シーパワーとしてのロシアは、北極圏を目指すのか…

 ロシアが、北極圏で軍事活動を活発化させている…、という話しがある。
 例えば、こんな記事だ。

 『温暖化で北極圏の領土争いが過熱:カナダとロシアの小競り合いも』
https://wired.jp/2009/03/30/%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%A7%E5%8C%97%E6%A5%B5%E5%9C%8F%E3%81%AE%E9%A0%98%E5%9C%9F%E4%BA%89%E3%81%84%E3%81%8C%E9%81%8E%E7%86%B1%EF%BC%9A%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80%E3%81%A8%E3%83%AD%E3%82%B7/

 一部を紹介すると、『『[2007年9月には、カナダの北岸に沿って、ヨーロッパからアジアへ直接向かう航路を遮る氷が有史以来初めて無くなった(日本語版記事)。この北西航路で、例えば欧州と日本を結ぶ距離は従来よりも40%も短くなるとされ、世界の海運や物流が大きく変わるとみられている。また北極圏には、世界の天然ガスや石油の未確認埋蔵量の約4分の1が眠っているとされ、ロシアの半官半民企業ガスプロムがガス田の開発を行なっている。ロシアは2007年8月、北極点海底にチタン製の国旗を立てるというパフォーマンスも行なった]』

 温暖化で、夏の間は北極圏の氷が無くなって、航路を開通することが可能となった。さらに、北極圏には、エネルギー資源も埋蔵している…、という話しだ。
 それで、その航路の権益と、エネルギー資源の権益を狙って、各国が争い始めていて、ロシアも積極的に参入している…、という話しだ。

 それで、こんな記事にも、お目にかかった。

 『〔ロシアが北極の軍事基地映像を公開 膨大な資源、権益確保に軍備強化〕』
 『 ロシア国防省は17日までに、北極海の島に新設した軍事基地の映像を公開した。兵士約150人が暮らす「北緯80度以北で世界唯一の大規模建築物」としており、ロシア国旗と同じ赤、白、青に塗られた“宇宙基地”のような外観が目を引く。
地球温暖化で海氷面積が減る中、ロシアは膨大な資源が眠る北極海で権益を確保しようと、軍備増強に力を入れている。』
https://www.sankei.com/world/news/170418/wor1704180017-n1.html

公開された軍事基地(※ 画像は、上記サイトからお借りした)

ロシア、北極圏、軍事基地_s

 そもそもの、ロシア海軍の配備状況は、こんな感じだ。

ロシア軍の配置_s

 NATOと対峙しているはずの、バルト艦隊は、カリーニングラードって場所を根拠地にしている。ここは、バルト三国の一つのリトアニアと、ポーランドに囲まれた、ロシアの飛び地だ。なんで、そんな飛び地になったのか…のいきさつについては、二次大戦末期の独ソ戦が関係している。詳しくは、Wikiを見といてくれ。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%89

 ここは、独ソ戦の前は、ドイツ帝国の領土だった。

ドイツ帝国のマップを、貼っておく。

ドイツ帝国、マップ_s

 東端が、現カリーニングラード(旧名:ケーニヒスベルグ)があった地域だ。

 次に、北極圏のロシア軍基地配置のマップを、貼っておく。

北極のロシア軍基地_s

 上記サンケイの写真は、フランツヨーゼフ島に置かれたもののようだ。

 次に、このサイトで、北極圏の軍事基地に配備された兵器について、載せているので、その一部を紹介しておこう(画像は、ここからお借りした)。
https://jp.rbth.com/science/79693-hokkyokuken-ni-haibi-suru-heiki

ロシアが北極圏に配備する兵器

北極圏、配備兵器1_s

北極圏、配備兵器2_s

北極圏、配備兵器3_s

北極圏、配備兵器4_s

北極圏、配備兵器5_s

北極圏、配備兵器6編_2_s

 しかし、こういう活発な軍事行動は、周辺諸国の疑心暗鬼を生じさせる…。

 例えば、次のような反応だ。
『〔北極海をロシアから守れ イギリス軍が部隊を派遣〕』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11047.php
 『イギリスのギャビン・ウィリアムソン国防相は9月30日、ロシアの脅威に対抗するために北極に800人の部隊を派遣すると発表した。
 同日から始まった与党・保守党の党大会に先立ち、ウィリアムソンは英海軍と陸軍が今後10年にわたって、冬の期間中、ノルウェーに特殊部隊を配備するという新たな北極戦略を明らかにした。
 北極については複数の国が領有権を主張しているが、ロシアはお構いなく、旧ソ連時代に北極海に建設した軍事基地を復活させ軍隊を常駐させている。
 イギリスから派遣される特殊部隊はノルウェー軍のほか、アメリカとオランダの海軍とも協力して、ロシアの動きに対抗する構えだ。イギリスは、北大西洋でのロシア潜水艦の活動は「冷戦終結以降で最も活発になっている」との危機感を示す。
 「氷が解けて新たな航路が出現するのに伴い、北極地方の重要性も増す」と、ウィリアムソンはバーミンガムの党大会で語った。「ロシアは北極海の氷の下でますます多くの潜水艦を活動させ、北極に100を超える施設を建設するという野望を掲げ、北極地域の領有権を主張し、軍事拠点化を進めている。こうした脅威に対処するための備えが必要だ」』

 こうして、一方の軍事行動の拡大は、他方の軍事行動の拡大を招き、NATOも大演習を行う(「トライデント・ジャンクチャー18」)、というような流れになるわけだ…。