この「暴落」局面を、どう考えるか…。

 ブログ主の春山昇華さんは、2020年03月13日付けで、「三井住友トラスト・アセットマネジメント」の「レポート・コラム」の一つとして、連載記事を載せている。
『執筆者プロフィール
春山 昇華(はるやま しょうか)
1978年京都大学法学部卒。87年から英国・ロンドンにて株式と債券による国際分散投資に従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系・外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。
個人投資家による投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指して96年よりネットで情報を提供する。現在は個人投資家を対象に春山ゼミを主宰するとともに、企業向けのアドバイスも行っている。』
 オレは、個人的に「リーマンショックの時」に
『サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254)』(春山昇華)
『サブプライム問題の正しい考え方 (中公新書)』( https://honto.jp/netstore/pd-book_02999398.html
※ 「現在、お取扱いできません」になってる。)
、の2冊で必死に事態の把握に努めた…。
 そういうお世話になった(あくまで、文献上な…)人への論評なんで、ちょっと心苦しいが、「投資」とは徹頭徹尾、自己責任でやるものだ…。どんなに、「投資の神様!」「投資の達人!」を崇めても、「損失」が出た時に、その「神様」「達人」が、損失を補填してくれるものでは無い…。あくまで、「一つの参考」にするものだ…。
 それで、この人の「やや弱点」と思われる点を、挙げておく…。
 ・「法律」関係に、やや疎いと思われる点(「法学部」出身なのに、不思議だ…)。「会社法制」とか、「取締役の責任」、「損害賠償」、「差押・執行」とかへの言及を、聞いたことがない…。
 ・世界情勢を論じていることがあるが、米・中・ロの「世界戦略」への考察が少ない…。
 ・「中国」へ、やや肩入れし過ぎている向きがある…。

お金と為替と信用の物語(2020年03月13日)
https://www.smtam.jp/report_column/detail/cat_11/01160/

 
 これが、「三井住友トラスト・アセットマネジメント」の「レポート・コラム」の最新のものだ…。
 そういう春山さんの記事ではあるが、この「暴落局面」での考え方の一つとして、十分参考になるものと思われるので、紹介しておく…。

※ 「ファンクラブ」領域とは、「下落局面」において、「底を打つ(上昇局面への転換点)」前に、ちょっと上げた場面のことを言っているようだ…。「下落圧力」が強く、相場が上昇局面への転換点まで到達していない場合は、「また、一段の下げ」となる…。そういう「ちょっと上げた場面で、特定の「お気に入り銘柄」に投資する」のは、「一回限り」しておいた方がいい、と言っている…。

※ 「底を打った」時点を的確に把握するのは、「至難の業」なので、それを「やや過ぎた」時点、明らかに底を打ったことが確認できた時点を、「モリモリ」と称して、買い出動の時点として推薦している…。

※ チャート分析において、下げ局面での「山の頂点」を直線で結んで、傾斜が急なものと、やや緩やかなものの、2直線を作成しておいて、急な方を使ったややリスキーな考察を「モリモリ」と称し、やや緩やかな方を使った穏健な考察を「スマート(賢い)」と称しているようだ…。

※「景気敏感銘柄(景気が良い時は、業績がグッと伸びるような企業の株。逆に、景気が悪いときは、業績は敏感に悪化する)」「高PER(利益率が高い企業)銘柄」は、日経平均やダウ平均の下げ以上に大幅に下落する…。ハイリターンではあるが、ハイリスクでもあるので、投資家は売り急ぐ性質がある…、と言っている…。

※ 逆に、電力・ガス・通信などの高配当銘柄や生活必需品関連の企業の株は、軽微な下げにとどまる…、と言っている…。

※ この「下げ局面」における銘柄の性質の差異は、「上げ局面」においても、当てはまる…。「大幅下落銘柄」は、回復も急角度になる…、だから、回復がゆっくりな「安全銘柄」から、回復が急角度であろう「景気敏感銘柄」に乗り換える…、というのも戦略の一つだ…、と言っている…。

※ 懸念が「杞憂」に終われば、大幅に回復する…。懸念が現実のものとなれば、長期の低迷となる…。言っていることは、「正論」だ…。

「だから、投資家はしっかりと情報を判断して被害株から杞憂株にスイッチしなければならない。」これも、「正論」だ…。

※『人間の脳は「現状から少ししか変動しない」前提で思考する仕組みになっている』…。これが、この記事で最も参考になった話しだ…。

おそらく、「正しい」…。なぜなら、それが「脳」にとって、一番の省エネになるモードと考えられるからだ…。これが、いつもいつも「現状が、根底から覆ることがある」と言う前提で、考えることを強いられるのでは、たまったものじゃ無いだろう…。そういうことが続く場合は、「脳」も「パンク」して、「正常な思考ができない」状態となるに決まっている…。

心理学的には、「アンカリング(「アンカー」(錨)効果とでも言うべきものなんだろう…)」と呼ぶらしい…。

しかし、「暴落」時は、そういう「平時」の思考では、追いつかない…。したがって、「意図して」「脳をリセット」する必要がある…。「全てを白紙から再検討して、新戦略を練る必要がある…。」

※今回の下落局面において、香港・中国株の下落率は、他地域に比べて小さい…。それで、回復局面も、他地域に比べて先行するという期待も聞こえる…。

しかし、そういう分析は「ちょっと、待て」と言っている…。

実は、香港・中国株の低迷は、コロナショック以前から続いていたことに、注目したほうがいい…、と言っている…。

※ チャートを見ると、こんな感じ…。ほぼ横ばいで、最高値を付けた時には、及んでいない…。

※中国経済をけん引してきたのは、「個人消費」で、沿海部の賃金は+8%で安定的に伸びてきた…。

※ しかし、その賃金の安定上昇に懸念が生じている…、と指摘している…。中央政府は、「雇用」と「賃金」の両方を実現させることは、不可能となり、「賃上げを抑制しても、雇用を守る」という政策に舵を切ったようだ…、と言っている…。

※ おそらく、米中経済摩擦や、米国の経済的な締め付けがボディー・ブローのように、ジワジワと効いてきたんだろう…。

※ しかも、現状の「水準」も、中央政府が「腕力」で支えている節(ふし)がある…、と言っている…。

※ しかも、このコロナショックが収束したところで、米中経済摩擦が消えて無くなるものでも無い…。

※ むしろ、激化する可能性すらある…。よって、「中国びいき」の春山さんですら、「中国香港株」は、「避けたい」と言っている…。

まあ、投信を買おうとする人なんかは、十分に参考にした方がいい話しだな…。