5Gの話し(その9)

4(1)要素技術の策定・標準化(使用する周波数帯の決定までの動向)

※ ここまで、5Gの目標を達成するための様々な要素技術の代表を検討してきた。それで、次は、そういう要素技術の提言・策定のために、各メーカーが試行錯誤し、様々な実証実験を行って来たことを、「NTTドコモ」の事例を中心に紹介しようと、思っていた…。

※ しかし、今日また、いろいろ調べていたら、「新世代モバイル通信システム委員会 技術検討作業班における検討状況」と言う総務省作成の資料に、当たった…。( http://www.soumu.go.jp/main_content/000538001.pdf )

ここには、5Gの目標実現のために、主に「利用する周波数帯」の決定に至る過程が、記述されていて、非常に参考になる…。そもそも、5Gの目標実現のためには、「要素技術」の検討どころか、その「利用する周波数帯」をどう決定するのか、の段階で悩まないとならなかったんだ…。それで、順番は前後するが、この資料の方から紹介する…。

※ まず、タイム・スケジュールは、こんな感じだった…。ITU(国際電気通信連合)と言う国際組織や、3GPP(日米欧中韓の標準化団体)が中心となって、プロジェクトを進めて行ったようだ…。「リリース」と言うのは、ある程度固まった「仕様」から、どんどん発表して行って、各国の対応を促して行ったんだろう…。

※ わが国の「電波の使用状況」は、こんなものだった…。既に、ギッシリ使用されてしまっていて、新たに利用できる周波数帯は、見当たらないような状況にも見える…。近年は、「自動運転」とか、「安全運転支援」とかで、自動車ですらミリ波のレーダーを使ったりしているからな…。

※ ピンクの破線と薄いピンクの部分が、「利用できる可能性があるのでは…。」とされた帯域のようだ…。

※ 3.7GHz帯と、4.5GHz帯において、共用ができないか、検討したようだ…。ここでは、「電気通信業務(固定衛星から地球に、電波を送信して利用している)」や、隣接帯域では、「航空機電波高度計」や「5GHz無線アクセスシステム」( 『この5GHz帯無線アクセスシステムは、都市部に加えてルーラル地域におけるインターネットサービスのインフラとして、特に離島や山間部など有線方式が困難であった地域において、本システムを利活用することにより、光ファイバー等の敷設費用に比べ、ユーザーあたりのコストを抑えたインターネットアクセスが可能となることから、電気通信事業者の使用に限らず、地方公共団体等による地域ごとに特色のあるサービスへの利活用が期待されています。』と言うことらしい…)がある…。近接周波数帯域では、どうしても、電波の「干渉」が生じてしまう…。「航空機電波高度計」に干渉が生じては、マズいだろう…。

※ 「Cバンド固定衛星業務」って、スカパーとかの「通信衛星」を利用したサービスなんかのことかな? 別に、コンテンツ配信に限らず、国際中継画像の送信なんかにも、利用されているものだな…。「国内免許の地球局は56局」もあるのか…。

どうも違うようだ…。大体、オレの認識ではWOWOWは衛星放送、スカパーは通信衛星放送、スターチャンネルも通信衛星放送…、というものだったんだが、いつの間にか、全部「衛星放送」になっていたようだ…( スター・チャンネル https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB#BS/%E6%9D%B1%E7%B5%8C110%E5%BA%A6CS%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E6%94%BE%E9%80%81%E3%81%AE%E7%B5%8C%E7%B7%AF )。

そうすると、「 Cバンド固定衛星業務 」ってなんだろう…。「ケーブルテレビ」の通信衛星版みたいなことをやっている業者なのか…。

※ 国内免許の電波高度計は1,100局もあり、5GHz帯無線アクセス登録局に至っては、12,017局もあるんだな…。

※ 固定無線アクセスシステムとは、『固定無線アクセスシステム(FWA:Fixed Wireless Access)は、オフィスや一般世帯と電気通信事業者の交換局や中継系回線との間を直接接続して利用する無線システムです。地域通信市場の競争促進、インターネットの利用拡大等大容量通信ニーズへの対応という点で展開が期待されています。電気通信事業者側の基地局と複数の利用者側の加入者局とを結ぶ1対多方向型(P-MP;Point to Multipoint)と、電気通信事業者側と利用者側とを1対1で結ぶ対向型(P-P;Point to point)があります。』と言うようなものらしい…。

※ こっちも、国内免許局は、6,150局もある…。

※ 筑波に、衛星間通信に関して、「筑波衛星間通信校正局」なるものがあることは、知らんかった…。正しいデータがやり取りされているのか、「チェック」でもするんだろうな…。

※ 前述のように、5Gの「多元接続」実現のためには、「ビームフォーミング技術」が必須となるが、これを実行すると、隣接の他システムに「干渉電力」が生じる…。しかも、ビームフォーミング技術においては、その電波の指向性が「動的に」変動するために、対処が難しい…、と言う話しになる…。そこで、5G基地局から発信・送信される電波を、統計的にモデル化して、「最大パターン」「平均パターン」「瞬時のパターン」などとデータ化し、それを提供することで、極力干渉を抑制してもらおう…、と言うような提言のようだ…。

※ これも、上記と似たような提言だ…。5Gの利用形態として、コンサートやスポーツ観戦において、多くの人が集まるようなところで、「多元接続」を実現することが、想定されている…。その時、例えば地方のコンサート会場やスタジアムなんかでは、恒久的な基地局ではなく、一時的な「移動基地局」を設置することなんかが、考えられている…。その時に、近隣の無線局にデータを提供して、極力電波干渉なんかの影響を、抑制してもらおうと言う話しだろう…。もう、そういう5G対応の移動基地局のようなものは、開発されている…。

ちょっと、頼りない感じだが、支柱を傾けて、台車を転がして、数人がかりで移動させるんだろう…。あるいは、移動の時はパーツを取り外しておいて、大体位置が決まったら、各パーツを組み付けるのか…(「ドコモが5G移動基地局、すぐに使いたい人へ」(2019年04月26日) https://newswitch.jp/p/17416 )。

こういう風に、共用のための技術や方策の策定の他方で、既存の無線局の人々に協力をお願いして、周波数帯の移動が実現できるものは、移動してもらう…、と言う話しになったようだ…。

※ 28GHz帯なんて、このくらいのボリュームだ…。「プラチナ・バンド」と言われているわけが分かるな…。

結局のところ、まとまって取れる空き周波数帯なんてものは無く、なんとか「共用技術」により、干渉を極力抑制しつつ、既存周波数帯との共用で行く…、と言う話しになったようだな…。(「5G実現に向けた進捗状況について(※ 平成30年総務省作成の資料)」 ( http://www.soumu.go.jp/main_content/000587659.pdf )