア大学で学んだ同氏はワイヤレス調査で100を超える特許に関与し、ノーテルの最も価値ある知財の幾つかを生み出した。

  ファーウェイのリサーチ戦略・パートナーシップ担当幹部ソン・チャン氏はノーテル破綻までファーウェイは新たな技術を生み出す企業ではなく、改良と低価格を提供できる追随型の企業だったとの認識を示す。同氏もまた1990年代後半、ノーテルで働いていた。』
『次世代無線インフラの標準を定める2016年の業界会議では、ファーウェイが取り組んできた「ポーラ符号」が他のプロトコルと共に選ばれた。それまでこうした会議は欧米勢が牛耳っていたが、この時は全ての中国企業が米クアルコム開発の既存アプローチを支持する陣営に対抗。中国のレノボ・グループ(聯想集団)は当初、欧米案を支持していたが、最終的にファーウェイ側に回った。

  この会議に参加していたシグナルズ・リサーチ・グループの創業者マイク・ザランダー氏は中国政府がファーウェイと足並みを乱さないよう自国企業に圧力をかけたのは明らかなようだったと指摘する。こうして、ファーウェイは5G開発の中心企業となった。』
『カナダでは18年12月、ファーウェイの孟晩舟最高財務責任者(CFO)が対イラン制裁違反に関係した銀行詐欺容疑を主張する米国の要請で逮捕された。創業者の長女である孟CFOの逮捕後すぐに中国でカナダ人2人が拘束されたが、これは中国による報復だと広く考えられている。カナダで保釈中の孟CFOは無実を主張。中国政府は企業のためにサイバースパイ活動を行っているとの疑惑を否定し続けている。ファーウェイは元中国人民解放軍エンジニアの任氏が香港に隣接する広東省深圳で1987年に設立した。

原題:Did a Chinese Hack Kill Canada’s Greatest Tech Company?(抜粋)

(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)』

ここまで強いかファーウェイ 米中分離後の世界

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61020530R00C20A7000000/

『これから世界は「梅雨」の季節に入るだろう――。アナリストを経て現在は東京理科大学大学院経営学研究科教授の若林秀樹氏は、米中対立が長期化すると予想する。現時点では平和的に対立を解消できる見込みが薄く、短期間に決着がつく様子もない。この対立は自由貿易などの基礎である「国際協調体制にショックを与える可能性がある」と同氏は言う。』
『英調査会社オムディアのコンサルティング・シニアディレクターの南川明氏も、かつての米ソ冷戦を引き合いに出して「第2の対共産圏輸出統制委員会(COCOM)規制の様相を呈する可能性がある」と述べた。その象徴が、ファーウェイやその子会社などが記載された「禁輸対象リスト(エンティティーリスト)」である。

米商務省は安全保障などに懸念がある企業を同リストに記しており、米企業は事実上、指定企業に製品提供・技術開示ができない。米国外の製品でも、米国由来の技術を一定の割合以上含めば抵触する。』
『特に5G基地局のシェアで世界トップ、スマートフォンでも世界2位のファーウェイに対しては、米国政府が本気で潰しに来ている姿勢がみえる。それが表れたのが、ファーウェイ傘下の半導体設計会社、海思半導体(ハイシリコン)の高性能な半導体チップを受託製造する台湾積体電路製造(TSMC)に対して、同社との取引をやめるように圧力をかけたことだ。』
『さらに、半導体設計支援ツール「EDA」大手の米シノプシス、米ケイデンス・デザイン・システムズなどにもエンティティーリストに記載された企業とは取引しないよう圧力をかけたもようである。半導体開発の最上流から息の根を止めようという算段だ。

さらに「現状は半導体を手掛けるファブレスメーカーがEDAツールを購入しているため、そこにハイシリコン社員が常駐すればツールを利用できてしまう。こうした抜け道も潰していくだろう」(南川氏)』
『米国政府の強硬姿勢は、2020年の大統領選挙で仮に民主党に政権が移行しても変わらない、と識者はみる。若林氏は「中国に対する圧力はオバマ前大統領の時代から続いている」、南川氏は「こうした動きは米通商代表部が主導している。かつての日米貿易摩擦の際は、政党が変わっても10年続いた」としている。』
『それでも、米国政府がもくろむようにファーウェイを弱体化させられるかといえば、話はそう単純ではない。若林氏は、5G関連技術については「ファーウェイ抜きでは標準化などの話が進まないのではないだろうか」と指摘する。

実際、ファーウェイは多くの標準化団体や業界アライアンスなどに所属しており、「(5G関連以外も含めて)その数は360以上、要職に就いている団体が300以上ある」(若林氏)

特許については、「19年3月時点で、5G標準必須特許を15.1%握る」(ニッセイ基礎研究所経済研究部上席研究員の三尾幸吉郎氏)』
『その力の源泉は研究開発(R&D)にある。「(5G関連技術以外を含むが)全従業員の45%、約8万人がR&Dに従事している。基礎研究に1.5万人、うち博士が6000人近くいる。19年は売上高の15%の約2兆500億円をR&D費用に回した」(若林氏)

つまり、ファーウェイを業界から排除し過ぎると、米国の5G、そして次世代の6Gの開発に遅れが生じてしまう可能性がある。

そこで米国ではファーウェイに対して制限をかけるだけでなく、一部で協調しようとする動きもみられる。例えば6月15日、標準化活動に限った米国企業とファーウェイの協業許可を発表している。米国は先端技術の開発競争のために、「制限と協調」を使い分けている。』
『それでは米中対立が長期化し、「国際協調」が揺らぐと、どのような問題が世界経済に発生するのだろうか。まず影響を受けるのが、製造業のサプライチェーンである。

南川氏は「(米国やその同盟国を中心に)中国にある工場の2~3割を自国に戻そうとするのではないか。『世界の工場』である中国に安価な賃金を求めた時代から変化の兆しがみられる」とする。』
『こうした「水平分業(生産地)の見直し」の動きは、結果的にコスト上昇を招く。モルガン・スタンレーMUFG証券シニアアドバイザーのロバート・アラン・フェルドマン氏はこの影響として「さまざまな製品でインフレが発生するだろう」と話す。

一例として、トランプ米大統領の支持者向けに生産された帽子を引き合いに出した。「製品の価格は米国製が25ドル、中国製が20ドルだった。この帽子のように自国生産することで価格が25%も上昇するかは分からないが、対立が続けば、あらゆる製品の価格が上がる可能性もある」(同氏)

もうすでに、企業活動で変化していることがあるという。各企業が保有する在庫量だ。「(米中対立と新型コロナウイルス禍を通して)完成品メーカー、部品メーカー、商社などが製品・部品などの在庫を抱えるようになった」(若林氏)。これまでは在庫を減らしてコスト効率を高めるのが是だったが、その常識が変わり、企業は難しいかじ取りを強いられている。』
『米中対立の日本企業への影響はどうか。複数の識者がソニーの名前を挙げた。最先端技術を詰め込み、世界で5割超のシェアを握るCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを開発・製造しているためだ。複数の識者が「ファーウェイのスマホの出荷台数が減少すれば、業績に悪影響が出る」と指摘する。

さらに懸念されるのが、米国がエンティティーリストと別に、政府機関における調達に関して、一部の中国企業を指定して排除している点だ。18年8月13日に米議員の賛成と、トランプ大統領の署名で「国防権限法」が成立した。

同第889条を基に2019年8月13日から中国企業の取引を規制している。指定を受けているのが、ファーウェイ、通信機器を手掛ける中興通訊(ZTE)、世界最大シェアの監視カメラメーカーである杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、世界シェア2位の監視カメラメーカーの浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、無線機器を手掛ける海能達通信(ハイテラ)の5社である。

さらに米国は今年8月13日から、この中国5社の製品・サービスを主要なシステム・重要な技術として利用するあらゆる企業も政府機関の調達先から排除する。

当然、日本企業も対象になる。19年の規制と比較すると対象範囲が格段に広くなるため、同法の影響を受ける企業も出てくるかもしれない。』
『これまで米国に一方的に攻められているようにみえる中国だが、何らかの反撃に出る可能性はないのか。例えば、フッ化水素の原料となる蛍石の輸出制限など、資源をネタに揺さぶりをかける方法だ。フッ化水素は半導体製造に必要な材料の1つで、中国は蛍石の産出量で約60%の世界シェアを持つとみられる。

この仮説に対しては、「中国は5G技術で先行しているものの、他の多くの研究分野は米国が優勢だ。強硬路線は取りづらいのではないか」(三尾氏)、「中国も米国も共倒れになるような方針は取れないだろう」(南川氏)という意見が出た。』
『一方で、中国が米国と同盟国の市場から締め出しを食らった場合、独自の広域経済圏構想「一帯一路」で友好国を確保して米国に対抗できるのか。これに対してフェルドマン氏は、「中国が他国と友好な関係を築けたかというと必ずしもそうとはいえない。セメントや鉄鋼を輸出したいという中国側の都合が目立つからだ」と述べる。』
『いずれにせよ、こうした対立は消費者に不利益しかもたらさない。フェルドマン氏は「米国であれ、中国であれ、国家が消費者のニーズを無視して製品・技術をコントロールすべきではない。市場の独占など新たな問題も発生する。お互いにより良い技術の開発を目指すべきだ」と主張する。

同氏は日本の姿勢にも注文をつけた。対立を傍観しているだけでなく、これを機に自らの競争力を高めるべきだという。「日本も『STEM(科学・技術・工学・数学)教育』などに積極的に投資し、IT(情報技術)技術などに造詣が深い人材を生み出してほしい」(同氏)と述べた。

(日経クロステック/日経エレクトロニクス 野々村洸)

[日経クロステック2020年6月30日付の記事を再構成]』

「机上空間」さんの読んでおくべき記事…。

 ※ 「机上空間」さんが、読んでおくべきと思われる記事を、最近次々と上げている…。
 3本、紹介しておく…。

 最近の中国巡視船による尖閣諸島付近の活動は、日本社会への踏み絵 : 机上空間
 http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23017977.html 

 立ち枯れる一帯一路 : 机上空間
 http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23013412.html

 序列で全てが決まる共産国家 : 机上空間
 http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23008110.html

習近平はなぜ香港国家安全維持法を急いだのか?

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200707-00186925/

 ※ このところ、遠藤誉氏の記事は、参考になるものが殆んど無いように感じていたので、あまり重視して来なかった…。
 この記事は、久々で参考になった…。
 『これらは全て、習近平の父・習忠勲が残した負の遺産からの脱却であることも見えてくる。6月18日付のダイヤモンド・オンライン「中国コロナ批判の逆風下、習近平が香港統治をゴリ押しする隠された理由」でも詳述したが、香港返還に当たり、コモンローを受け入れると最初に言ったのは習近平の父・習忠勲だ。1983年のことである。

 習近平にはその負い目があり、自分が国家主席である間にコモンローであるが故の司法の問題を何としても解決したいと思っている。次期指導者の政権まで未解決のまま残すと、今は亡き父親が又もや批判の対象となるかもしれないと恐れている。何と言っても父親は毛沢東によって反党分子のレッテルを貼られ、16年間も牢獄生活を送った歴史(冤罪ではあっても「前科」)を持っている。』という話しは、知らんかった…。

 「資本主義」ということが言われているので、オレの理解を語っておく…。
 「資本主義」とは、「資本自由主義」ということで、「生産手段」「利益を産出するもの」である「資本」の、自由な活動を「国家として」「法秩序」として「認める」ものだと、考える。平たく言えば、「自由に利益を獲得すること」を認める、「獲得した利益を、自分のものにする(私有する)こと」を、国家として、法秩序として認めるという制度だ、と考える。
 その前提として、人間の生存・生活にとって、「私有財産(自分のものである財産)」は、必要欠くべからざるものだ…、という認識がある…。
 そのさらに前提として、そういう「私有財産」は、「人間としての尊厳」には、必要欠くべからざるものだ…、という認識が横たわっている、と考える。
 しかし、現実社会においては、こういう「自由」を制度として肯定すると、「格差」が拡大してしまう…。「自由競争」の名の下に、「利益を獲得していく」能力に差異がある以上、それに長けている者とそうでない者の差異が生じてしまうからだ…。
 その「弊害」「問題点」を鋭く抉り出したのが、カール・マルクスの「資本論」なんだろう(全部を読んではいない)…。
 「人間としての尊厳」に資するものだったはずの制度が、結局は「人間としての尊厳」を破壊してしまうことになるという、大矛盾だ…。
 さりとて、この「私有財産」を否定して、「共産革命」なるものを起こして、資本家・大地主を打倒し、彼らからその「私有財産」を実力で奪取したところで、次の問題が生じる…。その「財産」を、どう「管理」していくのか、「誰が」管理していくのか、という問題だ…。「国有財産」「公有財産」「共有財産」と呼称を変えたところで、「どのように・誰が管理していくのか」という問題は、消えて無くなるわけじゃない…。
 「財産」というものが、「人間の生存」にとって必要不可欠であるということは、消えて無くならないし、数が限られている以上、それの争奪戦、あるいは、「その管理権」の争奪戦は、消えて無くなるものじゃない…。
 人は、永遠にそういうことを、争っていく存在なんだろう…。

たぶん、幸福を管理される未来をみんなは受け入れる

たぶん、幸福を管理される未来をみんなは受け入れる – シロクマの屑籠
https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20200706/1594015301

 ※ 前に上げた「幸せの伝染、不幸の伝染」のダーク・サイドだ…。
  「さあ、みなさん!幸せを、他の人にも広めましょう!」というわけだ…。

「ネットカフェ難民」漂流の危機

「ネットカフェ難民」漂流の危機-コロナ禍のしわ寄せ、若い世代にも
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00597/

『〔「嵐が来た」〕
NPO法人TENOHASI(てのはし)は、東京・池袋を拠点に主にホームレスの人々を支援している。主な活動は2週間に1度の炊き出し(現在は感染防止のため弁当配布)や生活相談のほか、毎週水曜夜に路上生活者を見て回り、おにぎりやパンフレットを配る「夜回り」だ。

路上生活者が減少傾向にあった矢先、「今年3月に突然嵐が吹き荒れた」と、代表理事の清野堅司さん(58)は振り返る。新型コロナウイルスの感染拡大とともに、経済活動が停滞。炊き出し参加者は3月から増え始め、4月は1回200人超、5月には同260人を数えた。相談件数は4月から6月半ばにかけて累計80件。前年同期の3倍に膨らんだ。

年配の長期路上生活者に加えて、「今まで炊き出しに並んだことがなかったようなインターネットカフェ難民系の若い人が参加し始めた」と、清野氏は驚く。建設業を中心に日雇いや派遣の仕事が急減、困窮者が増えたのに加え、4月の緊急事態宣言を受けネットカフェが営業自粛要請の対象(東京都は6月11日解除)となったことが追い打ちを掛けた。「住民」はいったん退去せざるを得なくなったのだ。

6月27日、炊き出し会場の東池袋中央公園を訪れると、開始時刻の午後6時よりも1時間以上前から混み始め、確かに20代から30代と思われる若い人たちや女性の姿がちらほら見えた。弁当配布の長い列に2回並び、両手いっぱいに弁当袋をぶら下げ持ち帰る人が多い。相談コーナーや鍼灸(しんきゅう)コーナーも盛況だ。

最近、相談に訪れた男性はネットカフェをねぐらとして、リサイクル家電を東南アジア向けにコンテナに詰め込む仕事をしていた。2月の時点では、「1日1万円で週3回来てくれ」と雇用主に言われていたのが、3月には「週1回」に減った。日本での感染拡大で相手国の検疫が厳しくなり、景気も悪化したためだ。掛け持ちの建設現場の仕事も急速になくなり、5月の月収は6万5000円に落ち込んだ。

〔仮の住まい〕
ネットカフェ難民は、日雇いや派遣など不安定で賃金の安い仕事に就きながら、平均で1日2000円程度の格安な24時間営業の店をねぐらとしている。東京都内だけで約4000人いると推計されるが、営業自粛で退去を余儀なくされた人々の一部は、東京都が4月から「受け皿」として借り上げたビジネスホテルに移った。都の説明では、これまでに延べ約1200人が利用した。

実際、6月24日の夜回りに同行させてもらうと、東池袋周辺では、公園や陸橋の階段下など薄暗く人目に付きにくい場所に16人の路上生活者の姿が確認できたが、若い人は1人だけ。ネットカフェ難民は全てとは言わないまでも、一定数はとりあえず路上生活を免れたように思える。

リサイクル家電と建設の仕事を掛け持ちしていた男性も、豊島区のビジネスホテルに無料で宿泊。月収から割り出し1日2000円程度の予算内で、食事代のほか職場までの交通費、日雇いの仕事探しに欠かせない携帯電話代をやり繰りできたのも、無料の住まいを確保できたからだ。

しかし、男性のように、少額でも所得のある生活困窮者の場合、借り上げホテルにいられるのは7月1日まで。彼はその後どこへ行ったのか。

〔届かぬ公的支援〕
借り上げホテルはあくまで仮住まいであり、そこで住民票登録ができるわけではない。住民基本台帳に載っていることを前提とした特別定額給付金(1人10万円)や住宅確保給付金などの公的支援は受けられず、「一番必要な人に公的支援が行き渡らない」と、TENOHASIの清野氏は嘆く。

10万円の給付金の書類申請期限は、都内なら8月下旬。それまでに自力でアパートを借りて、自立できる人はいったい何人いるだろうか。

労働条件も劣悪だ。労働基準法では、コロナ感染防止のため、休業を余儀なくされた場合、従業員に60%以上の休業手当を支給することになっているが、派遣労働や日雇いの場合は、休業手当が支払われないことがしばしばあるという。

労働問題に詳しい猪股正弁護士は、「先々まで予定されていた仕事について、派遣先が途中で『仕事がないから来なくていいよ』ということになったら、責任を負い、ある程度の金額を派遣会社に払わないといけない。そこから派遣社員に休業手当が支払われるべきだ」と話す。

厚生労働省の調査によると、新型コロナ感染に関連した非正規雇用者の解雇見込み者は6月26日時点で9009人。調査を始めた5月29日時点の3.8倍に急増した。派遣契約は3カ月単位が多く、区切りとなる6月末を控えて雇い止めが増えたとみられる。

〔心理的な壁〕
都の借り上げホテルは既に一部で入居期限が切れ、今後も段階的に退去を余儀なくされる。困窮者はネットカフェに戻るのか、それともその金すらなく、さまようのか。清野氏は、「仕事が回復するのを待っていても、現状では回復しそうにない。ネットカフェに戻してしまうのではなく、生活保護の支給を受けてアパートを借りながら、時間をかけて仕事を探していくしかない」として、困窮者の保護申請の手伝いに奔走している。

だが、その試みは一筋縄では行かない。

生活保護を受けるには、申請者の親族に扶養能力がないのかを調べる「扶養照会」という手続きがある。つまり、役所から故郷の親族に対し、申請したことが伝わってしまう。申請者の多くは「保護を受けるような人間は怠け者。自分はそんな人間になりたくない」と自分を追い詰め、親に知られたくない心理が働く。特にネットカフェ難民は「訳あり」で故郷から出てきた人が多く、なおさらだ。

40代の独身女性は、ネットカフェ暮らしをしていた物流関係の派遣社員。4月以降、仕事が減って行き詰まり、都の借り上げ住宅にやっとの思いで入居。期限切れを前に、保護申請するか迷っていた。そもそも親元を離れネットカフェ暮らしをしていたのは「家族との不和」が原因だっただけに、「家族に知られるのだけは絶対に避けたい」との思いが強い。

その心情をくんで、TENOHASIの相談員は「虐待などが原因ならば、親族への照会は控えてもらえるはず」と諭し、心理的な虐待がなかったかなど、申請窓口へ行くまでの戦略を共に探っている。

〔コロナ禍のセーフティーネット〕
もう一つの大きな壁は、生活保護に対する世間の目の厳しさだ。「働きもせず、税金で支援されるなんて」という冷たい視線が向けられることがある。

京都市の区役所で生活保護の実務経験がある相続・介護コンサルタントの小笹美和さんは、「外から見ても分かりにくいが、病で働けないということもあるし、本人が保護に頼らずに働きたくても仕事がないという現実がある」と話す。「ほんのごくわずかしかない」という不正受給のせいで、偏見が広がりがちだ。

コロナ感染は世界的にまん延し、第2波も予想されることから、さらに多くの人々の雇用に響いてもおかしくない。「派遣の方は真っ先に切られやすいし、大企業にいるからといってリストラされないとも限らない。いつ、どこで、どんなふうに働けない環境になるかは紙一重だとすごく感じる。生活保護はセーフティーネット(安全網)として本当に必要だし、需要は増えて来るだろう」。小笹さんはそう見ている。』

※ 世界的な統計上は、日本の「ネカフェ住民」みたいな人達は、「ホームレス」に分類されているそうだ…。

 ※ ああ、やっぱり「ネカフェ難民」生じていたか…。聞いたのは、「リーマン」以来だな…。今回は、その「ネカフェ」すら追い立てをくらったか…。
 「リーマン」の時とは、経路がちょっと違うようだが…。
 リーマン:世界的な「金融システム」の機能不全 →「世界経済」全体の悪化 → 日本経済へ波及 → ネカフェ難民の発生…
 コロナ禍:世界的な「パンデミック」の発生 → 旅行・飲食業界及びその関連業界の需要喪失 → そういう業界関係の労働者の大量解雇・休職 → ネカフェ難民の発生…
 いずれ、「経済が悪化」すると、一番弱い人達のところに、真っ先に「しわよせ」が行く…。
 「リスク覚悟で、経済再開」も、ある程度はやむを得ないところだろう…。

長引く将来への不透明感

長引く将来への不透明感
経営者ブログ 鈴木幸一 IIJ会長
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61184550W0A700C2000000/

『書物に没頭していても、テレビをはじめとするメディアに、少しでも触れる時間があると、ますます、突出した振る舞いが緊張関係を増大している米中など世界の厳しい状況が耳に入る。中国は、香港に対する「一国二制度」といった統治から、国際的な批判に対して、まったく顧慮せず、香港も中国の「1国1制度」へと、厳しい転換を実現した。また、ロシアは国民投票によって憲法改正を実現し、プーチン政権の超長期化が可能となった。経済の破綻リスクを考えれば、米中対立もおのずと、決定的な事態には進むことはないだろうというのが、メディアの論調だが、長い歴史を見れば、中国が他国と対等な関係という枠組みで付き合ったのは、19世紀以降のわずかな時間でしかない。中国にとって、中国はいつも世界の中心であるという存在の形態が、すべての基本である。一方、米国が世界の中心として存在するようになったのは、20世紀のことである。14億人とされる人口を抱え、近未来に米国を抜いて超経済大国になろうとする中国、軍事費の増大に歯止めがない中国が、一時的にはともかく、長期的に米国との協調を第一義とする政策を実行することは、極めて難しい話である。素人から見ても、中国とは、そうした大国としての歴史を持つ国なのである。ところで、21世紀の鍵となるIT(情報技術)では、中国があっという間に米国と並ぶ存在となっている。膨大な人口、広大な国土、多民族の中国を一つの国として統治していくために中国ほど、ITを徹底的に利用できる大国はない。インターネットの徹底的な利用、拡大において、最も障害となるのは、監視につながるプライバシー問題なのだが、なによりまず、個人ではなく国家が優先する施策を実現できる中国に、制度や仕組みにおいて、先進民主主義国がキャッチアップできると思えない。』
『ところで、新型コロナウイルスが広がる世界で、インターネットが画期的な役割を果たしている状況を見るにつけ、なんとも言えない感慨を持ってしまう。インターネットが電話に代わる通信の基盤になると確信し、本格的な商用化を目指してIIJを創業、30年近くになる。「あらゆる情報がネット上に存在するようになり、通信が電話からインターネットに変わることにより、ネット上にある情報にどこからでも自在にアクセスできるようになる」。インターネットは20世紀最後の巨大な技術革新であり、インターネットの爆発的普及が始まった以後の世界は、政治、経済、産業に始まって、人々の暮らしに至るまで、すべての仕組みを変えてしまう。技術革新の本質は、通信と情報(コミュニケーションとインフォメーション)が、コンピュータサイエンスという同じ技術基盤の上で発展することの未来を、念仏のように繰り返し話していたのだが、理解をしてくれる人は少なかった。ひとえに私の話し方に問題があったのかもしれない。』
『IIJを設立したのは、1992年。米国のナスダック市場に上場したのは99年である。株主総会をはじめ、決算発表、株主や投資家向け広報のIRといった会では、あらゆる質問に対し、ほとんどすべてを私が答えていた。だが、海外の投資家の方々には興味を持っていただくのに、日本の投資家の方や、企業経営者の方には、上記のような話を繰り返す私に対し、「鈴木さんの話は、理解し難い」というのが定評となってしまったようだ。親しくしていただいた商社のトップの方には、「英語で話すと、鈴木さんの話は分かりやすくなって、会話もはずんで、理解できる」と、そんな評判を立てられたりした。私の英語が未熟で、ボキャブラリーや言い回しが単純、複雑なニュアンスなど、すべて捨て去らざるを得ないことで、分かりやすいだけのことで、なんだか恥ずかしい思いをした記憶がある。日本語で「愛しています」などと、恥ずかしくて、口が裂けても言えないけれど、英語なら「アイ・ラブ・ユー」と気軽に言えるようなものかもしれないといったレベルの話だと、がくぜんとしたものである。』
『「よくみれば なずな花咲く 垣根かな」。芭蕉の句である。ごく普通の情景を、「よくみれば」といった平凡な言葉をもちいて、優れた芸術表現にしてしまう。いまさらながら、すごいものだと思う。毎週、公園や道端に咲く花を目にしては、写真を撮って、掲載させていただいているのだが、今週の花は、ムクゲである。ムクゲというと、すぐに「道の辺の 木槿(ムクゲ)は馬に 食われけり」という芭蕉の句が浮かぶのだが、着想の次元の違う句である。私にとって、ムクゲの記憶は、子供の頃には残っていた小さな垣根のある家々や路地の風景と重なるようだ。小さな垣根によく見掛けたのが、目立たないムクゲの花だった。「十軒の 長屋とりまく 木槿かな」「夕暮れの 旅僧通る 木槿かな」。いずれも正岡子規の句である。ムクゲの垣根が消えた日本が今の日本なのだが、それが豊かさの象徴なのかどうか。年を重ねると、昔の風景が、鮮明な形で思い起こされるようだ。』

インターネットイニシアティブ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96

ムクゲ/むくげ/木槿
https://www.uekipedia.jp/%E8%90%BD%E8%91%89%E5%BA%83%E8%91%89%E6%A8%B9-%E3%83%9E%E8%A1%8C/%E3%83%A0%E3%82%AF%E3%82%B2/

 ※ 馬に食われたムクゲは、どの品種だったものか…。「道の辺の 木槿(ムクゲ)は馬に 食われけり」…。オレも、大好きな句だ…。何より、その破壊力が凄まじい…。人間にとっては、「鑑賞の対象であるムクゲ」も、馬にとっては、かっこうの「餌」に過ぎない…。ムシャムシャと、一心不乱に喰っているのだろう…。あの馬に独特の、鼻面や口元や、その動き…、咀嚼する時の音まで聞こえてくるようだ…。
 「そうか、お前にとっては、ごちそうか…。」一旦は、そう思ったであろう芭蕉だが、その獣と人の「とらえ方」の断絶を感じたその瞬間に、同時に、限りない「生命」としての連続・連帯に思い至ったような気がする…。