マルタ会談から30年

マルタ会談から30年 神話だった勝利、西側におごり 本社(※ 日経新聞社)コメンテーター 秋田浩之 ( https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52885730T01C19A2I00000/ )

※ さわりの部分を、紹介しておく。

 ※『保養地で知られる地中海のマルタ島。1989年12月3日、米ソ首脳がここで握手を交わし、冷戦の終結を高らかに宣言してから30年となった。
マルタ会談の2年後にソ連帝国は崩れ去り、いわゆる西側陣営の米欧日は「冷戦に勝った」と喜んだ。そして、民主主義のリベラル秩序が世界を覆うと思いこんだ。
しかし、いまから考えると、米欧日は大きな勘違いをしていた。ソ連が倒れたからといって、冷戦に勝ったわけではなかったのだ。』
『当時、「強権のカーテン」から直ちに解放されたのは主に東欧、旧ソ連諸国の一部であり、中東、アフリカには強権国家群が残った。それどころか、ソ連崩壊は中国に反面教師となり、共産党一党独裁のタガを引き締めるきっかけになった。』
『冷戦終結の宣言から30年がすぎ、敗者だと思われたロシアはスパイや政治、メディア工作を通じて東欧の民主主義をかく乱し、再び、強権側に引き戻そうとしている。
チェコやハンガリーを取材すると、ロシアのすさまじい浸透ぶりを耳にする。現地の政界関係者らによると、ロシアは両国に数百人単位の情報要員を駐在させ、民主化活動を妨げる工作を凝らしたり、選挙介入を試みたりしているという。』
『もっとも、衰退大国といえるロシアだけなら、そうした工作がリベラル秩序にもたらす打撃も限られるだろう。問題はロシアと枢軸を組み、中国も米欧主導のリベラル秩序を壊しにかかっていることだ。』
『国内総生産(GDP)でロシアの約8倍にのぼる中国は、情報工作だけでなく、経済援助によって政治的な影響力を強める。
中国はカンボジア、ラオス、ミャンマーといった近隣国だけでなく、南太平洋、中央アジアにも支援外交を加速。中・東欧でも17カ国と経済協力の枠組みを設け、投資を進めている。
これらがすべて政治的な影響力につながっているわけではないが、中国側の国家資本主義モデルに関心を寄せる途上国は少なくない。
共産党体制は誰も望まないが、経済面でみると、めざましい発展を実現した中国の国家資本主義には魅力的な要素がある――。東南アジアや中央アジアの政治専門家からは、こんな声が聞かれる。』

※ 中国の成長モデル(権威主義的な、国家主導資本主義+国民の自由は制限・ガマンさせる政治体制)を、一部では「北京コンセンサス」と称し、世界の一部(特に、発展途上国)においては、評価する向きが、一定数存在している…。

※ 米中は、次の「覇権」の争奪戦を戦い中で、その帰趨は、なかなかハッキリとはして来ない…。安全保障の多くを、米国に依存する日本にいるとよく見えないが、世界全体から見ると、明らかに米国の勝利及び中国の敗北が見えている…、というものでも無いようだ…。