5Gの話し(その8)

4(4)要素技術その4(ビームフォーミングの話し)

※ ビームフォーミング技術について、語る…。この技術が、5G三大目標の一つ、「多元接続」のポイントとなる技術だからだ…。

※ 電波の「発生原理」が、上記のようなものだから、電波は電流が流れる導体を中心として、「同心円状」に伝わるのが原則のはずだ…。

こんな感じとか…

こんな感じとかのはずだ…。

※ しかし、こういうものだとすると、5Gの「多元接続」においては、少し具合が悪い…。この状態では、この同心円内にある端末は、全て同じ種類の電波を受け取る…、という話しになるからだ…。

※ 5Gの目標とする「多元接続」では、端末毎に違ったことをやれないと困る…。あるユーザーは、高速で大容量の「データ」をダウンロードしたいし、あるユーザーは、スポーツ観戦における360°映像を、リアルタイムで視たいし、あるユーザーは、双方向でRPGがやりたい…。そういう多種多様な、接続形態を実現して行こうとするのが、5Gにおける「多元接続」だ…。

※ こういう図を見ると、素人は、「送信する際に、何らかの仕掛けを施して、電波の送信の方向を曲げたり、何層もの電波を発信したりするんだろうな…。」と思ってしまうが、どうもそうでは無いようだ…。

上記は、5G実現のためにドコモが行った実証実験について、ドコモが外部に発表した資料だ…(後で、また、まとめて取り上げる)。上段右を見てほしい…。4Gのパケットを、組み立て直して変更しているだろう。前に語ったが、デジタル方式においては、デジタルデータの切り出し・結合は、自由にできるんだ…。だから、空間中に存在する電波のデジタル信号から、何を取り出して、どういう風に結合するのかは、その端末の自由…、と言うことになる…。

「図4送信ストリームとビームフォーミング効果」の図では、セル(基地局)からの距離の遠近により、4層のビームの内のどれかを選択しているイラストになっている…。しかし、別に送信側で「層状」になるように電波を発信しているわけでも無く、その電波が届く範囲内の「端末」が、自分で「デジタル信号」を「切り出し」、自分が必要とするものを選択・決定し「結合」して、利用している…、と言う話しだ…。

そういうことを、実現する基盤となっているのが、「MIMO」と言うことになる…。

「MIMO」とは、定義的には、

MIMO
 ※ 『MIMO (multiple-input and multiple-output、マイモ)とは、無線通信において、送信機と受信機の双方で複数のアンテナを使い、通信品質を向上させることをいう。スマートアンテナ技術の一つ。なお、”input” および “output” との言い方はアンテナを装備した機器を基準とするのではなく、信号を伝送する無線伝送路を基準としている(伝送路から見て入力となる送信側が “input”、伝送路から見て出力となる受信側が “output” となる)。
帯域幅や送信出力を強化しなくともデータのスループットやリンクできる距離を劇的に改善するということで、無線通信業界で注目されているテクノロジーである。周波数帯域の利用効率が高く(帯域幅1ヘルツ当たりのビットレートが高くなる)、リンクの信頼性または多様性を高めている(フェージングを低減)。以上からMIMOは、IEEE 802.11n (Wifi)、4G、3GPP Long Term Evolution、WiMAX、HSPA+といった最近の無線通信規格の重要な一部となっている。』と言うようなものだ…。
https://ja.wikipedia.org/wiki/MIMO

要するに、送信側・受信側ともに、複数のアンテナを使用し、複数の電波の中から必要なものを、切り出したり、結合したりして、結果として、「複数の層状の電波」や「複数のビーム状」の電波を受信したと同じような状況を作り出す技術 (その意味では、「電波の仮想化」の一つ)…、と言うことのようだ…。

なにしろ、送信側のアンテナは、パネルになっており、1024個もの送信端子を備えている…。原理的には、1024もの「電波」を発信できる…、という話しになるはずだ…。もちろん、現実には「干渉」や、「遮蔽」と言った問題があるし(天候にも左右されるという話しだ…。雨だと、あまり遠くまでは、飛ばないらしい…)、地形やビルの配置なんかによっても、影響されて来る話しだろう…。

しかし、空間中に複数個存在する電波から、必要なものを選択して、自分が必要とするものを「切り出し」自在に「結合して」利用すればいい…、と言う話しになる…。

そうやって、「多元接続」を実現して行こう…、という話しだ…。