5Gの話し(その11)

※ これまでの説明で分かる通り、現状5Gは、「絵に描いた餅」だ…。

この餅が「喰える餅」になるためには、目標とする大容量、超高速、超低遅延、移動性への追従…、なんてな「お題目」を実現するべく、実際の行動を積み重ねて行くより他は無い…。

世間の人々(オレも含めて)は、「絵に描いた餅」の話しを聞くと、または、それが示されると、「ああ…。オレもそういう餅を、喰ってみたいものだ…。」と思うだけのことだ…。

しかし、そう思っているだけでは、いつまで経っても、「餅」は喰えるようにはならない…。喰えるようになるためには、一歩一歩地道に、「実現」へと向けて進んで行くより他は無い…。

特にこの手の、「新技術」の実現の場合は、仮説の提起→実証実験(=データ取り)→それを受けての、新たな仮説の提案・提起→実証実験(データ取り)…、を何度も何度も繰り返して行く他は、無い…。

そういう取り組み・実験を、外部に発表したNTTドコモの資料に当たったんで、それを紹介する…。多分、2016年頃の資料だと思う…。『ドコモ、5Gへの取り組み・実験(.pdf) https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/tech/5g/docomo5G_openhouse2016.pdf 』

その前に、もう一度、5Gの「絵に描いた餅」の話しを、確認しておこう…。「絵に描いた餅」の話しは、何度聞いても心地よいものだからな…。

5 要素技術確立のための取り組み・実証実験(NTTドコモの取り組みの話し)

(1)5G電波伝搬(総論)

※ 「様々な環境における高周波数帯電波伝搬特性(伝搬損失特性、遅延特性、到来方向特性、人体遮蔽特性、粗面による影響の特性)」を、検討する…、と言っているな…。「粗面」とは、よく分からないが、表面がツルツルしていない、ザラザラの壁面なんかの「電波の反射・折れ曲がり特性」なんかを調べるんだろう…。

※ そして、その結果をもとに、「5Gシステム評価用チャネルモデルの提案を行う」と言っている…。まず、「5Gのシステム」にふさわしい「電波のチャネルモデル」を提案する前の段階で、「評価用のチャネルモデル」を構築・提案する…、と言う話しだ…。

この手の「新技術」の開発は、その目標とすることの実現のための「実証実験」を重ねて行くんだが、その「実験装置」自体が、まだ「存在しない」…。それどころか、対象である事象の「測定装置」すら「存在しない」…。だから、「測定装置」から「作って行く」「試作して行く」と言う話しだ…。この後も、延々と、そういうことの繰り返しなんで、よくよく噛みしめておいた方がいい…。

そうそう…。前に、「日本の場合、ギッシリと既存周波数帯が利用されていて、空き周波数帯を見つけるのに、難儀した…。」という話しをした…。しかし、それは、特に日本に特有のことでは無く、各国それぞれそういう状態に置かれていて、それぞれ自国の事情を申し述べて、採用周波数帯の決定に当たっては、すり合わせを行ったらしい…、と言う資料に当たったんで、紹介しておく…。

グリーンは、「良かろう」というもの、イエローは、「まあ、なんとか」と言うもの、レッドは、「ムリです」というもののようだ…。これを見ると、28GHz帯を採用したと言うことは、日米韓の市場を狙い、中国市場及びヨーロッパ市場は、「あきらめた」と言うことのようだな…。それぞれ攻略できる市場の規模も考慮して、採用周波数帯を決定して行った…、と言うことだろう…。

※ まず、タイム・スケジュールが示されている。大体、10年毎に「世代(G)」が進むらしいんで、「4G」が確定したすぐ後の2010年頃から、2020年に向けての「歩み」を始めたんだろう…。と言うよりも、「4G」の実証実験の中に、既に、「5G」に向けての「進歩・発展の芽」が、見い出せるものなんだろう…。技術的な「進歩・発展」とは、そう言うものなんだろう…。

上段で、実証実験の様子が紹介されている…。注目は、一番右で語られていることだ…。「高周波数帯の伝搬特性の高精度推定法の検討」と言っている…。実験装置を組んで、特性を示すデータを収集しても、どうも「高周波数帯」においては、その特性を把握することは、困難らしい…。わずかな「波の電界・磁界」の変化なんで、測定装置の精度の限界の問題もあるんだろう…(素人の推定だが…)。それで、「推定」する他無く、その推定を「高精度」なものにして行く…、と言う方向性で、取り組んだようだ…。

そういう「理論」や、それに基づく「取得データ」を示して、「標準化会議」に臨み、「要素技術の策定・確定」をリードして行く…、と言う話しのようだ…。

それで、「デファクト・スタンダード」となれれば、いいが、そうでなければ、投入したヒト・モノ・カネの資源と時間の、回収は覚束ない…、担当者の責任問題も発生する…、と言う話しだ…。大変なものだな…。