「おおすみ」とLCACについて(その2)

※ 引き続き、「おおすみ」について、見てみよう。今度は、その内部の収容空間だ。

※ 極力、隊員の居住空間は切り詰めて、最大限、戦闘車両やLCACや戦闘要員を積み込む空間を確保する、という仕様になっているようだな…。

※ そして、船腹に収容していたLCACを発進させ、一気に戦闘要員及び戦闘車両を、揚陸する…。そういう役目の「輸送艦」だ…。

※ どれだけの戦闘要員・戦闘車両を、輸送・揚陸できるのかと言うと… 、

能力
輸送揚陸機能
最上甲板(第1甲板:露天)前半部(搭載面積 約1,200 m2)のほか、艦体内の第4甲板にも長さ100m×幅13mの車両甲板(搭載面積 約1,000 m2)が設けられており、車両は艦体両舷の高さ7.6m×幅5mのサイドランプから車両甲板に直接出入りする。第1甲板と第4甲板の間の車両上げ下ろしには、第4甲板の車両甲板前端エレベーター(力量20トン, 長さ14m×幅6m)と艦橋構造物後方エレベーター(力量15トン)を使用する。収容能力は下表のとおり。なお戦車は第4甲板にのみ搭載可能である。また戦車を搭載した場合、第4甲板へのトラックの収容能力は減少する。
収容能力
陸自隊員
330名
大型トラック
第1甲板
38台
第4甲板
27台
90式戦車
18輌
第4甲板の車両甲板は、前部エレベータの前方部分を除く大部分で2甲板分の高さを確保しており、その上の第2甲板はギャラリー・デッキを形成している。第2・3甲板には、乗員用居住区とは別に、数区画に分けられた陸自隊員用の居住区が設けられており、1隻で完全武装した陸自隊員330名戦車などが相当する中隊戦闘群を輸送できる。第1輸送隊に所属する3隻の全力なら隊員約2,000名戦車1個中隊特科1個大隊などの普通科連隊戦闘団(RCT)半個の輸送が可能となる。また、被災者など民間人を輸送する際には、車両甲板などのその他スペースも活用して、最大で1,000名を収容できる。』と言うものだ。

※ 別に、戦闘要員・戦闘車両のみを輸送・揚陸するだけではない。災害時にも、活躍する。船腹に、たっぷりと支援物資・支援車両を収容できるからな…。

有事以外の軍事作戦
おおすみ型は、その多用途能力を活かして、自衛隊海外派遣や災害派遣などの戦争以外の軍事作戦にも利用される。

「おおすみ」が1999年(平成11年)9月、トルコ北西部地震の被災者救援のため、補給艦「ときわ」、掃海母艦「ぶんご」を伴い仮設住宅、テント、毛布等をイスタンブールに輸送した時には、歴史的に大国ロシアの圧力を常に感じていた同国民は「バルチック艦隊を破った日本海軍の末裔が我々の救助に来た」と歓迎したという。

また2002年(平成14年)には、東ティモールへPKO部隊を輸送した。2004年(平成16年)にはイラク復興支援法に基づき、陸上自衛隊がイラクで使用する軽装甲機動車や給水車など車両70台を護衛艦「むらさめ」による護衛の下で輸送している。
「しもきた」はテロ対策特別措置法に基づき、タイ王国陸軍工兵部隊と建設用重機をアフガニスタン近縁のインド洋沿岸へ輸送しており、「くにさき」も、2004年末に発生したスマトラ沖地震被災地への人道援助活動の為、国際緊急援助隊派遣法に基づき護衛艦「くらま」、補給艦「ときわ」とともに派遣された。援助物資のほか、CH-47JA 3機、UH-60JA 2機を輸送し、海上基地としても利用された。

東日本大震災に対する災害派遣においても、その輸送・揚陸能力を活かして出動している。艦が直接接岸しての物資陸揚げのほか、港湾施設が使用不能となった地域ではLCACによる揚陸も行われた。また車両甲板に入浴設備を設置しての入浴支援や健康調査など、多彩な支援活動が行われた。』まさに、大活躍だ…。

※ そして、もう一つの重要な機能は、上記スマトラ沖大地震の時に利用された、ヘリを発着艦させての、海上基地としての役割だ。ただし、…

※ 『航空運用機能
ヘリコプター用の格納庫やエレベーターはなく、固有の搭載機は持たない。必要に応じて陸上自衛隊の輸送ヘリコプターを搭載、運用するとされており、航行しながらヘリコプターを発着艦させる機動揚陸戦ではなく、漂泊ないし錨泊状態での海上作戦輸送方式が前提とされた。
ヘリコプター甲板には、CH-47輸送ヘリコプターの駐機スポット・発着スポット各1個が設定されている。甲板にはアメリカ海軍の航空母艦(ニミッツ級)や強襲揚陸艦(タラワ級、ワスプ級)、ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦と同じ滑り止め材(MS-440G)が施されている。前甲板の車両用エレベータ(力量20トン)は、H-60系ヘリコプターの揚降に対応しており、第4甲板の車両甲板を航空機格納庫として転用することができる。この場合、ローターブレードを全て取り外す必要があるため、エレベータでの揚降状態と飛行可能状態との間の転換には相当の時間を要する。スマトラ沖地震被災地への人道援助活動のため、3番艦「くにさき」が陸上自衛隊のヘリコプター5機を搭載し派遣された際には、UH-60JAは、ブレードをはずして第4甲板の車両甲板に収容されたものの、CH-47JAは防錆シート等梱包されて上甲板に搭載された。航空機整備能力は持たないため、UH-60JAの整備はしらね型ヘリコプター搭載護衛艦「くらま」で行い、陸上自衛隊のCH-47については、派遣期間中、点検以外の整備はできなかった。
1番艦「おおすみ」には、外洋航海やヘリ離着艦時の安定性を向上させるフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)が、政治的判断から装備されず、2番艦からの装備となった。後に、平成18年度防衛庁予算において、国際緊急援助活動に対応するための大型輸送艦の改修費としてスタビライザー取り付け改修費用が予算化され、同時に航空燃料の容量も増大される。就役当初にはなかった戦術航法システム(TACAN)も搭載された。
2013年(平成25年)6月14日に実施された日米共同演習「ドーン・ブリッツ13」において、アメリカ海兵隊のMV-22Bオスプレイが「しもきた」に着艦している。また平成26年(2014年)度以降、オスプレイの運用に対応した改修が計画されている。』

※ まさに、日本国における「大人の事情」が、満載だ…。スマトラ沖大地震の時は、災害救援用のヘリを、ブルーシートみたいなもので、くるんで上甲板に乗っけて、インドネシアの被災地まで運んだんだぞ…。

※ まあ、最近では、やっと、オスプレイの発着艦も、認められるようになったようだが…。