日経平均大引け 4日ぶり大幅反発、1051円高

日経平均大引け 4日ぶり大幅反発、1051円高 米金融政策・景気刺激策の期待で
https://www.nikkei.com/article/DGXLAS3LTSEC1_W0A610C2000000/

株、ジェットコースター相場にも悲鳴は禁物? 眠る「灰色のサイ」にご用心
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『日経平均株価が不安定な動きとなっている。前日に774円安と急落して迎えた16日は一時741円高と、前日の下げを取り戻すような勢いを見せている。日経平均は6月上旬までの一方的な上昇から底値固めのフェーズに移ったとみる市場関係者は多いが、新型コロナウイルスの感染状況や米国の政治情勢を巡り、波乱含みの展開は避けられそうにない。

前日の下げに閉口した投資家は少なくないかもしれない。市場では新型コロナの感染拡大「第2波」への警戒を口実として、CTA(商品投資顧問)をはじめとする短期筋が利益確定を目的に売りを仕掛けたのが主因とみられている。このまま日米とも下げ歩調を強めるのか――。そんな声も出ていたが、そんな不安が吹き飛んでしまいかねないほど、午前の上げは強烈だ。

野村証券の高田将成クロスアセット・ストラテジストは「ヘッジファンドは全体的にみて、3月の急落前ほど買い持ちを積み上げていたわけではない。下がったところでは打診的な押し目買いに動きやすい」と見ている。きょうは前日に売り込まれた半導体関連など景気敏感株を中心に買い戻された。

相場の根底に流れる「大規模緩和」という世界的な金融政策の前提が変わっていないことが、そうした押し目買いを後押ししている。前日も米連邦準備理事会(FRB)が個別企業の社債購入を開始すると発表したのが好意的に受け止められた。危機時には当局から救いの手が差し伸べられるという安心感が、3月のような「総悲観」を抑制している。野村の高田氏によると「仮にCTAの買い持ちがすべて無くなっても、日経平均の下値は2万1000円程度にとどまりそう」という。

しばらくは底値固めの展開となるという見方が多いなか、気がかりなのは米国の感染状況だ。米国では経済活動再開に前向きな「共和党州」(知事が共和党)であるテキサス州などで、新型コロナの感染者が増加している。

大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「経済活動再開による景気回復期待と感染再拡大の警戒が共存し、その時々の投資家のリスク許容度によって上昇・下落どちらにも大きく振れる要因になりやすい」と指摘する。

16日午前の市場では「米トランプ政権が景気テコ入れで1兆ドルのインフラ支出を検討している」との報道を機に、米株価指数先物が急上昇。つれて日経平均先物も東京市場の昼休み時間に大幅上昇しており、午後の相場も強い基調が続きそうだ。

あまりに上下の激しいジェットコースター相場に動揺する投資家が増えると、積極的に運用リスクを取ろうという意欲は低下する。いまは見過ごされがちな潜在的なリスクにも警戒が高まりやすくなるだろう。足元ではコロナの感染拡大や人種問題を巡って米大統領選に向けたトランプ氏再選の雲行きが怪しくなっている。いつもは静かなのに、暴れ出すと止まらない潜在リスクである「灰色のサイ」として意識される。

コロナ禍の遊園地では、感染を拡大させる可能性があるため大声はご法度。市場でも投資家の悲鳴に灰色のサイが目を覚まし、相場が暴走してしまうシナリオには用心だ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥〕』