韓国「GSOMIA維持」の裏側、対日シナリオ崩壊と米国頼みの“万事休す”に

https://diamond.jp/articles/-/221694

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「牧野愛博
朝日新聞編集委員
1965年生まれ。91年、朝日新聞入社。瀬戸通信局長、政治部員、全米民主主義基金(NED)客員研究員、ソウル支局長などを経て、19年4月から朝鮮半島、米担当の編集委員。著書に「絶望の韓国」(文春新書)、「ルポ金正恩とトランプ」(朝日新聞出版)など。」という人が、書いている…。

どっかのサイトにもあったが、日韓双方の交渉担当者の内部情報に通じた情報源からの、情報提供がある…、と見られる感じだ…。

さわりの部分を、紹介する…。

『11月6日午前、韓国外交省で康京和外相と会談した。スティルウェル氏が「GSOMIA破棄を撤回しない韓国に失望した」と、改めて米国政府の考えを伝えると、康氏は「失望する、失望すると何度も言わないでほしい」。苦悶と困惑の表情で返した。
 スティルウェル氏は午後には、GSOMIA破棄を主導した韓国大統領府の金鉉宗国家安保室第2次長とも面会した。
 スティルウェル氏が繰り返し、GSOMIA延長を求めると、金氏は「文大統領は8月15日の光復節演説で日本を批判しなかった。李洛淵首相も日本に派遣した。それなのに、日本は何も対応しないではないか」と反論した。』
『大統領府は、安倍首相が、10月24日、訪日した李洛淵首相と21分間にわたって会談したことに心証を良くしていた。同時に、自らが打ち出した「日本が輸出管理規制措置を撤回すれば、韓国はGSOMIA延長も検討できる」という原則に苦しんでいた。
 文政権の売り物は「原則(ウォンチク)」だ。
 国際社会が制裁を続けるなかでの北朝鮮への融和政策や、経済界が反発する最低賃金の大幅な引き上げなどの大胆な政策も、「目先の利益にとらわれない」基本原則がきちんとしていればこそだ。
 無原則な政策変更をすれば、保守・野党勢力に格好の攻撃材料を与え、一方で有権者の3割とも4割ともいわれる文政権の「コンクリート支持層」の離反を招く。
 そのことを意識して、対日関係改善についても、従来の原則が表向きは守られる形で妥協する「名分」を探ろうとしたのが、バンコク郊外での日韓首脳対話だった。
 だが、韓国側が一方的に考えたシナリオは簡単に崩壊した。』
『 北朝鮮が新型ミサイルなどの実験を加速させる一方で、米韓同盟が揺らげばどうなるか、すでに韓国側は今年5月にそれを身をもって体験していた。
 5月4日、北朝鮮は金正恩朝鮮労働党委員長が視察するなか、短距離弾道ミサイルを発射した。韓国軍合同参謀本部は当初、「短距離弾頭ミサイル」と発表したが、大統領府が「短距離発射体」と説明すると、慌てて表現をそう修正した。
 この迷走の原因は「米軍から事前情報をもらえなかったからだ」(韓国の軍事専門家)といわれている。』
『北朝鮮がミサイルを発射する場合、特に金正恩氏が参加する行事であれば、1~2週間前にはその兆候が現れる。米国の高高度偵察機や情報衛星などで現地の準備状況などを把握できるからだ。
 その場合、韓国政府内では事前に、混乱を避けるために表現の統一を図るが、5月に表現が混乱したのは、事前情報がなかったからだという。』
『 韓国は現時点で、衛星も高高度偵察機も持っておらず、従来は南北軍事境界線沿いでの偵察活動が有力な情報収集手段だったが、それも昨年9月の南北軍事合意後はやらなくなっている。』
『ただ、韓国大統領府はこの時点でも、まだ「日本による輸出管理規制措置の撤回確約」という、より韓国に都合の良い解決策にこだわっていた。
 GSOMIA延長を重要視する米国を頼り、「米国が日本を説得してくれるかもしれない」という期待を捨てきれなかったからだ。』
『11月18日から19日にかけ、韓国の外交安保政策の実質的統括者である金鉉宗国家安保室第2次長がワシントンを訪れた。
 米国に「日本が輸出規制措置の撤廃を確約しない限り、GSOMIAを延長できない」という韓国政府の方針に理解を求め、場合によっては「日本が言うことを聞かないので破棄するしかない」という結論への支持を求めると同時に、日本に対する説得を依頼するためだった。
 だが、金氏と面会したポッティンジャー米大統領副補佐官(国家安保担当)は、「GSOMIAは日韓関係とは別の問題だ。北東アジアの安全保障を維持するため、GSOMIAを維持してほしい」。改めて米国政府の強い姿勢を示した。』
『 とかく、トランプ米大統領の関心は駐韓米軍経費の削減といったカネの問題だけなので、ホワイトハウスの大統領スタッフらを説得すれば、GSOMIA延長にこだわる米国務省や米国防総省が騒いでも問題はない、という金氏らの計算は崩れた。』
『 最後に、日本に韓国に対し「救命ブイ」を投げるよう促したのは米国だった。
 名古屋で開かれるG20外相会議のために来日したスティルウェル米国防次官補が21日、東京で北村滋国家安全保障局長と面会。その席で北村氏に対し「日本もぜひ、柔軟な姿勢を発揮してほしい」と強く訴えた。
 この会談を受けて首相官邸が最終的にゴーサインを出したのは、韓国側が「条件付きで破棄を凍結」を発表した22日だった。』
『 安倍首相は22日夕、記者団に対して表情を変えることなく、「韓国も戦略的観点から判断したのだろう」と述べた。
 素っ気ない言い方に聞こえたが、緻密に練られた発言だった。
 日本政府関係者の1人は、「韓国の措置を評価するとは言わない。だが、この間の韓国の迷走ぶりを批判もしない。表情管理もしっかりして、韓国に誤解を与えないように努めた」と語る。
 米国に頼まれた末、望まない形で至った「合意」であることを言外にアピールした格好になった。』
『 一方で日本側も解決の糸口が見えているわけではない。今回の協議の対象にならなかった徴用工判決問題も解決の糸口は見つかっていないままだ。日本政府関係者の1人は「実際、日本も韓国も米国の顔を立てただけ。日韓ともに、GSOMIAなんて要らないと思っている人も少なくはない」と語る。
 米国頼みで、とりあえずのGSOMIA「失効」は回避したものの、日韓が独自に関係改善を進める道筋は相変わらず見えないままだ。』

タイトルは、相当日本側に寄ったものになっているし、日本側の一部には、「パーフェクト・ゲームだ」なんて声もあるようだが、交渉事は、そういう類いの話しでは無い…。米国の日本側に対する圧力も、強烈だったようだ…。

二匹の仲の悪い子犬を、「頭を撫でたり、エサを与えたりして」手なずける…。他方で、厳しく、「伏せ!」「待て!」と叱咤して、しつける…。これに、最近では、もう一匹、威勢のいい若いのが、加わった…。そういうような、構図だな…。

そして、その背後には、恐ろしい二匹の猛獣が、控えている…。紅い火を吐くドラゴンと、獰猛な熊だ…。こういうものを、操り、意に従わせようとしているのだから、調教役も大変だ…。油断していると、すぐに「手を噛まれ」かねない…。