GSOMIA維持も、米国は「韓国は今後も中国に接近」と予測 もう収まらない怒り

 ※ デイリー新潮の、鈴置氏の論考だ…。一読しておく価値は、ある…。さわりを、紹介しておく…。


『この論文(※ アーミテージ、チャ論文)は米韓同盟の破綻を象徴する、4つの具体例をあげています。
(1)「ファーウェイ(華為技術)の設備を5Gの通信網に使うな」との米政府の同盟国への要求は、韓国の携帯電話会社を困惑させている。
(2)中国の提案した多国間の貿易協定(ここには米国は含まれない)に韓国は未だに参加を希望している。
(3)中国のアジアにおける航行の自由への挑戦を牽制するための米主導の「インド・太平洋戦略」を韓国は支持しない。
(4)今週、韓中の国防相は防衛交流を強化し軍事情報のホットラインを設立するための協定に署名した。

(2)の中国の提案した多国間の貿易協定とはRCEP(東アジア地域包括的経済連携)のことでしょう。
 インドが参加を渋っているため、日本政府は中国がRCEPを牛耳るのを懸念し「インドが加盟しない以上、設立は合意されていない」との認識を打ち出しています。一方、中国に従順な韓国政府は「合意はなされた」と発表しています。

(4)の中韓軍事協力協定は11月17日、両国の国防相がバンコクで会談し「海・空軍の直通電話の改善などで合意した」と発表したことを指します。

「日本にはGSOMIA拒否、中国には軍事協定を求愛」(10月21日、韓国語)と書いた韓国日報を除き、韓国メディアは中韓の軍事接近をさほど大きく扱いませんでした。そのせいか日本でも、ほとんど報じられていません』
『より細かく説明すると、「韓国はGSOMIA破棄により中国側の国と認識された」→「その認識を払拭しないと同盟は崩壊するぞ」→「であるから、駐留経費の問題でも米国の言うことを聞け」というロジックです。

 これまで韓国は米国と日本に甘え続けてきた。「海洋勢力側にいてあげるのだから、これぐらいは聞いてくれ」とわがままを通してきた。

 しかし今や、米国はその手には乗らない。それどころか、GSOMIAで「同盟」を人質にした韓国の手法を逆手にとって「中国側に行きたければ行け。行くつもりがないなら言うことを聞け」と締め上げ始めたのです。

 米国の脅しには説得力があります。まず、同盟維持に関心が薄いトランプ(Donald Trump)大統領が登場したからです。この論文でも冒頭から「米中貿易戦争と韓国の中国傾斜に加え、トランプ大統領の実務的な同盟観が、予想外に早い米軍の朝鮮半島からの撤退を呼ぶぞ」とかましています。

 米軍のアジア専門家の中にも「共通の敵を失った米韓同盟はもう長くは持たない」と考える人が増えています。同盟はもう、妥協のテコにならないのです(『米韓同盟消滅』第1章第2節「『根腐れ』は20世紀末から始まっていた」参照)。』
『韓国がGSOMIAで決断を迫られた最後の日、11月22日にグアムから飛来した米国の爆撃機、B52が日本海を飛行しました。一部の空域では、航空自衛隊のF15が編隊を組みました。

 B52が朝鮮半島付近まで北上する際は、日韓の戦闘機が空域別にエスコートするのが普通でした。しかし、今回は韓国の戦闘機は出動しませんでした。

 これを報じた朝鮮日報の「GSOMIA最後の日、B52は日本の航空自衛隊の護衛を受け東海を飛行」(11月25日、韓国語版)は「韓米日の軍事協力体制が崩れても、米日協力には支障がないことを北朝鮮・中国・ロシアに示した」と解説しました。

 確かに、その狙いもあるでしょう。でも、アーミテージ・チャ論文を読むと「日米の軍事協力に支障がない」ことを一番見せつけたかった相手は、韓国ではないかと思うのです。』