5Gの話し(その6)

4(2)要素技術その3(多素子アンテナの話しなど)

※ 前述のMIMOの話しなんかからも分かる通り、「送信装置としてのアンテナ」を考えた場合、「送信部分」が多くあった方が、何かと都合がいい…。それで開発されたのが、「多素子アンテナ」というものだ…。

上記イラストから分かるように、4Gまでの棒状のアンテナは、送信部分が1柱あたりせいぜい2個の送信部分があったものを、5G対応アンテナは、なんと256個も送信部分を増やしてしまった…。形状も「棒状」「柱状」では無く、「パネル」形状になっている…。

こういう感じで「壁掛けパネル」みたいなものにすると、ビルの壁面なんかに取り付けることが、可能となる…。上段の黒い四角の中には、送信素子が8×8=64個形成されているから、このパネル1枚で、64×4×4=1024個の送信部分がある…、と言う話しになるわけだ…。

その電波の発生させる部分(送信部分)を、拡大して4Gと5Gで比較したのが、この図だ。

さらに、使う電波の周波数も、4Gが20MHzだったのに対し、5Gは500~800MHzの高周波帯をも使う…。電波の周波数は、波の山と谷の数でもあるから、周波数が高くなればなるほど、細かい波となり、より多くの山と谷を送り出し、伝搬させることができる…。それだけ、送信できる「1」と「0」の数も、多くなるわけだ…。

4Gと5Gとで、使う周波数帯を比較したものが上記の図だ。5Gでは、「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯の電波も、使用する…。ちょっと前に、各携帯キャリアに割り当てられた話しがニュースにもなったから、記憶している人もいるだろう…。

ただし、こういう高周波の「ミリ波」になると、弱点も抱えてしまう。それは、「曲がらない」「物に遮られ易い」「遮蔽物の後ろに、回り込まない」と言う弱点だ…。そういう弱点を、補うべく様々の方策が考えられている。

5G基地局からのミリ波が、高層ビル等で遮蔽される場合、中継基地を設置し、そこを中継して伝送しようと言うものだ…。

※ いずれ当分の間は、4Gの基地局と5Gの基地局が、4G関係の既存の設備と5G対応の新設の設備が混在する…、という状態が続くことになると思われる。

※ 発信・送信される電波も、4Gのものと、5Gのものが混在する形になると、思われる…。そこで、端末やネットワーク網の構築過程も、そういう「混在」を前提とするもの、「混在」を包摂して行くものの方がいい、と言う話しになる…。

上記は、「ドコモ」がどういう風に5Gに対応しようとしているのかの「コンセプト」を表すものだ。LTEは、既存の4Gの方式だ。eLTEとは、「拡大LTE」と言うことだろう。RATはRadio Access Technology のようだ。前に、FDMAのところで、ある波の中に、別の波の「部分」を埋め込んで伝送し、受信する際に「取り出して」「結合する」ということを語ったが、ここでも、既存のLTEの波の中に、新しい5Gの波の部分を埋め込んで伝送する…、というようなことを考えているんだろう…。

ドコモとしての5Gの定義とコンセプト( https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/tech/5g/5g01/03/ )

C/U分離は、新出なんで、ちょっと語っておく( 5G要求条件を満たす通信技術実現に向けた研究開発 https://www.fujitsu.com/jp/group/mtc/technology/trend/g5-requirements/ )。

これまで、話しを簡単にするために、単純に「波」と言ってきたが、その中には「制御信号(C-plane)」と、「ユーザーデータ信号(U-plane)」が入っていた…。「制御信号」が接続と切断を繰り返すと、ブツブツ信号が途切れて、具合が悪いんで、それぞれの「セル」で得意な方を、担当させようというアイディアだ。

上記は、ドコモの「5Gの展開イメージ」だ。最初は、都市部のごく限定された場所(東京2020の競技会場近辺なんか)の設備(基地局)を5G対応の新規設備に置き換える。そして、徐々に、その周辺部のエリアに新規設備を広げて行き、さらには、そこに隣接する郊外部へと新規設備を広げて行く…。

そうやって、あの手この手を繰り出して、既存の設備も上手に活用しながら、ジワジワと5G対応エリアを、広げて行きましょうね…、そういう話しだよ…。