安倍さんの訪中、ここが注目点だ

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/090400171/?P=1

中国が国家戦略として打ち出してる一帯一路は、今様々に逆風が吹いている。
特に、米中摩擦による「人民元安・ドル高」による、債務を負った側の負担の増大は、押さえておいたほうがいいポイントだ。

「債務の罠」とか「100年遅れの帝国主義者」とか簡単に言われているが、この「債務」の中身が「何の通貨建てなのか」ということが、実は大問題だ。
おそらく、「ドル建て」なんだと思う。
「人民元」は、強力に中国人民銀行(中国の中央銀行)が統制しているから、市場で自由に調達する訳にいかない。
大体、中国人自身が、「人民元」の先行きに自信が持てず、中国企業と取り引きする時に、「人民元建てにしますか?」と水を向けても、「ドル建てにして欲しい。」という選択をすることが殆んどだ、って話しを聞いたことがある(ロイターの記事だったと思う)。
一時、人民元のSDR入りが話題になったが、「元の国際化」はまだまだなんだよ。
それで、今般FRBの利上げが近々なんじゃないか、という観測が浮上し、アルゼンチンの「ペソ」、トルコの「リラ」なんかが急落してるのは、知ってるだろう?
アメリカ国債(財務省証券)の利上げ → ドルの人気 → 為替相場におけるドルの上昇 → 逆に、ドル以外の通貨の下落…、という流れだ。
仮に、ドルが3%もドル高になった場合、ドル建ての債務を負ってる側は、金利が3%も上昇するに等しい…、って話しになる。
これで、今苦境に追い込まれているのがパキスタンだ。「中パ経済回廊(CPEC)」ってので、巨額の資金をつぎ込んで、グワダル港から中国向けのパイプラインなんか敷設工事中なんだよ(「ランド ・パワー」のところで、検討する予定だ)。
いつもの伝で、有利子のドル建て債務で、この秋にも償還期限の第一陣が来ることになっている。そこに、襲いかかるのが「ドル高」だ…。
パキスタンとしては、堪ったモンじゃない…。IMF(アメリカが、強力にコントロールしてる)に対しても、ポンペイオあたりに、「IMFは、援助しない可能性もある。」ってな発言をさせてるしな…。

こんな風に、目には見えないが「マネー」を巡って様々な暗闘が行われてるんだよ…。トランプにも、ちゃんとこういう「マネー」関係の軍師がいて、様々に進言してるはずだ(もちろん、習近平にも、そういう軍師がいるはずだ)。
『「食料の供給をコントロールする者は人々をコントロールする。エネルギーをコントロールする者は全大陸をコントロールする。マネーをコントロールする者は全世界をコントロールする」 ヘンリー・キッシンジャー』という言葉を、よくよく噛みしめておこうな…。

それで、そういう「マネー」を巡る暗闘中のさなか安倍さんは、訪中する訳だよ。「日中スワップ」締結(中国が、ドルを市場で調達できなくなった場合、準基軸通貨(一応、いつでもドルと交換できることになっている)たる「円」を「人民元」との交換に応じるという契約)の方向に行くのか…、が大注目だ。
当然、アメリカとのすり合わせの上でだ…。
アメリカが、これを承認するのかどうかも、大注目だ…。